第5章 調査結果の分析
第2節 理科での効果的な使用法の分析
第1項 理科での効果的な使用法のカテゴリー
数量化IIImaで分析するため、コンピュータの担当者に送付した調査用紙に、
教科でコンピュータを使って効果的であった授業について、教科、学年、単元 名、ソフト名、使用したコンピュータの台数、時間の他に、表32の様なカテ ゴリーに○を付けてもらった。
例えば、1年の天文分野で、シミュレーションで、一斉学習により、直接経 験:が困難な事象の発見的学習をし、理解度が高まったといった例では各カテゴ リーに1つずつ○が入ることになる。
実際の回答は巻末資料に掲載した。
数量化III類による分析は、これら0印の付いた回答多数から似たものを集め、
数量化する事によりその特徴や傾向をとらえ、これをイメージとして捉えやす くするものである。
実際の質問用紙にはその他の項目が有るが、コンピュータの利用形態のグラ フ・データ処理以外にはその他の項目はほとんどなかった。
反面、コンピュータの利用形態の③ゲーム、コンピュータを使用し高まった ものの④創造性,⑤コミュニケーションは回答数が極端に少なかったので、分 析の過程で削除した。
表32理科での効果的な使用法のカテゴリー
コンピュータの 学習形態 コンピュータを利用した コンピュータを使用し
利用形態 学習場面 高まったもの
①チュートリアル ①個別 ①知識や概念の取得 ①理解度
②ドリル・演習 ②グループ ②誤った概念や ②思考力
③ゲーム ③一斉 つまずきの克服
③意欲
④シミュレーション ③習得事項の克服
④創造性
⑤情報検索 ④直接経験が困難な
⑤コミュニケーション 事象の発見的学習
⑥計測 ⑤既習事項への応用 ⑥情報活用能力
⑦プレゼンテーション
⑥知識・概念等の学習
⑧問題解決 の補助
⑨グラフ・データ処理 ⑦学習情報の収集
⑧学習情報の加工・整理
⑨学習情報の提示・発信 下線のあるものは追加または削除したもの
第2項数量化皿類による理科の活用事例分析結果
巻末資料の実際の回答を数量化III類の分析プログラムで処理した結果が下記、
並びに表33である。
Eigenvalues(固有値)は1軸0.508, II軸O.359, III軸 0。352であった。
表33Scores assigned to categories(カテゴリーに付与する数量)
No. 項目 カテゴリー
1軸
II軸 III軸1
利用形態 チュートリアル 一1.09 1.390.63
2 ドリル・演習 一1.93
2.63 0.32
3
シミュレーション 一〇.84 一1.66 一〇.244 情報検索
0.02
1.560.16
5 計測
1.78 0.64
一1.766
プレゼンテーション 一〇.71 一〇.49 一〇.067 問題解決
0.80 0.00
1.528 グラフ・データ処理
1.83
一〇.403.17
9
学習形態 個別 一〇.820.50 0.16
10 グループ
0.95 0.03
一〇.3111
一斉 一〇.31 一1.20 一〇.0612 学習場面 知識や概念の取得 一〇.95
0.90 0.19
13 誤った概念やつまずきの克服 一1.15 1.25 1.02 14 習得事項の克服 一1.822.44 0.98
15 直接経験が困難な事象の発見的学習 一〇.54 一1.65 一〇.2216
既習事項への応用 一〇.500.95 0.36
17 知識・概念等の学習の補助 一〇.55
0.68
一〇.7618 学習情報の収集
1.88
1.19 一2.7319 学習情報の加工・整理
1.69 0.08
1.66 20 学習情報の提示・発信 一〇.780.44 0.64
21 高まった能力 理解度 一〇.29 一〇.24 一1.0422 思考力
0.74
一〇.49 0.8123 意欲 一〇.20
0.01 0.55
24 情報活用能力
1.33 0.49 0.94
第3項 軸の解釈
軸の解釈をするために軸ごとにカテゴリーに付与する数量でソートする。
結果は表34〜表36のようになる。
表341軸ソートデータ
Nα 項目 カテゴリー 1軸 II軸 III軸
18 学習場面 学習情報の収集
1.88
1.19 一2.738 利用形態 グラフ・データ処理 1.83 一〇.40
3.17
5
利用形態 計測1.78 0.64
一1.7619 学習場面 学習情報の加工・整理 1.69
0.08
1.66 24 高まった能力 情報活用能力 1.330.49 0.94
10 学習形態 グループ
0.95 0.03
一〇.317 利用形態 問題解決
0.80 0.00 1.52
22 高まった能力 思考力
0.74
一〇.490.81
4 利用形態 情報検索
0.02
1.560.16
23 高まった能力 意欲 一〇.20
0.01 0.55
21 高まった能力 理解度 一〇.29 一〇.24 一1.0411
学習形態 一斉 一〇.31 一1.20 一〇.0616 学習場面 既習事項への応用 一〇.50
0.95 0.36
15 学習場面 直接経験が困難な事象の発見的学習 一〇.54 一1.65 一〇.22 17 学習場面 知識・概念等の学習の補助 一〇.550.68
一〇.766
利用形態 プレゼンテーション 一〇.71 一〇.49 一〇.06 20 学習場面 学習情報の提示・発信 一〇.780.44 0.64
9
学習形態 個別 一〇.820.50 0.16
3
利用形態 シミュレーション 一〇.84 一1.66 一〇.24 12 学習場面 知識や概念の取得 一〇.950.90 0.19
1
利用形態 チュートリアル 一1.09 1.390.63
13 学習場面 誤った概念やつまずきの克服 一1.151.25 1.02
14 学習場面 習得事項の克服 一1.822.44 0.98
2
利用形態 ドリル・演習 一1.932.63 0.32
学習者から見て、学習情報の収集,グラフ・データ処理,計測は自分で判断し、積 極的にコンピュータを使用するので1軸の+向きの解釈を「能動的な活動」。ドリ
ル・演習,チュートリアルはコンピュータが出す質問に学習者が答える形になるので 一向きを「受動的な活動」とした。全体をみてもこの解釈で特に不自然な項目はない。
表35H軸ソートデータ
Nα 項目 カテゴリー
1軸
II軸 III軸2
利用形態 ドリル・演習 一1.932.63 0.32
14 学習場面 習得事項の克服 一1.82
2.44 0.98
4 利用形態 情報検索
0.02
1.560.16
1
利用形態 チュートリアル 一1.09 1.390.63
13 学習場面 誤った概念やつまずきの克服 一1.15 1.25 1.02 18 学習場面 学習情報の収集1.88
1.19 一2.7316 学習場面 既習事項への応用 一〇.50
0.95 0.36
12 学習場面 知識や概念の取得 一〇.950.90 0.19
17 学習場面 知識・概念等の学習の補助 一〇.550.68
一〇.765
利用形態 計測1.78 0.64
一1.769
学習形態 個別 一〇.820.50 0.16
24 高まった能力 情報活用能力
1.33 0.49 0.94
20 学習場面 学習情報の提示・発信 一〇.780.44 0.64
19 学習場面 学習情報の加工・整理1.69 0.08
1.6610 学習形態 グループ
0.95 0.03
一〇.3123 高まった能力 意欲 一〇.20
0.01 0.55
7 利用形態 問題解決
0.80 0.00 1.52
21 高まった能力 理解度 一〇.29 一〇.24 一1.04 8 利用形態 グラフ・データ処理
1.83
一〇.403.17
22 高まった能力 思考力0.74
一〇.490.81
6
利用形態 プレゼンテーション 一〇.71 一〇.49 一〇.0611
学習形態 一斉 一〇.31 一1.20 一〇.0615 学習場面 直接経験が困難な事象の発見的学習 一〇.54 一1.65 一〇.22
3 利用形態 シミュレーション 一〇.84 一1.66 一〇.24 1軸と同様にドリル・演習、情報検索、チュートリアルとシミュレーション、プレゼ ンテーションを比較すると前者は静止画によるプリント的な静止した画面による学習 が多く、後者は動画による学習が多い。よって+向きを「静止画による学習」一向き を「動画による学習」とした。
表36皿軸ソートデータ
Nα 項目 カテゴリー
1軸
II軸m軸
8 利用形態 グラフ・データ処理 1.83 一〇.40
3.17
19 学習場面 学習情報の加工・整理 1.690.08
1.667 利用形態 問題解決
0.80 0.00
1.5213 学習場面 誤った概念やつまずきの克服 一1.15 1.25 1.02 14 学習場面 習得事項の克服 一1.82
2.44 0.98
24 高まった能力 情報活用能力 1.330.49 0.94
22 高まった能力 思考力0.74
一〇.490.81
20 学習場面 学習情報の提示・発信 一〇.780.44 0.64
1
利用形態 チュートリアル 一1.09 1.390.63
23 高まった能力 意欲 一〇.200.01 0.55
16 学習場面 既習事項への応用 一〇.500.95 0.36
2
利用形態 ドリル・演習 一1.932.63 0.32
12 学習場面 知識や概念の取得 一〇.95
0.90 0.19
4 利用形態 情報検索
0.02
1.560.16
9
学習形態 個別 一〇.820.50 0.16
6
利用形態 プレゼンテーション 一〇.71 一〇.49 一〇.0611
学習形態 一斉 一〇.31 一1.20 一〇.0615 学習場面 直接経験が困難な事象の発見的学習 一〇.54 一1.65 一〇.22
3
利用形態 シミュレーション 一〇.84 一1.66 一〇.2410 学習形態 グループ
0.95 0.03
一〇.3117 学習場面 知識・概念等の学習の補助 一〇.55
0.68
一〇.76 21 高まった能力 理解度 一〇.29 一〇.24 一1.045
利用形態 計測1.78 0.64
一1.7618 学習場面 学習情報の収集
1.88 1.19
一2.73 III軸は解釈が困難であるが、+域と一二の項目を比較して、+向きを「情報処理」、一向きを「情報収集」とするとグラフ・データ処理や計測の項目も理解しやすい。
軸の解釈をまとめると表37のようになる。
表37軸の解釈
1軸 II軸
III軸
+向き 能動的な活動 静止画による学習 情報処理 一向き 受動的な活動 動画による学習 情報収集
表33 のカテゴリーとこれに付与する数量でグラフを作ると図28となる。