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に関する経験に基づく貢献が大いに期待されている。

図 8-1 地熱発電プラントの世界における日本製品シェア

(出典:(社)火力原子力発電技術協会「地熱発電の現状と動向」をもとに SNC 調査団作成)

インドネシア国内の既存地熱発電プラントの納入状況は表1-2にまとめられているが、

合計 18 ユニットのうち6割以上に当たる 11 ユニット、また、総設備容量の7割以上に当 たる 690 MW の地熱発電設備を日本の重電メーカーが受注している。また、最近のもの(1995 年以降)だけに限れば、本邦製はユニット数比でほぼ9割、設備容量比では9割5分以上 に達し、本邦製機器の独占に近い状態にある。

(2) 日本から調達が見込まれる主な資機材の内容およ び金額

日本から調達が見込まれる主な資機材は発電設備である。フルライス地熱発電事業の場 合、地熱発電設備やサービスの内容が検討できる状態ではないことから、現状で具体的な 資機材や金額を把握するのは困難である。ただし、インドネシア国におけるほかの地熱発 電所の建設事業の例から見れば、本邦製品及びコンサルタントサービスが金額的には

40%

以上占める可能性があると考えられる。

(3) 我が国企業の受注を促進するために必要な施策

TOSHIBA 29%

FUJI 19%

OTHERS 28%

MISTUBISHI

24%

第8章 我が国企業の技術面等での優位性

坑井掘削等の初期投資が大きく事業の経済性を大きく圧迫することが、特徴として挙げら れる。同国の事業拡大のためには、我が国やインドネシア国により、これらリスク低減や 経済性改善する支援策が取られることが望ましい。

資源開発リスクの低減のためには、一般的には十分な資源調査が必要である。このため の資金を円借款で提供することは、事業成功への大きな助勢となる。多くの場合、事業の 成否が見込めない初期の段階の資源調査に資金を準備することが難しく、優秀な技術をも つ海外のコンサルタントを利用できなかったり、不充分な内容の資源調査になったりする。

事業主体である PT.PGE へ資源調査からの資金が円借款で供給されれば、優秀な技術力をも つ本邦の地熱開発コンサルタントの受注に繋がるはずである。

地熱発電所建設には、初期に蒸気井などの坑井掘削や発電所建設という大きな投資が必 要となる。この初期の投資は、他の化石燃料による発電と比べ大きく、金利等の負担が大 きくなり事業の経済性を悪化させる。大きな初期投資による経済性圧迫に対する解決策の ひとつとして、円借款のようなソフトローンによる融資がある。低金利と長い支払い猶予 期間の効果により財務的に見ても事業が十分に実施可能なものになる。地熱発電事業への 円借款による支援は、今後なおさら重要になると思われる。

地熱発電開発事業の資源開発リスクを低減し事業化を確実なものにするには、地上調査 データによる調査井を掘削することにより、地熱資源の賦存及び地熱流体の特性・開発適 正出力を確認・把握することが必要である。これにより、地熱発電所建設の詳細計画が立 案でき、適切な資金調達が可能となる。

地熱発電所建設のための事前準備として実施される、マスタープラン調査、地表地熱資 源調査、地熱資源確認調査(坑井/資源評価調査)、計画策定(エンジニアリング FS)等のな かで、地熱資源確認調査は、最も費用を要し事業化に繋がらないリスクも残っている調査 であることから、調査段階をクリアできず、事業化できていないものが数多くある。

このような地熱資源開発調査(確認調査)は、JICA でも従来 FS やプレ FS(開発計画調 査)として実施されたが、JICA 事業が要請ベースであることや技術移転が中心の事業であ る場合が多いこと等から、対象地点の有望度の検討が本邦の NEDO による地熱開発促進調 査(調査 C)ほどには厳格に行われていなかった。このため、JICA 支援実施を経ても事業 化できた地点が尐なく、また支援事業費用も嵩むために、現在は行われていない。

地熱事業を実現するためには調査井掘削による資源確認が最も重要であり、我が国から の ES 借款事業として本格事業の準備のために調査井掘削を含む調査事業を実施する試み が行われていると理解している。フルライス地熱発電事業では調査井が含まれる ES 借款 が実施される可能性は小さいが、事業のリスク低減面から調査井掘削が最も大きなハード ルとなっていることは、JICA をはじめとする関係機関には理解されている。

地熱発電所の主要機器なるタービン発電機について、本邦製品は割高感を与えている傾

価格の安い発電プラントの採用がはじまる可能性があるものと思われる。事業者やコンサ ルタントは、プロジェクトの調達段階でのプラント要求仕様の検討・作成において、技術 面を維持しつつコスト低減が達成可能な仕様となるよう、注意深い検討をする必要がある。

供給者となる本邦企業でも、品質の維持とコスト低減の両方の実現へ、可能な限りの努力 が期待される。ただし、コスト志向に偏り過ぎて初期投資の安い発電設備を安易に調達し てしまうと、設備の性能、耐久性、信頼性等のトラブルのため、運用段階で運転保守費に 予想以上の費用が発生し、総合的には不経済なプロジェクト収支結果を招くこともあり、

最悪の場合には、発電プラントが運転不能に陥ってしまう可能性もあり得る。技術と価格 の調和の取れたプロジェクトの調達が肝要である。