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本研究のリサーチクエスチョンは、以下の3点であった。

(1)中山間地域の変容によって集落の生活の継続で失われてきたものは何か。また、

それによって何が課題となっているのか。

(2)生活の継続のためには最低限、どのような機能が必要とされているのか。

(3)その最低限の必要な機能を支援するとすれば、政策としてどのようなことが構想 できるのか。

リサーチクエッションの解をさぐるとととに、具体的な「場」を想定し、この構想を現 実的にするための考察を行ってきた。

第1項 リサーチクエッションからの考察 1.中山間地域の集落で生活を継続するための課題

中山間地域における集落での生活継続を困難にしている問題は、①交通手段、②生活支 援、③防災、④住民との交流、⑤鳥獣被害、⑥医療機関、⑦情報、⑧耕作放棄地、⑨森林 の荒廃、以上の9点であった。

人口減少・高齢化による集落規模の縮小から、かつての集落の生活を支えた機能であっ た集落機能は弱体化し、このことが生活の継続を困難にしすると同時に、集落機能をより 厳しい状況にしていた。集落規模の縮小から食材や日常生活必需品店が閉鎖された。中山 間地域の集落では歩く人がいなくなっている。それはすなわち住民の交流機会の喪失を意 味している。

2.中山間地域で生活を継続するための最低限の必要なもの

生活を継続するための最低限の必要な課題として浮かび上がったのは、①交通手段、② 生活支援、③防災、④住民との交流、⑤鳥獣被害、⑥医療機関、⑦情報受発信の7点であ る。これらの発生はいずれもが相互に関連している。

日常交通手段が自家用車に頼る部分が大きくなっていることで、高齢者女性の運転免許 取得率の低さや加齢にともなう運転の中止は、交通手段の喪失に他ならない。また、世帯 数が足りなければ集落の「組」組織の維持は困難である。その結果、住民同士の交流が減 少し、人手を擁する山林の手入れがなされなくなり、防災上の不安となり、また鳥獣被害 の増大へと繋がっている。

142 3.生活支援の拠点

集落の生活上の問題はすべてが関連しているため、その支援策も総合的でなければなら ない。総合的な解決を図るためには、拠点をつくって、そこで生活を完結させる方策が模 索されるべきであると考えられた。

第2項 知見 1.中山間地域の変容と生活維持の機能

中山間地域では、集落規模の縮小と高齢化が集落での生活を厳しい状況にしていた。こ れを解消するための集落の連携が行われているが、地形的に厳しい環境下にあること、連 携がとれたとしても集落の高齢化率が類似しているため、解決には結びつきづらい。その ため、新たな第三の方法が必要とされていた。

その方法の1つが、拠点をつくり、そこを利用することで最低の生活は完結できるよう にすることである。

2.拠点機能の必要性

(1)構想

拠点は、集落の人口や高齢化を加味すれば、隣接する集落間連携よりもっと広域化した 小学校区もしくは村単位で構想するのがよいと考えられる。

(2)政策インプリケーション

拠点機能の必要性から構想したのが、「生活の駅」である。次の3点から、「生活の駅」

は有用な手段となる。

第1は、集落の生活で最低限の必要な機能を拠点に集約化することで、中山間地域で関 連して発生している諸課題の総合的な解決の可能性が高くなる。

第2は、人が集まる拠点をつくらないかぎり、住民の交流の機会がなくなっているとい う現状である。世代間交流の場としても「生活の駅」は有用な手段となりうる。現に、「道 の駅」の地域振興施設では多様な住民が関わっている状況をみることができるのは、その 裏付けとなる。それは、他出子や親戚・縁者、また、訪れる都市住民にとっても有用に活 用されている。また、そこでさまざまな情報をシステム化し、その発信基地化することで 交流はより広がっていくと推察される。

第3は、医療・福祉への活用である。生活の維持に必要とされる支援は、物質面と精神 面の双方に関わるものである。特に高齢の配偶者喪失者は、精神面のケアが必要である。

この課題を解決するには、医療機関との連携が必要となる。医療機関との中継ぎをすると ともに、解決に繋がる活動の場を提供することもできる。

第4は、防災上の拠点となることも重要である。東日本大震災で顕著になったように、

避難施設として、また、情報を集約する拠点が必要である。

以上から、「生活の駅」は政策として有用性が高いと考えられる。

集落の問題を集落内部に留めず、より広域的な支援機能を構築する必要がある。それに

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住民自身がコミットするのが、これからのあるべき姿であると考える。

集落には、地域性があるため全国の全ての集落に該当するわけではない。しかし、集落 の変容から発生している課題には、共通する部分が多々ある。本論が、これからの地域政 策に活かされることを期待したい。

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