センテージをみると,女性よりは男性の方が,また学歴別では高学歴層ほど高 くなり,年齢別では40才前後の屡に,定義どおりの答えが,やや爵だつ程度で
ある。
<2.1>の結果では,全体の傾向も,層別の傾向も,すべて「弱震の方が,
微震よりもゆれ方のはげしいものをさす」という答え,すなわち定義と一致す
表 13 2。2 「軽震」と「微震」では、どちらの方 がはげしいと感じますか。
e.
seL軽 震
2.微 震 3.どちらとも書
ない
100
1ee 50
る答えが圧倒的に多い。そしてこの傾向は,女性よりは男性に強く,学歴鰯で は学歴が高くなるほど,強く認められる。
一方,年齢別では,4C才前後,50才前後の層で, r弱震の方がはげしい」と いう箸え,すなわち定義と一致する答えのパーセンテージが,わずかながら低
くなっている。
<2.2>では,全体の傾向も,層別の傾向も,すべて定義と一致し,「軽震 の方が,微震よりもゆれかたがはげしい」という答えが,願倒酌な高率を示し た。これも,女性より男性の方が,また学歴鯛では高学歴雇ほど,臼{藍震の方 がはげしい」の答えの割合が高い。
年齢別にみると,24〜29才の層から,高い年齢暦に移るにしたがって・r軽 震の方がはげしい」の答えのパー一一 iCソテージが徐々に低くなIJ} ,45〜54才の1習 で最低となる。ところが,55〜70才の年齢層では,急にこの卜えがふえ,90%
の高率を示している。
褒 14
〈2.0> 弱震と軽震では、どちらの方がはげしいものをさすか。
9 . , , , 5,0 , , , , lqo(%)
男 。i警1学艦1… 35〜婆4才 弓弓 獲 ? alli… 震
女 ・{氏学芝}聾 55〜70一}一 つ 軽
震
?:「どちらともいえない」
〈2,1> 弱霞と微護では、どちらの方がはげしいものをさすか。
o sG loe(f.t)
男・高学歴35〜44才 弱
叢 e微震
女・低学歴55〜7Gオ 賜 震 ? 微震<2.2> 軽震と微震では、どちらの方がはげしいものをさすか。
O 50 v 100(%)
・・艀歴35一財[軽 震]]畷震
女・低学歴・・一財[=璽 ・微震
以上の結果によると,「弱震/軽震/微震」の3語が示す震度の段階は,一 般の人々の間では「軽震」が,もっともはげしい地震を示し,「弱震i」がこれ につぎ,「微震」が,もっとも軽い地震を示す語だと意識される顎丁能性が強い
と考えられる。すなわち,定義のとおりにr弱震吟軽震→微震」の段階づけで意 識している人よりも,「軽震→弱震→微震」という段階づけで意識している人 の方が,:金般的には多いらしいというわけである。
定義どおりに意識している入の比率は,性別でぱ女性よりも男性に高く,学 歴別にみると,学歴が高くなるほど比率が高くなるようである。年齢との関 係は,たいへん複雑で,この調査では,すっきりした結果が得られなかった。
次に,試みに,きわめて開きのはげしかった二つの層として,「高学歴(旧 高専・新大学)の男性の35才〜44才の層」と,「低学歴(義務教育修了)の女性 の55才〜70才の屡」とをとり出して比較すると,表14のようになる。
言うまでもなく,前者が,もっとも定義に近い段階づけを示した層であり,
後者が,もっとも定義と一致しない段階づけを示した層である。このグラフに よると,もっとも定義に近い段階づけを示した贋でさえも,「弱震の方が軽震よ りも,ゆれかたのはげしい地震を示す」という意識は,そう高くない。一方,
もっとも定義と一致しない段階づけを示した麿においても,「弱震/微震j
「軽震/微震」の間の段階づけの意識は,それほど低くないと認められる。
以上の結果から考えると,定義された類義語を定義どおり使い分けられるか どうかについては,性別・学歴・年齢など,種々の位相差が要因となって,使 い分けができるグループと,できないグループとの問の相違が,かなりはげし いのではないかと推定される。
3.語感などからみた類義語の様相 3.1.語感的な差異についての調査 3.1.1.調査の員的
「1.類義語の種々相」の「3。語感の方面」では,ある範囲の類義語にわた って共通的に見毘される語感の違いのうちの著しいものを例示した。それらの 勲こは,語感のうちで,古い感じの語とか改まった感じの誘とか,語そのもの 84
に伴う語感というべきものが多かった。そういうものについては,ある範囲内 での一一一一ftw的・共通的なものを考えることが,ある程度可能であろう。しかし,語 感の他の方面であると考えられる,語のさし示すものごとの上の微細な差異,
意味の細かいひだともいうべき方面は,まさに語の知的意味とも分かちがたく 連続した部藏であり,かりに終極的々こはなんらかの一般性・傾向性が見繍され るとしても,まず個々の類義語間の差異について,詳しく分析する作業が,ど うしても必要である。ここでは多くの例にわたることはできなかったが,類義 語間の語感的な方面における異同が,人々にどのように意識されているかを調 査して,この問題に迫る方法をさぐるための糸臼とした◎
3.1.3.アンケート調査
まず,園研報告4「婦人雑誌の用語あ同13「総合雑誌の用語(後編)」の意 味による分類語彙表などを手がかりとして,主として語感的な側面を検討する ための類義語を,約300組選び出した。その中から,なんらかの点で特に人々 の意識を尋ねてみたい20組を選び,国語研究所の職員50人(男31入,女19ノ、)に 対して,「次の各組の語に,意味・語感・用法などの違いがあれば説明してく ださい(ばく然とした感じでもけっこうですから,気のついたことを1可でもお書きくだ さい)」というアンケートを行なった。 1組の類i義語に対して5人の回答が集 まるように,1人に対して2組ずつアンケートした。20組の類義語は次のとお
りである。(1961年2月実施)
未来/将来 規則/ルール 大爾警報/大爾注意幸1疑 つや/光沢 いのち/生命 財渡/:身代 i:万円以下/1万円未満
まえもって/あらかじめ なおす/修理する 小児マヒ/ポリオ めし/ごはん/ライス 礼儀作法/エチケット 落花生/南:京麗/ピ ーナッジ きもちよい/快い 習慣/骸櫻 コンクール/コソテス ト 誕生/生誕 細線/移住港 はば/編員 閾秀作蒙/女流作 家
以上を「国警アンケート」と呼ぶ。以上のうち,次節に述べるテストの調査 項厨とした2組の帆掛内容だけを,ここではそのまま掲げよう○
表 15
汀 … つ や 1 光 沢 {
iLtt−tttttttttttttttttmmtttttttttmmttttttttumtttttttttttltttttttttttttttttttttttttttttttttwwtmaL−LmTntttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttlttttumtuattttrttumtttttttttLt−ttwwtttttttttttttttttwwttttttttttttttttttttttttttttt t tfittttttttttti
「つや」は「つやのある声」 「光沢」は,このような言い
1
}「ノ、樽・つや醐てきた」の三方ができない。
1う嬬い方ができる・
(男) i.「つや」の方が広い・
巨光沢」の方がせまい・
「つやけし」を「光沢けし」とは:醤わない。 「つやだし」を
「光沢だし」とは欝わないだろう。
2
ト ミ
}どちらかといえば.顔のつや,柱}どちらかといえば陶磁器や塗
ミ
iのつ転ど・ i糀ぬ・たものなど・
(男) iまた・つやを嚇すなど・やわら1堅い感じに使う。
iカ、し・感じセこ使う◎
…..一一i iただし,流用,重なる颪はむろ・んある。
3
4
(男)陣艇人爾縣質爾五輪艇繍あ颪
選の囎・鱒2.__1だ墜う・(ただし窃信なし)i
(女)
瀕彼膚環物紙・ガラスな:漆器嚇物・鋤物(布地そ
1ど。 {のもの・金銀糸などのぬいと し_一t一一..Ltttttttttttt....tttttttttt.…一_晒遁品題〜塑璽.
爾方に使うもの,毛㍉皮。
表面的(平面的)な光り。
5 (女) iやわらかいものの鵬に.
ll
i I l } i i内面的な光りをもつもの,といi
嚇麟・・ .}
…堅い,つめたいものの場合に■
…使囑た・な・・ i
lせまい。
i撫2めたい感じの甑i
l t文章語的。
表 王6
1
} な お す
右の記載を含んでさらに広い。
「病気を〜,くせを〜,形を〜,
位置を〜」等。
(勇)
i らカ、な感じ。
i 修理する
i道具・機(器)械・設備等の故 1障に対する乎あての意味であ
}る・
灘警1轡跨ニゴi
86
2
レー…一一…tt
3
(男)
(男)
4
5
(女)
(女)
旨な湖嚇醐の・ちの一部・・r修醗・ i
l雛諮墨墾輩塑空騒銚%皿」
選塾髄璽.._ヨ客墨的i蟹雌一.コ
i単純なものに下して使う。やわ らかい感じを受ける。
入間的な事に綻うことがある。
:
i洋服を〜,わるいくせを〜。i
機械鮒要素があると思われるも・
のに使う場合が多い。
形式ぼるというか_秘ずか!
…陣・辮の意磁れ議戸勿贔轍をつ琢∴r覇
}霧 (黙認劃えるQ
応需1警翼蹴擁i }
牒もどす(あ。いはそれに翅
iい状態にする場合)。
︸
し点いたい蹴用いる。 i
ミ蘭車を一・家を一い触ます1
{讐感(∵編ひい 難しい嵐謡富ずか。,_例
i蘇あはば旨腱捻凹く,それ以夕1の臨τ㎜……ttt一 tttttttt t 一.…一tttt ttt tttL t t
IptAilpJtii 用_1欝蔽__1_な_,機_
目 i lもの(自動車,象)・
「つや/光沢」は,和語と漢語とで同義的な対をなす一例である。上に引用した アンケートの醐答の中にも指摘されている例や,「つやだね・つやぼなし」の ような, 「つや」には「光沢」には存在しない転義的ないくつかの意味・用法 もある。この対の周辺には,類義語辞典によれば,「色沢・光滑」などの類義語 もあるが普通に使われる語ではない。霞た。「照り・輝き・光り」などが,類似 の情況において用いられることがあるとしても,単語としての意味においては,
つや「つや・光沢」との間には線を引くことができる。この対は,「光沢」のよう に,漢語とその熟字訓という形でも結びついており,一般の意識においてほと んど同一のものとみなされている可能性も考えられる。なめらかな物体のi菱面 の光りを意味する場合,意味上のはっきりとした差異はないと見てよかろう。
「白いつやがある/白色の光沢を有する」と対比されるような文体的な違い