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 2)郵便・電話の相談や,中退相談・カウンセリングで来室した中退者または    父母。中学校・高等学校の教師。

 3)質問紙調査(可能な限り中退者本人へのヒアリングも行う)。

 4)6類型(病気等による中退・学業不振による中退・家庭事情や経済的理由    による中退・問題行動による中退・進路変更による中退・不登校による中

   退)。

 5)a 6類型の中退群の結果説明(省略)。

   b各群にほぼ共通にいえることは,中学校における学習の適応が十分では     ない。高校中退の根底のところに,中学校における「学習適応」の問題     があることがかなり明確になった。

   c学習が「わからない」と回答している者が学習を投げているのではなく,

    実はわかりたい要望を持っていることがわかった。このことは中学校教     育が学習面で彼らにそった対応をしたならば,あるいは中退抑止になつ     たと予測できる。

   d中退者は教師との関わりが貧しいことが認められる。叱られることが多     く,誉められることが少ないということで教師に対する不満や口答えが     多い。中退者たちが全体として貧しい教師との人間関係にあったという     ことは,中学時代の教師と生徒の人間関係構築の大切さをあらためて提     出してくれている。

   e 中学時代の学習への適応や教師との関わりが不十分であっても,友達関     係に恵まれたり,クラブ活動等の生き甲斐があれば,中学生活は必ず暗     いものではない。どこかに生き甲斐があれば,それをステップにして高     校生活に多少の困難があっても乗り越えていく力となる。

 6)a被調査者の想起による記述のため,中学校時代の意識をリアルに記述で     きるが,一人ひとりの状況やその時の意識によって異なる。本調査を見     るに当たって,そうした視点を充分視野に入れる必要がある。こうした     調査が共通にもつ限界といえる。

   b 中退者の意識を特徴的に明らかにするには,非中退者にも同種の調査を     行い,比較することが良いと思われる。

   c本調査が直接,間接に調査者とのコンタクトのあった者であり,またカ     ウンセリングを続けた者もいる。その点がデータに反映している可能性     があることも考慮すべきである。

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表1−8

文献名 1)目的 2)調査対象 3)方法 4)中退類型 5)結果要約 6)課題 7.堀田千秋(1992) 「高校退学者の就業の実態と意識」

       一青年期の進路変更とキャリア形成に関する調査一       『日本労働研究機構調査研究報告書』Nα22  1)退学後の就業実態,職業選択の活動やこれに係わる退学者の意識を明らか    にすること,およびそこに内包される問題を検討すること。

 2)公立全日制高等学校の昭和63年度における退学者。

 3)質問紙調査。

 4)8類型(進路変更希望・学校生活がつまらない・授業についていけない・

   退学を勧められて・家庭の事情・経済的理由でやむなく・その他・不明)。

 5)a退学理由で,最も多いのは「学校がつまらない」約46%で,以下「進路     変更」 「授業についていけなくなった」 「退学を勧められて」と続く。

   b辞める際の相談相手で,最も多いのは「家族,親類」約72%で,以下      「友人,先輩」 「クラス担任」と続き,教師の相談率は4割満たない。

   c職探しを始めた時期は「退学した直後から」約37%が最も多く, 「退学     相しばらくしてから」を合わせると6割を越えている。

   d退学者の廃職選択活動において, 「学校や安定所などの公的ルートを利     用しての職探しを行っている者」は約10%にとどまっており,高校卒業     就職者の選択活動と異なっている。

   e退学後の2年間に,約7割の者が離職を経験しており,正社員就職者に     限っても,5割を越えている。

   f離職の回数は, 「1回」約40%と「2回」約31%をあわせて7割を占め     る。性差や初職の就業形態による差はない。

   g働いていない理由の複数回答の結果は, 「学校に通っている」約42%で     最も多く,以下「気に入った仕事が見つからない」 「他にやりたいことがあ     る」と続いている。

   h学校を辞めてから調査時点現在までを振り返ってみて,約43%の者が      「思い通りの道を歩んできたと思う」と肯定的に評価し,約27%の者が      「不本意な道を歩んできてしまった,と言う思いが強い」と否定的に評     価している。

   i退学したことについて「後悔している」者が約24%いる。理由で多いの     は,学歴社会の壁・世間の冷たさ,仕事がない,交友関係の問題である。

 6)a学校・教師がみる退学理由と退学者自身がみる退学理由との間に大きな     ずれがある。このずれを生み出す原因が退学の発生や退学後の閤題にど     のような影響を与えているのか,早急に検討する必要がある。

   b必ずしも積極的な理由で退学するのではない者や,退学後の見通しを持     っていない者など,退学前の援助・指導をより必要とする者の問で,教     師との相談比率が低いという傾向がみられた。改善を要する点である。

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表1−9

文献名 1)目的 2)調査対象 3)方法 4)中退類型 5)結果要約 6)課題 8.小林 剛(1993) 「高校中途退学者の追跡研究(2)」

      一中途退学者の中退後の意識変化と就労の周辺一       『福井大学教育学部紀要W』46,pp.33−51  1)複雑な中退の原因を捉え直し,中退後の就労状況を可能な限り詳しく把握

   する。

 2)中退相談や中退後カウンセリングを行った高校中退者。

 3)ヒアリング,質問紙調査。

 4)8類型(主に学力や勉強・主に先生との関係・問題を起こして・なんとな    くつまらなくて・学校よりも別な生き方をしたくて・不登校が原因で・病    気,怪我によって・家庭的,経済的理由で)。

 5)a 中退理由の分類を,生徒側の立場から考え8分類とした。その結果,特     徴的なこととして「先生との関係」と「なんとなくつまらなくて」があ     げられる。

   b 中退理由は様々であるが,そうした中退の背後には「学力問題」が共通     に内在している。今日の中退は, 「学力」を核にして構造化している。

   c 「中退して良かった」 「中退しなければ良かった」かは中退後の時間経     過で変化し,この変化の過程には,中退者のそれまでの生活が深く関わ     っている。そして,目本における学歴社会や学校信仰は健在であり,中     退者の行く先で,差別的待遇を受けている。中退者の手厚い社会的対応     が求められている。

   d 「自分から主体的に中退したのか」 「学校から中退させられた」のかで,

    その後の生活や安定に差が生れている。自ら中退を選んだ者は,不満を     持ちながらも,一応安定した生活をしている者が多いのに,学業不振や     非行などの問題行動で中退させられた中退者については,就学,就労も     せず不安定な生活をしている者が多い。

   e 中退者の就労現場は労働条件が必ずしも良くなく,不遇な場におかれて     いる。こうした冷たい目の背後には, 「日本の学歴社会」が深く根を張     っていることも見逃すことはできない。

   f就職した者の中で転職をした者について,転職の回数と「後悔」との間     には相関関係がある。この点については,転職が1〜2回の者が中退に     対する後悔が最も高く,3回以上になると,後悔は急減している。

   g 中退者は中退後でも,予想以上に就学意欲を持っており,およそ半分近     い中退者が,何らかの場で学習したいという意識がある。こうした意識     の裏には中退者が,日本の学歴社会や学校信仰の壁にぶつかっているこ     とを反映している。

 6)a ヒアリング調査の分析の方法,とりわけ数量化の信頼性に問題が残る。

   b膨大な中退者のメッセージをどのように整理していくかが課題である。

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2 研究目的および方法

 前章で述べたように,一般社会において,中退者あるいは中退傾向の生徒に対して,

何らかの問題のある生徒であろうという,否定的な印象を持つ傾向が強いことが推測 される。中退の理由や,中退者の特質が変化してきていること,そして中退の詳細な 把握がいまだ不十分であるにもかかわらず,中退についての捉え方はいっこうに変化

していない現状にある37。「中退」という結果だけで,心ない言動に敏感に影響を受け,

傷ついている者がいることを気づかない場合も少なくない。

 「中退」することは是なのか,それとも非なのかを問うた場合,必ずしも非だけに はならないと考える。中退者自身が,中退を人生における一つのステップと考え,今 後の人生を主体的に生きて行けるのであれば,中退することは,むしろ歓迎されるべ

きことである。

 しかし,行きたくもない学校に行かされ中退に至った生徒や,目標を持って行った 学校でうまくいかず中退した生徒,問題行動を起こし処分を受け中退した生徒はどう であろうか。彼らは,なぜ「中退」を選んだのであろうか。中退したという結果だけ を見て,責任の所在や原因も明確にされていないままに,彼らを評価してしまうとい

う捉え方は,改善されるべきではないだろうか。

 そのためにも,中退の実態の把握を中退者の側に立って,より詳細に分析すること が急務であると考える。

2.1 研究目的

 本研究のおもな目的は,高校中退者の中学時代および高校入学から現在に至るまで の,短期的なライフコースを分析することによって,中退を規定する要因の連関構造 を特定することにある。

 本研究では,中退者本人に直接インタヴューを実施し,中退者の中学校での進路選

 3770年代における,東京都・大阪府・岡山県教委などの調べによると「退学理由は,転居,非行,留 年と様々であるが,学習不振の生徒,いわゆる落ちとぼれによる退学者が多くなっている」としている。

つまり,退学することは落ちと}まれたことを意味しており,なぜ中退したのかという理由はどうあれ,

学習不振などの課題のある生徒という否定的な捉え方が一般的であったと考えられる。 (1978)『日本

教育年鑑1978年版』ぎょうせい,pp.80−81

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