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先住権 Native Title

ドキュメント内 JOGMEC…I†[…X…g…›…−…AŁ\‡P.pdf (ページ 88-93)

第 2 部 鉱業投資ガイド Investment Guide for Exploration and Mining

2 探鉱・採鉱の監督管理 Administration of Exploration and Mining

2.8 先住民土地アクセス、先住権、土地保有権

2.8.3 先住権 Native Title

Period)となり、探鉱開発に関する交渉を再開することは出来ない。但し、交渉が決裂して から 2 年後に、所管大臣の同意の下、先住民土地管理協会は交渉を再開することができる。

交渉が決裂して 5 年経てば探鉱権申請者は、先住民土地管理協会と交渉再開ができるが、こ の場合、申請者は 30 日以内に新たな申請書を先住民土地管理協会に提出する必要がある。

申請者は探鉱権の許可を得た後、さらに採掘権リースの申請を希望する場合は、先住民土地 権法による土地管理協会からの同意を得る必要はないが、同法 46 条に従い先住民土地管理 協会と鉱業協定(mining agreement)を結ばなければならない。

ステップ 3:鉱業法に従って探鉱権の許可または不許可を決定する。探鉱権許可の条件が 満たされているか否かによって所管大臣が決定する。

ば探鉱活動)の申請に対して、「協議権」(right to be consulted)、または意思決定に参加 する権利を与えられている。先住民は、先住権法によって、雇用や伝統保護等の機会を含め て、自らのコミュニティーの利益に関する交渉を行うことが出来るようになった。

先住権法はまた、先住権申請者及び先住権保有者の代表組織の承認、運営のための枠組み も確立した。連邦政府は、先住権法に従って、先住権問題を解決するため資金的支援を行っ ている。こうした資金的支援を受けている例として、先住権代表組織、連邦先住権調停機関

(National Native Title Tribunal:NNTT)、オーストラリア連邦裁判所などがある。

2.8.3.1 先住権が存在可能な土地 Land Where Native Title May Exist

連邦法先住権法 1993 年「Native Title Act 1993(NTA)」では、先住権は以下の場合に存 在するとしている。

1.先住民やトレス海峡島嶼民によって、伝統的な掟や習慣の下で、権利、利害関係が継続 的に認識、守られている場合

2.当該先住民やトレス海峡島嶼民が、伝統的な掟や習慣に基づき土地や水域との関係を継 続している場合

3.先住民の権利及び利害関係がオーストラリアのコモンローで認められている場合。

先住権は以下の土地に存在する可能性がある

• 未利用(未分配)の国有地;

• 森林及び海岸;

• 国立公園及び公的保護地;

• 一部の放牧リース地;

• 政府機関所有地;

• 先住民の所有地;

• その他の公用地及び国有地;

• 外洋、沿岸海域、砂洲、湖沼、河川、入江、湿地、その他私的保有されていない水域

2.8.3.2 先住権が消滅している土地 Land Where Native Title Has Been Extinguished 連邦最高裁は個人所有の土地、また、ほとんどのリース地において先住権が完全に消滅し ていると判断している。また連邦最高裁は、先住権は、非常に限定された場合にのみ存続す ることができるとの判断も行っている。先住権の申し立てができない土地は下記のとおりで ある。

• 私的保有地(一般家屋、個人所有の農業用地を含む)

• 先住民が保有する土地

• 居住用、商業用及びその他のリース地

• 政府が所有する公的道路、学校及び公共施設がある地域

先住権が消滅していない土地では、先住権保有者または先住権申請登録を完了している先 住民は、探鉱権、採掘権の認可等を含む事業活動に関して、事業実施者と「交渉する権利」

(Risht to Negociate)を保有している。つまり、事業者は先住権申請者あるいは保有者の 同意を得るための交渉をしなければならない。

先住権法では先住権申請者は、交渉権を行使するに先立って、先住権申請によるメリット を証明しなければならない。先住権法は、先住権保有者が開発事業を拒否する権限を認めて いない。

先住権法は、既存の鉱業ライセンスの対象区域、期間、権利に変更がない場合、ライセン スの更新を「交渉権」なしで許可する。先住権法は、事業者が、探鉱あるいは開発段階のど ちらかで、先住権関係者と交渉を行えばよいとする一回交渉プロセスを採用している。

一般的な先住権申請プロセスは以下に詳述するが、また付録の一覧表で要約してある。

交渉権とは

先住権法による交渉権とは、先住権の保護を目的と した法的権利である。交渉権は、政府が第三者に対 し、探鉱権や採掘検等の土地に関する権利の許可を 行おうとする時に、先住権に影響あるいは害を与え る可能性がある場合に行使される権利である。交渉 権は拒否権ではない。

前述のように、連邦政府は鉱業権及び開発法規を所管する全国的な権限をもたず、こうし た権限は、それぞれの州・準州政府が所管している。これに対して先住権法は、州・準州が 連邦の交渉権手続きに代わる独自の「代替手続き」を制定することを認めている。したがっ て州・準州政府は、鉱業権や鉱物生産における法的権限を保有しているが、先住権について は、独自の代替規程を連邦先住権法に従って策定することとなった。

当初は土地へのアクセス許可の申請手続きがなかなか進展せず不安定な状態が続いたが、

数年前から、そのような場合には、資源開発事業者とそれぞれの州政府が、現在の法的枠組 みの中で建設的に協力して、関係グループすべてが利益を得られるように、土地へのアクセ ス問題や先住権保有者の代表組織や先住権申請者グループとの問題解決をするよう努める こととなっている。特に今日では先住権保有者あるいは先住権申請者と当該土地へのアクセ スを望んでいる者との間で交渉による取り決め、つまり先住民土地使用協定(Indigenous Land Use Agreement:ILUA)を締結することが焦点になっている。ILUA は、先住権法のメ

カニズムを補い、先住権対象土地へのアクセス申請を許可するために利用されることが一般 的になっている。

2.8.3.3 連邦先住権制度 Commonwealth Native Title Scheme

先住権プロセスは、鉱業に関連した探鉱開発権の申請等の行為によって引き起こされるが、

常に先住権に関するプロセスが必要となるわけではない。先住権に関するプロセスは、先住 権保有者が、特定の地域に対し彼らの先住権の主張を行うことを決定した結果によって発生 するものである。しかし現在開発プロジェクトが行われている多くの場所では、先住権に関 するプロセスが必要となることが多い。ここでは、まず、先住権確定のプロセスについて概 説し、次に探鉱開発権等の特別なケースがどのように扱われるかについて述べる。

ほとんどの州・準州では、連邦先住権体系とほぼ同一の先住権体系を適用しているが、例 外として、VIC 州、NSW 州及び TAS 州においては、簡略手続き(expedited process)が適用さ れていない。

先住権確定のためのプロセス「先住権申請審査」

Native Title Determination Process “Registration Test”

ファイリング(Filing):先住権申請のファイリングは、先住権申請団体の存在する州の州 都にある豪州連邦裁判所(Federal Court)にて行われなければならない43。SA 州では、高 等裁判所(Supreme Court)も先住権申請のファイリングを行っている。ファイリングが行 われると、裁判所は、まず申請内容が適切かつ正確であるかどうかの確認を行う。

申請(Registration):NNTT が申請の審査(registration test)を行うが、審査に合格し たということは当該地域において先住権が存在するということではなく、裁判所が、先住権 法が適用される可能性があるため検討期間を要すると判断していることを意味する。審査に 合格した申請は、先住権申請登録(the Register of Native Title Claims)が行われ、先 住権申請者は、交渉権(Right to Negotiate)を含む交渉過程における権利を付与される。

審査に合格しなかった申請は、先住権申請権は保持できるが、交渉権はないことになる。も し NNTT が先住権申請を受け付けなかった場合、申請者は、豪州連邦裁判所に NNTT の決断が 正しいかどうかについての再審理を要求できる。

第 29 条公告(Notification):NNTT は、先住権法第 29 条に基づき、先住権申請がされたこ とを公告する。この公告は第 29 条公告(Section29)と呼ばれる。公告の中で、先住権の確定 によって利害関係に影響があると推定される全ての個人、法人、各州・準州政府に対し、調 停(mediation)への参加者となる届出を裁判所に対して行うことを呼びかける。この届出 は公告から 3 月以内に行う必要がある。

裁判所は、調停への参加届出人からの申請を受理し、届出人が参加者となることができる

43 http://www.nntt.gov.au/applications/apply.html

かどうかの決定を行う。このプロセスは、通常、先住権申請者とその他の利害関係者(並び にその法的代理人)による指示公聴会(directions hearing)によって行われる。指示公聴 会では、裁判官は、参加者リストを作成し、必要に応じて申請書内容について NNTT に通知 する。NNTT による調停が成功した場合、合意事項は裁判所に通知される。これに基づき裁 判所は、先住権の合意事項に沿って先住権の確定を行う。調停に失敗した場合、NNTT はそ の内容を裁判所に報告する。これに基づき裁判所は、さらなる調停を行うか、裁判で審理す るか、先住権を確定するかの判断を行う。

探鉱開発権の申請 Mining/Exploration Application

公告:州・準州の所管官庁は、計画されている開発事業の権利を許可する予定があるとこ とを公告する。州・準州によっては、鉱区権申請者が申請内容を、官報(Government Gazette)

やアボリジニの新聞等に掲載することを義務付けている場合もある。(各州の各コスト及び 必須事項について列挙した表参照)

公告において、所管官庁は、該当事業に対して簡略プロセス(Fast-tracking)を適用す る予定であるか否かについても言及する必要がある。先住民が対象地域において先住権を保 有していない場合、彼らは連邦裁判所に対して 3 月間以内に先住権申請を行う必要がある。

申請は、前述の先住権申請に対する審査に合格しなければならない。

ファストトラッキング:後述の簡略プロセス(ファーストトラッキングプロセス)手続き 参照。

正式交渉(Formal Negotiation):簡略プロセスが適用されない場合、関係者は州・準州に よる交渉過程に参加しなければならない。関係者は NNTT または中立的であると合意された 組織に調停を行うよう要求することができる。SA 州では、中立的組織として環境資源開発 裁判所(ERD)が仲裁を行う。参加者が許可に必要な合意書を作成することができる場合、

合意事項を遵守することを条件に探鉱権は許可される。公告日から 6 月以内に合意に達しな い場合、すべての参加者は NNTT 又は中立組織が仲裁に入ることを要求することができる。

仲裁(Arbitration):仲裁機関は、仲裁の開始日から 6 ヶ月以内に、探鉱開発権を許可す る、条件付で許可する、あるいは許可しないかのいずれかの判断を行わなければならない。

連邦大臣は判断決定プロセスに対する干渉または異議申し立てを 2 ヶ月以内に行うことが できる。

先住土地使用合意(Indigenous Land Use Agreement:ILUA)

先住権法において、先住権保有者及び採掘申請者が合意すれば、時間とコストを節約でき る先住土地使用合意(ILUA)のプロセスに従って問題解決を図ることができる。ILUA プロ セスについては後述する。

ドキュメント内 JOGMEC…I†[…X…g…›…−…AŁ\‡P.pdf (ページ 88-93)