第9章 ネットワーク環境の決定と設定
D.4 ネットワークの事前準備
・ 仮想L-Serverの場合
仮想L-Serverの場合、VIOMに関係なく業務LANと管理LANで使用するIBPのアップリンクセットを1つずつ作成したあと、VMホス トに接続してください。
アップリンクセットの名前とネットワークリソースの名前を合わせる必要はありません。
9.4.3 iSCSI LANをiSCSIブートで利用する場合
【物理サーバ】
事前に以下の定義ファイルを作成し、iSCSIブートで利用するネットワーク情報を定義します。
iSCSIブートの操作(rcxadm iscsictl)で登録するiSCSIブート情報と関係します。事前に、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の
「15.4.2 iSCSIブート情報」を参照してください。
なお、CNAを使用したiSCSIブートは利用できません。CNA以外のNICを使用してください。
定義ファイルの格納場所
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data 定義ファイル名
- ユーザーグループ
iscsi_ユーザーグループ名.rcxprop
- システム共通 iscsi.rcxprop 定義ファイルの形式
定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。以下の形式で記述します。
変数 = 値
コメントは、先頭文字をシャープ("#")で記述します。
定義ファイルの指定項目
表9.9 iSCSIブートのネットワーク定義ファイルの指定項目
変数 意味 値
server_model.モデル 名.boot_nic
サーバモデル名とiSCSIでブートするNICを指定します。
NICは複数指定できます。
指定できるモデルは、以下のとおりです。
・ BX620
・ BX920
・ BX922
・ BX924
・ BX960
なお、デフォルトはアスタリスク("*")を指定します。
以下の形式で指定します。
NIC[index]
indexは1から始まる整数です。
例
#Server Section
server_model.BX922.boot_nic = NIC1 server_model.BX924.boot_nic = NIC1,NIC2 server_model.*.boot_nic = NIC1,NIC2
- エントリーは記載した順に評価されます。設定が重複した場合、最初のエントリーが評価されます。
- デフォルトはアスタリスク("*")で指定します。
9.4.4 リンクアグリゲーションを利用する場合
リンクアグリゲーションを利用する場合、リンクアグリゲーションの設定を、事前にLANスイッチブレードとL2スイッチに行う必要がありま す。リンクアグリゲーションの設定の詳細は、LANスイッチブレードとL2スイッチのマニュアルを参照してください。
ネットワークリソースの作成時は、リンクアグリゲーショングループの名前をネットワークリソースの外部接続ポートとして指定します。
詳細は、「C.3 リンクアグリゲーションの利用」を参照してください。
9.4.5 ネットワーク自動設定のデフォルト構成以外のNICを利用する場合
ブレードサーバを利用するときにネットワーク自動設定のデフォルト構成以外のNICを利用する場合、サーバNIC定義を作成し、マネー ジャーに登録することで、自動設定のデフォルト構成以外のNICが利用できるようになります。
作成したサーバNIC定義は、rcxadm nicdefctl commitコマンドによって有効になります。サーバNIC定義では、管理対象のブレードサー バのNICと物理LANセグメントとの関係を定義します。この物理LANセグメントをネットワークリソースから指定することで、ネットワークリ ソースが利用するNICを指定できます。
サーバNIC定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.13 サーバNIC定義」を参照してください。
rcxadm nicdefctl commitコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.15 rcxadm nicdefctl」を参照してくださ い。
9.4.6 ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバで仮想スイッチの自動設定を利用
する場合
ラックマウント型サーバまたはタワー型サーバを管理対象サーバにしてVMwareを使用している場合、仮想スイッチとポートグループを 自動設定できます。この場合、サーバNIC定義を作成しマネージャーに登録する必要があります。
サーバNIC定義は、rcxadm nicdefctl commitコマンドによって、マネージャーへ登録します。
サーバNIC定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.13 サーバNIC定義」を参照してください。
rcxadm nicdefctl commitコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.15 rcxadm nicdefctl」を参照してくださ い。
9.4.7 サービスコンソールとポートグループが同じ場合でもL-Serverを配備する場合
サーバ仮想化ソフトウェアとしてVMwareを利用するときにサービスコンソールとポートグループが同じ場合でもL-Serverを配備する場
合、VMware除外ポートグループ定義ファイルを作成する必要があります。
VMware除外ポートグループ定義ファイルの詳細は、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.14 VMware除外ポートグルー プ定義ファイル」を参照してください。
9.4.8 ネットワーク機器をリソースとして管理する場合
ネットワーク機器をリソースとして管理するための事前準備について説明します。
事前準備が必要になる条件 事前準備の内容
ネットワーク構成情報(XML定義)を作成する場合 (必須の準備作業)
ネットワーク構成情報(XML定義)の作成
ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用する場合 ネットワーク機器設定ファイル管理機能の定義設定 外部FTPサーバの登録
ネットワークデバイスのログイン情報の設定
ネットワーク機器設定ファイルの設定値を変更する場合 ネットワーク機器設定ファイル管理機能で利用される定義ファイル の設定値変更
ポートプロファイル設定機能を使用する場合 ポートプロファイル設定機能の定義ファイル作成
9.4.8.1 ネットワーク構成情報(XML定義)を作成する場合
インフラ管理者は、ネットワーク機器の管理者から入手したネットワーク機器の情報(管理IPアドレス、アカウント情報、結線情報など)を 元に、ネットワーク機器をネットワークデバイスとして登録するためのネットワーク構成情報(XML定義)を作成します。
・ ネットワーク機器の設置前にネットワークデバイスとして登録する場合
・ 複数のネットワーク機器をネットワークデバイスとして一括して登録または変更する場合
・ ネットワークデバイスへの自動設定を行う場合
・ Web管理画面機能を提供しているネットワーク機器を登録する場合
・ 冗長構成のネットワーク機器をネットワークデバイスとして登録する場合
・ ネットワークを可視化したい場合
・ 物理L-Serverを配備する場合
・ L2スイッチを登録する場合
・ サポート機種以外のネットワーク機器を登録する場合
・ ネットワークデバイスとして登録するネットワーク機器の状態を定期監視する場合
・ イーサネット・ファブリックスイッチ(Converged Fabric)装置を登録する場合
・ イーサネット・ファブリックスイッチ(VCS)装置を登録する場合
・ IPCOM VXを登録する場合
・ IPCOM VAを登録する場合
ネットワーク機器の設置前にネットワークデバイスとして登録する場合
ネットワーク機器がネットワークデバイスとして登録されると、監視機能によって状態の監視が開始されます。そこで、不要な監視を行 わせないために、Maintenanceタグに"true"を指定し登録します。
この指定によって保守モードが設定され、監視対象外になります。ネットワーク機器が設置され監視対象にする場合、保守モードを解 除します。
Maintenanceタグの指定は、登録するネットワークデバイス単位(Netdeviceタグ単位)に指定できます。
複数のネットワーク機器をネットワークデバイスとして一括して登録または変更する場合
・ 複数のネットワーク機器を一括で登録または変更する場合、結線情報を登録することができます。
この結線情報(Linksタグ配下)に機器情報(Devices)を指定した場合は、ネットワーク機器を接続するポート名を指定する必要があ ります。
参考
ポート名の確認方法について説明します。
- イーサネット・ファブリックスイッチ装置以外のネットワーク機器の場合
ネットワークデバイスの標準MIBのifNameが不明な場合、snmpwalkコマンドなどで確認できます。
例
snmpwalk -v 1 -c [SNMPコミュニティー名] [IPアドレス] ifName
接続先の機器のマニュアルやベンダーから情報を入手できる場合、そちらから入手します。
- イーサネット・ファブリックスイッチ装置(Converged Fabric)の場合
当該装置のファブリック仮想代表IPアドレスに対してリモートログインし、登録に必要な機器の接続ポート名を以下のコマンドを 使用して確認してください。
# show running-config
以下の形式でポート名とポート種別が表示されます。
interface domain_id/switch_id/chassis_id/port type type
ポート名は、interfaceに続いて表示されます。続けてポート種別がtypeに続いて表示されます。
例
interface 3/1/0/3 type cir
結線情報の"機器の接続ポート名"には、以下のポート種別のポート名を指定します。
- "type cir"
外部のネットワーク機器と接続するポートです。
- "type endpoint"
サーバと接続するポートです。
- "type linkaggregation group"
リンクアグリゲーション接続している"type cir"または"type endpoint"のポートです。
コマンドの表示内容については、イーサネット・ファブリックスイッチ装置のマニュアルを参照してください。
- イーサネット・ファブリックスイッチ装置(VCS)の場合
当該装置のファブリック仮想代表IPアドレスに対してリモートログインし、登録に必要な機器の接続ポート名を以下のコマンドを 使用して確認してください。
# show running-config
以下の形式でポート名とポート種別が表示されます。
interface interface_name rbridge-id/slot/port
ポート名は、interfaceのインターフェース名に続いて表示されます。
例
interface TenGigabitEthernet 2/0/1
コマンドの表示内容については、イーサネット・ファブリックスイッチ装置のマニュアルを参照してください。
・ IPCOM VXのファームウェアのバージョンがE10L12以降の場合、IPCOM VXとIPCOM VAの間の論理的な結線情報について
は、指定する必要はありません。
・ 結線情報が登録済みの状態で、複数のネットワーク機器を一括で登録するときのネットワーク構成情報に、結線情報(Linksタグ配 下)が指定されている場合、登録済みの結線情報については登録モード(Modeタグ)の指定に従って処理します。
- "add"が指定されている場合
登録済みの結線情報と同じ結線情報については上書きしません。
- "modify"が指定されている場合
登録済みの結線情報を全て削除してから、指定されている結線情報を新たに登録します。
登録済みの結線情報は、rcxadm netconfig exportコマンドで取得できます。
ネットワークデバイスへの自動設定を行う場合
「9.3.3 管理対象のネットワーク機器への事前設定」で登録したアカウント情報をXML定義に記載してください。
XML定義に、正しいアカウント情報を指定していない場合、ネットワークデバイスへのログインに失敗し、ネットワークデバイスへの自動 設定機能を利用できません。
そこで、事前にアカウント情報が正しいか確認したい場合、LoginInfoタグに"check=true"を指定することで、指定したアカウント情報を 利用してネットワークデバイスへログイン処理を行い、ログインできるかを確認できます。
ただし、アカウント情報を登録していない(アカウント情報を使用する機能を利用しない)場合、LoginInfoタグの記載は必要ありません。
LoginInfoタグの指定は、登録するネットワークデバイス単位(Netdeviceタグ単位)に指定できます。
なお、protocolタグに"telnet"を指定した場合は、以下のすべての条件を満たしているネットワーク機器だけ、アカウント情報の確認がで きます。
ベンダー名 機種名 プロンプトの種類 プロンプト文字
Fujitsu
SR-X
イーサネット・ファブ リック (注1)
ログインプロンプト Login:
パスワードプロンプト Password:
コマンドプロンプト (注2) 任意の文字列# 任意の文字列>
IPCOM EX IPCOM VX IPCOM VA NSアプライアンス
ログインプロンプト login:
パスワードプロンプト Password:
コマンドプロンプト (注2) 任意の文字列# 任意の文字列>
Cisco
Catalyst ASA
ログインプロンプト Username:
パスワードプロンプト Password:
コマンドプロンプト (注2) 任意の文字列# 任意の文字列>
Nexus
ログインプロンプト login:
パスワードプロンプト Password:
コマンドプロンプト (注2) 任意の文字列# 任意の文字列>