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社会的場面での人への働きかけ

第八章 人に対する働きかけ

8.6. 社会的場面での人への働きかけ

このタイプの組み合わせでは特定の社会的な場面における[主体]による[対象]への働き かけが表される。その中に三つの意味的関係が見られると思われる。

第一に、[主体]への働きかけによって[対象]の社会的な身分が変化する意味を持つ組み合 わせが見られる。これらを「社会的変化」と名づけることができる。「社会的変化」を表す 動詞には以下のようなものがある。

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zatvoriti「投獄する」、zaposliti「雇用する」、upisati(na fakultet)「(大学に)入学さ せる」、otpustiti「仕事をやめさせる」、zameniti「(誰かに)」代わる」、isključiti (nekog iz nasledstva)「(遺産から誰かを)除外する」、 osloboditi「解放する」、

unparediti「昇進させる」、predati (begunca vlastima)「(逃亡犯人を政府に)引き渡す」

この意味的関係を表す組み合わせの実例を次に挙げる。

(231) Jest, hti-o sam da preda-m bjegunc-a そう ~したい-PST:1SG ~ように 引き渡す-PRES:1SG 逃亡犯人 CC:SG stražar-ima, i miran-ø sam radi ガードマン-DAT:PL ~も 平静な-NOM:SG である-PRES:1SG 〜ために to-ga.

それ-GEN:SG (Derviš i smrt)

「そう、私は逃亡犯人をガードマンに引き渡したかったし、それで平静 だ。」

この意味的関係を表す組み合わせでは[社会的な状態]という文法的な意味を表す要素との 共起も見られる。

(232) "Vašington-ø post-ø" precizir-a da su

ワシントン・ポスト-NOM:SG 特定する-PRES:3SG 〜ように である-PRES:3PL najveć-i donator-i... zaposli-li Bil-a kao 最も大きい-NOM:PL 寄付者-NOM:PL 雇用する-APP:M:PL 個人名-ACC 〜として konsultant-a ili poslovn-og partner-a.

コンサルタント-ACC:SG ~か ビジネス-ACC:SG パートナー-ACC:SG

「ワシントン・ポストは最も大きい寄付者がビルをコンサルタントまたはビジ ネス・パートナーとして雇用したと特定している。」(Politika)

第二に、[対象]の社会的な身分が変わっていくわけではないが、特定の社会的場面での人 間同士の相互行為を表しているため、臨時的にでも人間同士の関係が成り立つという意味的

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側面が含まれることが特徴である組み合わせが見られる。この意味的関係を表す動詞を以下 に挙げる。

upoznati「知り合いになる」、pozdraviti「挨拶する」、sresti、susresti「会う」、

obići、posetiti「訪ねる」、predstaviti (nekoga nekome)「誰かに誰かを紹介する」、

sastaviti(dva čoveka) 「(二人を)引き合わせる」

(233) Silaze-ći u kabin-u oko ponoć-i

TRANS ~の中に 船室-ACC:SG ~ごろ 夜中の 12 時-GEN:SG sreta-m Robert-a, mornar-a Bretonc-a...

会う-PRES:1SG 個人名-ACC:SG 船員-ACC:SG ブルトン人-ACC:SG

「夜中の 12 時ごろ船室に降りながら、ブルトン人の船員、ロバートに会 う。(〈直〉...ロバートを会う。)」

(234) Kao da se sam-ø šejtan-ø potrudi-o

~のように REFL 自身-NOM:SG 悪魔-NOM:SG 努力する-APP:M:SG da sastav-i ov-a dv-a čovjek-a...

〜のように 会わせる-PRES:3SG この-ACC:PL 二人-ACC:PL 人-GEN:PL

「悪魔こそがこの二人を引き合わせるために努力したようだ...」 (Derviš i smrt)

第三に、[主体]の働きかけによって[主体]と[対象]との間に成り立つ力関係を表す組み合 わせがある。この意味的関係を表す動詞には次のようなものがある。

napasti「攻撃する」、odbraniti「守る」、pobediti「勝つ」、poraziti「負かす」、

savladati「打ち勝つ」、spasti/spasavati「救う」、 potčiniti/potčinavati「服従させ る」、odbaciti「排除する」

これらも人の社会的身分が変わるわけではないが、相手に対する力関係が変わり、必ず人 間のふれあいの結果として成り立つ動作として考えられるために、「社会的場面での人への 働きかけ」を表す組み合わせとして分類できる。

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(235) Želi-o je da spas-e hadži Sinanudin-a...

~したい-PST:3SG ~ように 救う-PRES:3SG 名前の接頭辞 個人名-ACC:SG 「(彼は)ハジ・シナヌディンを救いたかった。」。 (Derviš i smrt)

(236) Ispriča-o je kako su hajduc-i 語る-PST:3SG ~どのように である-PRES:3PL アウトロー-NOM:PL napa-li dubrovačk-e trgovc-e...

攻撃する-APP:M:PL ドゥブロヴニクの-ACC:PL 商人-ACC:PL

「(彼は)アウトローがドゥブロヴニクの商人を攻撃したことを語った。」

(Derviš i smrt)

この意味的関係を表す組み合わせの構造を次のようにまとめることができる。

[主体]NOM V 社会的働きかけ [対象]ACC

〈人〉 〈人〉