3A フライトでは、4名の EVA クルーが 2 人組みで、1日おきに 2 回の EVA(計4 回の EVA)を行います。
1 日おきに EVA を行うのは、シャトルの EVA クルーは、EVA を実施した翌日は EVA は行えない規定になっているためであり、4 人で 2 交代の体制を組んで作業を実施 します。
なお、以下の 4 回の EVA 作業は、打上げ直前まで手順の見直しが行われるため、
今後も多少変更される可能性があります。
(1)EVA #1 での主要作業
(a)Z1 トラスとユニティ間のアンビリカル配線の接続
Z1 トラスの温度的にクリティカルな機器にヒーター電力等を供給するために、
Z1 トラスとユニティ・モジュール間に合計 10 本のアンビリカル(電力、通信)ケー ブルを接続します。
(b)S バンドアンテナ(SASA)の取外し、移動、設置
S バンドアンテナを打上げ時に固定されていた位置(図 1.2‑2(2/2))からボルト を外して取り外し、Z1 トラス上の別の場所に移設します。その後、ヒーター電力 を供給するための電力ケーブル 2 本を接続します。
注:この SASA を固定していた場所は、EVA#3 で DDCU を取り付ける場所となります。
(c)Ku バンドアンテナ(SGANT)の取外しとブームへの取付け
Ku バンドアンテナを Z1 トラスに固定している 2 箇所の固定具を緩め、アンテナ のハンドルをつかんで上方へ引き上げます。その後、Ku バンドアンテナ・ブームに Ku バンドアンテナを 4 本のボルトで固定します。最後にアンテナとブーム間に電 力ケーブル 2 本を接続します。
(d)Ku バンドアンテナ(SGANT)ブームの展開
打上げ時に Ku バンドアンテナのブームを固定していたボルトを緩め、ハンドル をつかんでブームを上方へ展開します。
(2) EVA #2 での主要作業
(a)スペースラブパレット(SLP)からの PMA‑3 の取外し
まず、ユニティの底側にある CBM を起動/点検し、CBM の機能が正常であること を確認します。そして CBM の把持ラッチが正常に展開されたところで、EVA クルー はエアロックを出て、SLP から PMA‑3 を取り外す作業に着手します。
以下の作業は、安全を確保するため、RMS で PMA‑3 を把持した状態で行われます。
・PMA‑3 の固定ラッチの解除
2 人の EVA クルーは、PMA‑3 を固定しているボルト(16 箇所)を対角線上にバラ ンスを取りながら緩めます。この作業時には、トルクや回転数等があらかじめプ ログラミングされた電動工具(図 1.2‑20 参照)を使用します。このボルトは完全 に緩めた状態でも外れて飛んでいかないような仕組みになっています。
その後、4 個の把持ラッチを完全に開いて PMA‑3 の固定を解除します。
・PMA‑3 をシャトルの RMS で持ち上げる状況のモニタ
PMA‑3 と SLP 間の最も接近した部分の隙間は約 15cm しかないため、RMS で PMA‑3 を把持して SLPから取り出す操作を確実に行うためにも EVAクルーは船外でこの 様子をモニタします。
(b)PMA‑3 とユニティ間の主系アンビリカル・ケーブルの結合
ユニティモジュールへの PMA‑3結合が終了した後、EVA クルーは打上げ時に PMA‑3 の外壁に固定されて打ち上げられたアンビリカル・ケーブルを外し、ユニティと PMA‑3 間の主系アンビリカル(配線)計 4 本を接続します。(これらの配線を接続し た後、PMA‑3 のヒーターを起動し、CBM 接合部の温度を 1 晩かけて均一にさせ、最 終的な構造結合(ボルト締め)を行います。)
配線の接続場所
<<<<FFFF改改改改訂訂訂訂>>> > (c)Z1/P6 トラス結合機構(RTAS 機構)のロンチロック解除
4A フ ラ イ ト で Z1 ト ラ ス に P6 ト ラ ス を 結 合 す る 際 に 使 用 す る 4 個 の
RTAS(Rocketdyne Truss Attachment System)
機構のロンチロック(打上げ時用の 固定具)を解除します。
(3) EVA #3 での主要作業 (a)Z1 トラスへの DDCU 取付け
まず、Z1 トラスの DDCU (直流変圧器)の取付け場所の断熱カバーを取り外します。
その間に RMS の先端に乗ったもう1人の EVA クルーがシャトルのカーゴベイに固定 された DDCU を取り外し、運搬用のハンドルを取り付けた DDCU をつかんだ状態で Z1 トラス上の設置場所まで運搬し、Z1 トラスへの取付けを行います。そして電力ケー ブルを接続します。この作業をもう一つの DDCU でも同様の方法で行います。
(b)Z1 トラスとユニティ間のアンビリカルの接続(残り分)
Z1 トラスとユニティ間に電力供給、通信用ケーブル 4 本を接続します。ここでは、
EVA#1 で接続しなかった残りの配線を接続します。この際、2A フライトで接続した 一時的な電力ケーブルを取り外します。
(c)船外活動用工具箱(ETSD)の Z1 トラスへの運搬・取り付け #2
SLP に固定して打ち上げられた ETSD(残りの1個)を取り外して、RMS の先端に 乗った EVA クルーが把持したまま Z1 トラスまで運搬し、Z1 トラスに取り付けます。
(d)PMA‑3 とユニティ間のアンビリカルの接続(残り分)
EVA#2 でユニティと PMA‑3 間の主系の配線ケーブルを接続後、ヒーターを起動し て、CBM 双方の温度を均衡させましたが、ここでは、ユニティと PMA‑3 間の従系の 配線ケーブル計 4 本を接続します。
(e)Z1 キール・ピンの移動
ピストル・グリップ・ツール(電動工具:図 1.2‑20 参照)を使用して、Z1 キール・
(4)EVA #4 での主要作業 <<F<<FF改F改改訂改訂訂>訂>>>
(a)Z1 FRGF の取付け位置変更
4A フライトで P6 トラスを取り付ける際に邪魔になるため FRGF(取り外し可能な グラップル・フィクスチャ:Z1 トラスを RMS で把持する際に使用します)を取り外し て、移設します。このボルト 8 本の取り外しには、ピストル・グリップ・ツールを使 用して、固定用のボルトを緩めます。取り外した FRGF は、Z1 トラス天頂部の隙間 へボルトで固定されます。
(b)Z1 ケーブルトレイの展開
この作業は、5A フライト時に米国実験棟デスティニーを起動するのに備えると共 に、PMA‑2 を移動する作業(注)に備えて実施されます。打上げ時にトレイを固定し ていたピン 4 本を外し、トレイを開きます。
(注)デスティニーへ電力を送るための電力ケーブルや冷却用の配管は、このトレイに取り 付けられているコネクターに接続します。
また、PMA‑2 移設時には、MBM を仮置き場所として使いますが、トレイが閉じたまま だと MBM にはアクセスできません。
(c)Z1 トラスの MBM 把持ラッチの動作確認
5A フライトで、PMA‑2 を MBM に仮置きする作業に備えて、把持ラッチの動作確認 を行った後、そのまま把持ラッチを開いたままにしておきます。
(d)写真撮影、工具の収納
取り付け後の確認及び、将来のクルーの訓練に使用するため、EVA で取り付けた 機器は全て取り付け状況が判るように写真撮影が行われます。また、次回の 4A フ ライトでの EVA に備えて、EVA 工具をあらかじめ決められた場所に収納します。
(e)SAFER の機能確認(DTO 689)、レスキュー技術の実証試験(DTO 675)
本 EVA 作業は、ISS の組立には関係ありません。ISS での EVA が増えるにつれて、
作業の危険性も増大するため、SAFER の機能確認と動けなくなった EVA クルーをも う 1 名の EVA クルーが運搬する方法を実証試験します。1‑19 ページの DTO 675, 689 を参照下さい。
ON/OFF スイッチ
モードA/B 切替スイッチ
バッテリ・カートリッジ トリガ 拡大面
英数字表示
ディスプレイ LEDインジケータ
MTL トルク調整用環
スピード調整用環
仮置き時の固定用 バヨネット・プローブ
図 1.2‑20 ピストル・グリップ・ツール(PGT:電動工具)
1.3 国際宇宙ステーション(ISS)の概要
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1.3.1 ISS
計画の概要国際宇宙ステーション計画は、米国、ロシア、日本、カナダ、欧州(ベルギー、デ ンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、イギリ ス、スイスおよびスウェーデンの11ヶ国)とブラジル(注:ブラジルは、アメリカ との2国間協定で参加。多国間協定での参加ではありません。)の計16ヶ国が共同 で開発を行っているもので、米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルやロシ アのプロトンロケット等を用いて平均高度約400Kmの地球周回軌道上に恒久的 かつ多目的な有人施設を段階的に構築するものです。
宇宙ステーション計画は、ミールとスペースシャトルのドッキングミッション(フ ェーズ I 計画)の成果をもとに、開発、組立てを行っており、現在はフェーズ II 計画 に入っています。
ISS 計画の経緯については、参考の 2 章を御参照下さい。また、ISS の全組立てシ ーケンスについては、参考‑19 ページの表 1 を御参照下さい。
表 1.3‑1 に現在までの ISS 組立フライトと 5A フライトまでの今後予定を示します。
表1.3‑1 5Aフライトまでの国際宇宙ステーション組立スケジュール ISS組立シーケンスRev.F対応(2000年9月21日現在)
打上げ 日 フライ ト番号 打上げ 機 打上げ 要素
1998.11.20 1A/R 露/プロトン ザ ーリャ(FGB)(無人打上げ )
1998.12.04 2A 米/STS-88 ユニティ(ノード1)、与圧結合アダ プタ (PMA) -1,2 1999.05.27 2A.1 米/STS-96 ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 補給フライ ト、
EVA ク レーン
2000.05.19 2A.2a 米/STS-101 ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 修理保全フライ ト 2000.07.12 1R 露/プロトン ズ ヴェ ズ ダ (サ ービス ・モジ ュール)(無人打上げ )
2000.08.06 1P 露/ソ ユーズ プログ レス M1 補給船(無人打上げ )
2000.09.08 2A.2b 米/STS-106 ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 補給フライ ト 2000.10.05 予定 3A 米/STS-92 Z1 トラス 、PMA-3
2000.10.30 予定 2R 露/ソ ユーズ ソ ユーズ TM 宇宙船 (こ こ より 3 人の 飛行士が 常駐)
2000.11.中予定 2P 露/ソ ユーズ プログ レス M1 補給船(無人打上げ ) 2000.11.30 予定 4A 米/STS-97 P6 トラス 、太陽電池パドル、ラジ エ ータ 2000.12 予定 3P 露/ソ ユーズ プログ レス M1 補給船(無人打上げ ) 2001.01.18 予定 5A 米/STS-98 米国実験棟デス ティニー(U.S.LAB)
※参考:NASA ホームページ (http://spaceflight.nasa.gov/station/assembly/flights/chron.html)
プログレス補給船の打上げについては、Florida Todayを参考とした。
(http://www.flatoday.com/space/next/sked.htm)