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通信システム

ドキュメント内 電気通信大学 (ページ 74-77)

第 5 章 20kHz 帯を用いた通信実験

5.2. FSKによる通信実験

5.2.2. 通信システム

FSK音響ディジタルデータ伝送システムは1995~1998年に開発した[22,55,56]。このシステムは,海

底或いは中層に長期間係留する海洋観測センサからのデータを転送するために試作した。

このシステムの主要目をTable5-1に,またシステムのブロックダイアグラムをFig.5-2に示す。このシ ステムは,複数のユニット間での通信を行うもので,通信の制御は「主局」(Master station)と呼ばれ るユニットが行い,その周囲に設置された「従局」(Slave station)と呼ばれるユニットからデータを受 信するものである。この従局は,複数をスター型に設置することができる。また,途中に従局を設置し,

これに中継させることにより遠距離の通信も可能とする。各ユニットは,同一のハードウェア・コンフィ ギュレーションとしている。主局は船上のコマンダからのコマンドにより起動し,従局は主局からの音 響コマンドにより起動する。システムはCPUに8086を使用し,オペレーティングシステム(OS:

Table.5-1. Principal specifications of a FSK acoustic digital data transmission system.

Modulation method FSK Center frequency 20 kHz Transmission rate 1,250 bps

Acoustic output power 1 – 20 W variable ( 0.5 W step)

Error correction CRC detection and frame re-transmission Source voltage DC ±12 V

Power consumption

Sleep: 0.13 W Receive: 5.6 W

Transmit: 44.1 W (when acoustic power is 20 W)

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Operating system)はROM-DOS,またアプリケーション・プログラムはPCMCIA (Personal computer memory card international association) メモリカードに格納されている。本装置は,20 kHz ±1.25 kHz の2つの周波数を使用するFSKにより,1,250 bpsの通信速度の伝送を実行する。

音響通信は,HDLCプロトコルに基づくパケット伝送プロトコルを使用することで実行される。各装 置には,独自のアドレスが設定してあり,このアドレスで伝送ルートを指定することによって,複数の 装置が同一の海域に設置できるようにしている。そして,複数のユニットをリンクしながら,リレー伝送 を実行することが可能となっている。通信は,船上に配置した「コマンダ」(Commander)と呼ばれる PC上のソフトウェアが制御する。オペレータがこの「コマンダ」からコマンドを入力し,全体の通信が 制御される。海中の音響通信は,「主局」(Master station)と呼ばれる1つのユニットが通信を制御する。

そして,このユニットから伝送されるコマンド信号により,他のユニットは応答を返す形になる。主局と の通信の相手方は「従局」(Slave station)と呼ばれる。 さらに,伝送距離を延伸するために,最大4 ユニットまでを音響信号により中継しながらデータを伝送することが可能となっている。中継伝送をす る場合,本システムでは,従局のうち,主局に近いものから「第1従局」(2nd station),「第2従局」(3rd station)と呼ぶことにする。

Fig.5-3は1回の接続の通信手順を示す。初めに船上のコマンダから主局に対して通信開始のコマ Acoustic Signal

<Master Station> <Slave Station>

RS-232C I/F (CPU)

Transducer

FSK modulator FSK demodulator Power Amp. Pre. Amp.

Battery

Wake up Observation equipment

Commander PC

Wake up

RS-232C I/F (CPU)

FSK modulator FSK demodulator

Pre. Amp. Power Amp.

Tx/Rx SW

Transducer

Battery Tx/Rx SW

Fig.5-2. Block diagram of the FSK acoustic digital data transmission system.

ンドを伝送する。このコマンドを受信すると,主局は”Wake up”コマンドを従局に向かって送信する。

この信号は20 kHzのトーン・バースト波から成る。そして,この信号を受信可能な従局は全て起動す る。次に,主局から「接続要求」(“Connection request”)コマンドを送る。このコマンドは接続が要求さ れる従局のアドレスを含んでいる。そして,従局側で自分が接続要求されている局であると判断した ら,「接続応答」(“Connection response”)を返す。そして,他の従局はスリープモードに移行する。こ の段階で通信チャンネルが固定される。そして,主局は「データ要求」(“Data request”)コマンドを発 行し,従局はその応答としてデータフレームの送信を開始する。規定のデータフレームを受けた後 に,主局は「受信完了」(“Finished receiving response”)応答を返す。最後に,従局は「切断要求」

(“Disconnection request”)を送信し,終局から「切断応答」(“Disconnection response”)コマンドが返さ れると,1つの通信が終了する。

伝送されるデータは,送信側(従局側)で予め設定されたサイズのフレームに分割される。そして,

それぞれのフレームには番号が付けられる。受信側(主局側)は,受信データが各フレーム内に誤り がないかどうかチェックする。誤りがあると判断された場合は,受信側は送信側に対して,このフレー

Master station

Slave station Wake up

Connection request Connection response Data request

Transmission start response Data frames

Finished receiving response Disconnection request Disconnection response

Fig.5-3. Communication sequence.

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ム番号を指定して,そのフレームの「再送」だけを要求する。このように,実行することにより,そのス ループットを向上させるようにしている。Fig.5-4で示されたHDLCプロトコルに基づくフレーム形式に 従って,各コマンドとデータ項目は構成されている。

本システムは電源にリチウム一次電池を用いる。バッテリパックは,±12V DCの電圧で,2.3 kWh の容量がある。パックの構成は,4直列14並列とし,計56本のDセルのリチウム電池からなる。またこ のバッテリパックは並列接続が可能な構成としており,係留期間,伝送データ量,データ伝送間隔等 に合わせて,電池容量を設定することを可能としている。さらに,電力消費を抑えるために,接続状 況により自動的に,音響送波出力を自動的に増減させる。この出力の1回の増減の量はワット数を 0.5 W単位で指定することができる。

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