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組立精度の事前確認

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第 9 章 架設

9.2 組立精度の事前確認

3)

部材の輸送時期,順序,添接板の取付け,付属品の取付けにおいては,架設状況を十分に把握して行う.

4)

大ブロック工法のように,輸送と架設を一連の工程で行う場合もあるので,輸送状況を十分に把握する.

【解  説】

(1) 仮組立省略 

平成

10

年当初の仮組立省略工事の適用条件は,桁形式が

I

桁,直橋,斜角

75°

以上で,架設方法が多点支持ベ ント工法に限定されていたが,その後,日本橋梁建設協会では仮組立省略の適応範囲を以下のように追加提案し ている.

①製作〜架設までが一体となった工事 

②契約図書(特記仕様書等)に仮組立検査省略を明記した工事 

③適用範囲  構造形式:鈑桁,箱桁(鋼床版,めっき桁は除く)

線形:直線桁,折れ桁,曲線桁(曲率半径:

1000

m以上) 

斜角:75°以上(端支点・中間支点) 

継手形式:ボルト継手,溶接継手(鈑桁のみ) 

桁高一定桁 

架設工法:多点支持ベント工法,地組立て後一括架設 

(2)

実仮組立

実仮組立は,部材を多点支持することで,無応力状態にすることを原則とする.また,仮組立では,主要部分 の連結部はボルトおよびドリフトピンを用いて堅固に接合する必要がある.仮組立施工時に,主桁の通りやそり を改善するために,連結部を堅固に結束したままで,支持点の反力を変え,仮組立形状の調整を行うと,部材に 内部応力が導入されることになり,架設時に仮組立の再現ができなくなるので注意を要する.例えば,上下分割 桁等を一体組立し,ボルトを締付けた状態で溶接した場合などは,内部に溶接による応力が導入されていること が考えられるため,仮組立前には,一旦ボルトを緩めて応力を開放するなどの処理が必要である.実仮組立の中 でも,通常の箱桁や鈑桁などは一括組立が可能である(写真-解

9.2.1

参照)が,トラスやアーチ橋梁など仮組立 高さが高くなる橋梁形式の場合は,立体組立とする以外に各面を分割する平面組立として仮組立する方法がある

(写真

-

9.2.2

参照).この分割仮組立を採用する場合は,分割した部分の整合性を確実にする方法を事前に検

討し,架設時に問題のないように対処しなければならない.また,橋長が仮組立ヤードと比べて長い場合,分割 して仮組立を実施することになるが,分割部分については,重複仮組立を実施するなどして,分割継手に問題が ないことを確認する必要がある.さらに,複数の場所で橋梁を分割して製作する場合は,分割継手の確認方法を,

予め検討する必要がある.その方法としては,重複仮組立による方法もあるが,各工場で継手の計測を行い,そ の計測数値を用いてシミュレーションを行い,分割継手の添接板を決める方法もある.ただし,この確認方法を 採用する場合は,計測位置およびシミュレーションの方法等を事前に検討し決定しなければならない.また,仮 組立を行った時に現場架設の円滑な進捗を図るために,基準線を罫書いたり,あるいは基準孔を設けたりするこ

9.2

組立精度の事前確認   

構造物の形式や架設工法の難易度を検討した上で,組立精度の事前確認(仮組立)を必要に応じて実施 する. 

 

とは有効となる.

          写真-解9.2.1箱桁の仮組立例       写真-解9.2.2  トラスの分割仮組立例   

(3)

シミュレーション仮組立

シミュレーション仮組立とは,実際に仮組立を行う代わりに,

3

次元計測システムにより個々の部材形状を計 測し(写真

-

9.2.3

),計測されたデータと設計データを使用して,コンピュータ上でのシミュレーションによっ て仮想の仮組立を実施し,所定の寸法精度が得られることを確認する方法である.その計測システムやシミュレ ーションには種々の方法が提案されているが,十分に信頼できることが確認されたシステムを採用すれば,また 単純な形式の橋梁であれば,実際に部材を組立てる実仮組立と同等の精度を有していると見なすことも可能であ る.また,近年では,全ての橋梁形式において

3

次元

CAD

を使用した原寸方法が確立されてきているため,そ の

CAD

データを利用すれば,橋梁形式を問わずシミュレーション仮組立が可能となっている.しかし,鋼床版 桁のように工場仮組立時に継手の調整を要する部材や,断面分割タイプの大断面箱桁のように溶接変形の影響が 大きく,シミュレーション時の調整が困難な部材などは,シミュレーション仮組立の採用時に注意を要する.ま た,各シミュレーションのシステムによって,適応可能な橋梁形式が異なるため,予め十分に調査し,シミュレ ーション仮組立の採用を決定すべきである.

        写真-解9.2.3 シミュレーション仮組立計測状況   

 

9.2.1  仮組立精度 

(1)

仮組立では,部材を組立てた時の出来形を確認するために,予め決められた部位を,適切な方法で,

計測しなければならない.計測値は,設計段階で要求される性能を満足し,さらに架設に支障のない 範囲内である必要がある.

(2)

計測部位は,設計段階で要求される性能を確認できる箇所と範囲とする.また,架設工法が特殊な場 合は,その工法を考慮して,必要な計測部位を定める.

【解  説】 

(1) 仮組立精度として,例えば道路橋示方書では表

-

9.2.1

のように規定している.英国の基準である

BS

では 仮組立出来形の基準は記載されていない.また米国の

AWS

にはキャンバーと桁の通りの簡単な基準が記載 されているのみである.これらを参考に仮組立精度を定めるとよい.

仮組立精度について,我が国の橋梁については,一般に道路橋示方書の基準あるいは各鉄道・道路管理機 関の精度基準を採用すること多い.各部位の精度許容値に変更の必要が生じた場合は,その変更の根拠を明 らかとし,設計で要求される性能および架設作業に問題がないとことを確認しなければならない.

 

表-解9.2.1仮組立の精度(道路橋示方書) 

項目 許容誤差 備考 測定方法

全長・支間長L(m) ±  (10+L/10

主げた・主構の中心 間距離 B(mm)

±4        B 2

±  (3+B/2) B >2

主構の組立高さ H(m)

±5       H ≦5

±  (2.5+H/2 H >5 主げた・主構の橋端

δ (mm)

5+L/5 L 100

25 L >100 L: 測線長(m)

主げた・主構のそり δ (mm)

5〜+5 L20

5〜+10      20< L40

−5〜+15      20< L≦80

5〜+25   20< L200

L:  主げた・主構 の支間長(m)

主げた・主構の橋端にお ける出入り差

δ (mm) 10

H

L

δ L

主げた δ

主げた

δ

全長 全  長

L L L L 仮

主げた・主構の鉛直度  δ (mm)

3+H/1,000 H: 主げた・主構の 高さ(mm)

柱の中心間隔・

対角長Lmm

±5       L ≦ 10

±10        10 L 20

⎟⎠

⎜ ⎞

⎝ +⎛ −

± 10

10 L 20  

20 L 

L

L L

L L

L

はりのキャンバー および

柱 の 曲 が り δ (mm)

L / 1000 L: 測線長(m)

側面図 正面図

δ δ δ

       

 

             

             

柱の鉛直度

δ (mm)

鉛直度 δ2 (mm)

10          H 10 H        H 10

H: 高さ(m)

正 面 図 側 面 図

H

δ

現場継手部のすき間

          δ(mm) 5

δ:右図における δのうち大き いもの(mm)

δ2 δ1

上面の水平度 δ1mm)

b / 500 :ボルト間隔

      (mm)

鉛直度 δ2mm)

h / 500 h:高さ(mm)

アンカーフレ

高さmm ±5

δ2

δ1

組合せる伸縮装 置の高さの差δ 1(mm)

設計値 ± 4

(実測値) δ2 δ1

 

現場継手(ボルト接合)の隙間は,強度上,防錆上問題がないように適切に管理しなければならない.架設上 の落し込みブロックや閉合部等のように,予め隙間を空けておく必要がある場合などは,名古屋高速道路公社や 阪神高速道路等の基準には,予め決められた隙間に対して±3mmの許容値を定めている.また,国土交通省の 共通仕様書では耐候性橋梁の隙間に対して±

5mm

の許容値を定めている.隙間が大きいことで,水の浸入が問 題になる場合には,止水剤を充填する等の防水処理をする方法もある. 

δ H

(2)

計測部位は,たとえば道路橋示方書では表-解 9.2.2 のように規定されている.また,その計測方法は温度 による影響を考慮する必要がある. 

 

表-解9.2.2 仮組立の測定箇所又は個数 

項目 鋼げた トラス,アーチなど

全長,支間長       L (m) 主げた・主構全数

主げた・主構の中心間距離 B (m) 各支点および各支間中央付近

主構の組立高さ    H (m) 両端部および中央部

主げた・主構の通り   δ (mm) 最も外側の主げたまたは主構について支点および支間中央 の1

主げた・主構のそり 各主げたについて10

〜12 m間隔

各主構の各格点

主 げ た ・ 主 構 の 橋 端 に お け る 出 入 り 差 δ (mm)

どちらか一方の主げた(主構)端

主げた・主構の鉛直度 δ (mm) 各主げたの両端部 支点および片持ばり部 柱の中心間隔・

対角長     L (m)

両端部および片持ばり部

はりのキャンバー

および柱の曲がり δ (mm) 鋼製橋脚

柱の鉛直度       δ (mm)

各主構の各格点 各柱および片持ばり部

現場継手部のすき間       δ (mm) 主げた・主構の全継手数の1/2 上面の水平度     δ (mm)

鉛直度       δ (mm) アンカーフ

レーム 高さ       (mm)

  軸芯上全数

組合せる伸縮装置 との高さの差   δ1 (mm) 伸縮装置

フィンガーの

食い違い       δ2 (mm)

両端部および中央部付近

 

9.2.2

  連結部の確認 

連結部は設計の要求性能を満足し,架設に支障がないことを確認する必要がある. 

【解  説】 

  連結部の精度確認を,適切な方法で行う必要がある.部材計測のみで仮組立を実施しない場合は,連結部の寸 法計測を行うか,あるいは部材の孔加工方法や精度管理により架設に支障がないことを確認する必要がある.仮 組立を実施する場合は,連結部を貫通ゲージにより直接確認することが可能である.また,付属物の連結部分で は不適合が生じる場合が少なくないため,特に注意して確認する必要がある. 

支圧接合では,孔の精度が打ち込み作業の難易に大きく影響するため,孔ずれを

0.5mm

以下に管理する必要 があるとした規格もある. 

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