• 検索結果がありません。

溶融亜鉛めっき

ドキュメント内 untitled (ページ 115-120)

第 8 章 防食

8.4 溶融亜鉛めっき

 

鋼構造物面へ溶融亜鉛めっきは,設計で考慮された防食設計に適した材料および施工方法で行う. 

8.4.1  使用材料 

溶融亜鉛めっきに使用する材料は,設計で考慮した防食性能を満足する材料を使用する. 

8.4.2  亜鉛めっきの付着量 

 亜鉛めっきの付着量は,設計で考慮した防食性能を満足する付着量を確保する. 

8.3.4  コンクリート床版の施工

(1)

コンクリート床版を施工する場合は,鋼桁架設後速やかにコンクリートを打設する.

(2)

コンクリートを打設する際は,耐候性鋼部材にコンクリートやモルタルが付着しないようにする.

8.3.5  記録

 耐候性鋼の施工記録は適切に保管する. 

付着量としては

600g/m

2以上確保するのが一般的である.しかし,薄板などの部材では,性能を損なわずに標準 付着量を確保することは施工上困難であることから,一般的には

350g/m

2以上の付着量としているが,亜鉛めっ きの付着量が少ない分,防食性能が低下することに留意する必要がある.

 

【解  説】 

(1)

部材のマーキングに使用する材料は,油性系の塗料では亜鉛めっきの付着性能が低下するため水性塗料を使 用する.

(2)

めっき後に衝撃が加わった場合,鋭利な部材角部ではめっき皮膜が損傷したり,はく離したりすることがあ るため,通常は

1mm程度の面取りを行っている.ボルト孔についても,孔明け後の孔周辺のカエリやバリは

除去する.

(3)

亜鉛めっき後,ボルト孔径は亜鉛の付着によって小さくなる.めっき後に仮組立や架設を行う際にはめっき 処理したドリフトピンを用いるが,ドリフトピンの径も大きくなっているので,通常は直径が0.55mm程度小 さいものを使用している.

【解  説】 

溶融亜鉛めっきを施す部材の溶接は,めっきによる変形を防止するために溶接入熱量を低減するとともに,過 大な脚長をとらないようにし,溶接残留応力の軽減および内部応力の軽減を図ることが必要となる.溶接ひずみ などの変形を,めっきを施す前に矯正してもめっき時の加熱によって変形が再発する場合が多く,めっき後の矯 正も困難なことから溶接ひずみが生じないようにする注意する.また,水平補剛材の端部や垂直補剛材のスカラ ップ部のまわし溶接部にアンダーカット,オーバーラップ,ピット等の溶接欠陥があるとめっき施工による割れ が発生しやすいので注意が必要である.なお,溶接時に発生するスラグおよびスパッタは,溶接後完全に除去し ておく.

8.4.3  加工,孔開け

(1)

部材にマーキングする際は,めっきに悪影響を与えない材料を使用する.

(2)

部材の角部は,めっきが損傷しないように処理する. 

8.4.4  溶接

溶融亜鉛めっきを施す部材の溶接は,めっきによる変形を防止するとともに,めっき時の割れを防ぐため に溶接欠陥がないように留意する.

【解  説】 

(1)

めっき作業用吊り金具は,「鋼構造物架設設計施工指針」[平成143月,土木学会]に準拠して取付ける.

めっき作業用吊り金具の取付け位置は,部材端から部材長の

1/ 5

前後とし,一般には架設用吊り金具とは別 の位置に取付ける.通常,長尺部材のめっきは

2

点吊りで行うので,両端部から部材長の

1

5

前後のウェブ の中心線上に吊り金具を設け,ウェブが鉛直になるようにする.箱桁を分割めっきする場合は,ウェブがな い側はダイヤフラムや横リブ位置などに取付け,桁の内側にはめっき時の変形防止材を設置する.

(2)

主桁の現場継手側のウェブ端部など補剛されていない部分は,めっき施工によって変形することが多い.こ のような部分にあらかじめ変形を防止する拘束材を設けることによって,変形量を低減させることが必要で ある.一般には,変形防止用拘束材には剛性のある山形鋼が使用されている.変形防止用拘束材の取付けに は普通ボルトを用い,桁本体と拘束材の間には各端部に亜鉛流出用の半円孔を設けたパイプスペーサーを拘 束材に溶接し取付ける.一般的に行われている変形防止用拘束材の取付けは次のようである.

a)

Ⅰ桁のウェブ高

2m

以上の場合に,現場継手側のウェブ端部には原目を防止するための変形防止用拘束材 を取付ける.

b)

変形防止用拘束材は,継手部のボルト孔を2〜

4個飛ばした間隔(300mm〜500mm程度)とし,上下の縁

端とウェブ中央はボルト締めを行う.

c)

箱桁はウェブ高に関係なく,現場継手側のウェブ端部に変形防止用拘束材を取付ける.

d)

吊り金臭の取付け部の背面にダイヤフラムがない場合はリブやストラットで補強を行う.

e)

分割箱桁は,めっき時の変形防止用として縦割り部にストラットやプレーシング等を設ける.なお,こ れらの拘束材は箱形状に組立てを完了するまで残しておく.

f) 2分割された箱桁の部材開口部には変形防止のための拘束材を設ける.

g)

変形防止用拘束材は,部材の力学的挙動や防食性能さらには性能上や維持管理上支障とならないような 場合には取り除かないほうが,防食性能は低下しない.

(3)

一般に,補剛材溶接後のひずみ取りは,ガスバーナーによる加熱矯正法やプレスによる矯正が行われている.

ひずみ取り作業では,めっき後の変形をできるだけ小さくするためウェブのはらみに関しては,ウェブ高さ

1/500〜 1/600の平面度を精度管理の目標として行っている

(4)

めっき施工後の矯正は,プレスによる冷間加工によることが標準であるが,プレス矯正する場合は毛布や当 て板を用い,めっき皮膜を損傷しないように配慮する.

8.4.5  溶融亜鉛めっきの施工 

(1)

めっき用吊金具

めっき用吊金具は,部材に所定のめっき量が付着するような位置に取付け,めっき施工中に転倒などし ないようにする.

(2)

変形防止用拘束材

めっき施工中に変形する恐れがある部分には変形を防止する拘束材を設ける.

(3)

平面度の管理

めっき後の部材は所定の平面度を確保する.

(4)

めっき後の矯正

めっき施工後の矯正は,めっき皮膜を損傷しないようにする.

(5)

めっきの精度

めっき後は,所定の部材精度があることを確認する.

(5)

精度の確認のため,必要に応じてめっきの施工前後に仮組立を行うことがある.仮組立を行う場合は,溶融 亜鉛めっき皮膜を損傷したり,塗料,油脂類が付着したりしないように注意して行う.

【解  説】 

  溶融亜鉛めっき施した面は滑らかであり,設計で考慮したすべり係数を確保することは難しいことからブラ ストによって所定の表面粗さを確保する.参考に,表面粗さとすべり係数との関係を図

-

8.4.1

に示す.

ブラストの処理範囲は,摩擦接合面だけ行うこととする.連結板や接合部材の製作精度によってはブラスト部 が露出し防食性能が低下することがあるので,接合面以外へのブラストは行ってはならない.なお,表面粗さの 確認は,ブラスト処理をして必要な表面粗さに施工された試験板を作成し,これと比較することによって確認す る.

【解  説】 

(1)

溶融亜鉛めっき部材を保管する際は,めっき皮膜の防食性能に悪影響を与えることのないよう注意する.溶 融亜鉛めっき部材は屋内で保管することを標準とするが,屋内で保管できない場合は,亜鉛を腐食させる物 質や潮解性物質または吸湿性物質を遮断できるように配慮する.また,溶融亜鉛めっき部材は,適切な高さ の架台に保管し,めっき皮膜が架台に直接接しないように保護する.

(2)

溶融亜鉛めっき部材を輸送する際は,めっき皮膜に損傷を与えないよう取扱いに注意する.溶融亜鉛めっき 8.4.6  摩擦接合面の処理 

溶融亜鉛めっき部材の摩擦接合面は,設計で考慮されたすべり係数が確保されていることを確認する. 

8.4.7  溶融亜鉛めっき部材の保管,輸送 

(1) 溶融亜鉛めっき部材の保管 

溶融亜鉛めっき部材を保管する場合は,めっき皮膜に悪影響を与えないようにする. 

(2) 溶融亜鉛めっき部材の積み込み・荷下ろし,輸送 

溶融亜鉛めっき部材の積み込み・荷下ろしおよび輸送中は,めっき皮膜が損傷を受けないようにす 0.2

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

30 40 50 60 70 80 90 100 110 120

表面粗さ (μm Ry)

すべり係数

図-解8.4.1  表面粗さとすべり係数との関係 

◆ カラミブラスト 

● サンドブラスト 

■ グラインダー 

▲ グリッドブラスト 

* ショットブラスト 

部材とめっきを施していない部材とを混載する場合は,それぞれの部材が損傷しないように十分に注意する.

【解  説】 

(1)

部材の形状や寸法によっては,めっき施工中に変形することがある.変形した部材を架設する際は,取付け 部材の組み合わせによるブロック化で安定性を保つ必要がある.例えば,I桁に対傾構や横構を取付けてブロッ ク化にすることによって,架設作業の安定性確保だけでなく連結部の取り合いの確認にもなる.架設機械や器具 などでめっき部材と接触する可能性のある個所には,フェルトやゴム等で保護し,めっき皮膜に損傷を与えない ように保護する.また,ドリフトピンや仮締めボルトはさびの発生していないものを使用する.通常の使用径よ り小さめのサイズのものを用いると,ドリフトピンの打ち込みの際にはボルト孔の損傷を極力少なくすることが できる.

通常,吊り足場用金具や型枠支保工等の吊り金具は,めっきを施工する前に取付けておくが,床版等に支障が なければ架設後も取り除かないほうが防食性能は低下しない.取り除く場合には,ガス切断またはガウジング等 で除去する.なお,その場合は,火花の飛散によってめっき皮膜を損傷しないように防火シートなどでめっき部 材の表面を保護する必要がある.チェーン,クランプ,パイプ等とめっき部材とが接触する面は,布ゴムや合板 パネル等で保護する.また,コンクリートの打設時には,コンクリートやモルタルがめっき部材に付着しないよ うに型わくの継ぎ目をシールし,コンクリートやモルタルが付着した場合は,すぐに水洗いする必要がある.

(2)

高力ボルトの締め付けはナット回転法によって行い,ボルト耐力付近の軸力を導入することにより,クリー プによるボルトの軸力の低下を補う.

【解  説】 

  溶融めっきの品質は,

JIS H 8641

「溶融亜鉛めっき」に準拠しており,めっき面は滑らかで,不めっき部分 など防食性能およびその耐久性能に有害な欠陥があってはならない.また,めっき皮膜は素地と良く密着してい る必要がある.めっきの付着量および密着性試験方法は,

JIS H 0401

「溶融亜鉛めっき試験方法」に規定されて いる.

溶融亜鉛めっき面の外観検査では,防食耐食性能に影響を及ぼす不めっき,きず,かすびきあるいは連結面の たれ,シーム,ざらつき等を検査する.めっき皮膜に欠陥があった場合は,たれざらつき,かすびきについては ヤスリまたはサンダーにより平滑に補修する.また,不めっきやきず等は,有機ジンクリッチペイントを用いて 補修を行うことを標準とする.

溶融亜鉛めっきの付着量は,

JIS H 8641

「溶融亜鉛めっき」の規定されている.なお,必要によってはめっき の膜厚を測定することもある.膜厚測定は,通常,JIS H 0401に定められている膜厚試験によって行われる.

8.4.8  溶融亜鉛めっき部材の架設

(1)

溶融亜鉛めっき部材は,架設中損傷を受けないように適当な防護を行う.

(2)

高カボルトの締め付けはナット回転法によって行う.

8.4.9  めっきの検査

めっきの外観に,防食性能に影響を及ぼす有害な欠陥がないことを確認し,欠陥があった場合はめっきの 防食性能を低下させないように処理する.また,所定のめっき量が付着していることを確認する.

ドキュメント内 untitled (ページ 115-120)