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袋22

ドキュメント内 類義語の研究 (ページ 103-108)

一プも社会人グループも,それぞれの中の男のグループも女のグループも,等 しく「要求する」の方がより強い感じがするという,明らかな傾向が出て,常 識的な予想と一致した。選択肢を選んだ上に,「要求する/要望する」に対し て「積極的な感じ/消極的な感じ」,「男性的な感じ/女性的な感じ」,「乱 暴な感じ/大変ていねいに一歩さがって言っているような感じ」というような 書き込みも散見した。

 「要望する」の方が,より強い感じがするという人は,社会人の女のグルー プで,いちぼん比率が高く,2割強を示したが,これは,「要望する」の:方が 一見おだやかではあるが,ねばり強く求める感じがするというとらえかたの人

々であろうか。

3. 1.3.3. おわり1ifこ

 さきにも述べたように,3.1.3.1.に引用した質問文のうちの,☆印をつ けた三つについては,10日ほどのへだたりをおいて2回,同一の被験老グル・・一 プに答えてもらった。これらの三つの質問に2回答えた人は3.1.3.1.に示 したように,81人(男39人,女42人)であった。これの結果は,表23のとおりで あった。(カッコ内の数字は,全体の人数に対する百分率。)

1(ウ)どちらの方が冷たい物  (あたたかくない物)の  光りという感じがします  か。

つやがある/光沢がある

    蓑 23

2国どちらの方がかんたん 4㈲どちらの方が強い感じが  に盧りそうな感じがし  しますか。

  ますか。

こわれたところをなおす/待遇改善を要求する/待遇改 こわれたところを修理する善を要望する

       (王は第i回調査,嚢は第2回調査)

匠ミトや脚・団\驚i奪響iDK圖\ドミ麟要蜘{計 つや馬陶。顧なおす顧(1)}・傷要求圃(1)}・隔

光沢1(1)1,1考,1(暑渦奪響蘭1・{(甕)要到(書)(5,・i(19)

・ゆ璽コ墜DK 1,1)i・U姦・・i(邑川2」あ

 計1(1;){(霧){(2)ぽ誌)計.1(;2){(琴)loi(P。b)1計1(霧);(19)iol、諾』}

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 「どちらともいえない」という答えと無事答とを,便宜上合わせてDKとみ なした。太わくで囲まれた人数を合計したものが,第1園と第2回のテストで 同一の一貫した反応を示した人数になる。一貫率は1(ウ)と4(ア)で8割,2(エ)で 9割弱となった。男女別は表に示さなかったが,1(ウ)・2(エ)で女の方がわずか 1=一一一一貫率が高く,4(ア)では女の方が2割強高かった。

 語感のような,主観性の強い,語の側面については,同一被験老でも短時日 のうちにもその時の気分などにより,判断のゆれ動きがはなはだしいのではな

いかと予想した。ところが,8〜9割の人数が2回にわたって,まったく同一

の反応を示した。これは,個人個人をこ関しても,調査項園としたような語感に おいては,かなり一定性が保たれているだろうという予想を立て直す一助とな し得よう。また,被験老たちがでたらめな回答をしたのでなく,全体としては かなり信頼し得る回答をしてくれたということも言えるであろう。

 以上,わずか4例にすぎず,それも上記のような数個ずつの質闘項鼠につい てしか調べていないわけであるが,1(エ)を除いて12間中11問に対しては答えに はっきりした傾向が出た。百分率でいうと最低80%近くから,ほとんどiGO % に近く一方の語に答えが集中したものがいくつかあった。傾向の出なかった1

〈X)の「つやがある/光沢がある」に対する,「どちらの方が,表面的な光り

(内面からの光りでない)という感じがしますか」という問いは,こういう点に語 感的な差異を求めようとする設闘自体に,むりがあったというべきかも知れな

い。

 はじめに,類義語間の語感的な差異のようなものは非常に恣意的・主観的な もので,人々の閥で一致した傾向は非常をこ弱いのではないかと考えたが,以上 のわずかなテストの結果に関する限り,予想よりは人々の間で一致する傾向が 見Mされた。

3.2.言語使用者の好み・選択についての調査 3.2.1.調査の目的

 同一の事象を表わす語がいくつも存在する場合,需語使用者はこの語の方が あの語より感じがいいとかわるいとかいうような,語に対する好みの上の違い

を感じることがある。たとえば,新聞紙上などで時々論議がかわされている例 であるが,「パパ・ママ」という呼びかたは好ましくないとか,好ましいと か,「おとうさん・おかあさん」の方がいいとか,どちらだってかまわないじ ゃないかとか,いろいろな意見が繊る根礎になっているものはさまざまであっ て,けっして語に対する好みだけではないが,意見を述べる人のいだいてい る,語に対する直観的な好悪もいろいろな意見を形成する大きな因子になって いるであろう。このような好みは主観的なものであるから,人によって異なる 点は大きいことが当然予想されるが,Fある時代の傾向・ある世代の傾向・ある グループの傾向なども存在するかもしれない。もし,そういう傾向が存在する ならば,それは類義語聞における勢力のせり合い・隆替に影響し,語彙体系の 推移を動かす一要因ともなるであろう。

 ある事象を君い表わすのにいくつもの言い方がある場合,そしてどの欝い方 をしようかと選択に迷う揚合がしぼしぽ存在することはいうまでもない。こう いうことは,センテンスや連語にまたがっている問題であるが,単議対単語の 間にも起こる問題である。たとえぽ山岡太郎という人の妻は,夫のことを第三 者に話すときに,「主人が」「夫が」「宅が」「うちの人が」「宿が」 「由田 が」F太郎が」などのうちの,どの単語を使おうかと選択に迷うこと,第三者との 人的関係や場面によって使い分けることは大いにあり得ることである。「山 田」「太郎」は別として,「主人・夫・宅・うちの人・宿」などは類義議であっ て,いまの例は類義語間における選択の問題の一例である。いずれを選択する かが決定される要因は,きわめて複雑であろうが,語に対する好みのほかに,そ の字画にどの語が適当だと感じるかも肝要な要因であろう。ある表現の場にお いて,いくつかの表現(ここではいくつかの類義語)のうちのいずれを選択する か,それはどういう要因によるかは,きわめて複雑微妙で多岐にわたる闘題で あるが,類義語を言語行動の面から考察する上でも,重要な課題であろう。

 上のような予想の上に立ち,いくつかの類義語に対する早々の好みの上の差 異,ある場面における類義語間の選択とその要因について,考察する方法の糸

口として,次の2種のテストを実施した。

3・2・2・好みの調査

       100

3.2.2.1.テストの内容など

 文筆家をはじめ,ことばに対して意識的・反省的な立場にある人々の中に は,語に対する好悪も比較的に強い人があるかもしれない。しかし,こういう 人々の好みは,一般国民のそれとはかけはなれたものである可能性がある。し かし,ことばを生活の要具として使い,ことさら意識などしないであろう実務 納な職種の人々にとっては,語に対する好悪などはあまり関心の対象にはなり 得ず,問われても当惑させられる場合が多いかもしれない。大学生は,現に知的 な翔練を受けつつあり,心理的なゆとりもあって,この場合被験者として比較 的適当であろうと予想し,かつ調査の便宜を得やすかったためもあって,東京 およびその近郊の大学生を,おもな対象とし,舶えてコピーライター志望者の ための講習会の受講生をも比較の対象として加えた。以下,岡講習会の受講生 のグループを前のテストにおけると同様,「社会人」グループと略称する。具

体的には,3。1.3.に述べた語感の調査(第1回・第2回)の質問紙の後半

を,この調査にあてた。したがって,被験老の人数・性別・年齢構成などは,

語感の調査のそれらとまったく同一であるから,3.1.3.を参照していただ

きたい。

 類義語は,けっして2語で1対をなしているものだけではないが,3語以上の 間の好悪を閥われることは,2語1対の場合よりさらに答:えにくいであろう

し,結果の集計も容易ではないので,一対比較法の形で2語の閣の好みだけを 尋ねたQ羅ねかたは「あなたは次のことぽのどちらがお好きですか。(お好きな ほうに○を,牙llに好ききらいがなければ両方に△をつけてください。)」としたQ質聞 語は,テストに充盗し得る時間があまり多くなかったためもあって,多数にわ たることはできなかった。第i團テストでは,

  (1)エチケット/礼儀作法

  (2)守ろう,交通の規則/守ろう,交通のルール(ポスターのことばとして)

  (3)おもちゃ売り場/玩具売り場

  ( i)楽しい暮らしのお買い物/楽しい暮らしのショッピング(広告のことばとして)

  (5)車内の溝掃をいたしますから,しばらくお待ちください。/車内の掃除をいた     しますから,しばらくお待ちください。 (プラットホームのスピーーカーのこと     ばとして)

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