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ドキュメント内 類義語の研究 (ページ 60-76)

もり/はやし<㊧甲乙一一1>

  ⑦④㊥のテスト結果から,次の3点についての使い分けは,被験者に強く支持され  ていると認められる。

 ○「もり」の方が, 「はやし」よりも木が密集してたくさんしげっている。一⑦  ○神社のまわりの木立を呼ぶのには,「はやし」よりも「もり」の方を用いる。一④  ○「もり」の方が「はやし」よりも,神秘的・夢幻的な感じがする。一㊥

  しかし,次の使い分けは,㊥のテスト結果からみて,あまり意識されていないよう  に思われるG

 O山の木立をさす場合には「もり」を用い,平地の木立をさす場合には「はやし」を用   いるという使い分け。一㊥

どう/つち<㊧甲乙一一2>

  このテストでとりあげた,次の4点においては,この2語の間に使い分けが意識さ  れているものと認められる。

 ○「どう」の方が,「つち」よりも,しめりけが多い。一⑦

 ○壁に塗るものを呼ぶのには,「どう」よりも,「つち」を絹いる。一一一一一く2D  Oどぶの底にたまっているのを呼ぶときには,「つち」よりも,「どう」を用㌧・る。一㊥

 ○畑の土壌という意味では,「どう」と呼ぶよりも「つち」と呼ぶ。一㊥

つな/なわ〈㊧甲乙一③〉

  このテストの結果には,次のような使い分けの傾向がみられた。

 O「つな」の方が,「なわ」よりも太さの太いものをさす。一⑦

 ○罪人をしばりあげるために使われるのは,「つな」と呼ぶよりも「なわ」と呼ぶ。

  この2語については,次のようなことが確かめられた。

 ○「サークル」の方が「クラブ」よりも遇しい語である。一⑦

 ○趣味的な集団は,「クラブ」を用いて呼び,研究的な集団は「サ・・一一クル」を囲いて

  呼ぶ。一④

 ○スポーツの集団を呼ぶのには,「サークル」よりも,「クラブ」を用いる。一⑫  ○「クラブ」の方が,「サークル」よりも,人数の多い集繍をさす。一㊥

パジャマ/ネグリジェ<⑳甲乙一6>

 ○(「パジャマ」は男女とも着用するが,) 「ネグリジェ」は,女1生だけが着屠する   ものをさす。一⑦

 ○「パジャマ」は,上衣とズボンに分かれているものをさすが,「ネグリジェ」は,

  ワンピース型のものをさす。一⑫

 ○「パジャマ」の方が,「ネグヲジェ」よりも,実爾的である。一㊥

  以上の3点についての意識は,はっきりととらえられたが,次の点については,被  験者の意見がまちまちになり,一一般的な傾向はわからなかった。

 O「パジャマ」は,寝ている時だけ着るものをさすが,「ネグリジェ」は,寝室着と   しても着るものをさすという意識。一④

  したがって,「ネグリジェ」を,寝室着と規定するような意識は,あまり強くない  と考え.られる。

貯金/預金<㊧甲乙一8>

  このテストにとりあげた,次の4点については,いずれも,はっきりした使い分け  の傾向が認められた。

 ○郵便局に預ける場合に1ま「貯金」を遭い,銀行に預ける場合には「預金」を用い   o一く∂

 ○「預金」よりも,「賎金」の方が,やさしいことばという感じがする。一④  ○金額としては,「貯金」よりも「預金」の方が,高額のものをさす。一㊥

 OIS分で積み立てたり,たくわえたりする金を呼ぶ場合には,「預金」よりも,「貯   金」を這いて呼ぶ。一㊥

かす/くず/ごみ/ちり/ほこり<㊧甲一8,乙一8,甲一11,乙一1i>

 ○カンナ・ノコギリなどを使うと鵠てくるものを呼ぶ場合セこは,「かす」よりも,

  「くず」を用いて呼ぶ。〈甲一8,ア〉

 ○料理をしたあとで捨てるものを呼ぶ場合には「かす」「ちり」よりも「くず」か「ご   み」を用いて呼ぶ。〈乙一11,ウ〉〈乙一8,イ〉〈甲一8,イ〉

    まず,〈乙一11,ウ〉の結果から,「かす/くず」では,「かす」を用いる    よりも「くず」を用いて呼ぶ方が普通だとみられる。次に,「ごみ/ちり」の対    立において,この問いを試みたく乙一8,イ〉では,「ちり」は胴いず,「ご

  み」を用いて呼ぶという傾向が出ている。それでは「ごみ/くず」ではどうか。

  この点についてく甲一8,イ〉の結果をみると,両者の間には,はっきりした   使い分けの傾向が見られない。したがって,以上の調査結果から,この意味の場   合には,少なくとも「かす」「ちりjよりは,「くず」か「ごみ」を嗣いる傾向   の方が強いと推定される。

O紙きれ・布きれなど,紙や布の使いはしを呼ぶ場合には,「ちり1「ごみ」よりも  「くず」を用いる。〈乙一8,ウ〉〈甲一8,ウ〉

   〈乙一8,ウ〉によると「ごみ/ちり」の対立においては「ごみ」が選ばれ   てはいるが,ゆく甲一8,ウ〉では「ごみ/くず」の対立でFくず」が選ばれて   いる。したがって,「ごみ/ちり/くず」のうち,この意味の場合に「ちり」を   占いる傾向は,きわめて弱く,「ごみ」か「くず」を用いるのが普通だと認めら   れる。さらに「ごみ」か「くず」かと言えば,「ごみ」よりは,「くず」を用い   て呼ぶ傾向の方が強いと推定される。

○ほうきで,はき集めて捨てるものを呼ぶのには,「くず」「ほこり」「ちり」より  も,「ごみ」を用いる。〈甲一8,エ〉〈甲一11,イ〉〈乙一8,ア〉

   <甲一8,Pt>の結果から,「ごみ/くず」では「ごみ」。〈甲一一11,イ〉

  の結果から,Fちり/ほこり」では「ちり」ということになる。そこで,「ごみ」

  と「ちり」の間では,この意味の場合,どちらが選ばれるかについて調べた,

  〈乙一8,ア〉によると,「ごみ」を使う傾向が,はっきり現われた。

○机や棚の上にだんだんにたまり,はたきではたくようなものを呼ぶのには, 「ご  み」rちり」よりも,「ほこり」を用いる。〈乙一8,エ〉〈甲一1圭,ウ〉

  「ごみ/ちり」について調べたく乙一8,エ〉の結果では「ちり」。次に「ち   り/ほこり」について調.べたく甲一11,ウ〉の結果では「ほこり」が選ばれて   いる。したがって,「ごみ/ちり/ほこり」の中で,この意味の場合に「ごみ」

  を用いる傾向は,きわめて弱く,「ちり」か「ほこり」を用いる。さら1: ,「ち   り」よりは「ほこり」を用いて呼ぶ傾向の方が一層強いと推定される。

○「ほこり」の方が,「ちり」よりも,こまかい。〈甲一11,ア〉

  これは,アンケート調査の圏答とは,まったく逆の結果が出た点で興味深い。

○大気中の微細な粒子を,科学的に呼ぶのには,「ほこり」よりも,「ちり」を用い  て呼ぶ方が適している。〈甲一11,エ〉

○水分などをしぼりとった,残りを呼ぶのには,「くず」よりも「かす」を用いる。

 〈乙一11,ア〉

○液体の底にたまった不純物などを呼ぶ場合には,「くず」よりも「かす」を用いて  呼ぶ。〈乙一11,イ〉

○人々が選び抜いたあとに残ったものを呼ぶときには,「くず」よりも1かす」を用  いる。〈乙一11,エ〉

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きり/もや/かすみ<㊧甲一一9,乙一9>

 ○「もや」 「かすみ」よりも,「きり」の方が,見通しが悪い(密度が濃い。)一

  く甲一9,ア〉〈乙一9,ア〉

    「きり/もや」について調べた〈甲一9,ア〉においても,「かすみ/きり」

   について調べたく乙一9,ア〉においても,「ぎり」の方が,見通しの悪い状    態をさすという結渠が出ている。

 ○遠くにたなびいている場合には,「きり」よりも,Fもや」を用いて呼ぶ。一一

  く甲一9,イ〉

 ○慮分自身がつつまれてしまった場合には。「もや」よりも,「ぎり」を用いて呼ぶ。

  〈甲一9,ウ〉

 ○夜間に発生したものを呼ぶのには,「かすみ」よりも,rもや」か「きり」を用い

  て呼ぶ。〈甲一9,エ〉〈乙一9,イ〉

    「かすみ/きり」について調べたく乙一9,イ〉では,この場合セこは「きり」

   を用いるという傾向がみられるが,「きり/もや」について調べたく甲一9,

   エ〉においては,答がまちまちになり,傾向はとらえられなかった。この結果か    ら,この意味の場舎には,「きり/もや/かすみ」の中で,少なくとも「かす    み」を用いるという意識は弱いと認められる。

 ○気象上のことばとしては,「かすみ」よりも,「きり」の方が適している。〈乙一   9,ウ〉

 ○「きり」よりも,「かすみ」の方が,文学的なことばである。一く乙一9,

  エ〉

かたかけ/えりまき/マフラー一一/スカーーフ〈⑳甲一10,乙一10>

 ○(「かたかけ」「スカーフ」は,女性だけが用いるが,)「えりまき」「マフラー」

  は,男女とも用いる。〈甲一10,ア〉〈乙一一一10,イ〉

    「えりまき/かたかけ」について調べた〈甲一10,ア〉では,「かたかけ」

   に男女とも着用するという箸えが集中した。一方,「マフラー/スカーフ」につ    いて調べたく乙一10,イ〉においては,「スカーフ」に,男女とも着周という    答えが集中し,はっきりした傾向が認められた。

 ○洋服の場合に用いるとしたら,「かたかけ」ではなく,「え.りまき」である。一   く甲一10,イ〉

 Orかたかけ 」には装飾的な感じがあり,「えりまき」の方が突用的な感じがする。

  〈甲一10,ウ〉

 ○毛皮でできているのを呼ぶ場合には,「かたかけ」よりも, 「えりまき」を用い   る。〈甲一10,エ〉

 ○頭にもかぶるのを呼ぶ場合には,「マフラー一 」よりも,「スカーフ」を用いる。一   く乙一10,ア〉

 〇四角い形のものをさす場・餅こは「スカーフ」を馬い,細長い形をしているのをさす   場含セこは「マフラー」を用いる。〈乙一10,ウ〉〈乙一1G,エ〉

落花生/南京豆/ピーナッツ<㊧甲一12,乙一12>

 ○植物の名として窺う場合には,「南京豆」よりも「落花生」を用いて呼ぶ。一   く甲一12,ア〉

 ○殻をかぶったままの,なまの実を呼ぶのには,「ピーナッツ」「南京豆」よりも,

   「落花生」を用いる。〈甲一12,イ〉〈乙一12,ア〉

     「ピーナッツ/南京豆」について調べたく乙一12,ア〉によると,「南京豆」

   を用いるという傾向が出たが,〈甲一12,イ〉によると, 「南:京豆/落花生」

   については,「落花生」に答えが集中した。したがって,「 ■  一一ナッツ/南京豆    /落花生」のなかで,この意味の場合に「ピーナッツ」を用いる傾向は,きわめて    弱く,「南京豆」か「落花生」を使うという意識が強い。さらに,「南京豆」よ    りも「落花生」を用いて呼ぶ方が,普通だと認められる。

 ○煎って殻を取り去った,赤茶色の皮の豆を呼ぶのセこは,「落花生」よりも,「南京   豆」か「ピーーナッツ」を用いて呼ぶ。〈甲一12,ウ〉〈乙一12,イ〉

    〈甲一12,ウ〉の結果によると,「薦京豆/落花生」では,この場合には「爾    京豆」を用いて呼ぶという傾向が,強く認められている。そこで,「南京豆/ピ    ーナッツ」について調べたく乙一12,イ〉の結果をみてみると,ここセこは,は    つきりした傾向は出ていない。したがって,この意味の場合「落花生/南京豆/

   ピーナッツ」のうち,少なくとも「落花生」はあまり用いられないという点は確    かめられたが,「南京豆」を用いて呼ぶのと,「ピーナッツ」を罵いて呼ぶのと    では,どちらが一般的かは,確かめられなかった。

 ○パターや塩で味をつけた白い豆を呼ぶの} こは,「落花生」「爾京豆」よりも,「ピ   ーナッツ」を用いる。〈甲一12,エ〉〈乙一12,エ〉

     「南京豆/落花生」について調べたく甲一12,x>の結果では,この場合に    は「爾窟豆」を用いて呼ぶという傾向が,一往出ている。次に「ピーナッツ/南    京豆」で調べた〈乙一12,=一〉の結果をみると,圧倒的に「ピーナッツjが選    ばれている。したがって,この意味の二合,「落花生/南京豆/ピーナッツ」の    うち,少なくとも「落花生」を用いる意識は弱く,「爾京豆」か「ピーナッツ」

   を用いる傾向の:方が強いようであるが,どちらかといえば,「ピーナッツ」を用    いるのが,もっとも一般的な傾向と見られる。

 ○殻のまま煎ったものを呼ぶのには,「ピーナッツ」よりも,「南京豆」を瑚いる。

  〈乙一i2,ウ〉

セーター/カーディガン/ジャケツ<㊧甲一13,乙一13>

 ○「ジャケツ」には,男性だけが着用するものという意識があるが, 「セーター」

   「カーディガン」には,男性用のものをさすとか女性用のものをさすとかいう意識 58

ドキュメント内 類義語の研究 (ページ 60-76)