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第4章 環境社会的側面の検討

1. 環境社会配慮項目

現地調査の結果を踏まえ、地熱発電所建設というプロジェクトが実施されることを 考慮し、次の段階で必要となる環境社会配慮項目を地熱資源(掘削および配管)、発電 所および送電線の3つに分けて抽出した。

環境社会配慮項目は、(A)深刻な影響がある、(B)軽微な影響がある、(C)影響の有無 は不明、(N)影響が予想されない、という区分を行い、正と負の影響を評価した。その 結果を表4-7に示す。

また、影響が予想される項目の選定理由を表4-8に示す。

表 4-7 本プロジェクトにおける現時点で想定される調査項目

項目 地熱資源 発電所 送電線

大気汚染 -B -A N

騒音・振動 -B -A N

水質汚染 -A -A -A

土壌汚染 -B N N

廃棄物 -A -A N

地盤沈下 -A N N

悪臭 -B -A N

地形・地質 -A -A N

生物・生態系 -A -A -A

水利用 -B -A N

住民の移転 N N N

尐数民族・先住民 C C C

文化遺産 N N N

景観 N N N

雇用や生計手段等の地域経済 +A +A +A

土地利用や地域資源利用 +A +A +A

社会関係資本や地域の意思決定機関等の社会組織 C C C 既存の社会インフラや社会サービス +A +A +A

先住民の貧困 C C C

被害と便益の偏在 C C C

地域内の利害対立 C C C

ジェンダー N N N

子どもの権利 N N N

HIV/AIDS 等の感染症 N N N

温室効果ガス N +A N

+ :正の影響 -:負の影響

A :深刻な影響が予想される B :軽微な影響が予想される

C :影響の有無が不明 N :影響が予想されない

第4章 環境社会的側面の検討

表 4-8 現時点で予想される環境影響項目の選定理由

項目 地熱資源 発電所 送電線

大気 汚染

硫化 水素

(H

2

S)

地熱貯留層評価を行う ために実施する噴出試 験に伴い、H

2

S を含むガ スが発生し、近傍地域に おける一時的な影響が 想定される。

H

2

S を含む地熱流体を発 電用蒸気として利用す ることにより、H

2

S が水 蒸気とともに冷却塔か ら排出され、発電所近傍 における環境影響が想 定される。

窒素 酸化

(NOx

資材等の搬出入の車輌 通行に伴う影響につい ては、広域に及ぶとは考 えられない。しかし、輸 送経路の近傍に民家等 があることから、一時的 な影響が想定される。

資材等の搬出入の車輌 通行に伴う影響につい ては、広域に及ぶとは考 えられない。しかし、輸 送経路の近傍に民家等 があることから、一時的 な影響が想定される。

粉じ ん等

工事中の資材等の搬出 入に使用する車両から、

土砂粉じんの巻き上げ 等が発生するが、その影 響は広域に及ぶとは考 えられない。しかし、輸 送経路の近傍に民家等 がある場合は、影響が想 定される。

工事中の資材等の搬出 入に使用する車両から、

土砂粉じんの巻き上げ 等が発生するが、その影 響は広域に及ぶとは考 えられない。しかし、輸 送経路の近傍に民家等 がある場合は、影響が想 定される。

騒音・振動

坑井において、地熱流体 の噴出時に発生する騒 音や建設機械の稼働に おいて発生する建設作 業騒音および振動が想 定されるが、一時的なも のであるため、環境への 影響は小さいと考えら れる。

冷却塔、蒸気タービン、

発電機等からの騒音・振 動が想定され、近傍にお ける環境への影響が想 定される。

水質汚染

坑井掘削時に泥水の発 生が考えられる。

また、敷地造成時の裸地 発生により、降雤時の土 砂の流出による地表水 の濁りが考えられる。

排水による周辺の水環 境への影響が想定され る。

敷地からの土壌流出により 周辺の水環境への影響が想 定される。

土壌汚染

還元設備が未完成であ る調査、建設段階におい ては、地熱水が周辺に漏 れて、土壌汚染につなが ることが懸念される。

産業 廃棄

工事中に産業廃棄物(掘 削汚泥、廃材)の発生が 想定される。

産業廃棄物(汚泥、廃油 等)の発生が想定され る。

土木 工事 残土

土木工事に伴う土砂が 発生することが想定さ れ、減量化、土捨場への 適正処分等の検討が必 要となる。

地盤の沈下

深部地熱流体を採取す ることから、発電所近傍 における地盤沈下が想 定される。

悪臭

実施する噴出試験で発 生する H

2

S による悪臭 が、近傍地域における一 時的な影響を及ぼす可 能性が想定される。

冷却等から拡散する H

2

S による悪臭が、発電所近 傍に影響を及ぼす可能 性が想定される。

用水

工事用水取水により、河 川流量、地下水位に影響 を及ぼす可能性が想定 されるが、取水は一時的 で、かつ量も尐ないた め、影響は小さいと考え られる。

発電用水取水により、河 川流量、地下水位、湿地 への影響が懸念される。

地形・地質

調査、生産井掘削、発電 所建設工事等による土 地の形状の変更が予想 される。

発電所建設工事等によ る土地の形状の変更が 予想される。

鉄塔等の建設工事等による 土地の形状の変更が予想さ れる。

動植物

樹木の伐採や土地の改 変、施設の存在による動 物の分布状況、生息環 境、植物の重要種および 群落の影響が想定され るが、詳細は不明であ る。

樹木の伐採や土地の改 変、施設の存在による動 物の分布状況、生息環 境、植物の重要種および 群落の影響が想定され るが、詳細は不明であ る。

樹木の伐採や土地の改変、

施設の存在による動物の分 布状況、生息環境、植物の 重要種および群落の影響が 想定されるが、詳細は不明 である。

生態系

樹木の伐採や土地の改 変、施設の存在により、

動植物の分布、生息・生 育環境の変化が考えら れる。

樹木の伐採や土地の改 変、施設の存在により、

動植物の分布、生息・生 育環境の変化が考えら れる。

樹木の伐採や土地の改変、

施設の存在により、動植物 の分布、生息・生育環境の 変化が考えられる。

水利用

工事用水取水により、河 川流量、地下水位に影響 を及ぼす可能性が想定 されるが、取水は一時的 で、かつ量も尐ないた め、影響は小さいと考え

発電所用水取水により、

河川流量、地下水位への 影響が予想される。

第4章 環境社会的側面の検討

雇用や生計手 段等の地域経

雇用機会の増加、調査、

建設資・機材の地元調達 や作業人員の食料の地 元購入により地域経済 や住民の暮らしについ ては正の影響が期待さ れる。

雇用機会の増加、発電所 維持管理のための資・機 材の地元調達や作業人 員の食料の地元購入に より地域経済や住民の 暮らしについては正の 影響が期待される。

土地利用や地 域資源利用

調査、建設のための基地 と取付け道路の設置に よる土地の利用や地域 資源の利用が予想され る。

発電所施設等による土 地の利用や地域資源の 利用が予想される。

既存の社会イ ンフラや社会 サービス

調査、建設段階における 道路の建設、整備等によ り社会インフラの改善 が期待できる。

発電所施設等の存在に よる道路の整備、維持管 理や、住民への電気供給 等の正の影響が期待で きる。

温室効果ガス

化石燃料の代替により、

温室効果ガスの削減に つながる効果により、正 の影響が予想される。

出典:SNC 調査団作成)

2. 提案したプロジェクトとそれ以外の環境社会影響のより小さい選択肢との比較検討