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プライマリウィックの検討

第六章 . リザーバ外付け型ループヒートパイプの地上実験

6.2 地上実験モデルの設計検討

6.2.1 プライマリウィックの検討

LHP

動作時に作動流体循環の駆動力となる毛細管力を発生するプライマリウィック は

LHP

にとって最も重要な構成要素の

1

つである.プライマリウィックの設計を行う にあたっては表

6.1.1

に示す要求仕様のうち,以下に示す項目を考慮する必要がある.

・作動流体:アンモニア

・最大熱輸送量:100W 以上

・熱輸送距離:3m 以上(トップヒート)

・動作温度範囲(機能維持温度):-15~65

°C

Working fluid Ammonia (NH

3

)

Maximum heat transport rate more than 100W Minimum heat load for the start-up 5W

Heat transfer Length more than 3 m

Thermal conductance More than 10W/K@100W

Allowable temperature

-30~+60

°C (Operating mode)

-77~+120

°C (Non-operating mode)

Function

- Temperature Controllability:±1

°C

- Shut-down

83

なお,蒸発器の直径は大きい方が熱コンダクタンスが大きくなり有利であるが,蒸発 器は可能な限り小型・軽量化することを前提とするため,ウィックの外径を

12.6

㎜(1/2 インチ未満)とした場合について検討した.

熱輸送コンダクタンス

10W/K

以上(蒸発器熱入力

100W

時に

ΔT <10K)を満足す

るために必要なウィック長さを検討する.図

6.2.1

にウィック長さ

L

PW,蒸発器の蒸発 熱伝達率に対する蒸発壁面温度-蒸気温度

ΔT

EVA の関係を示す.ここでは蒸発熱伝達率 およびウィック長さ

L

PW

[m]をパラメータとした.図より,仮に蒸発器壁面温度と蒸気

温度との温度差

ΔT

EVA

[ °C ]を 5K

以内(凝縮器の

ΔT

CON が

5K

以内を前提)に抑える ためには,蒸発熱伝達率

5000W/m

2

K

以上,ウィック長さ

0.1m

以上必要であること がわかる(蒸発器熱入力

100W

の場合).なお,

ETS-Ⅷ用 LHP

における軌道上での蒸 発熱伝達率は,約

6000 W/m

2

K(蒸発器熱入力 300W

時)である.本地上実験モデル のウィックは

ETS-Ⅷ用 LHP(ウィック径φ31.5

㎜)より外径が小さいため,熱流束 が大きく,さらに蒸発器壁面との接触状態にも問題が生じる.ただし,ETS-Ⅷ用

LHP

では,ウィック外周に設けた蒸気グルーブの数が多く蒸発器壁面との接触割合が小さい ため,本検討では,蒸発熱伝達率

5000W/m

2

K

とし,ウィック長さ

0.1m

とした.

Figure 6.2.1 Relation between length of primary wick and temperature

difference between evaporator wall and vapor

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実際に製作したプライマリウィックの外観写真を図

6.2.2

に示す.

Figure 6.2.2 Picture of primary wick for ground test model

製作したプライマリウィックの特性(空孔径,空隙率,透過率)を調べた.まず,空 孔径についてはバブルポイント法にて測定を行った.バブルポイント法は,まず試料(円 筒型ウィック)全体を測定に用いる液で濡らした後に液中に固定し,内部を窒素ガスで 加圧していく方法であり,ある圧力でウィック内部に保持されていた液が飛ばされ,円 筒外表面から気泡が発生するが,最初に泡を発生させるためには貫通に必要とされる圧 力が一番大きくなるウィック中で一番小さな径

r

minの空孔をガスが貫通する必要があ る.このとき次式が成り立つため,泡発生時の圧力

P

maxと液の表面張力σから最小空 孔径

r

minを求めることができる.

P

max

=2 σ / r

min

(6.2.1)

気泡が発生した後,窒素ガスの導入を停止して放置すると液が徐々にウィックに戻 ってくる.その際,液はまず一番大きな径

r

maxをもつ空孔に入り,ウィック円筒中心 部の圧力は下げ止まる.このときの圧力

P

minと

r

maxの間には次式が成立するため,

r

maxを求めることができる.

P

min

=2 σ / r

max (6.2.2)

次に,空隙率については,ウィックの外形寸法が全てウィック材料で構成されたと仮 定した場合の質量に対するウィックの実測質量の割合から算出した.

最後に,透過率については,ウィックに窒素ガスを透過させた際のウィック前後に生 じる差圧から求めることができる.透過率

K [m

2

]は次式で表される.

PA T

K m

PW

(6.2.3)

ここで,

m

は窒素ガスの質量流量[kg/s], は窒素ガスの動粘度[m2

/s], T

PWはプライマ リウィックの厚み[m],

P

はプライマリウィック前後の圧力差[Pa],

A

はプライマリウ ィックの透過面積[m2

]であり,プライマリウィック長さ L

PW

[m],円周率π,プライマ

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リウィック外径(ウィック外周の蒸気グルーブの底径)

D

PWo

[m]および内径 D

PWi

[m]を

用いることにより次式で計算される.

2

i PW o

PW PW

D L D

A

(6.2.4)

なお,25

°C

の窒素ガスの質量流量と体積流量の間には次の関係が成り立つ.

1kg/s = 52363 L/min

(6.2.5)

従って,式(6.2.3)は以下のようになり,本式および実際の測定値

w[L/min]を使って透

過率を求めることができる.

A P T K w

Pw

52363

(6.2.6)

測定時の実際のパラメータは以下の通りである.

上記の方法により実測,算出したプライマリウィックのパラメータを表

6.2.1

に示す.

Table 6.2.1 Capillary parameters of primary wick

T

PW

2.9 x 10

3

m

1.57 x 10

5

m

2

/s

D

PWo

10.8 x 10

3

m

D

PWi

5 x 10

3

m

L

PW

0.1 m

Maximum pore radius r

max

1.20 m Minimum pore radius r

min

0.95 m

Porosity 64%

Permeability K 8 x 10

-15

m

2

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