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      Fr 戴

       審議

自己画法による描画

[1

図2.

67

【2】自己画法(図2参照)

[1]技法の概略

 この事例においては、合計3回の自己画法が試みられた。技法の典型的なモ デルとしては、J.0.Stevens(1971)の実習指導書{27}の形式があげられる。内 外のゲシュタルト療法ワークショップでは、ほぼその通りに頻繁に使用されて

いて、自己を投影する道具(Tool)として有効な手段の一つである。

 カウンセラーは、箱庭を中断(#6)するなど、語ること以外を好まないク ライエントに対して、対話以外の時間を要する投影法を使用することは困難で あると判断していた。したがって、本事例で行った自己画法は、ゲシュタルト 療法で使用される技法を変形・簡素化して時間短縮を図ったものである。初心 カウンセラーである筆者としては、分析資料としての合理的信頼性や治療効果 には、大きな期待を抱いてはいなかった。

 準備するものは、A4画用紙一枚と12色の水溶性クレパスである。

 描画手順は、つぎの順序で実施する。

(1)描画のテーマをクライエントに決定させる。

(2)目を閉じて、腹式呼吸をして気持ちを整える。

(3)テーマに応じて軽い瞑想を行う。

(4)自分の最も好きな色をイメージする。

(5)用紙の縦横は、クライエントの今ここの感覚に任せる。

(6)目を開けて、好きな色を手に持って.N気持ちの赴くまま描画する。

(7)描画終了後、描画内容について会話。

[2]経過

 この事例でのテーマは、3回ともr私の人生(過去・現在・未来)』

であった。

 自己画法No.1 C 92,10,28)# 9回面接時  自己画法No.2 C 93,1,20)#19回面接時  自己画法No.3 C 93,3,31)#26回面接時

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①,自己画法No.1( 92,10,28)[#9]描画時間6分30秒

 クライエントは、用紙を縦に使用することを選択し、鉛筆で2本の横線を引 いて用紙を3つの区域に分け、黒いクレパスをとった。以下描画順序を示す。

 (1)下の区域を黒い斜線で埋める。

 (2)上の区域に左から黒で3本の木のようなものを描く。

 (3)上の区域の上に黒で横線を引き、その上の空所を斜線で埋める。

 (4)中央の区域を灰色の斜線で時間をかけて埋める。

 (5)上の区域の空所にXを12個描く。

 描画のあとの会話では、つぎのように語った。

 気分は「ヤケ気味だが、すっとする。」と述べ、現在・過去・未来を説明 し、「全体に暗いと思う。現在はさまよっている気分。一番上の黒いベルトは

「死」。未来には不安がいっぱい。Xは将来「おまえはだめだ!」と言われる だろう。Xの横は矢が自分に向かっている。自分は早死にすると思う。バイト でも他人と比較して、疲れやすい。体力がない。病気か何かで早く死ぬだろ

う。」

 このように語ってから、現在の苦痛として、「兄の結婚までの様子を見てい ると、自分は結婚する気になれない。小便を出したいが出ない。早くトイレか ら出たい。今面接室でも外から誰かに見られているような気がする。トイレで も見られているような気がする。トイレという場所自体が嫌。」と語った。

②,自己画法No.2 C 93,1,20)[#19]描画時間6分

 今回は、前回の条件に、goodな気分とbadな気分を加えて描画することに なった。クライエントは、用紙を横に使い、黒いクレパスで中央に横線を引い て、その中央に点をつけた。描画後の会話によると、中央を現在とし、左を過 去、右を未来、横線の上をgoodな気分、下をbadな気分に設定した。以下、描 画法順序を示す。

 (1)赤で左下に円形

 (2)黒で左下に円形中央と円形の上を塗りつぶす

 (3)用紙中央から、中央線の左にかけてを灰色斜線で塗りつぶす  (4)黒で中央下の尖った三角形の連続を描く

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 (5)中央下の肌色を描く

 (6)緑色で右中央線の上に斜線を描く  (7)緑色の上に、黄色い部分を描く  (8)黒で右下に三角形の連続を描く  (9)青色で右中央線の下を塗る

(10)右側の青の下を灰色で格子状に塗る。

 前回(約2か月前)とは打って変わってカラフルである。描画もてきぱきと 楽しんでいるように見えた。描画後の対話で、クライエントは、「左側の赤い

ところは、中心の暗い世界と過去の爆発。中央の灰色は現在。今はその中でも 上の灰色の部分。,肌色は人の肌・暖かさ。右の緑は落ち着き。その上の黄色 は、気分が上を向いたところ。青は水。下の黒いギザギザは、外敵。」と語っ

た。

③,自己画法No.3 C 93,3,31)[#26]描画時間7分

 今回は、前々回の条件と同じで、特に、勝手気ままに描いてみることを勧め た。横から描画順序を見ることもしなかったので、描画後の会話によって過去 から順に描いていったことのみがわかった。なお、クライエントは、先に用紙 の上端にr過・現・未』と記入してから描画をすすめたこと、自発的に「明る いイメージの気に入った絵が描けました。」と語ったことも、興味深い。

 描画後のクライエントの説明によると、「過去のコイル状のものは、モヤモ ヤ。黒い固まりは感情。棒状のものは鋭敏な刃物。現在の肌色は人の肌だが、

特に思いはない。未来の青色は空と海。二本の木の根の土は太陽につながって いるかもしれない、土色を避けたかった。木の上の灰色は世間の空気。右の赤 は情熱。現在と未来の間には壁があるが、そんなに厚くないので、いつでも破 ることはできる、これは現在と未来のけじめである。」を示したという。

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【3】HTPP(図3参照)

[1]経過

 HTPP[C92,8,5)#41は、 YG、 TEGのあとに実施された。十分な

準備をしないで行ったため、分析資料としてな不十分なものである。すなわ ち、各描画の指示には誤りはなかったものの、順序としては、T→H→P→P の順になってしまった。また、描画終了後の会話(質問)は行われていない。

 カウンセラーは、HTPPの分析については、専門家であるQ氏のスーパー

ヴィジョンを受けた。

図3.HTPP

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7 1

【4】YG(矢田部・ギルフォード性格検査)

[1]経過および結果

YG性格テストは、 No.1 [#4 C 92,8,5)] と、 ・No.2 [#20−21 { 93,2,

9}1の2回が実施された。No.2は、.カウンセリングルームで実施されたもので はなく、他のテストと共に自宅へ持ち帰って解答されたものである。

性格類型の判定および考察は、第4章一1・に記述する。

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図5.IYGプロフィール(No.2)

72

【5】TEG(東大式エゴグラム)

[1]経過および結果

 TEG東大式エゴグラムテストは、 No.1[#4 C92,8,5)]とNo.2[#20−

21C9$,2,9)])の2回が実施された。 No.2は、カウンセリングルームで実施 されたものではなく、他のテストと共に自宅へ持ち帰って解答されたものであ る。 性格類型の判定および考察は、第4章一1に記述する。

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