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第七章 物に対する働きかけ

7.6. 生産

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koj-i je dobi-la na poklon-ø

REL(which)-ACC:SG もらう-PST:3SG 〜の上に プレゼント-ACC:SG pre 20 godin-a.

~前に 年-GEN:PL

「...20 年前にプレゼントにもらった生地から...高級なドレスを縫った。」

(Politika)

実例(206)、(207)で見られるように、物の「生産」を表す組み合わせでは[原料]という 文法的な意味を表す要素との共起が見られる。また、[生産の対象]が空間的な側面を持つ

「建物」や特定の「空間」などになる場合は、「生産の場所」という文法的意味を表す要素 が含まれる傾向がある。

(208) ...sagradi-o je 1922. godin-e na plantaž-i pamuk-a 建てる-PST:3SG 年-GEN:SG 〜の上に 栽培場-LOC:SG 綿花-GEN:SG teren-ø za mini golf-ø.

グランド-ACC:SG 〜のために ミニ ゴルフ-ACC:SG 「1922 年に綿花栽培場にミニゴルフ場を建てた...」(Politika)

このタイプの組み合わせも[対象]を表す要素の語彙的な意味が「人」であっても、物扱いに し、そのカテゴリカルな意味を〈もの〉として解釈できる実例が見られる。

(209) ...živ-i... u Južn-oj Americ-i, gde 住む-PRES:3SG ~の中に 南の-LOC:SG アメリカ-LOC:SG REL-(where)

se ponovo oženi-o, osnova-o nov-u REFL 再び 結婚する-APP:M:SG 作る-APP:M:SG 新しい-ACC:SG familij-u, izrodi-o djec-u.

家族-ACC:SG 生む-PST:3SG 子供たち-ACC:3SG

「彼が再婚し、新しい家族を作り、子供たちを生んだ...南アメリカに住んで いる...」

このように、物の「生産」を表している組み合わせの構造を次のようにまとめることがで

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[主体]NOM V 生産 [生産の対象]ACC ([原料]od+GEN) ([生産の場所]LOC)

〈人〉 〈もの〉 〈もの〉 〈空間〉

実例の中に物の「生産」と物の「付着」の間の境界的なものが見られた。次に挙げる動詞 ostaviti「残す」の現れ方がその例の一つである。

(210) ...kad ostavim trag mastila 〜時に 残す-PRES:1SG 跡-ACC:SG インク-GEN:SG na ov-oj hartij-i...

〜の上に この-LOC:SG 紙-LOC:SG

「インクの跡をこの紙に残した時に、....」(Derviš i smrt)

この現れ方は、インクの跡が出来る点では生産的ではあるが、「この紙に」という要素が 空間でなく限られた表面を表し、インクの跡をそこに留めるという意味が含まれる点では、

付着的な側面も認められると言える。これに対し、ある程度空間的な側面が含まれている要 素と組み合わさり、そこに具体物を創造するというような文脈では、動詞 ostaviti「残 す」がより明確に物の「生産」を表すことがある。

(211) ...ali Neimar se... sažalio i しかし 建築業者-NOM:SG REFL 同情する-APP:M:SG ~も ostavio na stubovima otvore...

残す-APP:M:SG 〜の上に 柱-LOC:PL 穴- ACC:PL 「しかし、建築業者は同情して、柱に穴を残した。」(Na Drini ćuprija)

服や生地の「生産」を代表的に表す動詞の現れ方は日本語とセルビア語の相違点を一つ見 せているものがある。日本語では「縫う」、「編む」または「織る」は物の「生産」を表す ことのほかに、物の「変化」を表すこともできる。例えば、「スカートを縫う」、「セー ターを編む」、「じゅうたんを織る」という場合はヲ格名詞が生産物を表し、組み合わせ 全体も物の「生産」を表しているが、「スカートのほころびを縫う」、「毛糸を編む」や

「亜麻を織って敷物を作る」という場合はヲ名詞が変化の対象を表し、組み合わせ全体も物

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の「変化」という意味になる。これに対し、セルビア語では同じ意味の動詞が例(205)と (207)でも見られるように、 物の「生産」を表す組み合わせを代表的に作り、物の「変化」

を表す例がほとんど見られない。似たような文脈では物の「変化」を表したい場合は異なる 動詞を使うか、あるいは、動詞を不完了体から完了体に変える必要がある。例えば、動詞 šiti「縫う」を完了体にすると、動詞 zašiti「縫い合わせる」になり、zašiti pocepanu tkaninu(「布切れを縫い合わせる」)のように、物の「変化」を表す組み合わせを作るこ とができる。動詞の体が変わった場合はそれを別の動詞として扱う必要がある。ヲ格名詞が 服や生地を表さない場合はその例外は多少見られる。次の例で動詞 plesti「編む」は[結果 の状態]という文法的な意味を表す要素と組み合わさり、物の「変化」を表す。同じ現れ方 が日本語の「編む」にも見られる。

(212) Zašto je riđ-u kos-u

どうして である-PRES:3SG 赤い-ACC:SG 髪の毛-ACC:SG ple-la u kurjuk-ø...

編む-APP:F:SG 〜の中に 三つ編み-ACC:SG

「どうして彼女が赤毛を三つ編みにしていたのか...(赤毛を三つ編みに編 んでいたのか...)」(Upotreba čoveka)

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