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財政的枠組と実績

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第 2 章 インド政府の取組みと成果

2.1. 貧困削減に向けた政策的枠組

2.1.4. 財政的枠組と実績

(1)

財政的枠組

インドの財政は、中央政府、州政府、連邦直轄地域43

3

つに分かれて運営されている44。 表 2-19にて、インド政府全体の財政状況を見ると、経常収支レベルでは赤字となって おり、資本勘定の黒字で補填している。州政府の財政基盤は脆弱であり、ほとんどの州 が中央政府からの財政支援に依存した運営を行っている。

2-19

財政状況の推移

(単位:10億ルピー)

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 歳入(無償を含む) 2,339.81 2,805.36 2,982.97 3,276.02 3,655.58 4,132.33 4,735.27 5,088.55 歳出 2,320.53 2,681.80 2,980.53 3,255.92 3,623.10 4,132.48 4,713.68 5,057.91   経常支出 1,803.35 2,164.61 2,490.78 2,778.39 3,014.68 3,387.13 3,621.40 3,860.69   資本支出 517.18 517.19 489.75 477.53 608.42 745.35 1,092.28 1,197.22 経常収支 -464.49 -669.76 -675.96 -852.34 -1001.62 -1078.79 -982.62 -851.65 財政収支 889.38 1,133.47 1,047.16 1,188.16 1,409.55 1,450.72 1,232.72 1,392.31 財政収支の対GDP比(%) 5.8 6.5 5.4 5.7 6.2 5.9 4.5 4.5

(出所) Asian Development Bank (2005) “Key Indicators 2005”, www.adb.org/,(20063月現在) より作成

(注1) 歳入額は、連邦政府予算

(注2) 歳出には、国家少額貯蓄基金(NSSF: National Small Savings Fund)への返済(2002/03年度1376.6億ルピー、2003/04 年度4621.1億ルピー、2004/05年度3266.5億ルピーが含まれている。

(注3) 財政収支には予算勘定以外の項目は含まれない。

5

カ年計画の実施における財政負担をみると、第

9

5

カ年計画の

5

年間の全体の支出 実績では、中央政府

57

45、州政府

43

%である。各年度の中央政府と州政府の支出負担 を見ても、年度によって多少の増減があるが、中央政府が

54

59

%、州政府が

39

44

% となっている(表 2-20)。

表 2-20 第

9

5

カ年計画における予算配分(実績)

(単位:1000万ルピー)

中央政府 州政府 連邦直轄地域 合計 金額 (%) 金額 (%) 金額 (%) 金額 (%)

9 5 カ 年 計 画

1997-2002年)

489,361.0 57.0 369,839.0 43.0 n.a. n.a. 859,200.0 100.0 1997年度 70,861.4 54.6 56,223.9 43.3 2,671.9 2.1 129,757.3 100.0 1998年度 85,901.4 56.7 62,786.6 41.4 2,892.3 2.0 151,580.4 100.0 1999年度 87,297.4 54.4 70,027.0 43.6 3,283.9 2.0 160,608.2 100.0 2000年度 109,119.3 58.7 72,428.6 39.0 4,188.9 2.3 185,736.8 100.0 2001年度 104,403.8 56.0 76,838.7 41.2 5,072.7 2.7 186,315.2 100.0

43デリー、チャンディガル連邦直轄地、ダマン・ディウ連邦直轄地、ダドラ及びナガル・アベリ連邦直轄 地、ラクシャディープ連邦直轄地、アンダマン・ニコバル諸島連邦直轄地、ポンディシェリ連邦直轄地

6

つの連邦直轄地がある。

44

インドの会計年度は、4

1

日から翌年の

3

31

日まで。

45

連邦直轄地域の支出も含んでいると推定される。

(出所) Ministry of Finance (2006) “Economic Survey 2005-2006”, s-43, Table 2.9より作成

(2)

セクター別配分

9

5

カ年計画のセクター別支出配分の実績を見ると、エネルギー部門に約

26%と

最も大きな配分が行われており、次いで社会サービス部門に

21

%となっている。農村 貧困削減に最も関連する分野である、農業、農村開発、灌漑・洪水対策の

3

つの部門に 対しては

20

%が配分されている。

表 2-21 第

9

5

カ年計画のセクター別支出配分(実績)

(単位:1000万ルピー)

(出所) Ministry of Finance (2006) “Economic Survey 2005-2006”, s-43, Table 2.9より作成

(注) 1997〜2002年は第95カ年計画

2-22

を見ると、

5

カ年計画における州政府のセクター別支出配分では、第

5

次から

9

次計画まで一貫して一般サービス部門への支出が多く、第

9

次計画ではおよそ

39

% を占めている。一般サービス部門には、州政府の債務返済が含まれており、その割合が 高まっているのは州政府債務負担の増加によるものである。第

10

次計画では、そうし た州政府の債務返済負担が、インフラ整備や社会サービスへの投資の阻害要因となって いると指摘している。

表 2-22 5カ年計画におけるセクター別州政府支出の推移(対

GDP

比)

(単位:%)

5次計画 6次計画 7次計画 8次計画 9次計画

GDP

全体に 占める 割合

GDP

全体に 占める 割合

GDP

全体に 占める 割合

GDP

全体に 占める 割合

GDP

全体に 占める 割合 教育・保健 3.0 22.5 3.5 22.7 3.9 24.2 3.6 23.6 3.8 24.7 農業・産業 2.3 17.0 2.8 18.0 2.6 15.7 2.1 13.5 1.8 11.5 インフラ 2.8 20.9 2.9 18.7 3.0 18.7 2.8 17.9 2.3 15.2 その他社会・経

済サービス

1.4 10.8 1.8 11.6 1.8 11.3 1.6 10.6 1.6 10.1 一般サービス 3.8 28.8 4.5 29.0 4.9 30.1 5.3 34.5 5.9 38.5 合計 13.3 100.0 15.5 100.0 16.2 100.0 15.4 100.0 15.4 100.0

(出所) Planning Committee (2002) “Tenth Five Year Plan 2002-07”,Vol III, p.20, Table 2.9より作成

一般サービスを除いて、最もシェアが大きいのは教育・保健部門であり、全体で

22

25

%程度の支出が行われている。インフラへの支出シェアは低下傾向にあり、第

5

5

農業・農業関連 農村開発 特別地域 プログラム

灌漑・洪水対策 エネルギー 社会サービス

金額 金額 金額 金額 金額 金額 1997〜

  2002

42,462.0 4.9 74,686.0 8.7 3,649.0 0.4 55,420.0 6.5 222,375.0 25.9 183,273.0 21.3

1997年度 5,929.3 4.6 10,074.3 7.8 874.0 0.7 9,905.0 7.6 31,792.7 24.5 26,867.1 20.7 1998年度 7,698.2 5.1 10,985.5 7.2 1,183.8 0.8 10,813.7 7.1 35,572.4 23.5 38,737.9 25.6 1999年度 7,365.4 4.6 11,280.5 7.0 1,513.9 0.9 14,209.7 8.8 35,809.6 22.3 38,439.4 23.9 2000年度 7,576.9 4.1 9,852.4 5.3 1,045.5 0.6 13,529.1 7.3 40,893.4 22.0 40,919.5 22.0 2001年度 8,248.3 4.4 14,234.8 7.6 919.1 0.5 14,552.0 7.8 37,145.4 19.9 46,474.0 24.9

カ年計画

20.9

%から第

9

5

カ年計画

15.2

%に減少している。農業・産業への支出シェ アも第

7

5

カ年計画以降は減少傾向にあり、第

9

5

ヵ年計画では

11.5

%に留まって いる。このことから、州政府の予算配分は、基礎サービスおよび社会政策に重点を置い たものとなっていることが分る。基礎サービスの向上や社会政策は、州議会選挙の焦点 となる傾向が強いことから、各州政府の予算配分にも影響を及ぼしているものと推察さ れる。

農村給水および衛生に対する予算額は増加傾向にある(表

2-23

)。農村給水については、

第一義的な責任は州政府が負っており、資本コストおよび大部分の経常コストは州政府 の無償資金によって賄われている。マルチ村落スキームや地域スキームについても、州 政府は州行政機関に対し設計・監理費用の

12〜18%を払い戻している。また、地方分

権化に合わせて、県レベルの

Zila Parishad

エンジニアリング局や、場合によっては

Gram

Panchayat

レベルに、設備投資の負担を行わせている。他方、中央政府と州政府の予算

負担の割合を見ると、中央政府による負担の割合が増加し

47

%に達し、州政府の負担 率とほぼ均衡している。

表 2-23 農村水・衛生関連プログラムへの予算配分

(単位:百万ルピー)

85カ年計画

(1992-97年)

95カ年計画

(1997-2002年)

105カ年計画

(2002-2007年)

ARWSP 42,300 82,360 105,960

Sector Reform Project 0 3,280 910

Swajadhara 0 0 25,580

MNP/State Contibution 119,505 119,505 158,940

衛生

CRSP 2,319 3,057

TSC 0 2,793

MNP(State) 5,079 5,420

9,550

投資額

中央政府合計 44,619 91,490 142,000

州政府合計 124,585 124,925 158,940

合計 169,203 216,415 300,940

(出所) World Bank (2006) “India: Water Supply and Sanitation”, p.16, Table 4より作成

(3)

貧困削減関連支出

インド政府は、各

5

カ年計画の中間評価を行なっているが、貧困削減関連支出のみをま とめたデータはなく、それぞれの貧困削減プログラムについて、所管する省からのデー タに基づいて支出額を取りまとめているのみである。また、貧困削減関連プログラムの 実施は、中央政府予算のみではなく、ほとんどのプログラムで

25

50

%を州政府の財 源により負担することとされているが、州政府の貧困削減関連支出の実績についても、

中間評価では示されていない。

2-24

は、主要な貧困削減プログラムである

TPDS

の実施に対する中央政府による食

糧補助金支出の実績を示したものである。中央政府による食糧補助金支出の政府支出全 体に占める割合は、

TPDS

が導入されて以降、年々低下しており、

2000/01

年度は

2.39

% となっているが、

810

億ルピーが支出されており、貧困削減関連プログラムのなかでは 大きな予算配分が行われている。

表 2-24 中央政府による食糧補助金支出

(単位:1000万ルピー)

1997/98 1998/99 1999/2000 2000/01

食糧補助金額 7,500 8,700 9,200 8,100

政府支出に占める割合(%) 3.23 3.11 3.03 2.39

(出所) Planning Commission, “Mid-term Appraisal of the Ninth Five Year Plan (1997-2002)”, p.236, Table-1より作成

2-25

は、主要な農村貧困削減プログラム46への中央政府の予算と実績を示したもの

である。

2003/04

年度の予算執行状況は、いずれのプログラムも使用可能額の

85

%を上

回っている。貧困層に雇用機会と食糧を提供するスキームである

SGRY

に最も大きな予 算配分が行われており、

2002/03

年度

499

億ルピー、

2003/04

年度

589

億ルピーが支出さ れた。農村貧困層に住宅を供給するスキームである

IAY

に対しては

258

277

億ルピー、

貧困層の生計活動支援を行う

SGSY

に対しては

100

億ルピー前後の支出が行われた。

表 2-25 農村貧困削減プログラムへの中央政府支出

(単位:1000万ルピー)

2002/03 2003/04

使用可能額

(a)

支出額 (b)

支出率(%)

(c)=(b)/(a)

使用可能額

(a)

支出額 (b)

支出率(%)

(c)=(b)/(a) SGSY 1,077.05 921.15 85.53 1,214.13 1,044.25 86.01 SGRY 6,246.20 4,990.89 79.90 6,952.81 5,886.98 86.41 IAY 2,994.20 2,767.92 92.44 2,939.46 2,578.85 87.73

(出所) Planning Commission, “Mid-term Appraisal of the Tenth Five Year Plan (2002-07)”, p.239, Table 7-Iより作成

ドキュメント内 untitled (ページ 62-65)