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若田宇宙飛行士が搭乗するスペースシャトル/ISSを見てみよう

図 1.3‑5(1/2)  星図の中に示された ISS の飛行軌跡(例)

図 1.3‑5(2/2)  星図の中に示された ISS の飛行軌跡(例)

1.4 若田宇宙飛行士の軌道上作業概要  1.4.1 主要任務

若田宇宙飛行士の飛行中の主要任務は、以下の通りです。飛行期間中の毎日の作業内 容の詳細については、表 1.4‑1 をご参照下さい。

・シャトル・マニピュレータ・アーム(RMS)の操作 (1.2.8.2 項参照)

 RMS を操作して、Z1 トラスと PMA‑3 をユニティ・モジュールに結合します。

 また、EVA クルーが作業を行う際に、RMS の先端に EVA クルーを乗せて作業場所へ移 動させたり、EVA 作業時の足場として使用できるよう RMS を操作します。

さらに、RMS に取り付けられたテレビカメラを利用して、カーゴベイ内の点検や、組立 て後の ISS の状況などの撮影も実施します。

・IMAX 3D カメラの撮影 (1.2.6.1 項参照)

 IMAX 3D(船内、船外)カメラを使用し、ISS の組立状況を撮影します。

・ISS への補給品の搬入

 シャトルで運搬した補給品を ISS(ユニティ及びザーリャモジュール)内に搬入しま す。

・打上げ時のシャトルシステム運用

 フライトデッキにおいて、コンピュータディスプレイや各機器類をモニタし、打上げ 上昇時のシャトル各システムの状況把握を行うと共に船長、パイロット、ミッションス ペシャリスト 2 を支援し、必要な指示、操作などを行います。

・軌道上でのシャトルシステム機器等の運用

 他のクルーと分担して、シャトルの通信システムや環境制御システム等の各システム の操作を行います。

・ISS とのランデブー/ドッキング、ドッキング解除時の撮影

 シャトルが ISS とランデブー/ドッキングする状態や、ドッキング解除から ISS 離脱 までのカメラ/ビデオ撮影等を担当します。

<FFFF改改改訂改訂訂訂>>>>     表 1.4‑1  若田宇宙飛行士の軌道上作業スケジュール

 ( STS‑92 Flight Plan Final(2000.9.8)より)

飛行日  若田宇宙飛行士が実施する主要作業項目 

1 日目  打上げ/軌道投入 

ISS とのドッキングシステム(ODS)の準備。 

2 日目  遠隔マニュピレータアーム(RMS)の起動/点検、RMS カメラを使用してのカーゴ ベイ内の点検、宇宙視覚システム(SVS)の準備、点検、 NASDA の広報イベント  3 日目  国際宇宙ステーション(ISS)とのランデブー作業支援、ISS ドッキング時のビデ

オ撮影、ラップトップコンピュータ(EPCS, PGSC)の準備 

4 日目  RMS を操作してカーゴベイ内から Z1 トラスを持ち上げ、ISS に取り付ける。 

ISS に入室し、シャトルと ISS 間で荷物の搬入を実施。 

5 日目  船外活動(EVA)#1 支援 

  RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。 

6 日目  EVA#2 支援 

  RMS を操作してカーゴベイ内から PMA‑3 を持ち上げ、ISS に取り付ける。 

  RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。 

7 日目  EVA#3 支援 

  RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。 

IMAX‑3D 船内カメラによる撮影  8 日目  EVA#4 支援 

  RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。 

9 日目  RMS カメラを使用した組み立て後の ISS の外観撮影。 

ザーリャ内への物資の搬入作業、ISS 内の作業状況のビデオ撮影、 

クルー全員による広報(PAO)イベント(2 回実施) 

10 日目  ISS とのドッキング解除時の作業支援、クルー全員による PAO イベント、 

半日の自由時間 

11 日目  船室内の後片づけ、軌道上共同記者会見、3 時間程度の自由時間  12 日目  軌道離脱準備、軌道離脱、着陸 

        作業計画は、実施直前まで変更される事がありますので、御注意下さい。

 

1.5 STS-92 ミッションに関係するホームページアドレス

以下に参考となりそうなホームページを御紹介します。

 <NASDA のホームページ>

 NASDA の ISS 建設状況のホームページ

    http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/construct/index.html

NASDA の STS‑92 ホームページ

    http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/3a/index.html

 <シャトル及びSTS‑92関連>

 NASAのシャトル/ISS ホームページ    http://spaceflight.nasa.gov/index-n.html

カナダのMacDonald Dettwiler社の宇宙用ロボットホームページ (シャトルのRMSを開発したSpar社を吸収した会社)

   http://www.mdrobotics.ca/

 IMAX 社ホームページ    http://www.imax.com/

 <ISS 関連>

  ボーイング社の ISS ホームページ

   http://www.boeing.com/defense-space/space/spacestation/index.html  ボーイング社の ISS ミッション情報のページ

   http://www.boeing.com/defense-space/space/spacestation/mission_modules/index.html スペースハブ社

http://www.spacehab.com/

スペースハブ社 SPACEHAB モジュール等の情報

http://www.spacehab.com/products/products_index.htm

   (このアドレスから Flight Servicesを選択)

1.6 シャトルの軌道上作業タイムラインの読み方

 各宇宙飛行士の軌道上での作業は、NASA が作成するタイムラインによって事前に 決められています。このタイムラインは、打上げ後も毎日、翌日分が変更され、軌道 上クルーや運用者に配布されています。このタイムラインを含むパッケージは、

Execute Packageと呼ばれています。

 NASA の PAO(広報室)では、報道関係者に対してもこの Execute Packageを配布して いますが、専門家しか聞いたことのないような略語や、ワープロ・スペースの都合で 省略されている用語もあるため、この内容を理解するのは非常に難解です。

ここでは、次ページ以降に、一般的な 3 種類のタイムラインの簡単な読み方を示しま す。

 なお、STS−92のタイムラインには、STS−92固有の用語や略語が使われ ています。これらの略語の読み方については、付録2のSTS−92タイムライン略 語表を参照して下さい。

1−49

1−50

1−51

<F改訂>

1.7 STS-92 ISS 組立ミッション概要(飛行 1 日〜12 日まで)

  表 1.7-1 に STS-92 における 1 日毎の作業概要を示します。

<F改

<F改

<F改

<F改訂訂訂訂>>>>

表1.7−1 

STS-92

 

ISS

組立ミッション概要(1/13)

FD1 FD1 FD1

FD1(飛行1日目)の作業内容

FD1

ミッション概要

打ち上げ/軌道投入

Ku

バンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御

(1)打上げ (日本時間:

10

6

日午前

10

39

分)

 

STS-92

ディスカバリ号は、フロリダ州ケネディ宇宙センター(

KSC

)の

39A

発射台より打 ち上げられる。正確な打上げ時間は、打上げの数時間前に

ISS

のレーダー追跡を基に決定される。

(2)軌道投入

  リフトオフから約2分で固体ロケットブースターを分離し、約

8

30

秒後にメインエンジン を停止する。約

8

50

秒後に外部燃料タンクを分離し、打上げから約

40

分後に軌道操作シス テム(

OMS

)エンジンを噴射し、オービタは軌道に投入される。

(3)軌道投入後作業

  打ち上げ約

45

分後より、軌道投入後作業を行う。軌道投入後作業としては、フライトデッキ のコンフィギュレーションの変更や与圧スーツから普段着への着替え、スーツの収納などが行 われる。

(4)

Ku

バンドアンテナ展開

  ペイロードベイドアを開き、

Ku

バンドアンテナを展開・起動する。これにより、テレビ映像 を降ろすことができるようになる。

(5)ランデブー用軌道制御

 

ISS

とのランデブーのため軌道制御を行う。(以後

FD

3のドッキングに向けて数回の軌道制 御を行う。)

(6)就寝

  初日は打上げの約

5

時間後に早めに就寝する。

  飛行目

(Flight Day)

の定義は、クルーが起床した時点から

1

日が始まるため、飛行時間と飛

1

<F改

<F改

<F改

<F改訂訂訂訂>>>>

表1.7−1 

STS-92

 

ISS

組立ミッション概要(2/13)

FD2 FD2 FD2

FD2(飛行2日目)の作業内容

FD2

ミッション概要

シャトルのロボットアーム、カーゴベイ状態、宇宙服(

EMU

)、エアロック等の点検作業、

ランデブー用軌道制御、

NASDA

広報イベント

(1)各種点検作業

ISS

とのドッキング前に、船外活動で使用するエアロックや宇宙服、あるいはシャトルのロ ボットアーム(

RMS

)やカーゴベイ内の状態等の点検・準備を行う。

(2)ランデブー用軌道制御

 

ISS

とのランデブーのため、

3

回の軌道制御が行われる。

(3)

NASDA

広報イベント  (日本時間:

10

7

日午前

9

19

分〜

39

分の予定)

  予定通り打ち上げられた場合、日本の

VIP

コールが予定されている。参加者は若田宇宙飛行 士とダフィー船長の

2

名である。

ハイライト/トピックス

  打上げ延期が生じた場合は、

VIP

コールの内容は変更されることがあります。

STS-99

で行われた

NASDA

広報イベント

(VIP

コール

)

<F改

<F改

<F改

<F改訂訂訂訂>>>>

表1.7−1 

STS-92

 

ISS

組立ミッション概要(3/13)

FD3 FD3 FD3

FD3(飛行3日目)の作業内容

FD3

ミッション概要

ISS

とのランデブー、

ISS

PMA-2

)とのドッキング、

ISS

(ユニティ)内への入室

#1

(1)

ISS

とのランデブー

 

3A

フライトでも、これまで(

2A

2A.2b

)の組立フライトと同様のドッキングアプローチ、

すなわち

-R Bar

接近アプローチ(

ISS

の下側から接近して半周した後、上側からシャトルが最

終接近する)を行う。

(2)

ISS

PMA-2

)とのドッキング  (日本時間:

10

8

日午前

5

31

分の予定)

  ダフィー船長の手動操縦により、

ISS

PMA-2

とシャトルのドッキング機構(

ODS

)とを 結合させる。

ODS

の中央部にはカメラが取り付けられておりこの映像を見ながらシャトルを

ISS

に接近させる。

(3)

ISS(

ユニティ

)

内への入室

#1

(日本時間:

10

8

日午前

8

時半頃)

 

PMA-2

を加圧し、点検した後、

ISS

(ユニティ)内へ入室し、物資の搬入等を行う。

<F改

<F改

<F改

<F改訂訂訂訂>>>>

表1.7−1 

STS-92

 

ISS

組立ミッション概要(4/13)

FD4 FD4 FD4

FD4(飛行4日目)の作業内容

FD4

ミッション概要

Z1

トラスの取付け、

ISS

内への入室

#1

(ザーリャまで入室)/退室、

船外活動に備えてオービタ内を

10.2 psia

(約

2/3

気圧)へ減圧

(1)

Z1

トラスの取付け

 

RMS

を起動する。また、取付け側となるユニティ天頂部の

ACBM

(アクティブ側の共通結 合機構)を起動し点検する。

ACBM

のキャプチャー・ラッチは動作確認を行った後、結合に備 えて展開状態にされる。

  カーゴベイに固定している

Z1

トラスを

RMS

で把持する。その後、

Z1

トラスをシャトルに 固定している機構を解除し、

RMS

にて

Z1

を結合が可能な位置まで移動させる。

 

Z1

トラスとユニティを

CBM

(共通結合機構)結合させる。その後、

RMS

Z1

トラスの把 持が解除される。

(2)

ISS

内への入室

#1

/退室

 

FD3

に続いて、

ISS

内への物資の搬入作業が行われる。また、

Z1

トラス接続部

(CBM)

の船内 側準備作業などが行われる。

(3)船外活動

(EVA)

に備えてオービタ内を

10.2 psia

(約

2/3

気圧)へ減圧

 

EVA

前に行われる事前呼吸

(

プレブリース

)

時間を短くするため、

FD4

の夜からオービタ内の 気圧を約

2/3

気圧に下げて、

EVA

に備える。

ハイライト/トピックス

Z1

トラスとユニティの結合は、軌道上での初めての

CBM(Common Berthing Mechanism)

結合作業となる。

CBM

は、ロシア以外の与圧された

ISS

の構成要素同士を結合するために使 用される共通的な結合機構であり、「きぼう」日本実験棟においても使用される結合機構であ る。また、結合のための

RMS

操作は、ユニティ

/PMA-2

がシャトル後方フライトデッキの窓の 視野を遮ってしまい、直接目視確認ができないため、カメラや

SVS(Space Vision System)

によ る

TV

画面を見ながらの操作となる。

この作業は、

PMA-3

の取り付けと共に今回のミッションでの一番の見所である。

(次ページを参照)