インタラクティブ発表
渡邉甲人 ⅰ 遠藤雅伸 ⅱ
4. 考察
今回の調査標本では、インタビューによる 4 つの修 正方法にすべてが当てはまった。これらの調査から、
各レーティングにおける許されている性的描写表現の 内容を分析したところ、次の 5 つの項目について修正 が行われていた。
の修正を図6に示す。
下着の露出
乳房の露出
乳首の露出
性器の形状表現
キス表現
また、レーティングにより明確な違いを持つ項目と、
程度によってレーティングが異なる項目があった。今 回の調査で明らかになった、各項目におけるレーティ ングの基準を表1に示す。
表1 修正項目とレーティングによる違い
CERO B CERO C CERO D
下着の露出 自然な画角の範囲内で許可 許可 許可
乳房の露出 規制 許可 許可
乳首の露出 規制 規制 規制
性器の形状表現 規制 規制 誇張表現は規制
キス表現 唇の接触は許可 唇の接触は許可 舌が絡み合う表現のみ規制
5. まとめ
今回の調査によって、CEROのレーティングにおける 性的描写の規制基準が明らかになった。しかし一部の 程度によって判断される審査は、事例によって異なる こともわかった。
PS Vitaの発売以降は、PCゲームの移植に留まらず、
PS VitaオリジナルのCERO D作品も増えているが[7]
[1] CERO倫理規定, (2016), CERO倫理規定 CERO.
<http://www.dero.gr.jp/regulation.html>
(2017年1月26日)
、PC アダルトゲームの良作を家庭用ゲーム機で遊べる機会 が増えることに期待したい。
文献
[2] コンピュータソフトウェア倫理機構, (2016), 法人 概要/レーティングの紹介.
<http://www.sofurin.org/htm/about/rating.htm>
(2017年1月26日)
[3] 映像倫理機構.日本コンテンツ審査センターホーム ページ. (2015)
<http://eizorin.or.jp/>(2017年1月26日)
[4] 坂本章 (2008). CEROによる「テレビゲームとレ ーティングの社会的受容に関する調査」の経緯と 概要. デジタルゲーム学研究2(1),pp.157-159.
[5] 坂本章 (2009).「CEROの禁止表現およびZ区分表 現の妥当性に関する調査」の概要. デジタルゲーム
学研究3(2),pp.254-258.
[6] 小山友介 (2016). 日本デジタルゲーム産業史, 人 文書院.
[7] プレイステーションオフィシャルサイト(2016).
PlayStation Vita,
<http://www.jp.playstation.com/psvita/>
(2017年1月26日)
[8] 坂本美和, 佐々木輝美 (2008). テレビゲームの暴 力表現に関する格付けの基準.教育メディア研究 15(1), pp.59-78.
ゲーム
(1) 『さかあがりハリケーン』,戯画,2008.(PC) (2) 『さかあがりハリケーン Portable』,アルケミスト,
2011.(PSP)
(3) 『さかあがりハリケーン Portable』,エンターグラ ム,2016.(PS Vita)
(4) 『ひとつ飛ばし恋愛』,Asa Project,2013.(PC) (5) 『ひとつ飛ばし恋愛V』,加賀クリエイト,2015.(PS
Vita)
(6) 『ChuSingura 46+1 –忠臣蔵46+1-』,inre,2013(PC) (7) 『ChuSingura 46+1 –忠臣蔵 46+1-V』,dramatic
create,2015.(PS Vita)
(8) 『学☆王-THE ROYAL SEVEN STARS-』,Lump of Sugar,2012.(PC)
(9) 『学☆王-THE ROYAL SEVEN STARS- +METEOR』,
アルケミスト,2013(PSP)
(10)『るいは智を呼ぶ』,暁WORKS,2008(PC) (11)『るいは智を呼ぶ』,MAGES,2013(PS Vita PS3
Studies on the Sexual Expression Criteria of CERO Code of Ethics
-Survey of Graphic Corrections in the Conversion to Console Gamesof Adult Games-
Kabuto WATANABE
ⅰENDOHMasanobu
Faculty of Arts, Tokyo Polytechnic University,2-9-5 Honcho,Nakano-ku, Tokyo, 164-8678, Japan
ⅱ
E-mail: ⅰ[email protected], ⅱ
Abstract Japanese console games are rated by CERO.There are regulations on sexual scenes in the CERO code of ethics, but the criterion of the rating is not clarified.We researched to discuss the criterion of sexual scene based on graphic corrections and the released rating, focused the conversion to console games of adult games.As a result, we presented the difference of expression in the each rating.
Keywords Digital Games, CERO Code of Ethics, Sexual Content, Adult Games, Conversion to Console Games
日本デジタルゲーム学会 2016年 年次大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2016 Annual Conference
子どもの協調性向上を目的とした大縄跳び訓練シリアスゲームの開発
新井 恒陽
ⅰ来嶋 悠士
ⅰ黒田 尚長
ⅰ粟飯原 萌
ⅱ古市 昌一
ⅱⅰ日本大学生産工学部 ⅱ
1. はじめに
近年, 少子化や一人っ子増加の影響により, 兄弟姉 妹や親戚同士, 友人同士で遊び, 切磋琢磨するなどの 機会が減少している. 総務省の日本の子どもの数に関 する統計データによると, 2016年4月1日時点の日本 における子ども(15歳未満)の人口は前年に比べて15万 人少ない1605万人となり, 1982年から35年連続の減 少状態を継続していることが明らかになった. そのた め, 子どもの協調性の欠如が懸念されている. また, 子どもたちの人間関係を構築する力や, 社会性の減少 といった問題も指摘されている.
日本大学大学院 生産工学研究科 〒275-8575 千葉県習志野市泉町 1-2-1 E-mail: [email protected]
概要 我が国では, 協調性教育の一環として小学校の体育で大縄跳びが実施されている. しかし, 運動を不得意 とする子どもには, 失敗及び縄に足があたる痛みの恐怖が, 教育目的の達成を困難にするという問題があった. そ こで, モーションキャプチャを利用して仮想空間上で大縄跳びを行うシリアスゲームを開発し, これらの問題を克 服し, 協調性の向上を育む環境を実現する. 本システムでは, 仮想空間内のキャラクタが大縄跳びを回し, 2~4人の 参加者が次々縄に入って遊ぶ. タイミングが合うようジャンプし, 跳べた時間・回数及び人数などで得点を得る. 大 縄跳びが苦手な人にも, ミスをしてもゲームが継続する機能をつけ, ミスへの恐れを軽減しプレイを楽しむことが できる.
キーワード 大縄跳び, 協調性支援, 運動, シリアスゲーム, Kinect
そこで, これらを解決するために, 子どもの協調性 向上支援を目的とした大縄跳び訓練シリアスゲーム
「とびとび」を我々は開発した. 大縄跳びは学校教育 での体育行事として導入される機会が多い. 授業での 練習だけでなく, 休み時間にも各クラスで自主的に練 習を行い, 大会前は盛り上がる. しかし, 大縄跳びに 苦手意識がある子どもはストレスを感じてしまう傾向 がある. そこで, モーションキャプチャを用いて大縄 跳びを行う仮想空間を実現する. その中で子ども達が 飛び跳ねる行動をすることで, 協調性向上と運動能力 の双方を達成可能である期待できると考える. 本シス テムでは, 空間内の3Dキャラクタ(NPC)が大縄を回し,
その中に入ったプレイヤーは縄にタイミングが合うよ う実際にジャンプをし, 跳べた時間・回数・人数など で得点を稼ぐ. また, 声を掛け合ってタイミングを合 わせるなどのプレイヤー同士が楽しみながらコミュニ ケーションを取れることから, 本システムによって子 どもの協調性の向上を実現し, 最終的には子どもたち が自ら進んでコミュニケーションを取ることができる ようになることを期待している. 本稿では本システム 概要, 初期評価を実施した結果, システムの改良につ いて述べた後, 本システムのもたらす効果を示す.
2. 関連研究
身体動作を用いたインタラクティブシステムに関 して, 数多くの研究が行われている. 大縄跳びの要 素を用いたインタラクティブシステムの研究は,VR の世界において活発に行われている.
大縄オーケストラ[1]では, 参加者全員が壁と床に投 影されたバーチャルな縄を跳ぶことで, オーケストラ を演奏することができる体験型システムを開発し, 身 体動作と音楽を融合した新しいインタラクティブシス テムを提案している. また, Line Ho!ckey[2]では, 大型 のマルチタッチ機能とユーザ識別機能を有するテーブ ルトップ型の DiamondTouch[3]を利用することにより,
指を使った単純な操作でチーム協調型対戦ゲームを実 現し, 子ども達が協調性や社会性を学ぶことを提案し ている. これらの研究では, 2~3人での協調性, 一体感 を実現しており, HMI(Human Machine Interface)を用い ることでゲーム性を高めている. 一方で, 多人数での 協調性の学習, また, 大がかりな HMI を用いなければ ならないという問題点があり, 機材を揃えるのが難し い.
また, 協力的運動プログラムとしての大縄跳びの効 果[4]では, 体育授業に大縄跳びを導入することで, 生徒に統制感を感じさせ, 仲間と協力することで体育 授業参加に対するストレスを軽減することができるか を確かめている. 授業のウォーミングアップとして大 縄跳びを行い, ストレスに関するアンケートを行った 結果,予想していた「ストレスを軽減する」という結果 には至らなかった. この理由として大縄跳びを導入し た結果, 失敗した生徒へ批判が更にストレスを感じる 結果となってしまったと考えられる. クラス全員で行 える運動であることから大縄跳びを実施する学校が多 いが, 大縄跳びでは跳んだ回数を競い合うため, 大縄 跳びに苦手意識のある子どもは, 縄に引っかかってし まった際に周りに責められる事であったり, 縄が足に 当たる痛みなどを恐れて大縄跳びを楽しめずに肩身が 狭くなってしまうことがある.
3. 「とびとび」のシステム概要
2 章で述べた問題点を解決するための大縄跳び訓練 シリアスゲーム「とびとび」を開発した. とびとびでは, モーションキャプチャを利用して実際にプレイヤーは ジャンプをして大縄跳びを行う. システムは Unity と Kinect for Windows v2(Kinect)[5]を 用 い て 実 装 し た.
Kinect により人間の骨格を認識することで, ディスプ
レイ上にプレイヤーの骨格情報をリアルタイムで表示 させることができる. ディスプレイ内では3Dキャラク タ(NPC)が大縄跳びを回す. 参加者はKinectの正面に立 ち, 自身の分身となる3Dキャラを使用し次々と縄の中 に入る. 同時プレイ人数は 2〜4 人を想定する. 回して いる縄にタイミングが合うよう実際にジャンプをし,
跳べた時間・回数や人数等で得点を稼ぐ. 縄が身体に触 れてしまったら, 画面右上に表示している現在の回数 が0になる. (図1) そして, 制限時間がゼロになったら ゲームが終了し, 最高連続回数が画面上に表示され, ゲームは終了する.
図1. プレイ画像の例