若田宇宙飛行士、国際宇宙ステーションの組立フライトへ搭乗
「地球人の世紀へ」
プレスキット
(STS-92/3Aフライト)
2000 年 9 月 25 日(改訂版)
宇宙開発事業団
2000/09/25 <F改訂>
STS-92 プレスキット正誤表(A 改訂:7/27)
ページ/場所 誤記 訂正結果 P1-2 /表 1.1-1 (情報の更新) 表1.1-1 を改訂。打上げ日時を 9/21 から10/5 へ変更。 P1-12 /図 1.2-4 「プログレス補給船」 「ソユーズTM 宇宙船(2R)」 P1-18 /9 行目 「偏向グラス」 「偏光グラス」 参考-19 (情報の更新) 表1を改訂STS-92 プレスキット正誤表(B 改訂:8/7)
ページ/場所 誤記 訂正結果 P1-38 /表 1.3-1 − 出典を明記 参考-19,20 − 表1の注記を追加STS-92 プレスキット正誤表(C 改訂:8/16)
ページ/場所 誤記 訂正結果 P1-11 /1.2.2.3 項 6A フライトで起動予定 5A.1 フライトで起動予定 P1-38 /表 1.3-1 (情報の更新) 1P 打上げを反映 P7-7 /図 7-3 4 層と 6 層の誤訳を修正 (その他、補足情報を追記) 4 層(ポリウレタンでコートされたナイロン) 6 層(裂け目防止加工されたネオプレー ンでコートされたナイロン) 参考-54 /STS-106 宇宙飛行士名を訂正 リチャード・マストラッチョ ボリス・モルコフ リチャード・マストラキオ ボリス・モロコフSTS-92 プレスキット正誤表(D 改訂:9/6)
ページ/場所
誤記
訂正結果
P1-2 /表 1.1-1
(情報の更新)打上げ時間、着陸日時を改訂
P1-3 /1.1.3(4)
従来の「シャトル飛行規則」 「従来のシャトルのインタフェ
ース要求文書」に修正
P1-7 /1.2.2
−
Z1 トラスと P1 トラスの Z,P の
由来を追記
P1-13,14/ (1)
−
CBM 結合手順を明確化した。
P1-21,22 /(1)概要 ISS への接近方法を訂正
図
1.2-9 を正しい図面に差替え
2000/09/25 <F改訂>
STS-92 プレスキット正誤表(E改訂:9/18)
ページ/場所 誤記 訂正結果 P1-2 /表 1.1-1 帰還予定日時の午前と午後が 反対であった。 表 1.1-1 を訂正すると共に、最新 の情報に更新。 P1-38 /表 1.3-1 (情報の更新) STS-106(2A.2b)の打上げを反映 P1-41 /(5)2A.2b (情報の更新) STS-106(2A.2b) の ミ ッ シ ョ ン 状 況を反映 P7-4 /表 7-1 (情報の更新) 2A.2b の EVA 結果を反映 参考-42 − 以下の2 ページの改訂に伴う改訂 日を更新 参考-54/ STS-106 (情報の更新) STS-106(2A.2b)の打上げを反映 参考-55/参考-6 (情報の更新) STS-106(2A.2b)の打上げを反映STS-92 プレスキット正誤表(F改訂:9/25)
ページ/場所 誤記 訂正結果 目次 − 1.7 章、付録 3,4 を追加 P1-1 (情報の更新) (プログレス補給船による補給フライト 2 回を除く)の部分を「1 回」に修正。 P1-2 /表 1.1-1 (情報の更新、補足) 打上げ時刻を最新の情報に更新。 打上げ時間の決定に関する注記を 追加。 P1-4 /図 1.1-1,2 (情報の更新) 2P の打上げ延期を反映 P1-6 /表 1.2-1 (情報の更新) 新しい Flight Plan の情報にあわ せてスケジュールを改訂 P1-7 /表 1.2-2 (情報の更新) Z1 トラスの重量を最終測定値に 更新 P1-35, 36 (情報の更新) 新しい Flight Plan の情報にあわ せてEVA 作業項目を更新 P1-38 /表 1.3-1 (情報の更新) 2P の打上げ延期を反映 P1-46 /表 1.4-1 (情報の更新) 新しい Flight Plan の情報にあわ せてスケジュールを改訂 P1-52∼P1-64 (追加) ページの追加 付録 3 (追加) ページの追加各改訂ページ右上には改訂記号(例:<F改訂> )を付けていますので、本文中
ではここで改訂ページを確認できます。
目 次
<F 改訂>
1. STS-92 ミッションの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 1
1.1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 1
1.1.1 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 1
1.1.2 打上げ・飛行計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 1
1.1.3 STS-92 ミッションの特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 3
1.1.4 3A フライト前後の国際宇宙ステーションの形状 ・・・・・・・・・・・ 1- 4
1.2 STS-92 ミッション概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 5
1.2.1 主要ミッションスケジュール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 6
1.2.2 Z1 トラス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1- 7
1.2.2.1 コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-10
1.2.2.2 S-バンドアンテナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-11
1.2.2.3 Ku-バンドアンテナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-11
1.2.2.4 プラズマ生成ユニット(PCU) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-11
1.2.2.5 電力分配装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-13
1.2.2.6 機構的構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-13
1.2.3 PMA-3/ スペースラブパレット(SLP)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-16
1.2.4 直流変圧器(DDCU) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-17
1.2.5 船外活動用工具箱(ETSD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-17
1.2.6 二次ミッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-18
1.2.6.1 IMAX3 次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-18
1.2.6.2 開発試験ミッション(DTO) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-19
1.2.7 ISS とのランデブー/ドッキング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-21
1.2.8 シャトルのマニピュレータ(RMS)運用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-23
1.2.8.1 シャトル RMS 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-23
1.2.8.2 3A フライトでの RMS 運用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-30
1.2.9 船外活動(EVA) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-33
1.3 国際宇宙ステーション(ISS)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-38
1.3.1 ISS 計画の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-38
1.3.2 ISS の現在までの組み立て状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-39
1.3.3 3A フライト後の ISS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1-42
2. スペースシャトルシステムについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 1
2.1 スペースシャトル開発の経緯と全体概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 1
2.2 緊急時の対処、脱出手順概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 4
2.3 スペースシャトルの主要機能の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 5
2.3.1 推進系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 6
2.3.2 操縦関連のシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 6
2.3.3 環境制御・生命維持システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 7
2.3.4 電力システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 8
2.3.5 シャトル内での生活等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 8
2.3.6 スペース・ハブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 10
2.3.7 オービタ・ドッキング・システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 10
2.4 各オービタの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 11
3. スペースシャトルの打上げについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1 打上げ計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1.1 シャトル打上げ概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1.2 STS-92 関連 NASA 施設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 2
3.2 打上げまでの主要イベント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 4
3.3 打上げシーケンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 4
3.4 射場システム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 7
3.4.1 ケネディ宇宙センター(KSC)の概要・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 7
3.4.2 KSC のシャトル関連主要施設の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 8
3. 5 打上げ時の気象条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3-11
3.6 スペースシャトルの飛行管制について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3-12
3.6.1
ジョンソン宇宙センター(JSC)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・
3-12
3.6.2
飛行のための地上管制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3-13
3.6.3
ミッション・コントロール・センター(MCC)の概要・・・・・
3-13
4. 着陸について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 1
4.1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 1
4.2 着陸シーケンス概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 2
4.3 代替着陸地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 3
4.4 緊急着陸地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 3
5. 広報イベントについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.1 打上げ前の広報イベント取材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.2 飛行中の広報イベント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.3 着陸後の広報イベント取材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 2
6. STS−92クルー(搭乗員)について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 1
6.1 クルーの経歴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 1
6.2 スペースシャトルの宇宙飛行士の種類と役割 ・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 2
6.3 MS 訓練の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.1 NASA MS訓練の全体概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.2 若田宇宙飛行士のMS訓練・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.3 STS−92クルーの EVA、RMS 訓練概要 ・・・・・・・・・・・・・ 6- 9
6.4 シャトル内の生活 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6-14
7. 船外活動(EVA)について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.1 船外活動(EVA)とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.2 シャトルにおける EVA 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.3 宇宙服及び関連システム概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 5
7.3.1 EMU(船外活動ユニット)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 6
7.3.2 エアロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-15
7.3.3 EVA 工具、EVA 支援機器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-16
7.4 EVA の運用概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-25
<F改訂>
参考 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 1
1. NASDA 参加の主なシャトルミッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 2
(1) 第一次材料実験(FMPT)「ふわっと’92 」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 2
(2) 国際微小重力実験室(IML)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 3
(3) STS-72 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 6
(4) 第1次微小重力実験室(MSL-1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 8
(5) マニピュレータ飛行実証試験(MFD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-10
(6) STS-87 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-12
(7) STS-90(ニューロラブ計画)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-13
(8) STS-95 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-14
(9) STS-99 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-15
(10) STS-92 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-16
2. 国際宇宙ステーション計画と「きぼう」日本実験棟について 参考-17
(1) 国際宇宙ステーション計画の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-17
(2) 国際宇宙ステーションの運用について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-23
(3) 「きぼう」の運用システム(JEM 運用システム)について・・・・ 参考-24
(4) 「きぼう」(JEM)開発の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-26
(5) 「きぼう」(JEM)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-27
(6) 第1回 JEM 利用募集の応募結果について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-30
3. NASDA 宇宙飛行士の紹介、資質要求、応募条件 ・・・・・・・・・・・ 参考-32
4. 米国・CIS 以外の宇宙飛行士の飛行記録一覧表・・・・・・・・・・・・・ 参考-40
5. スペースシャトルの打上げ実績 (STS-1∼STS-106 まで) ・・・・ 参考-42
6. オービタ毎のミッション回数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-55
付録
1. スペースシャトル関連略語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 1- 1
2. STS-92 タイムライン略語表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 2- 1
3. ISS 組立シーケンス図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 3- 1
お知らせ
本プレスキットは、NASDA の宇宙ステーションホームページ上でも pdf 形式
のファイルでご覧になれます。また、情報の変更を反映した差し替えページも用
意しています。
1.STS−92ミッションの概要
<F改訂>
1.1 概要
1.1.1 目的
スペースシャトル・ディスカバリー号による STS-92 ミッションは、国際 宇宙ステーション(ISS)の組み立てのための飛行であり、3A フライトとも呼 ばれています。(ISS 組立てフェーズの各フライトの名称の設定については、 1−3 ページを参照して下さい。) STS-92 は、シャトルによる国際宇宙ステーションの組み立てフライトと しては、5回目。ロシアのロケットによる打上げを含めると7回目となり ます(プログレス補給船による補給フライト 1 回を除く)。 また、このミッションでは日本の若田宇宙飛行士が2回目のシャトル飛 行を行います。若田宇宙飛行士は、前回搭乗した STS-72 の飛行の時と同様 にシャトルの遠隔マニピュレータシステム(RMS)の操作を担当します。 (若田宇宙飛行士の主要任務の詳細については、1.4 項及び 1.2.8.2項(RMS 作業内容)を参照下さい。) この飛行では、Z1 トラスというトラス構造物と与圧結合アダプター (PMA-3)が打ち上げられ、軌道上でシャトル RMS を使用して組み立てられま す。また組立中には合計 4 回の船外活動(EVA)が行われます。1.1.2 打上げ・飛行計画
STS-92 の打上げ・飛行計画の概要は表 1.1-1 のとおりです。なお、正式 な打上げ日時は、NASA により打上げ約2週間前に決定され、発表されます。 スペースシャトル・ディスカバリー号は、米国フロリダ州ケネディ宇宙 センター39A 発射台から打ち上げられ、高度約 320km(173 海里)、軌道傾 斜角 51.6 度の軌道に投入される予定です。 ディスカバリー号は、打上げから 3 日後に国際宇宙ステーション(ISS)に ドッキングし、ISS との結合状態で7日間の飛行を行った後、打上げから約 11日後にケネディ宇宙センターに帰還する予定です。
<F改訂>
表1.1−1 STS−92ミッションの打上げ・飛行計画の概要 2000 年 9 月 22 日現在 項 目 計 画 STSミッション番号 STS−92 オービタ名称 ディスカバリー号(ディスカバリー号としては 28 回目の飛 行) 打上げ予定日時 2000 年 10 月 5 日 午後 9 時 39 分(米国東部夏時間) 10月 6 日 午前 10 時 39 分 (日本時間) ロンチウィンドウ (打上げ可能時間帯) 5∼10 分 打上げ場所 フロリダ州 NASA ケネディ宇宙センター(KSC)39A 発射台 飛行期間 約 11 日間 搭乗員数 7 名 (6章を参照下さい) 軌道高度 投入高度 :約 327km(177海里) ランデブー高度:約 379km(205海里)(TBD) 軌道傾斜角 51.6 度 帰還予定日時 2000 年 10 月 16 日 午後 5 時頃(米国東部夏時間) 10 月 17 日 午前 6 時頃 (日本時間) 帰還予定場所 主帰還地 :フロリダ州 NASA ケネディ宇宙センター(KSC) 代替帰還地:カリフォルニア州 NASAドライデン飛行研究センター(DFRC) カーゴベイ 国際宇宙ステーション組立フライト 3A (Z1 トラス、PMA-3/SLP、DDCU、EVA 工具箱) IMAX3 次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D) 主要搭載ペイロード ミッドデッキ ISS への補給品 源泉情報: http://www-pao.ksc.nasa.gov/kscpao/schedule/schedule.htm(公式な打上げ日は、9 月 28 日に実施される FRR(Fright Readiness Review:飛行準備審査会)
で決定され、発表されます。また、正確な打ち上げ時間は、打上げの数時間前に ISS のレーダ ー追跡の結果を基に決定されます。)
STS: Space Transportation System
PMA-3: Pressurized Mating Adapter-3(与圧結合アダプタ 3) SLP: SpaceLab Pallet(スペースラブ・パレット)
1.1.3 STS-92 ミッションの特徴等 <D 改訂>
(1) 国際宇宙ステーション(ISS)の組立てに日本人宇宙飛行士が初めて参加すると共 に、初めて内部に入室します。 (2) STS-92 は、通算 100 回目の記念すべきシャトルフライトです。 (3) 3A フライトが終了すると、ISS に宇宙飛行士が恒久的に滞在する準備が整いま す。そのためにも本ミッションは重要な飛行となります。 (4) 若田宇宙飛行士が操作する RMS を使用しての組立て作業は、従来のシャトルの インタフェース要求文書では対応できない(新たな手順の開発やコンピュータ 解析等で対応します)ほど精密な操作が要求されています。また、直接目視でき ない位置に精密に結合させる等の操作も必要とされており、これまでにない難 しい運用となります。 (5) RMS 運用以外にも4回の船外活動が必要であり、クルーの作業時間の余裕も少な いため、予定どおりに作業が進まない場合は、大幅な計画変更が必要となる厳 しいミッションです。 (6) 今回の飛行は、軌道傾斜角が 51.6 度と高いため、日本上空を通過します。条件 が良ければ朝晩に若田宇宙飛行士が乗ったシャトルを見ることができます。ま た、今回はシャトルだけでなく、ISS との接近や、ISS とドッキングしてさらに 明るくなる姿を見ることができます。 (参考)国際宇宙ステーションの組立フェーズで使われる各フライトの名称 ISS 組立フライトでは、以下のような形でミッション番号が設定されています。 表1.1−2 各ISSフライトで使われる名称の意味 A アメリカのフライト R ロシアのフライト P プログレス補給船による補給フライト J 日本のフライト E ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のフライト UF 利用フライト(Utilization Flightの略)1A/R や 1J/A、2J/A という「/」がついたものは、A/R ならアメリカとロシアのフライ ト、J/A なら日本とアメリカのフライトという意味になります。つまり日本の曝露部等 が打ち上げられる 2J/A フライトは、日本とアメリカの飛行の2回目という意味です。 STS-92 の場合の 3A フライトは、アメリカの 3 番目の組立フライトという意味です。 ところが、このような番号の付け方は、ISS 計画の初期段階に設定されたものであり、 その後の見直しにより、どんどん変わってしまいました。3A フライトの場合は、その
1.1.4 3Aフライト前後の国際宇宙ステーションの形状 <
<
<
<F
F
F
F改
改
改
改訂
訂
訂>
訂
>
>
>
3Aフライト前後の形状の変化を図 1.1-1,1.1-2 に示します。 図1.1−1 3Aフライト開始前の ISS 形状 図1.1−2 3Aフライト終了後の ISS 形状 プログレス補給船(1P) ズヴェズダ(サービスモジュール) ザーリャ(FGB) ユニティ(ノード1) PMA-2 PMA-1 プログレス補給船(2P) (注:2Pフライトは 3A 直前にドッキング 予定であったが、11 月へ延期され た) PMA-3 Z1 トラス1.2 ミッション概要
3Aフライトでは、Z1トラスと、PMA-3という2つの大きなエレメントがISSのユニ ティ・モジュールに取り付けられます(図1.2-1参照)。また、このフライトでは宇宙飛 行士の恒久滞在に備えた各種機器の輸送が行われることになっています。この中には 搭乗員健康管理システムやISSへの補給品、船外活動用工具等が含まれています。 このフライトでは、合計4回の船外活動(EVA)が行われる予定です。これらのEVA作 業については、1.2.9項を参照して下さい。また、EVAに関する基本的な情報に関して は、7章を参照して下さい。 図1.2−1 STS-92 のカーゴ搭載状況1.2.1 主要ミッションスケジュール <
<
<
<F
F
F改
F
改
改
改訂
訂
訂
訂>
>
>
>
表 1.2-1 STS-92 主要スケジュール
(STS-92 Flight Plan Final(2000.9.8)より)
飛行日 主な実施ミッション 1 日目 打上げ/軌道投入、Ku バンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御 2 日目 遠隔マニピュレータシステム(RMS)、カーゴベイ状態、宇宙服(EMU)、エアロッ ク等の点検作業、ランデブー用軌道制御、 NASDA 広報(PAO)イベント 3 日目 ISS とのランデブー、ISS(PMA-2)とのドッキング、 ISS 内(ユニティ)への入室#1、物資の搬入 4 日目 ISS への Z1 トラス取付け、ISS 内(ユニティ、ザーリャ)への物資の搬入、 Z1 トラス結合部の船内側作業、ISS からの退室 船外活動(EVA)に備えて、オービタ内を 10.2psia(約 2/3 気圧)へ減圧 5 日目 EVA #1 (Sバンドアンテナの移動/取付け、Z1トラスとユニティ間の配線接続、Kuバンドアンテナの取付け /アンテナブームの展開、ETSD(船外活動用工具箱)の移動/取付け#1 等) ISS のリブースト(軌道の引き上げ)#1 6 日目 ISS への PMA-3 取付け
EVA #2 (SLP 上の PMA-3 のラッチ解除、PMA-3 とユニティ間の配線接続等) ISS のリブースト#2
7 日目 EVA #3
(DDCU の取付け、Z1トラス及び PMA-3 とユニティ間の最終配線接続、ETSD(船外活動用 工具箱)の移動/取付け#2、Z1キール・ピンの移動 等)、ISS のリブースト#3 8 日目 EVA #4 (Z 1ケーブル・トレイの展開、Z1 グラップル・フィクスチャの移設等、
ISS 組立作業終了後、EVA 時におけるレスキュー試験(DTO 675,689)を行う) ISS のリブースト#4 9 日目 オービタ内の気圧を 14.7psia(1 気圧)へ戻す、ISS のリブースト#5 ISS への入室#2/退室、クルー全員による PAO イベント(2 回) ISS とのドッキング解除準備 10 日目 ISS とのドッキング解除、 クルー全員による PAO イベント、半日の休暇 11 日目 船内の後片づけ、軌道上共同記者会見、Ku バンドアンテナ収納 12 日目 軌道離脱準備、軌道離脱、着陸 注:打上げ日によっては、軌道の条件上、ランデブー/ドッキングが4日目となる 場合があります。その場合、後半の作業予定は変更される可能性があります。
1.2.2 Z1 トラス <<<<F
F
F
F改
改
改
改訂
訂
訂>
訂
>>
>
Z1トラス(図1.2-2参照)は、ISSの初期段階の電力を確保するために、4Aフライト で打ち上げるP6トラス(太陽電池パドルを装備したトラス:図1.2-4参照)を一時的 に設置する際の基礎構造部になるものです。 このP6トラスは、2年程度Z1トラスの上で使用された後、13Aフライトで本来の位置 (左舷トラス)へ移設される予定です。 注:Z1トラスのZは、Zenith(天頂方向)のZ、またP6トラスのPは、Port(左舷)のPに由 来して付けられた名称です。 さらに、Z1トラスには、ISSの姿勢制御装置や通信システムも搭載しており、初期 段階の要となるモジュールであると言えます。 Z1トラスは、シャトルのRMSを使用してユニティ・モジュールの天頂部の共通結合機 構に結合されます。 Z1トラスには、主に以下の装置類が取り付けられています。
・
姿勢制御用コントロール・モーメント・ジャイロ:CMG(Control Moment Gyros)・
Sバンド アンテナ・アセンブリ・
Kuバンド アンテナ・アセンブリ・
プラズマ生成ユニット:Plasma Contactor Units(PCU)・
一次、二次電力分配装置(DDCU等)・
機械的構造部・
熱制御システムハードウエア・
船外活動用工具箱(ETSD) 表1.2−2 Z1トラスの主要諸元(シャトルカーゴベイ搭載時) 諸 元 重量 約8,315kg 大きさ 約4.9m×4.8m×4.2m 材質 アルミニウム2219合金 開発メーカ ボーイング社図1.2-2(1/2) Z1トラス概観
リモート電力制御モジュール (RPCM) Kuバンド送受 信器(SGTRC) キール・ピン の移動場所 P6トラス結合機 構(RTAS) (合計4個) キール・ピンの固定 部(打上げ時) Z1 ケーブル トレイ 船外活動用 工具箱 (ETSD) プラズマ生成ユニット (PCU)2個 手動結合機構 (MBM) ロンジロン・ トラニオン・ピン (シャトルへの固定部) 電力配線の パッチ・パネル ザーリャ、ズヴェズダ を設置している方向 スペースシャトルの ドッキングポート(PMA-2) 方向 P6トラス(太陽電池 パドル)設置方向 共通結合機構 (CBM)Kuバンドアンテナ 反射鏡(SGANT) Kuバンド送受 信器(SGTRC) Kuバンド アンテナブーム キール・ピンの 移動場所 P6トラス結合機構 (合計4個) Sバンドアン テナ打上げ時 の固定場所 船外活動用 工具箱(ETSD) キール・ピンの 取付部(打上げ時) コントロール・モーメント・ジャイロ (CMG)4基 ロンジロン・ トラニオン・ピン SバンドACBSPヒートパイプ ラジエータ及びOSRプレート EVA時の移動支援器 具「Pool Handle」 ETSD ザーリャ、ズヴェズダ を設置している方向 スペースシャトルの ドッキングポート(PMA-2) 方向 P6トラス(太陽電池 パドル)設置方向
1.2.2.1 CMG(Control Moment Gyros)
(ボーイング社開発) コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)は、大型の宇宙機の姿勢を回転する円盤 (フライホイール)の力を利用して制御する装置です。CMG は人工衛星の姿勢制御に 使用されているリアクション・ホイールよりも大きな角運動量、トルクを発生するこ とができます。この力の大きさは、フライホイールの角運動量とジンバルの回転速度 の積で決まり、リアクション・ホイールに比べると、数十倍のトルクが得られます。 CMG はこれまでに、アメリカのスカイラブと、ロシアのミールの姿勢制御用として 使用された実績があります。 Z1トラスには4基のCMG(1基の重量、約300kg)(図1.2-2(2/2)参照)が装備されており、 推進剤を使用するスラスターを使わずに、ISSの姿勢制御を行うことができます。こ のCMGは、CMGの制御を行う機器が収められた米国実験棟デスティニーが打ち上げられ る5Aフライトで起動されます。 CMG の中では、大型の円盤状のはずみ車 (フライホイール)を一定速度で回転 (6600rpm)させて、大きな角運動量を持たせておき、そのフライホイールを別のモー タで駆動するジンバルで傾けることにより、地球ゴマのおもちゃで体験できるような ジャイロ効果による大きな回転力を発生することができます。このようにして、宇宙 ステーションの姿勢を維持したまま、外乱を吸収することができます。 また、ホイールのスピン軸を慣性的に変更することにより、宇宙ステーションの姿 勢を変更することもできます。 宇宙ステーションの姿勢を保持すべき範囲に安定させるためには、最低でも2個の CMGが稼働し、必要な角運動量を発生している必要があります。このため、CMGが故障 した場合にも軌道上で交換できるように設計されています。 図1.2-3 コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)の内部構造 内部ジンバル 保護カバー フライホイール (水平状態)1.2.2.2 Sバンド・アンテナ
(ボーイング社開発)<C改訂>
ISSのシステムを管理するためのテレメトリや、音声データは、通信速度が低速 ではありますが、通信のカバー範囲が広くなるSバンド帯を使用します。 Z1トラスに取り付けて運ばれるSバンド通信システムは、基準信号処理装置、低 利得アンテナ、高利得アンテナ等から構成されます。 3Aフライトで打ち上げるSバンド・アンテナ・アセンブリは、4AフライトでP6(左舷 の6番目の意味)トラスを取り付けた後、船外活動でZ1トラスからP6トラスの先端部 に移設されることになっています。また、Sバンド中継器はP6トラスに取り付けて 打上げられます。(4Aフライトのコンフィギュレーションを図1.2-4に示します。) このため、このSバンド通信システムは、まだ完全に使える状態にはならないた め、4Aフライトまでは使用できません。それまでは、2Aフライトでユニティ・モジ ュールに暫定的に設置した初期段階の通信装置であるECOMMシステム(Sバンド初期 通信システム)が使用されます。1.2.2.3 Kuバンド・アンテナ
(ボーイング社開発) Kuバンド通信システムは、ISSにおける科学実験データや米国セグメントのTV、ビ デオデータ等の大容量のデータのダウンリンク(地上への伝送)に使用します。 このシステムも3Aフライトでは起動されず、5A.1フライトで起動される予定です。 このKuバンド通信システムは、静止軌道上のデータ中継衛星(TDRS)を経由して最大で 43Mbpsのデータをダウンリンクできます。 Kuバンドアンテナの反射鏡はブームの先端に取り付けられており、データ中継衛星 (TDRS)から受信する電波を基に自動的にアンテナをTDRS方向へ指向する機能を持っ ています。1.2.2.4 プラズマ生成ユニット(PCU:Plasma Contactor Units)
宇宙機が大型になり、複雑になるほど、宇宙環境による電位差で生じる放電(アー ク)の影響は無視できなくなります。アークの発生により電子機器の回路が破壊され ることがあるからです。 プラズマ生成ユニット(PCU)は、ISSとその周辺の空間の電位差を放電(アーク)が 生じるレベル(+40V)以下まで下げるために、電子を放出してプラズマフィールドを 生成する装置であり、Z1トラスに2基設置されています。PCUは、ISSに太陽光が当た
1
-12
飛行方向
地球方向
Z1トラスとP6トラス
の結合部
P6トラス (
4Aフライトで取り付け)(太陽電池パドル展開前)
Sバンドアンテナ
(Z1トラスからの移設場所)
ユニティ
ズヴェズダ
(サービスモジュール)
ソユーズTM宇宙船(2R)
ザーリャ
PMA-3
ODS(ドッキングシステム/エアロック)
1.2.2.5 電力分配装置 <D改訂>
Z1トラスは、4Aフライトで結合されるP6トラスの太陽電池からの電力を米国実験
棟デスティニーに供給する際に電力配線を経由させるモジュールとなります。この た め 、 過 大 な 電 力 を 遮 断 す る た め の サ ー キ ッ ト ブ レ ー カ ー の 役 割 を 持 つ RPCM(Remote Power Controller Module)や直流変圧器DDCU(1.2.4項を参照)等が取 り付けられています。
1.2.2.6 機械的構造
Z1トラスの代表的な機械的構造としては、共通結合機構(CBM)、手動結合機構(MBM)、 Z1ケーブル・トレイがあります (図1.2-2を参照)。
(1)共通結合機構:CBM (Common Berthing Mechanism)
CBMはロシア以外のISS与圧エレメント間を結合するために共通的に使用される結 合機構であり、「きぼう」日本実験棟でも使われます。CBMには、モーター駆動で結 合を行うアクティブ側(把持ラッチ4個、構造結合用の駆動ボルト16個を有する)と 受動的なパッシブ側があり、気密を保持するために巨大なOリング・シールが取り付 けられています。この両者を軌道上で結合することによって、与圧を保ったまま、宇 宙飛行士がISSの各モジュール間を移動することができるようになります。図1.2-5 にCBMの概観を示します。 Z1トラスとPMA-3側には、パッシブ側の共通結合機構が使われており、ユニティ側 に取り付けられたアクティブ側CBMからの制御で、結合されます。CBMを結合させるに は、各モジュールをCBMの把持ラッチ部で把持できる距離(十数cm)まで、RMSで精密に 接近させる必要があります。把持ラッチ作業が終了すると、16本のモーター駆動の結 合ボルトを軽く締めて仮結合した状態で、構造部の歪みを防ぐために両CBM(ACBM, キャプチャーラッチ (把持ラッチ) 結合ボルト 構造リング CBM コントローラー アライメント・ガイド アライメント・ガイド
<D改訂>
PCBM)の温度差が小さくなるのを待ち、その後、結合ボルトをきつく締め付け最終的 な構造結合が実施されます。 CBMには、宇宙での過酷な温度環境や、デブリ(宇宙ゴミ)の衝突等から自らを守 るためにカバーが取り付けられています。 アクティブ側の CBM には、4 個の可動式カバーと、1 個の中央カバーの 2 種類のカ バーが使われています。可動式カバーは、コマンドにより開閉できるようになってお り、結合前に「開」状態にされます。中央カバーは、カバーを取り付けたままでの結 合が可能であり、結合完了後に、ハッチを開けて内部からクルーが取り外すことにな っています。 今回の飛行で行われる、Z1トラスとユニティの結合、PMA-3とユニティの結合は、 軌道上での初めてのCBM結合作業となるため、今後のISS組立フライトの成否に係わる 重要な作業です。
(2)手動結合機構:MBM(Manual Berthing Mechanism)
手動結合機構(図1.2-2(1/2))はZ1トラスの前方にあり、5Aフライトで打ち上げら れる米国実験棟デスティニーをユニティの前方のCBMに設置する際に、邪魔となる PMA-2を取り外して、一時的に仮置き(注)するために使われます。 (注)取り外されたPMA-2は、デスティニーとユニティの結合が完了した後、デスティニーの前 方にあるCBMに移設されます。 この手動結合機構は、パッシブ側のCBMを結合できる機械的インタフェースを有し ていますがアクティブ側のCBMとは異なり、EVAクルーが手動操作で固定する仕組みに なっており、3AフライトでPMA-3を打ち上げる際に、PMA-3をスペースラブ・パレット に固定する機構(1.2.3項参照)とよく似たものです。
(3)Z1ケーブル・トレイ Z1ケーブル・トレイは、Z1トラスの前方に設置されており、将来、米国実験棟デステ ィニーに電力、通信、冷却ラインを接続するための橋渡し部分として使われるケーブ ル受けです。図1.2-6にZ1ケーブル・トレイの概観を示します。 図1.2-6 Z1ケーブル・トレイ概観 Z1トラスの構体 フレキシブル・ホース Z1トレイ フレキシブル・ホース 配管 ヒーター ヒーター ヒーター 急速着脱機構(QD)取付部 サーモスタット
1.2.3 PMA-3(Pressurized Mating Adapter) /スペースラブパレット(SLP)
与圧結合アダプタ(PMA)-2、3は、シャトルとのドッキングに使用される与圧可能な 円錐形のドッキングモジュールです(図1.2-7参照)。 PMA-3は、ユニティの底面にシャトルRMSを使用して取り付けられ、4A、5Aフライト でのシャトルのドッキングポートとして使用されます。(図1.2-4参照) シャトルでの打上げ時にはPMA-3は、シャトルのカーゴベイ内に取り付けられたスペ ースラブ・パレット(SLP)に固定された状態で打ち上げられます。このSLPは、本ミッシ ョンでは、PMA-3の輸送時の固定機構として使用するだけであり、そのままの状態で地 球に帰還します。(図1.2-8参照) SLPはスペースラブ・ミッション(曝露実験機器搭載)用に開発された装置ですが、 スペースラブ・ミッションが終了した後も、機器の運搬用としてシャトルで使われてい ます。(例えば毛利宇宙飛行士が搭乗したSTS−99のSRTM機器も、SLPに搭載 していました。) PMA-3の重量は、約1,156kg、SLPの重量は、約1,500kgあります。 表1.2-3 各PMAの概要と用途 PMA 打上げ 用途 PMA-1 STS-88 ザーリャ(FGB)との結合に使用。(永久結合) PMA-2 STS-88 通常使用されるシャトルのドッキングポート。 (以下の PMA-3 を使用する場合を除く) 5Aフライトで、ユニティ(ノード1)から米国実験棟へ移設される。 10Aフライトで、米国実験棟からノード2 へ移設される。 PMA-3 STS-92 4A、5Aフライトでのシャトルのドッキングポート。 5A.1フライトでユニティの下部から左舷ポートへ移設される。 ノード3 到着後にユニティからノード3 へ移設される予定。 図1.2-7 SLPに搭載された状態のPMA-3図1.2-8 シャトル上でのPMA-3固定状況
1.2.4 直流変圧器 DDCU(DC to DC Converter Unit)
STS-92では、2基のDDCUがシャトルの右舷、左舷側壁に固定されて打ち上げられます。 このDDCUは、EVAクルーによってシャトルから取り外されて、Z1トラスの右舷に取り付 けられます。 DDCUは、約 160Vdcで入力した電圧(一次電圧)を約124Vdcの安定した電圧(二次電圧) に変換する装置です。なお、このDDCUは、4AフライトでP6トラスの太陽電池からの電 力が供給されるまでは起動されません。
1.2.5 船外活動用工具箱 ETSD(EVA Tool Stowage Device)
ETSDは、Z1トラス上に設置されるEVA工具の保管箱であり、 STS-92ではSLPの端に2個 取り付けられて打上げられます(図1.2-8参照)。EVAクルーによってSLPから取り外され た後、RMSの先端に乗ったEVAクルーによってZ1トラスへ運搬され、設置されます(図 クリアランス確認用のカメラ の設置場所 ETSD シャトルの 機首方向 ( 船外活動用 工具箱 (ETSD) トラニオンピン (4箇所) PMA-3 PMA-3をSLPに 固定するための MBM機構 PMA-3固定装置 スペースラブパレット(SLP) (U字型の構造部分)
1.2.6 二次ミッション
<A改訂>
1.2.6.1 IMAX 3次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D)
(1)宇宙用 IMAX3D カメラ 宇宙用 IMAX3D カメラは、IMAX 社が開発した、通常の映画フィルム(35mm)の 10 倍 の細かさを表現できる大型(70mm)の IMAX フィルムを使用するカラー3D(立体映像) のモーション・ピクチャー・カメラ( IMAX カメラ)であり、STS-92 で初めて使われま す。このカメラは、IMAX 社、ロッキード・マーチン社、NASA が共同で開発したもの であり、1 本のフィルムに左右のレンズの映像を記録し、これを別々の 2 本のフィ ルムに分離して上映用のフィルムを作成します。この映像を観客は偏光グラスをか けることにより、立体映像として見ることが出来ます。 この宇宙用 IMAX 3D カメラは、船外用と船内用の 2 台が製造されました。STS-92 では、コマンダー、パイロットと若田宇宙飛行士の3名が宇宙用 IMAX 3D カメラの 操作訓練を受けており、撮影を担当します。 (2)船外用 IMAX 3D カメラ(ICBC-3D)船外用 IMAX 3D カメラは、3A, 4A, 6A, 7A, 7A.1フライトで搭載され、ISS の初 期段階の組立作業を映像に記録するもので、シャトルに取り付けられたまま、ミッ ション毎に地上と ISS を往復します。STS-92 で搭載される船外用カメラの本体は、 シャトル・カーゴベイの右舷後方(船外)に設置され、フライトデッキに設置された PGSC(ラップトップ・コンピュータ)からクルーのリモート操作により、撮影の開始/ 停止操作が行われます。フライトデッキには、マイクロフォンと DAT レコーダーが 用意され、撮影期間中の船内クルーの音声を映像と同じフィルムに記録することが できます。 (3)船内用 IMAX 3D カメラ
船内用 IMAX 3D カメラは、STS-106(2A.2b)で打上げられ、STS-104 (7A)で持ち帰 るまでの期間、ISS 上に保管され、ISS 及びシャトル船内の作業状況を宇宙飛行士が 撮影します(こちらも STS-92 で初めて撮影が行われます)。フィルムはシャトルド ッキング時に交換され、撮影済みのものは地上に運ばれます。 (4)参考情報 このようにして記録された映像は、2002 年の春頃に、IMAX 3D カメラに対応した シアターで「SPACE STATION 3D」のタイトルで一般公開される予定です。 日本では、新宿の「東京アイマックス・シアター」と大阪の「サントリーミュー ジアム[天保山]」が IMAX 3D に対応しています。
IMAX カメラで撮影された宇宙関連の映画は、これまで「Hail Columbia」、 「Dream Is Alive」、「Blue Planet」、「Destiny In Space」、「Mission To MIR」 の 5 本が製作されていますが、3D 映像としては今回が初めての撮影になります。
1.2.6.2 開発試験ミッション(DTO)
開発試験ミッション(DTO)は、スペースシャトルあるいは、ISS のハードウエア機器や、 システム、及び運用に関する試験、評価、記録等を行い、実際の飛行に使えるよう確認 するためのフライト試験です。
(1)DTO 257 ISS構造力学モデルの検証(Structure Dynamics Model Verification) シャトルと ISS がドッキングした状態での構造モデルはまだ充分検証されていな いため、本 DTO の機会を通じて検証を実施するものです。この検証結果は、将来の シャトルの RCS スラスターの制御アルゴリズムに反映される予定です。 この試験は、シャトルが ISS にドッキングしている状態で、シャトルのスラスタ ーを使用して ISS の姿勢制御を実施する初期段階の組立飛行(2A,3A,4A,5A,5A.1)で 行われる予定です。本 DTO は、これまでに、STS-88(2A)で実施されています。 (2)DTO 675 船外活動クルーのレスキュー試験(Crew Rescue) (追加予定)
本試験は、ISS上でEVAを行っていたクルーがトラブルを起こした場合に、どうやっ てそのトラブルを起こしたクルーを救助するか、という方法を検証、評価するもので す。本試験は、4回目のEVA時に時間の余裕があれば実施される予定になっています。 この際、若田宇宙飛行士は、RMSを操作して、本試験の実施を支援します。
(3)DTO 689 SAFERの実証試験(USA SAFER Flight Demonstration) (追加予定)
ISS 組立ミッションでは、シャトルが ISS とドッキングした状態で EVA を行うため、 EVA クルーが万が一はじき飛ばされてしまっても急にシャトルで助けに行くことは 出来ません。このため、SAFER と呼ばれるセルフレスキュー用の小型推進パックを宇 宙服に取り付け、リスク回避を行うことにしています(SAFER の詳細は 7-23 ページ を参照して下さい)。本 DTO はこの SAFER の機能をテストするものであり、これまで に STS-88(2A)で実施されています。 今回は試験なのでテザー(ひも)を付けた状態 でスラスタの動作確認を行います。本試験は、4回目の EVA 時に時間の余裕があれば 実施される予定になっています。この際、若田宇宙飛行士は、RMS を操作して、本試 験の実施を支援します。
(4)DTO 700-14 1系統での GPS 試験(Single Strings GPS)
DTO700-14 は、シャトルの打上げ、軌道上、再突入、着陸の各フェーズでの GPS の性能と運用についての検証を行うものです。 DTO700-14 は、STS-79 で初めて飛行した後 、これまでに STS-81, 84, 85, 89, 91, 95, 88, 96, 99, 101で試験が行われています。 本 DTO は開発試験段階であるため、得られたデータはシャトルの航法データとし て使用することはありません。「1系統での」という名称は、実用ではないため、
(5)DTO 805 横風着陸実証実験(Crosswind Landing Performance) 本実験の目的は、横風を受ける状態での着陸時の手動操縦能力をテストすること であり、着陸時に 10∼15 ノット(5.1∼7.7m/sec)の横風が吹くと予測される滑走路 を、できるだけ着陸直前に決定(注)し、クルーの手動操縦により着陸を行います。 なお、横風が吹かない場合には、本実験は実施されません。 本 DTO は、これまでもほとんどのシャトルフライトで DTO の機会とされています が実際に行う機会は極めてまれであり、STS-99 で久しぶりに実施されました。(最近 では、STS-72, 85, 87, 89, 91, 95, 93, 99等で DTO の機会となっています) 注:KSC の滑走路は1本しか無く、南または北から進入する(15,33 番滑走路と呼ばれていま す)ケースしか選択できませんが、ドライデン飛行研究センターに降りる場合は滑走路が 複数あるため、滑走路を選ぶことができます。なお、ドライデンへの着陸は近年はほと んど行われていません。 (6)DTO 847半導体スター・トラッカーのサイズ制約実験
(Solid State Star Tracker Size Limitation)
スペースシャトルの機首には2基のスター・トラッカーが装備されており、星の 位置をもとに、慣性航法装置で蓄積される誤差を定期的に除去するために使われて いますが、ISS の位置を捕捉するためにも使われます。本試験は、半導体スター・ トラッカーの性能(光点のサイズや明るさの制約)をこの大きな目標物である ISS をターゲットとして評価する実験です。 本 DTO は、これまで STS-96,101で実施されています。
1.2.7 ISS とのランデブー/ドッキング <D改訂>
(1)概要 ISSとのランデブー、ドッキングは飛行3日目(場合によっては4日目)に実施される 予定です。3Aフライトでは、これまでの組立フライトと同様にユニティ・モジュー ルに取り付けられたPMA-2への結合を行います。 ISS組立のためのシャトルフライトでは、ドッキングのための接近方法は、各ミッ ションにより異なりますが、3Aフライトではロシア地上局とISSとの通信条件等を 考慮し、ISSの下側(地球側)からシャトルが接近してISSの周りを180度周って反転 し、ISSの上からドッキングのために降下する-R barアプローチ方法を取ります。(図 1.2-9参照) 図1.2-9a 3AフライトでのシャトルとISSの接近の状況 (ISSの位置を固定した場合のシャトルとの相対位置関係を示した図) ISS 飛行方向
(2)ランデブー、ドッキング手順
<D改訂>
・ シャトルのランデブー・レーダの起動、及びODS(シャトルのドッキングシステム、 図1.2-4を参照)の起動。 ・ ISS側のドッキング受け入れ準備の完了を確認。 ・ 最終接近フェーズ開始のためのシャトルのスラスター噴射(Tiバーン)を実施。 ・ ズヴェズダ・モジュール側では、シャトルが安全に接近できるようにするため、 ズヴェズダのスラスター噴射を禁止するモードへ移行。 (ズヴェズダとザーリャ・モジュールの太陽電池パドルは、シャトルのスラスター 噴射によるパドルへの汚染付着と振動の緩和を最小限にするため、シャトルが接 近する直前にパドル角度が変更されます。このため、この間、ISSの発生電力は低 下します。) ・ 至近距離まで近づき、ドッキング可能状態でシャトルのバーニア・ジェットを軽 く噴かして、シャトルのODSとISSのPMA-2(ISSのドッキング機構)を結合する。 この間、若田宇宙飛行士は、ISSまでの距離と接近率を小型のレーザー測距装 置で測定したり、ISSのビデオ撮影を行うなどしてコマンダー/パイロットの操 縦操作を支援します。 ・ 機械的な結合が完了すると、ODSは停止され、ズヴェズダとザーリャモジュール の太陽電池パドルの太陽追尾を再開する。 (3)制約事項3A フライトでは、ISS とのドッキング/ドッキング解除時及び、ISS 入室時、EVA 開始前には、ロシアの2つのモジュールを地上から制御(姿勢制御の停止や電源の 投入/停止など)する必要があるため、ロシアの通信可能範囲でこれらの作業を実 施しなければなりません。しかし、旧ソ連時代と比べて規模が縮小された現在のロ シアの宇宙通信システムでは NASA の通信システムと比べて、コマンドを送信でき る範囲が非常に狭いので、コマンドの送信等に失敗すると、さらに通信が可能にな るまで 1 周回の間待たなければならず、運用計画を実行する上で厳しい作業スケジ ュールとなっています。
1.2.8 シャトルの遠隔マニピュレータ(RMS)運用
1.2.8.1 シャトル RMS 概要
シャトル RMS(Remote Manipulator System)は、複数の関節を持ち、スペース シャトルの船内から宇宙飛行士の遠隔操作で動かすことができるロボットアーム であり、以下の作業を行うことを主な目的としています。 ・人工衛星等の放出/回収 ・国際宇宙ステーション(ISS)の組立 ・船外活動(EVA)の支援(EVA クルーの移動や足場として使用) ・RMS テレビカメラによるペイロードやシャトル外部等の外観点検 図 1.2-10 RMSの先端で作業を行う EVA クルー(STS-57)
表 1.2-4 シャトル RMS の主要諸元(標準ミッション) 項目 主要諸元 関節数 ・6関節:肩部=ピッチ、ヨー 肘部=ピッチ 手首=ロール、ピッチ、ヨー (各関節は、電気モータで駆動) 全長 ・約 15 m 直径 ・約 38 cm 重量 ・約 410 kg (ロボットアームのみ) 最大取扱重量
・
約 29.4t 最大先端速度・
約 60cm/秒 (何も把持していない状態)・
約 6cm/秒 (物体を把持した状態) 最大回転速度 ・約 4.7 度/秒 ・2台:RMS の肘部、手首に各 1 台 ・4台:シャトルカーゴベイの4角に各1台(注 1) テレビカメラ・
1台:カーゴベイの床にキール・カメラを設置可能 (必要に応じて設置) (注 1) シャトル取付位置・
ペイロードベイ左舷 (RMS の使用要求が無いミッションでは搭載しない) 打上げ/帰還時には 3 基の固定機構で固定する。 アームの構造材料・
グラファイト・エポキシ複合材開発 カナダ MacDonald Dettwiler 社(旧 Spar 社) 5 基製作(うち 1 基はチャレンジャー事故で喪失) 注 1 カーゴベイ・カメラ、キール・カメラは、シャトル RMS の構成要素では ありませんが、RMS 運用時に支援用として使われます。 なお、トラブルにより、シャトル RMS がカーゴベイ内に収納できなくなった 場合、あるいは、RMS で把持したペイロードが、外せなくなった場合には、ペ イロードベイドアを閉じられないため帰還できなくなります。このため、この ような事態が生じた場合には、コンティンジェンシーEVA を行って取り外すこ とになりますが、さらに、万が一のことを考えてシャトルの RMS には、アーム 部を分離して投棄することもできる機構が備えられています。
(1)シャトル RMS の構成 シャトルのロボットアームは、シャトルの後方フライトデッキ(図 1.2-12 参照) に装備されている以下の装置類を搭乗員が使用することにより、操作することができ ます。 <船内系の主要機器> (a) RMS 制御パネル RMS への電源投入/停止、ヒータ制御等を行うパネルであり、A8U パネルと A8L パネルが主に使われます。(図 1.2-12 参照) A8U パネルは、ロボットアームの肩部固定器具の解除、ロボットアーム温度デ ータのモニタ、ロボットアームのブレーキ制御、エンドエフェクタ(把持部)に よるペイロードの把持ステータスのモニタ等が可能です。
A8L パネルは、ロボットアームを保持している MPM(Manipulator Positioning Mechanism)の開放、ロボットアームに対する電源の投入/遮断、及びヒータ制 御等に使用されます。
(b) THC(並進用ハンドコントローラ)及び RHC(回転用ハンドコントローラ)
THC 及び RHC ハンドコントローラは、マニュアル操作でロボットアームを駆動 する際に使用されものであり、 THC(Translational Hand Controller)はロボ ッ ト ア ー ム を 「 前 後 、 左 右 、 上 下 」 方 向 に 制 御 し 、RHC( Rotational Hand Controller)は「±ロール、±ピッチ、±ヨー」方向にロボットアームを軸回 りに制御します。この 2 つのハンド・コントローラーを組み合わせて操作するこ とにより、ロボットアームを動かします。 また、ペイロードをエンド・エフェクタで把持/解放する操作は、搭乗員が RHC ハンドコントローラの「Capture/Release スイッチ」を用いて実施します。図 1.2-13 に RHC、THC の概観を示します。 (c) CCTV モニター テレビカメラからの映像を映し出す 9インチのモニターが 2 台装備されてい ます。1 台のモニター上には 2 台のカメラからのイメージを分割して表示するこ とも可能です。
(ハッチング部が RMS 操作に使用する機器) 図 1.2-12 シャトル RMS の操作卓 並進用ハンドコントローラー(THC) 回転用ハンドコントローラー(RHC) 図 1.2-13 回転用(RHC)/並進用ハンドコントローラー(THC) RHC THC 頭上窓(左舷にもう 1 つある) CCTV の 制御パネル A7U CCTV モニタ 1,2 パネルA8U パネルA8L 後部左舷窓 後部右舷窓 上 左 後 前 右 下 注: 上下、左右、前後の表示に関して は、模式的に表現したものであり、実 際はアームの姿勢により異なってきま
<船外系の主要機器>
(a) ロボットアーム(RMS)
2 つのブーム(腕)と 6 つの関節を持つ、全長約 15m のロボットアームであり、 アーム先端にはエンド・エフェクター(End Effector)と呼ばれるペイロードや 人工衛星等を把持するためのツールを有しています。(図 1.2-15 を参照) (b) MPM:Manipulator Positioning Mechanism(アーム保持機構)
シャトルの打上げ/帰還時に振動等からロボットアームを守るための固定器 具であり、ロボットアームの肘部に 1 箇所、及び手首部に 2 箇所の計 3 箇所で 固定します。 (c) テレビカメラ/ライト ロボットアームの駆動、ペイロードの把持/解放、並びにシャトルオービタ 等の外観点検時等に使用するテレビカメラであり、ロボットアーム上には 2 台 (肘部と手首部に各 1 台)のテレビカメラが取り付けられており、手首部には 照明用のライトを 1 台を装備しています。 また、ペイロードベイの 4 角にも各 1 台ずつカメラ(ペイロードベイ・カメラ) があり、一般的には、これら 6 台のカメラを切り替えながら使用し、ロボット アームの操作を行います。
(2)ロボットアームによる把持方法 シャトルの RMS ではどんなものでも持ち上げられるわけではなく、あらかじめ決 められた把持機構を取り付けたものしか持ち上げたり、移動することはできません。 シャトルの RMS の先端には、エンド・エフェクターと呼ばれる中が空洞になってい る円筒形をした装置が取り付けられています。このエンド・エフェクターには「スネ ア」と呼ばれる 3 本のワイヤーが取り付けられています。 一方、持ち上げられるペイロード側には、エンド・エフェクターで把持するための グラップル・フィクスチャー(Grapple Fixture)と呼ばれる把持機構が取り付けら れており、そのグラップル・フィクスチャーから突き出たグラップル・シャフトと呼 ばれる棒状の突起物をエンド・エフェクターの3本のスネア・ケーブルを交差させる ことで中央部にセンタリングして固定し、ペイロードを把持します。 グラップル・フィクスチャの上には、ターゲットが取り付けられており、RMS 先端 に取り付けられた TV カメラでこのターゲットを見ながら、エンド・エフェクターを グラップル・フィクスチャに精密に接近させることができます。(ターゲット・ロッ ド先端の白い丸がロッド基部の白い円の真ん中に来るように調整すれば、あとは真 っ直ぐ接近させるだけで把持を開始できます。) 図 1.2-14 ペイロード側に設置するグラップル・フィクスチャ(把持/固定部) (写真は、MacDonald Dettwiler社のホームページより引用) ガイド用の傾斜 把持のためのターゲット ターゲット・ロッド (長さ 10cm) 電気コネクタ (オプション) ガイド用傾斜部 基盤: 直径 約57cm 長さ約26cm 把持用のシャフト グラップル・カム・アーム 距 離 測 定 と 回 転 ず れ を 把握するための基準線
グラップル・フィクスチャ 3 本のワイヤケーブル 電気コネクタ CCTVカメラ ターゲット グ ラ ッ プ ル ・ フィクスチャ エンド・エフェクター(注:透けた状態) ライト エンド・エフェクター 図 1.2-15 RMS 先端部のエンド・エフェクターで ペイロードのグラップル・フィクスチャを把持する状況 右上の写真は、グラップル・フィクスチャのロッドをエンド・エフェクター内の3本のワイ ヤで巻き付けて捕まえた状態を示しています。このあと、引き込みを行い固定します。 (写真は、MacDonald Dettwiler社のホームページより引用)
1.2.8.2 3A フライトでの RMS 運用 <D改訂>
(1)Z1トラスの取付け ユニティにZ1トラスを取り付ける前に、まず、ユニティの天頂部(図1.2-16参照)の 結合機構であるCBMを起動し、点検します。正常な起動が確認できれば、シャトルの RMSを使ってカーゴベイに固定されているZ1トラスのグラップル・フィクスチャを把 持します。次に船内クルーの操作により、Z1トラスをカーゴベイに固定している PRLA(4本のロンジロン・トラニオンを両舷に固定している機構)とキールピン(カーゴ ベイの底部に固定されているピン1本)の固定を解除し、RMSでZ1トラスを持ち上げま す。(注:シャトルに搭載するペイロードには通常5箇所の固定部が必要です。) Z1トラス結合までのRMS操作は、ユニティ/PMA-2がシャトルの後方フライトデッキ (AFD)の 窓の 視 野 を 遮 っ て し ま い 、 直 接 目 視 確 認 が で き な い た め 、TVカ メ ラ や SVS(Space Vision System:P1-32の補足説明を参照下さい)を使用し、モニター画面 を見ながら操作します。 Z1トラスをユニティの天頂部の結合機構(CBM)に接近させて、双方のCBMを把持させ た後、CBMの16本の駆動ボルトで、Z1トラスとユニティは構造的に結合されます。 図1.2-16 Z1トラスの取付イメージ ユ ニ テ ィ 天 頂 部 のCBM①
②
③
④
(2)PMA-3の取付け