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計数補正と、特にエネルギー準位の同位体シフトとレーザー周波数の関係から 生じる同位体毎のイオン化効率の違いを補正するイオン化効率補正を行い、分 析対象の元素に依らない補正が可能である。

計数補正法の基礎実験として、イッテルビウムの 2 色 2 段共鳴イオン化実験 を行った。2本のレーザーの照射時間差とイオン化効率のモデルを作り、レーザ ー出力とイオン信号の相関と合わせ、パラメーターの変動に対するイオン信号 の影響が最小になるように補正することで、測定全体のイオン信号のばらつき の抑制が可能であることを示した。

逐次補正法の実証実験として、チタン及びジルコニウムの 1 色 2 段共鳴イオ ン化実験を行い、レーザー出力と実験室の気圧を用いた計数補正と、レーザー 周波数を用いたイオン化効率補正により、誤差を2%未満に抑え、元素によらず 逐次補正法が有用であることを示した。

Ti:Sapphire レーザーによるウランの 2 色 3 段イオン化を実証し、また、逐次

補正法を用いれば、RIMSによるウラン・プルトニウムの同位体比分析において 誤差 10%未満が実現できる見込みが得られた。逐次補正法の多色多段イオン化 への適用や、パルス原子化を含めた補正を必要とするが、高イオン化効率スキ ームの適用や、今回の実証では検討できなかったイオン計数と相関のある他の 複数のパラメーターを補正に用いることにより、誤差1%未満が期待できる。

(3) 迅速分析法の評価

迅速分析法により、スクリーニングと同時にプルトニウムグレードの事前評 価が可能であり、同位体比分析において IAEA の要求する確度 10%未満が得ら れる見込みが得られた。

また、Ti:Sapphireレーザーを用いた高繰り返し率かつ高収率なRIMSにより、

粒径1 μm微粒子が~22分で分析可能であり、RIMSによる試料選択の簡便化と 同位体比分析時間の短縮によりFT-TIMS に比べ分析期間を短縮できる見込みが 得られた。

108 5.2 今後の展望

迅速分析法の実証・実用化にむけた開発項目として、事前評価法ではプルト ニウムから放出されるFTとαTの弁別読み出しとグレード評価を実証し、また RIMSによる同位体比分析では逐次補正法を微粒子試料、さらに核物質試料分析 へ適用すると同時に、補正法の高度化により誤差1%未満の高確度化が期待され る。そして、実際の核物質に対して本手法が有効であることを示し、迅速かつ 効率的な分析が実用化されることが望まれる。

また、FT法やSEMによるスクリーニングとRIMSによる同位体比分析を組み 合わせた環境試料分析法など、従来法と組み合わせた柔軟な研究展開により、

本研究の成果が保障措置環境試料分析の高度化の一助となり、原子力利用の安 全性が高められることが期待される。

さらに、RIMSにおける逐次補正法は、核種によらず試料操作を必要としない ことから、核物質分析に限らずトレーサー分析等において広く適用することが 可能であり、分析の高確度・迅速化手法として広く用いられることが望まれる。

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謝辞

本研究を進め、本論文を執筆するにあたり、名古屋大学大学院工学研究科量 子工学専攻の井口哲夫教授には、大学 4 年生の研究室配属時から研究全般につ いてご指導、ご助言をいただきき、さらには論文審査の主査としてご指導をい ただきました。名古屋大学核燃料管理施設の富田英生准教授には、研究遂行に 必要な基礎的なものから種々の技術に至るまでご指導していただくとともに、

本研究に関する議論に多くの時間を割いていただき、また本論文においては副 査として助言をいただきました。名古屋大学大学院量子工学専攻の河原林順准 教授には、研究室会等で数多くのご助言やご指導をいただくとともに、本論文 において副査としてご助言をいただきました。名古屋大学大学院マテリアル理 工学専攻の渡辺賢一准教授には、本論文において副査としてご助言をいただく とともに、学内や国際会議等で機会がある度に気にかけて頂き、数多くの貴重 なご意見をいただきました。名古屋大学大学院量子工学専攻の西澤典彦教授、

東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の長谷川秀一准教授には本論文におい て副査としてご助言を頂きました。

さらに、ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ 物理研究所の Klaus Wendt 教授には、同大学へ留学の折に大変お世話になり、RIMSに関する多くのことを 学ばせて頂きました。名古屋大学大学院理学研究科の中竜大特任助教、森島邦 博特任助教には、原子核乾板の取り扱いでお世話になりました。名古屋大学核 燃料管理施設の下山哲矢氏には、同施設における実験でお世話になりました。

理化学研究所の園田哲博士には、研究に関するご助言をいただくとともに、国 際会議等でお世話になりました。井口研究室で共に RIMS の研究を進めてきた 古田雄仁君、高松峻英君、中村敦君には、実験の準備やデータの取得等に協力 して頂きました。井口研秘書の佐藤仁美氏には、事務処理など様々な面から研 究をサポートしていただきました。また、名古屋大学アマチュア無線研究会の 諸先輩方には、本研究を遂行する上で必須であったアナログ・デジタル回路や プログラミングについて、研究室配属に先駆けて学ぶきっかけを作って頂き、

私の研究遂行において非常に役立てることが出来ました。そして、井口研の卒 業生及び現役生の皆様からは、研究に限らず多くのことを学ばせていただきま した。

本研究を支えて下さいました皆様に篤く御礼を申し上げます。

2015年1月 能任琢真