第 4 章 RIMS を用いた高確度同位体比分析のための補正法の開発
4.2 磁場セクター型 RIMS を用いた基礎実験
4.2.4 イオン計数補正の適用
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微小時間として5 ns毎の変化を計算し、最急降下法を用いてパラメーターの 最適値を求めた所、Table 4.4の条件でFig. 4.12の計算値となった。この結果、
計算値と実験値は広く一致しており、本モデルが妥当であると判断した。
Table 4.4 フィッティングパラメーター
r αe βe Se αi βi Si
5.98×10−2 9.85×10−3 6.85×10−2 4.41×10−1 4.37×10−2 1.37×10−1 1.08×10−3
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𝐼𝑐(𝑡) = 𝑐𝑡(𝑡𝑑)−1× 𝐼(t) (4-11)
ここで、Icは補正後のイオン電流である。174Yb の測定値に対し、イオン電流 を補正した結果をFig. 4.16に合わせて示す。イオン電流のばらつき (1σ) は補正
の有無で0.0107から0.00952になり、11%の抑制が確認出来た。
・出力による補正
Fig. 4.9より、1段目レーザーの出力変化と比べ、2段目レーザーの出力変化
がイオン電流に与える影響が大きい。これは、レーザーの出力に応じた非共鳴 イオン化の影響であり、出力の大きい 2 段目レーザーの影響が支配的になって いると考えられる。
そこで、2段目レーザー出力とイオン電流の関係を直線で近似し、平均値を基 準に、出力の揺らぎに対するイオン電流値のみの補正を行った。直線を使った 補正では、任意の瞬間の出力pと平均値paveからの差だけ、直線の傾きaを使っ て増減させる
𝐼𝑐(𝑡) = 𝐼(𝑡) + 𝑎(𝑝𝑎𝑣𝑒 − 𝑝) (4-12) と、直線の式から任意の出力時の効率を求め、その逆数を補正係数とする
Fig. 4.17 2段目レーザーの出力を使ったイオン電流の補正
(出力の平均値で規格化)
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𝐼𝑐(𝑡) = 𝑐𝑝(𝑝)−1× 𝐼(𝑡) (4-13) 𝑐𝑝(𝑝) = 𝑎 × 𝑝 + 𝑏 (4-14) が考えられる。ここで、bは直線の切片である。174Ybのイオン電流を式(4-13, 14) を使って補正を行った場合の効率直線と補正後の傾向をFig. 4.17示す。2段目レ ーザーの出力を用いた補正のみを行った場合、イオン電流のばらつき(1σ)は、
0.0107から0.00958になり、こちらも11%の抑制が確認出来た。
・ 2パラメーターを利用した補正
複数のパラメーターの補正による影響を検討するため、照射タイミングによ りイオン電流を補正した後に、イオン電流と 2 段目レーザーの出力の関係を再 プロットし、効率直線を求め補正を行った。2回の補正の結果、イオン電流のば
らつき(1σ)は0.00942となり、最もばらつきを抑えることが出来た。これまでの
補正によるばらつきの変化をTable 4.5にまとめた。実験ではイオン電流の読み 取りが低速であったため、パラメーターの平均化により多くの揺らぎ情報が失 われているものの、複数のパラメーターを用いることで測定時の系統的な変動 をより効果的に抑えることが可能であることが示せた。
さらに、2パラメーターによる補正を質量スキャンに適用した。Fig. 4.6で得 られたフィッティング曲線から、任意の質量におけるイオンi = 170 ~ 174, 176 の同位体比 ηi を求め、下式に示すように同位体比に応じた補正を行い、再度フ ィッティングをして補正後の同位体比を求めた。その結果、同位体比はTable 4.6 となり、5つ中4つの同位体比が天然同位体存在比に近づいた。イオンの読み取 りが低速であったため、補正量は僅かであるものの、系統的なばらつきの抑制 による補正の有効性が確認された。
𝐼𝑐 = ∑(𝜂𝑖 × 𝑐𝑡(𝑡𝑑)−1× 𝑐𝑝(𝑝)−1× 𝐼(𝑡))
𝑖
(4-15)
Table 4.5 補正による信号のばらつき(1σ)の変化
補正なし (a) 照射タイミングを 用いた補正
(b) 2段目レーザーの出 力を用いた補正
(a) + (b)
0.0107 0.00952 0.00958 0.00942
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Table 4.6 補正による同位体比の変化
天然比 測定値 補正値
170Yb/174Yb 0.09551 0.09567 0.09511
171Yb/174Yb 0.4486 0.4558 0.4546
172Yb/174Yb 0.6858 0.6753 0.6771
173Yb/174Yb 0.5068 0.5396 0.5392
176Yb/174Yb 0.4009 0.3963 0.3963
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