• 検索結果がありません。

【5】TEG(東大式エゴグラム)

[1]経過および結果

 TEG東大式エゴグラムテストは、 No.1[#4 C92,8,5)]とNo.2[#20−

21C9$,2,9)])の2回が実施された。 No.2は、カウンセリングルームで実施 されたものではなく、他のテストと共に自宅へ持ち帰って解答されたものであ る。 性格類型の判定および考察は、第4章一1に記述する。

一,・i一・.・,ll12 ,il..i・i ・ .mp, :・t!1,2 1!ii 2

   ㌍6エゴ7ラム●カフィ雨露・.正。エrグラム

 7ロフィール

       1[ 11],[・

       II一..

       II 14e±1

 1回目(No.1)は、[#9]( 92,10,9])に渡しておいて[#10]C92,11,11])に

受け取った。(No.1)の採点の結果、その妥当性と信頼性に疑いを持ったの で、再度2回目(No.2)を実施することにし、[#11】C92,11,18])に渡してお

いて、[#13]C92,11,25])に受け取った。

 なお、これ以上(3回目以降)のMMPIの実施は、同様の結果が出るのみ で、いたずらにクライエントの負担を強いることになり、カウンセリング関係 を損ねる可能性も十分に予想されたので、行わないことにした。

[2]結果

 (No.1)を採点した結果、疑問点である?得点(The Question score)が 50、嘘構点であるL得点(The Lie Score)が8、妥当性得点であるF得点が

15、修正因子であるK得点(The K score)が12であった。

 日本版MMPIハンドブック〔18}によると、?得点が55を越えると一般的 に解釈が困難になり、L得点が8以上の場合は望ましい姿を表そうとしてテス

ト結果を歪める傾向があり、F得点が17以下であれば一応信頼性の乏しさは ないものとしている。

 筆者は、(No.1)の妥当性・信頼性に対する最も基本的な分析を行った結 果、特に?得点とL得点を勘案すると、妥当性・信頼性に疑いを持って分析す る必要を感じたので、rどちらでもない』の解答をなるべく少なくするよう指 示しておいて、再度(No.2)を実施することにした。

 (No.2)の得点結果は、?得点が。、嘘構点であるL得点が4、妥当性得点 であるF得点が23、修正因子であるK得点(The K score)が11であった。

 (No.2)の得点結果は、 L得点は順当であると判断できるが、?得点の「ど ちらでもない」が0という得点は作為的で不自然であると判断できる。同時に

F得点23について、F粗野が18以上のときは、審査用具として用いない方 がよい(18}としていることを考慮すれば、(No.2)の検査全体のr信頼性の乏

しさ』を示唆していると判断できる。

 検査結果に妥当性と信頼性を疑いながらも、No.1、2のテストの臨床尺度 において、類似の傾向が判明したので、第4章一1で考察することにする。な お、妥当性と信頼性を疑ったまま、クライエントに対する誤ったイメージが形

74

成されることを避けるために、プロフィールコードを作ることは避けることに

した。

【7】MAS(顕在性不安検査)

[1]経過

 MASテストは、第一次面接(#1〜26)の期間中に2回(No.1、2)

が実施された。

 なお、本事例の終結2か月後、クライエントからの再開の申し出によって新 たなカウンセリング関係(第二次面接)が再開された。再開に臨んで、12回 の時間制限(正規の時間制限療法ではなぐ、制限時間を設定したのみ)の契約 を結んで開始された。

 No.3は再開4回目に渡して家で解答(解答日曾93,7,5)されたものであり、

No.4は再開12回目C93,10,27終結日)にルームで解答されたものである。

No.3およびNo.4の結果も、参考資料と.して付記しておく。

[2]結果

 表2. 4回のテストの得点数値(##は、第二次面接)

No.1

m#11]

No.2 m#20−21]

No.3 m##4−51

 No.4

m##12] 判定尺度

0 0 0 0 10以下で信頼性高い

L

4/15 3/15 3/15 6/.5 0〜11で妥当性あり

A

31/5。 30/5。 25/,。 13/,。 27以上で強度の不安

表3. 男子大学生の得点段階規準(MAS使用手引1983より)

段階および点数:範囲 (男子大学生の平均17.80)

1⇒27以上 II 023−26 III c,14−22 IVc=>10−13

V⇒9以下

75

 顕在性不安検査(MAS)は、 MMPIの550項目のなかから、 MAS

(Manifest Anxiety Scale)の50項目をもって質問項目としたものである。テ ストの目的は、身体的不安や精神神経的不安の程度を測定したり、問題のある 人物をスクーリニングしたり、薬物の効果を測定したり、不安度の変化を調べ ることにある(2}。

 表2の左の欄のr?』は無応答であり、10点以上あると信頼性に問題があ ると見る(2〕。したがって、No.1からNo.4までのすべてにおいて、無応答 はなかったので、信頼性には問題はないと考えられる。

 同欄のrL』は嘘構点(Lie scale)であり、 rL』が11点以上ある場合 は、妥当性に疑いがあるとして扱う(2}。したがって、No.1からNo.4まで のすべてにおいて妥当性ありと判断できる。

 同欄のrA』が不安得点である。不安得点分布によると、成人より大学生の 方が不安の高い位置に分布し、男子大学生の平均は17.80であった 2}とい

う。1〜Vの段階については、1は高度の不安、IIはかなりの不安、 IIIは標準 段階と見なければならない〔2}。

 本事例のクライエントの場合、解答条件として、できるだけ無回答がないよ うに指示して行ったものであるが、すべてにおいて無回答がなかったことが気 になるところである。

【8】MPI(モーズレイ性格検査)

[1]経過

 モーズレイ性格検査(MPI)は、第一次面接の期間中に2回(No.1、

No.2)が実施された。参考までに、第二次面接の検査結果(No.3)を付記し ておく。なお、No.2およびNo.3は、家で解答されたものである。

76

[2]結果

表4.3回のテストの得点数値(##は、第二次面接)

No. 1

m#18] No.2

m#20−21]

No.3

m##4−5]

E(外向性)

4

2 6

N(神経症的傾向)

16 28

ユ8

L(嘘構性)

10 8 10

Ori径i皿日8りor5io  pub馳ghed by Unjvtrsjty et Lendon press LLcl. Londen,

Cepyright lg59, ll, J, Eywnck All rlgLtts resurved

N lt

?40

建36 萬32 大28

e内向性傾向大 ε

NO潤Fli

L 20

o

図7.クライエントの得点数値を判定チャートに記入したもの

* No. 1、2、3は、表4の数値に対応している。

* 点線は、新・性格検査法{12}の分類カテゴリーに合わせたものである。

* 各分類カテゴリーおよび数値は、そのカテゴリーに含まれる被検者の理  論的な分布(%)。 (筆者追加記入)

7 7

第4:章 考 察

■一心理テストの分析

 ここでは、第3章一VI.に示した各種心理テストの結果について分析して、

クライエントのパーソナリティーを探究する。

【1】箱庭療法

[1]箱庭分析

①,箱庭No.1

 カウンセラーは、砂が触れられていないこと、左側に偏り過ぎて右の区域を まったく使っていないこと、置いたものが少なくてバラバラで、それぞれに関 係性が見出されないこと等により、クライエントが孤独で対人関係のエネル ギーが乏しいと感じ取った。また、笑っている仙人には不気味なものを感じ

た。

 初回箱庭は、そのクライエントのテーマが表出されることが多いといわれて いるので、それぞれにテーマが発見できないものかと考えてみることにした。

 テーマを表す象徴として、家は父母兄弟、椅子は自分の位置、橋は自分の人 生の渡り方、木は安心できる場、牛は生産性、笑っている仙人の象徴は不明で

あるが、それぞれにテーマを見出すことは可能である。

 なお、この箱庭の右側は空虚ではあるが、次回(箱庭No.2)では、置かれ た動物たちがすべて左を向いているものの、右側の区域に偏って置かれてい て、左側には木が一本あるだけである。これを、箱庭No.1と箱庭No.2を 別々に見ないで流れとして見るのであれば、1回目に右を使ったので2回目は 右側はすでに解決済みであると考えることも可能である。つまり、箱庭No.1 および箱庭No.2をそれぞれ単独の箱庭表現と判断しないで、流れの上で1つ の箱庭表現としてとらえることも可能である。

78

②,箱庭No.2

 カウンセラーは、肉食獣の前の草食獣や動物どうしのコミュニケーションが 感じられないことにより、殺伐とした寂しさと、貧弱なエネルギーを感じとっ

た。空間配置によって分析しても、左上は「受身・生命の傍観者のゾーン」で あり、左下は「発端一一後退、初歩の段階の固執、旧式の状態」を象徴すると いう 4}(木村1985)。したがって、この箱庭では過去への逃避の傾向を考えて もよいことになる。このような否定的な分析も可能であるが、象の親子と2本 の木に若干の生きる意欲を、また木を切って何かを作ろうとしているいるイン ディアンには、建設的な意欲を感じることもできる。

 1回目で述べたように、1、2回目を1つの箱庭表現としてとらえるのであ れば、左の区域はすでに解決したので置いていないと理解することもできる。

 木村{ )によると、カルフ(Kalff , D.)はクライエントの内的世界の成長が、

より高い全体性の統合へと進んでいく、過程を、ノイマン(Neumann,E)の考えを 取り入れて説明しているという。すなわち、治療者一クライエント関係のもと

に自己治癒の力が働き始め、セルフの象徴が生じた後、3つの段階の世界が展 開され、続いて再びより高次の自己の象徴が生じるとするのである。その3つ の段階とは、以下である。

   (1)動物的・植物的段階    (2)闘争の段階

   (3)集団への適応への段階

 この段階を考慮すると、今回の箱庭は、(1)動物的、植物的段階であると理 解でき、次回(No.3)の箱庭も動物が出現し(No.4)(No.5)には、(2)

闘争の段階と考えられる箱庭が出現することは興味深い。

③,箱庭No.3

 置かれたものは少ないが、柔順で飼いならされた動物たちが、安堵・充実・

希望などの象徴である3本の木の下で、ゆったりとくつろいでいる情景や放牧 による自由を連想する。なお、特に母性性の象徴であるウシが4奪いることに 穏やかさを感じた。

 空間配置から見ると、典型的な退行・逃避と見ることもできるが、前回から

79