以下では,「説 明す る力」 の構成 要素 を明 らか に してい く うえで参考 とな る と思 われ る 先行研 究 を概観 してい く。
1.長
崎 らの 「算 数 口数 学 で考 え合 う力」長崎 ら
(2007)は
,「算数・数 学 の力 とは,算
数・数学 にお け るあ らゆる活動 に関わ る はた らきで ある。」 (p.26)と 述べ,「算数 。数学の力」 を 「算数・数学 を生み 出す力」「算 数・数学 を使 う力」「算数・数学 で表す力」「算数・数 学で考 え合 う力」 の4つ
の力か ら構 成 され るもの としてい る。 これ ら4つ
の力は,そ
れぞれ次 の よ うに解説 され てい る。≪ 「算数 を生み出す力」 とい うのは
,算
数 の概念 を理解 し形成す るた めに,算
数 の きま りや方法 を考 えた り発展 させ た りす る力であ り,5つ
の力 に分かれ る。 この よ うな算数 の力 は,こ
れ までの 日本 の算数教育で 目標 とされ て きた 「数学的 な考 え方」に関連 している。「算数 を使 う力」 とは
,算
数 の概念 を現実の世界 で使 うために,現
実 の問題 を算 数 の問題 として とらえた り算数 で処理 した り判 断 した りす る力 であ り,5つ
の力に分かれ る。 この よ うな算数 の力は
,算
数 の学習 で以前 か ら強調 され て きた 「問 題解決」,1980年
代 頃か ら強調 され るよ うになった 「数学的モデル化」 に関連 し てい る。「算数で表す力」 とは
,算
数 で考 えた り算数 を使 った りす るた めに,式
・表・ グラフ 。図 な どの数学的表現 を扱 う力で あ り
,3つ
の力 に分かれ る。 この よ うな算 数 の力 は,算
数 にお ける 「表現」,「読解」 に関連 してい る。「算数で考 え合 う力」 とは
,算
数 を集 団で協 同 して創 り上 げ るた めに,算
数 の学 習 において数学的表現 を用 いて算数 の内容 について集 団の参加 者み んなで考 える 力 であ り,3つ
の力 に分かれ る。 この よ うな算数 の力 は,算
数 にお ける 「伝 え合う│,「コ ミュニケー シ ョン
Jに
関連 してい る。 ≫G受鰯予ら, 2007, p.14‐15, 下務誡ま筆蒻静)
ここでの 「算数・数学で考 え合 う力」 に含 まれ る 「伝 え合 う」,「コ ミュニケー シ ョン」
とい う活動では,自分 の考 えを他者へ説 明す ることが必要 とな る。そのた め,「算数・数学 で考 え合 う力」は
,本
研 究 の「説 明す る力」と大 き く関連す るものである。そ こで,「算数・数学で考 え合 う力」 につ いて
,以
下 に詳 しく見てい くことにす る。長崎 ら
(2007)は
,「算数・数 学で考 え合 う力」 を,以
下の[表 2.1]の3つ
の力 に類別 し てい る。大略 して述べれ ば,「①算数・数学で説 明す る力」 とは情報 を発信す る力 の ことで あ り,「②算数・数学で解釈す る力」 とは情報 を聞 く力 の こ とであ り,「③算数・数学 で話し合 う力」 とは情報 を共有 して
,改
良 してい く力の ことで ある。①算数・数学で説明す る力
【小中高を通 して 目指す力】
1)説
明:自 分で考えた結果や過程を式や図などを用いた りして,日
頭でわかるようにと きあかす こと【いずれかの段階で 目指す力
,関
連す る力】2)結
果の説明 :考 えた結果 を目頭でわかるようにときあかす こと3)過
程の説明 :解 き方や考え方や証明などの過程を口頭でわかるようにときあかす こと4)言
い換 えによる説明 :他 人が説明 したことを自分の言葉でも う一度言い換えて 日頭で わかるよ うにときあかす こと②算数 0数学で解釈す る力
【小中高を通 して 目指す力】
1)解
釈 :他 者が式や図などを用いた りして説明 したことを聞いてその意味をよみ とるこ と【いずれかの段階で 目指す力
,関
連す る力】2)結
果の解釈 :結 果の説明を聞いてその意味をよみ とること3)過
程の解釈 :過 程の説明を聞いてその意味をよみ とること4)批
判的な解釈 :説 明に絶えず疑いをもつて検討す るな ど批判的にその意味をよみ とる[表
2.1]算
数・数学で考え合 う力こ と
③算数・数学で話 し合 う力
【小中高を通 して 目指す力】
1)真
意の確認 :お 互いの考えの真意 を確認す ること2)話
し合 う :集 団での話 し合いを通 して,個
人や集団の考 えをよ りよいものに してい く こと【いずれかの段階で 目指す力
,関
連す る力】3)洗
練す ること :集 団での話 し合いを通 して,個
人や集団の考 えを算数・数学的により 価値 があるものに してい くこと (同義語 :練 り上げ)4)考
えの評価 :集 団での話 し合いを通 して,個
人や集団の考えの算数・数学的な価値を 判断す ること5)考
えの修正 :集 団での話 し合いを通 して,個
人や集団の考えの算数・数学的に価値が あるものに修正 してい くこと6)批
判的考察 :集 団での話 し合いを通 して,個
人や集団の考えに絶 えず疑いをもつて検 討す ること※「算数・数学の力」は,小中高校 を通 して育成す ることが考え られている。それぞれの力は, 指導可能性 の時期 によつて,【小中高校 を通 して 目指す力】 と 【いずれかの段階で 目指す力, 関連する力】とに分けられている。 (ず尋山奇ら, 2007, p.53)
以下に
,①
〜③の3つ
の力のそれぞれの項 目の内で説明を要す ると思われ るものについ て,具
体例を用いて角峯説 してい く。(1)「算数 日数学で説明する力」(言い換えによる説明)
長崎 ら
(2007)は ,3年
生 「あま りのあるわ り算」の発展学習における授業の分析 を行 っている。以下に,授
業中の教師 と児童のや りとりの場面を示す。【課題】
今 日は計算マ ン
(T2)と
おは じきゲームをします。ゲームのルール
①25こ のおはじきを順番に取つていく。
②l回 に取る数は,1〜5こ 。
③最後に1こ残 され
,取
ることになつた方が負け。子 ども 1回
目の
2回
目② 00
3回
目 0● α
Xわ 4回目 の②
5回目 の 負 け
計算マ ン