第 4 章 RIMS を用いた高確度同位体比分析のための補正法の開発
4.3 飛行時間型 RIMS における逐次補正法の実証実験
4.3.2 実験結果
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Fig. 4.25 やぐらに設置したカーテンの開閉と室温変化の様子
85 𝑓𝐸𝑀𝐺(𝑡) = 𝐴
2𝜏exp (𝜎2
2𝜏2 −𝑡 − 𝜇
𝜏 ) 𝑒𝑟𝑓𝑐 ( 1
√2(𝜎
𝜏 −𝑡 − 𝜇
𝜎 )) (4-16)
Fig. 4.26 730.9074 nmにおけるレーザー線幅
Fig. 4.27 波長スキャンの様子
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Fig. 4.28 共鳴波長におけるチタンのTOFスペクトル
Fig. 4.29 出力依存性
48Tiに対してガウス関数及びEMGでフィッティングを行った様子をFig. 4.30 に示す。EMGの方がテイル部分を良く表すことが出来ており、±3σの範囲で残 差の二乗平均平方根をとると、ガウス関数とEMGでそれぞれ27と 20となり、
EMG の方がフィッティング関数として適していることがわかった。そこで、5 つのピークをEMGでフィッティングし、その面積で同位体比を算出した所、共
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鳴波長における同位体比はTable 4.10となり、最大の誤差は11.1%であった。
また、波長に応じてTOFスペクトルはFig. 4.31のように変化しており、同位 体毎のイオン化効率の波長依存性はFig. 4.32で示す結果となった。ただし、48Ti が常に 1 になるよう規格化し、天然同位体存在比との比をイオン化効率と表し た。
Table 4.10 天然比と共鳴波長における同位体比 (不確かさ3σ)
天然比 測定値 誤差
46Ti/48Ti 0.1119 0.104(2) 6.72%
47Ti/48Ti 0.1009 0.0901(22) −10.7%
49Ti/48Ti 0.07339 0.0697(19) −4.97%
50Ti/48Ti 0.07027 0.0781(20) 11.1%
Fig. 4.30 ガウス関数及びEMGによるフィティング
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Fig. 4.31 周波数の離調に伴うTOFスペクトル変化の一例
Fig. 4.32 Ti同位体のイオン化効率の波長依存性(48Tiのイオン化効率で規格化)
・同位体シフトによるイオン化効率の波長依存性に関する考察
Fig. 4.19 で 示 し た 3d24s2a3F (386.874 cm−1) → 3d2(3F)4s4p(1P°)y3G°
(27750.124 cm−1)の遷移は、高松らにより注入同期Ti:Sapphireレーザーを使って
高 分 解 能 測 定 が さ れ て い る [7]。 注 入 同 期 Ti:Sapphire レ ー ザ ー は 従 来 の
Ti:Sapphire レーザーとくらべて線幅が細く、波長スキャンにおいて同位体シフ
トを確認することができ、本準位における同位体シフトはTable 4.11のように報 告された。そこで、超微細構造のない46,48,50Tiに着目し、モデル計算によりイオ ン化効率の波長依存性の妥当性を評価した。
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モデル計算はガウス関数Gで表したレーザー線幅と、フォークト関数Vで表 した共鳴線幅の畳み込み積分の考えを基本とし、さらに光子との相互作用では
式(4-1)の右辺第一項に表される飽和が生じると考えられる。また、同式第二項
の非共鳴イオン化はレーザーの出力が一定であれば同位体に依らないとしてモ デルから省き、第三項のバックグラウンドも本モデルからは省いた。これらを 式で表すと、飽和係数をSとして、同位体i(=46, 48, 50)について周波数νのレー ザーが入射した時のイオン化効率ηi(ν)は下式の様になる。
𝜂i(𝜈) = ∫ 𝑓(𝑉(𝜈′), 𝐺(𝜈 − 𝜈′))𝑑𝜈′ (4-17)
𝑓(𝑉, 𝐺) =
𝑉𝐺⁄𝑆
1 + 𝑉𝐺 𝑆⁄ (4-18)
本モデルを、同位体シフトを固定とし、±5 GHzの範囲でレーザー周波数をず らしつつ、共鳴線幅のドップラー広がり、パワー広がり、レーザー線幅、中心 波長、飽和係数、同位体毎のイオン化効率をフィッティングパラメーターとし て扱い、最急降下法により最適値を求めた。さらに、周波数毎に 48Ti のイオン 化効率が1になるように規格化したところ、モデル計算と実験値でFig. 4.33に 示す結果となった。フィッティングの結果レーザー線幅は5.6 GHzとなり、期待 される線幅と比べ狭いが、これはモデル計算中で線幅の変動や同位体毎の輸送 効率等を考慮していないことに起因すると考えられる。しかし、本モデル計算 の結果においても、共鳴周波数付近において、同位体比に波長依存性があるこ とを示すことが出来た。
Table 4.11 同位体シフト(MHz) [7]
46Ti-48Ti 46Ti-48Ti 46Ti-48Ti 46Ti-48Ti
−1681(14) 817(14) 813(10) 1569(13)
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Fig. 4.33 モデル計算結果
・ジルコニウム試料実験結果
ジルコニウム試料の測定における、波長スキャンの様子をFig. 4.34に、出力 の依存性をFig. 4.35に示す。1色2段共鳴イオン化が確認でき、共鳴波長におけ るTOFスペクトル及びEMGでフィッティングした結果はFig. 4.36となった。
この時の同位体比はTable 4.12となり、誤差3%以下の測定結果が得られた。
Fig. 4.34 ジルコニウム波長スキャン
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Fig. 4.35 出力依存性
Fig. 4.36 TOFスペクトル
Table 4.12 ジルコニウム同位体比 (不確かさ3σ)
天然比 測定値 誤差
91Zr/90Zr 0.2181 0.225(4) 3.02%
92Zr/90Zr 0.3333 0.334(5) 0.236%
94Zr/90Zr 0.3378 0.339(5) 0.351%
96Zr/90Zr 0.05442 0.0549(18) 0.856%
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