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中学校理科教育におけるコンピュータの活用

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Academic year: 2021

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(1)平成6年度修士論文 中学校理科教育におけるコンピュータの活用. izg$gegeP“”stigSessN“sssevdi:tx. ’. 惑. ff. 諺. ,. 蜘霧夢. 解庫教育大学大学院. 学校教育研究科. 教科・領域教育専攻. 自然系理科コース. 学籍番号. M93618J. 氏. 冨 田. 名. 主任指導教官. 山 田. 指導教官. 松本. この論文の一部は日本理科教育学会 第44回全国大会. 宮城教育大学 1994年8月1日において発表した。. 茂 夫. 卓三 伸 示.

(2) はじめに 平成5年度より、現行の指導要領となり、それに先だって中学校にもコン ピュータ教室が設置された。教員も家計の苦しい中、多くの人が私費を投じて コンピュータを購入し、来るべき教室での授業に備え、努力を続けてきた。障 害を持った家族を持っていたり、高齢の家族を抱えていたり、子供の教育費に と傍目に見ても気の毒なほどであったが、それもこれも生徒のため、将来のた めという熱い思いがあったからだと思う。実際、学校にコンピュータが入って みると生徒も保護者もその期待は大変なものであった。授業が終わって休み時 間が過ぎ、次の授業が始まりそうになっても、目を輝かせ、コンピュータ教室 を去ろうとしない生徒達の姿があった。. 今までのどんな授業においても滅多に見ることのない熱意をそこに感じ、新 たな可能性を発見し、今後の発展・育成を願わずにいられなかった。. しかるに、現実には導入されたコンピュータは本校教員の手に負えるような. 代物ではなく、あれほどの資金や努力を投じて研究してきたにも関わらず、何 とか最小限度でも動かせるのはほんの数人であり、予想もしなかった出来事が 毎日、毎時間のように起き、充分な対策を施すこともできない、どうしょうも ない状態であった。 また、更に心が痛んだのは努力すればするほど、他の同僚教員の負担を増し、. コンピュータ教育が本来の目指すところがら離れていくような疑念が、時折脳 裏に浮かんでくることであった。そこで、これらの問題解決を目指し、本研究 を始めた。. 私達教員は、生徒が楽しく登校し、輝いた気持ちで学習できる環境を実現・ 維持する責任が有ると思う。. コンピュータ教育だけで、目標の達成ができるわけではありませんが、コン ビュータを通して私たちの生活を見つめ直し、改善する努力を続けたい。. 2.

(3) 要旨 研究の目的 新学習指導要領の完全実施とともに先進的役割を担った学校を中心として、多 くの中学校でコンピュータの利用が推進されている。. 本研究の目的はこれらの学校も含め、現在の中学校の実体を調査・分析するこ とにより、今後のコンピュータ教育の進む方向を示すことにある。. 研究方法 郵送による質問紙調査 調査時期. 第1回 1993年10月28日 255校 第2回 ユ994年 1月20日 80校 調査対象 中学335校のコンピュータ教育の担当者. 回収率は161/335=48.1%であった。 第1回のアンケート調査では、全国、47都道府県を生徒数に比例してアン ケート用紙をランダムに送付した。そして第1回の調査で近辺のコンピュータ教 育が進んでいると考えられる学校を推薦して貰い、第2回調査では推薦して貰っ た学校を中心に調査した。. 調査には国立大学付属中学校、私立中学校、小規模な学校も入っており、一部 の学校は訪問調査をし、幅広い調査をした。. 調査内容 コンピュータを活用して効果的であった事例について ①単元 ②ソフト ③利用形態 ④学習形態 ⑤学習場面 ⑥高まった能力. などについて調査し、理科については、回答数90校162例で、上記の調査内 容の③∼⑥の観点で、数量化III類により分析した。. 調査・分析の結果 中学校に導入されたコンピュータは16ビット機と32ビット機がほぼ同数で. あり、2人に1台の学校が約70%である。ランダムに選んだ学校の職員数は2 8、コンピュータ操作ができる教員8、授業でコンピュータを活用できる職員6、 ソフト開発ができる、Windowsを使用している、ネットワークが利用できる教員. はそれぞれ1という結果であった。中学校の70%以上の学校で、3年生の生徒 の70%以上がキーボードで,ひらがな,カタカナ,漢字を入力できるが、ワー. プロを使いこなせる生徒が70%を越える学校は約半数、CAIなどで自主学習 をしたり、表計算,プログラミング,データベースをできる学校は22%∼8%程 度という回答結果であった。ホームポジションによるキータイプを指導できてい る学校は非常に少ない。. 理科についての回答数90校、170例をまとめると地球と太陽系、天気とそ 3.

(4) の変化、生物のつながり、大地の変化など第2分野でよく使われている。また、. 使用ソフトの約半数が市販のもので、3割が自作、残りの2割がフリーソフト等. となっている。また、理科におけるコンピュータの利用は1年46%,2年2 9%,3年25%と学年が上がるにつれ、少なくなっている。 理科においてコンピュータを効果的に活用した事例は、統計的にその事例数に 大きな差のない3つのグループに分類され、これら以外の特異な使用例は非常に 少ないことがわかった。また、利用形態と生徒の学習効果との関連も明らかと なった。. 数量化蛭類の分析結果 軸の解釈にはそれぞれの固有値が0.508,0.359,0.352の3つの軸を用いた。 各軸の表現するものと域は次のように解釈された。. 1軸 生徒の活動. 受動的く能動的. II軸コンビ。ユータの画面 動画く静止画. III軸 情報の扱い方 情報収集く情報処理 ここでは軸の値の一側く+側と表示した. 活用事例の3つの類型 ①道具としての活用 利用形態. 計測,グラフ・データ処理,問題解決. 学習形態. 学習情報の収集,学習情報の加工・整理. 学習場面. グループ学習. 高まった能力 思考力、情報活用能力. @. 教師としての活用. 利用形態. チュートリアル,ドリル・演習,情報検索. 学習形態. 誤った概念やつまずきの克服,知識や概念の取得, 既習事項への応用,知識・概念等の学習の補助,. 学習情報の提示・発信,習得事項の克服 学習場面. 個別学習. 高まった能力. 意欲. ③教材としての活用 利用形態. プレゼンテーション,シミュレーション. 学習形態. 直接経験が困難な事象の発見的学習. 学習:場面. 一斉学習. 高まった能力 理解度. 提言 理科においては、生徒の高めたい能力にあわせて、上記の3つの利用方法を使 い分けることにより、バランスのとれた学習効果が期待できそうである。. 4.

(5) 目次. 目次. はじめに_.____._.______,...___.___.,__.____....._____.._2. 要旨.__.____...______...______...______。__._.___..___3. 第1章 序論_.__.._......_.____.._...___......._._.__.__・・._・・…8. 第1箇 問題点の所在...._....._...._..._,..,._..._,....,_,._._.._.........._._.._...8. 第2節 研究の目的..__.一...._._.............._...._._._.__.....___._._..._.....9. 第3節 先行研究_...._._.。.._.__.._.._.._.__......_...__._.._.................10. 第2章 研究方法.........._....9....t..._..暉..._._....,.................口_.........................14. 第1節 質問紙調査...一.一__......__..._...__......._。_.._...._.._......_.___14. 第2節 研究冊子の収集.__.._....__._._.._......._._.._......_._....._....__14. 第3節 研修会への参加・学会発表一_......._..._._.___....._.._.__...._._.....15. 第4節 パソコン・経済情報の収集_............_....._..._.._.._.,..__........_...._15. 第5箇 操作技術の向上..._._._.._.._...._。_.。。_....._,_..__.__._._._.....15. 第6節 訪問調査_.._.___.............._.._.....,......_....._._..._.._.........._..16. 第7節 用語一覧_._____...______..___.___.____.__.___.17. 第3章 諸外国のコンピュータ教育......_..._..._....._....._......_......_........18. 第1節ハードとソフト______...___.___._.____._._____._..18 第2節ネットワーク______._._.____._____._..__._.___.__19 第3節 コンピュータ教育.._.,_..._.._._...,._.,_..._._....,.。..__..._..__.._19. 第4節 ヨーロッパ_____.._.__.____...______.__.____..__21. 5.

(6) 目次. 第5節北欧______.,_____._.._____._.___._.__._.____.21 第6節 ソ連______.._.._.___...______..__.____.___.__21. 第7節アメリカ______..______..__.____..______.__.._21 第8節カナダ_____._..______.._____._..__.____.9.____24. 第9節アジア・オセアニア.______.____._._..______.___._._24. 第4章 調査.........._._...._._.....___.....邑........................_.._..._..............25. 第1節 調査目的_......_...__....__.,__..__._._.._...___.._.._._...__25. 第2節 調査の概要.._.一.__.___一_....._........_,.._..._,__._._......_._..25. 第1項調査時期______.______.______,______.______一.25 第2項 調査対象_._____..______.______.______.______...25 第3項 調査方法______.______.___...._.._◆_____.____.__...25 第4項 調査内容______...____.__,_.._____.__.____._____._,一27. 第5項 回答数______.______.______._._____.______.__28 第3節 調査結果...一.._._.......__._.__...._.一..__,.一,_.....,.,_...._..一..9_,929. 第1項 研修成果___..__..______.______.______.______.一29. 第2項 コンピュータの年間の総利用時数______.______.______.__30 第3項 コンピュータ導入後の年数と総利用時数____.______..._.__.__...31. 第4項 教科毎の利用状況.__.___._,_____,______.______.___32. 第5項 生徒用コンピュータの導入状況______.____.__.____.__.___34. 第6項 メーカー別___.__._____.______._____._____._39 第7項 コンピュータに対する満足度______.______.______。____41 第8項目windowsについて____._◆._____._..一____。_一.__..___..43. 第9項 LANについて______.______.______._.._____.___._.44. 第10項 コンピュータ教育のメリヅトとデメリット______..______..___45 第11項 生徒の現状___..._._。___.___.______._._.____.,_____58. 第12項 どこまで指導するか______.______..____._..._____.一60 第13項 理科教育_.._一__.._一_..._.._一.__..__._._,__._..._._.__,.____61. 第14項調査結果のまとめ_____.._____._.______..t______.__63. 6.

(7) 目次. 第5章 調査結果の分析......._..._........._.........._._...._.、....__....._..........64. 第1節 分析方法._..._........._.....__..__._....・_。......_..__..._._..._..__64. 数量化IH類について______..______.._.._____._.__.___..______..64. 第2節 理科での効果的な使用法の分析...,_....._.._..._一_......_._.__._._._65. 第1項 理科での効果的な使用法のカテゴリー______.______.______.65 第2項 数量化IH類による理科の活用事例分析結果_._____._____.___一_66 第3項 軸の解釈_____.______.______..______.______..,67. 第4項 理科での効果的な使用法のグループ______.____.__._____...71. 第5項 理科でのコンピュータ活用のイメージ_____._____..______..74 第6項 理科での分析結果のまとめ______.______.______,_____.75 第3節 数学での効果的な使用法の分析....._。.............._._._.._..__._._........76. 第1項数量化IH類による数学の活用事例分析結果______._._____._.__._76. 第2項数学での分析結果のまとめ______.______..._____._____77 第6章コンピュータのマイナス面。.._._.._......._._.._..__.._........78. 第1節 著作権問題._..,_.._...._.___._._..._.__._.._._.__.,_._.一__78. 第2節 コンピュータ犯罪._.......,_._._.........._.__.,....._.__..。._.._..._._78. 第3節 健康問題...._一.....,_...,........_.._,._..._.._._....._..._..._,_..._......78. 第7章提言.__......._.__._......。..__..._...._._...._._._...._._.__80. 第1節 調査結果より__.。._._._......一.._._..._._。_.__...,_.._.._,_._一_80. 第2節 日本における今後のコンピュータ教育.......。_._..........._._._,.._._._..84. 引用文献・参考文献._........._.口.._....,................_._..._......口._._...._..._....87. 謝辞.....口_.......,..._.__.._._......_..._._....._....圏.._......._._................._._88. 7.

(8) 1章. 第1章 序論 第1節 問題点の所在 今日の社会は科学技術の進歩や、その結果としての工業製品に大きな進歩を もたらし、新しい技術が次々と私たちの生活の中に入り込んでくるようになつ た。個人の生活はもちろんのこと、社会の様子も将来の予想をすることが困難 なほど急激な変化の時代を迎えている。. 例えば、アメリカにおいては西暦2000年掛でにすべての幼稚園から小中 高等学校のコンピュータをネットワークで繋ぎ、世界中のコンピュータと接続. しょうとしており、日本でも通産省の100校プロジェクトにより平成7年度 から、インターネットへの接続による世界規模での情報の受信と発信が可能と なる状況である。. 今後、社会の変化の速度はさらにはやくなり、これまでの工業中心から情報 産業に重点を置く社会へとさらに進んでいき、個人が社会の変化に対応してい くためには自己教育力の育成が必要であろうと報告されている。1 また、個性を生かす教育の実践には従来の一斉授業による教育から、個別指 導による教育へと視点を広げていく必要があり、一人の教師が多くの生徒に個 別指導を展開しようとしたとき、コンピュータの利用がひとつの方法として考 えられている。. 社会においても従来の大量生産、大量消費から多品種、少量の製品を短時 間・安価に生産・流通させることが求められており2、このような要求に応える ためにコンピュータの利用が進められている。. 学校でコンピュータを利用する目的として多くの国が以下の4つをあげてい る。3 1.. コンピュータについての学習. 2.. 特定の目的のために道具としてのコンピュータの利用 ワープロ、図形作成、通信ソフトなど. 3.. 既存の教科の授業でのコンピュータの利用. 4.. 学校・公務管理におけるコンピュータの利用. 1文部省,中学校学習指導要領,1911,慶慮通信株式会社. 2日経BP社,日経ビジネス,1993∼1994 3渡辺 良・沼野 太郎,アジア・太平洋地域におけるコンピュータと教育の現状,1993Vo 1.27, p59. 8.

(9) 1章. 職場においても、もはやコン. 。。騨…雛一 5e’)’/S’$:.ewh..r¥.{mpxi 1..maag. ピュータは基礎技能のひとつして. 一劉 曝. とらえられ、 「読み・書き・算 盤」が「読み・書き・コンピュー. ・馨. タ」と言われるようにもなりつつ. つこご. ある。. このようなことから平成元年3 月の学習指導要領の告示に伴って、. 図1授業を抜けようとする生徒. 情報教育は啓蒙と開発と試行の時 代から、本格的実施の時代に入ったとされている。4 コンピュータ教育は学校になじまない生徒にこそ機会を与えるために行うべ. きだとの意見などが出されており、それはその通りであるが、現実に「図1 授業を抜けようとする生徒」のような生徒を抱え、どうずればよいのだろうか。. 義務教育の現場におけるコンピュータ教育は歴史も浅く、激変する技術の進 歩を見つめながら、教育に導入・発展させていくために、現在起こっている問 題点を明らかにし、解決していくことは日々の仕事を抱えた現場の教師にとっ ては非常に困難なことである。. 本調査対象校においてもコンピュータ導入にともない、各校で並ならぬ努力 がされているが、なお今後の研究成果を待つ問題も存在する。. 第2節 研究の目的 平成5年度より、現行の学習指導要領が実施され、この中で理科に関わる情 報教育については次のような記載がある。. 工 科学技術の進歩と人間生活 (ア) 日常生活では、科学技術の成果として様々な素材やエネルギー. が利用されていることを知ること。 (イ)情報手段としてのコンピュータなどについて、その発展の過程 を知ること。 エの(イ)については、コンピュータの素子の発展の過程を取り上げ る程度とすること。 また、指導計画の作成と内容の取扱いでは次のような記載がある。. 4 各分野の指導に当たっては、観察、実験の過程での情報の検索、実験 データの処理、実験の計測などにおいて、必要に応じ、コンピュータ等 を効果的に活用するように配慮するものとする。. 文部省,情報教育に関する手引,1990,ぎょうせい. 9.

(10) 1章. 諸外国の例を見るとコンピュータの利用について、非常に細かく目標を設定 したものがあり5、これらと比較すると柔軟性に富み、時代の変化により対応で. きるものといえるが、実際の授業でどうするかということについては、検討し なければならないことが多い。また、設置された機器やソフト等については適 宜、更新されていくが、次にどの程度のことをすればよいのかという点につい ては目標の設定が明確にしにくい。そして、コンピュータを教育の中でどうと らえ、実施していくかについて問題を持っている教師が多い。. そこで、本研究ではこれら現場の先生方の参考・助力になることを目標とし、 以下の目的で進めることにした。. 1.導入されたコンピュータ、生徒の実状を明らかにし、これにあわせてコ ンピュータ教育を進めていくための参考資料を提供する. 2.諸外国についての情報を紹介し、今後の日本を考察する. 3.コンピュータ教育推進についての問題点を明らかにするとともに、解決 案を作成する. 第3節 先行研究 Devid(1988){によると公立小、中、高等学校にコンピュータの導入にあたっ ては次のような条件が考えられるとしている。 1.. 教育組織全体の協力が必要である。. 2.. 理論と詳細な計画を持った自由に活動できる組織を展開する。. 3.. 教師が簡単に使えるように推進する。. 4. 5.. (コンピュータ教育の)評価のために内部、外部の批判を受ける。. 時間、資源(リソース)、人事と資金に関する審議会を設ける。. また、MARIANNE(1993)7は教師の養成過程におけるコンピュータ教育の重要性 を説いている。. 高峯(1993)8は小学校におけるコンピュータの効果的な活用法についてクラス ター分析を用いて分析しており、理科についてはツール学習のクラスター56%,. 5坂元 昂・東 洋,これがコンピュータ教育だ世界のカリキュラム・実践,1987,ぎょうせい 6 Ochandeer.Devid H, THE DEVELOPMINT OF A DISTRICT−WIDE COMPUTING PLAN FOR THE MOUNT PLEASANT. PUBLIC SCHOOLS,1988,Central Miehigan University 7 MARIANNE G. HANDLER, PREPARING NEW TEACHERS TO USE CO“(PUTER, 1993, COMPUTERS &. EDUCATION,VOLUME 20. 8高峯 正一,小学校教科学習におけるコンピュータ活用事例の分類,1993Vol.17 No.4 p198..205. 10.

(11) 1章. CAI学習40%,複数の利用法の組み合わせを4%としており、理科での利用は大 きく2グループとしている。. 室長!は「理科教育とコンピュータ」の中で新しい学力観に基づく理科教育の過. 程における、知的活動や想像のためのツールとしてのコンピュータの課題につ いての具体例をあげている。簡単にまとめると以下のようになる。. ①探求活動のヅールとしてのコンピュータ 時間,距離,質量,温度,音,角度,圧力,電圧,電流などの計測をリアルタイムに. おこなう。また,実験,観察のデータ処理,グラフ化、例えば,表計算ソフトウェ. アでもデータ人力を行うだけで最小自乗法によるデータ処理,回帰曲線の計算,. グラフ化を行うものが多いが、データ処理の基本的な考え方について学習させ ることが必要であろう。. ②論理的な思考力の育成 コンピュータ・シミュレーションなどは,抽象度の高い概念の学習について もその教育効果は少なくない。. プラネタリウム,遺伝のシミュレーションなどの時間的,空間的に指導が困難 な内容についての効果的学習が可能なソフトウェアもある。 しかし,実際の実験に代わるようなシミュレーション(例えば中和滴定)は,理 科教育の目標から大きく離れるものである。. ③創造1生豊かな報告書の作成 探究活動,課題研究では創造性豊かな報告書の作成,研究発表における効果的 なプレゼンテーションなどが必要であり、コンピュータはこれらの活動を支援 する強力なツールである。. ④コンピュータ・ネットワーク コンピュータは,コミュニケーションのツールでもある。理科の授業におい ても,データ共有による実験処理,報告書の共同製作,コンピュータ通信を利用 した情報検索,学校を単位とした情報の交換による環境教育など,ますますその. 取り細みが盛んになってきている。しかし,そこでは,インターネットの 「MOSAIC」のような,GUI環境による操作性のよい通信フトウェアの開発・普及 など,解決されなければならない課題も残している。. 室長の例は具体的で実際的であり、日本のコンピュータ教育が目指すべきと ころの指摘が行われている。. 中山(1994)10は学校におけるコンピュータの利用方法はこれしかないという 資料を出しているので以下に示す。. 9室長 高慮,理科教育とコンピュータ,1994Vo1.43. 11.

(12) 1章. コンピュータの利用方法はこれしかない ①情報教育やコンピュータプログラミングの教育をする (1)コンピュータリテラシイ. (2)プログラミング教育 (3)情報処理教育. ②コンピュータで教育する (1)CAI(コンピュータ支援授業) (2)CMI(コンピュータ利用教師支援システム). (3)CAL(コンピュータ支援学習)=使われなくなった. ③コンピュータを新しいメディアとして用いる (1)視聴覚教材の提示手段 (2)情報教育での提示・学習手段 (3)コンピュータ音楽 (4)デモンストレーション (5)シミュレーション. ④コンピュータファイルやCD(コンパクトディスク)等にいれコン ピュ一二辞書、百科事典として用いる(電子図書館) (1)データバンク、データベースとして用いる (2)記録されている画像から任意のものを選択、提示する. (3)記録されている動植物図鑑の内容を検索し、動植物を同定する(電子図 書館). (4)辞書や百科事典の内容をCDやビデオディスク等にいれコンピュータ辞 書、百科事典として用いる(電子図書館). ⑤コンピュータで実験を補助する (1)実験実施前に操作に習熟するため (2)実験の指導をする (3)測定やデータの収集 (4)データの処理(統計処理、グラフ作成、分析等). 10中山 和彦,島根県教育委員会研修会資料,1994. 12.

(13) 1章. ⑥コンビュー・タを創造の道具として用いる (1)ワードプロセヅサとして用いて文を創る (2)グラフィックヅールを用いて絵を描いたり、デザインをする. (3)LOGOによる学習をする (4)コンピュータコントロールにより自動制御をする. (含 LEGO−LOGO) ⑦コンピュータをコミュニケーションの手段として用いる (1)学校内情報通信(スタディーノート). 教室芳情報通信. 教室内情報通信(含 CAI端末間ネットワーク). (2)学校間通信 同一行政区画内の学校及び教育委員会等の相互通信 任意の学校間の通信. (3)パソコン・ネットワークを利用しての通信 スクール・ネットワーク ティーチャーズ・ネットワーク 遠隔地情報交換(海外、国内) 遠隔地教育(通信教育). ⑧コンピュータで教師の仕事を支援する (1)ワードプロセシング (2)教材の作成・管理 (3)テストの処理・分析・成績処理. (4)時間割の作成・管理. ⑨コンピュータにより教育情報や学校事務を管理する (1)学業成績の管理 (2)保険情報の管理 (3)図書館の貸出・返却の処理、蔵書の管理. (4)会計事務. (5)DTP印刷 (6)その他 本研究においては、学校現場から見た視点を加えて、. これら先行研究を検証. し、新たな考察をする。. 13.

(14) 2章. 第2章 研究方法 第1節質問紙調査 前述の高峯は小学校における効果的な活用事例を見いだすため、教育雑誌等 に掲載されている小学校でのコンピュータ活用事例を検索し、調査校並びに訪 問校とした。. 本研究においても、小学校との対比を考え、当初同様の方法によって調査校 の選択を試みたが、長期間の調査にも関わらず、それほど多くの事例を見つけ ることはできなかった。. 本研究の開始とほぼ時期を同じくして、新学習指導要領における情報に関す る事項を満たすため、中学校において、全国的なコンピュータの導入が行われ た。. この頃のコンピュータ教室の担当者は研修、並びに職員の相談役として各校 における中心的役割を担っており、調査対象として適任と考え、全国から無作 為に全国学校総覧11より抽出し、調査用紙を送付した。. また、地域で中心となっている学校を紹介して貰い、これにも調査用紙を送 付し、中心校とその他の学校の比較を試みた。. 調査用紙の送付には、国立大学付属中学校、私立中学校も一部含めた。. 第2節 研究冊子の収集 調査用紙の配布時にコンピュータ教育に関して実践報告をまとめた冊子を分 けてもらえるよう依頼した。研究冊子を作っている学校は少なかったが参考に なるものが多い。有償のものもあり、郵送料の送付等、収集には時間と労力が かかった。. この中で、特に研究に結びつくようなものについては訪問調査をし、コン ピュータ教室の担当者と、日常の問題点や将来への展望などで交流を持った。. 11文部省大臣官房調査統計企画課監修,全国学校総覧,1993. 14.

(15) 2章. 第3節 研修会への参加 研究会・研修会には パソコン通信で案内が 公開されるものもあり、. ・学会発表 }. 残塩 ざ. 鉱ご. 薯. を. .諏一こま.. 時間の許す限り参加し. 一e一. た。. コンピュータの効果 的な活用事例の分析に ついては、クラスター. ま. 分析、数量化理論第m 類による分析をした。. 両者は似通った部分も. 図2理科教育学会での筆者. あり、相互補填をする 部分もあるが数量化理論第III類の方が理解しやすい分析結果となるので本研究 ではこれのみをまとめた。. この結果については、第44回理科教育学会で理科に関する部分の一部を発 表した。. 理科教育学会奈良支部大会、日本科学教育学会、AGENE第4回総会等にも参 加した。. 第4節 パソコン・経済情報の収集 教育雑誌、コンピュータ雑誌等は常に数冊目を通した。例を挙げるとOH/. PC、 ASCII,朝日パソコン、日経パソコン、日経MAC、 DOS/V、 パソコン通信、ネットピア、New教育とマイコン等である。また、経済誌で ある日経ビジネスを購読し、経済情報、経営情報等を得た。また、米国のコン ピュータ雑誌は簡単に購入できるので、何冊か読んでみた。. パソコン通信上でコンピュータ教育に関する情報がよく流されているので. NiftyServe上のFKYOIKU, FCAIなどにはよくログインした。. 第5節 操作技術の向上 コンピュータは多くの学校でLANとともに導入されており、 LANの使用 経験を得るため、Net Ware Lightを個人購入し、使用している。. 調査校訪問に際しても、幅広く操作技術を取得していないと担当者との会話 で、細かいところの理解ができないこともある。. 地元校は一般的なもの以外に、採用事例数の少ないパソコンも導入している. が、これの使用にあたってはフロッピーディスクのコピーができないとか、 FORMATが遅いとか、ハードディスクを適切にFORMATできない、 L A Nが使用で. 15.

(16) 2置. きない、漢字の入力が困難・低速、教師ですら使えるソフトがほとんどないな ど授業で活用する以前の問題があり、これの問題解決に多くの時間を割き、地 元校の発展に努めた。基本的な問題解決ができないと授業で使うという課題以 前に、教師がコンピュータ嫌いになってしまうということがある。. 本研究の期間中、多くのコンピュータを使えるような形にメンテナンスをし たが、生徒でも、教師でも、自分の所有するコンピュータを自分で整備できる 人はまだまだ少ない。まして、ネットワークでつながった数:十台のコンピュー. タを他の教師や生徒が使いやすいように整備できる人は非常に少ない。コン ピュータ自体が使いやすいものに変化してきてはいるが、当分は教師が時間を かけて整備する状態が続くだろう。. これらの経験は各校での担当者との会話の中では、共感を持つものが多くま た、参考にもなった。. 第6節 訪問調査 研究冊子等を見ていくと非常に興味深い内容の取り組みをされている学校が あるので、少数校ではあったが訪問調査をした。. また、訪問調査によらなければ現場の様子の分からないところについても訪 問させて貰った。現場におけるコンピュータ教室の設置・運営、今後の計画や 試案の進行状況等は担当者と長時間に渡り、話し合った。 訪問調査並びに参加した研修三等は以下のようである。. 訪問校 兵庫県和田山中学校 岐阜県川島中学校 北海道増毛中学校 北海道幌延中学校 北海道東浦中学校 熊本市桜木中学校 大阪府生野中学校. 1994年 2月 4日 1994年 2月25日 1994年 6月27日 1994年 6月28日 1994年 6月29日 1994年10月30日 1994年11月30日. 研修会. 島根県CAI研修会. 東京都AGENNE総会. 1994年 8月26日 1994年12月 4日. その他 国立教育研究所. 1994年12月 5日. 16.

(17) 2章. 第7節 用語一覧 本研究で用いる用語を表1にまとめた。. 表1用語一覧. CAI学習. Co皿puter−Assisted−lnstruction(コンピュータ支援の学習. w導)コンピュータを個別学習機として用いる学習方法であ 閨A学習が自動進行される. CAL学習. CMI. ISDN. Co皿pu七er Assisted learning(コンピュータ支援学習). Rンピュータを使って生徒が自主的に学習する Co皿puter M㎝aged instruction(コンピュータ利用教師支援. Vステム)教授過程を管理し指導する目的で、教師を助けるた ゚のコンピュータ利用 Integreted Service Digital Ne加orkデジタル通信網のこと. ナ電話、データ通信、ファクシミリ、画像通信等を1元的に提 氓ナきるサービス網で電話回線よりは少し費用ががかる程度。 チュートリアル. コンピュータが教師の代わりに生徒を教えるタイプで、コー Xウェアに学習進行のコントロールデータが入っているため、. ホ話型で質問に答えていくと学習すべき道筋はソフトで判断 オ、自動的に学習が進行していく。. @カテゴリーの作成等、ソフト開発は時間と熟練を要する。 ドリル. シミュレーション. コンピュータにより繰り返し練習する課題を与えて技能や記 ッの定着を図るコンピュータ利用方法 学習者がパラメータを直接入力したり、操作して模擬実験を. sい問題を解決するコンピュータ利用方法 データベースから必要に応じて学習情報を検索して問題解決 情報検索 ノ利用するコンピュータ利用方法 コンピュータ用のプログラムを作成する学習 プログラミング学習 学習者が学習活動で収集した学習情報をコンピュータで加工 プレゼンテーション オ提示していくコンピュータ利用方法 コンピュータを測定や計算、文書作成、グラフ作成等に用い 学習の補助 髣?p方法 ビルや工場、学校内に個別に導入されているコンピュータを ンいに接続して情報交換を行う、Local area network. LAN. アクセス. インターネット. 自己表現. ホストを利用すること. ネットワーク同士を繋ぐネヅトワークで米国で生まれ世界的 K模で広まっており、情報ハイウェイの中核をなすものとの認 ッが広まっており、通信には英語が必要 コンピュータを利用して、学習者の考えを文章や絵で表現す 驛Rンピュータ利用方法. 17.

(18) 3章. 第3章諸外国のコンピュータ教育 第1月掛ードとソフト コンピュータ教育を検討していく上で、諸外国での様子を調べておく必要が ある。コンピュータ教育にはソフトやハードが必要であるので、これらを作る 技術、経済的な面をとらえておくことも必要である。. 世界的に見るとハード的にはPC/AT互換機が多く利用されており、教育 用コンピュータのハードの互換性がほとんど問題にならない国もある。ソフト は英語やフランス語、ロシア語、ドイツ語、日本語等言語という立場で見ると 英語で作られたソフトは市場が非常に大きく、ソフトを作る立場にとっては好 条件となっている。ゲームなど大量販売されるソフトは英語版のみといった状 況も少なくない。近年は2バイト文字を使用して言語の相違に由来する不都合 を基本ソフトの中で解決する試みがされているが、言語の異なる文化圏へのソ フトの供給は依然として努力を要する状態になっており、一部の国では政府が 国内でのソフトの供給を推進している。. 文字情報はもちろんであるが、音声を利用したソフトになると更に問題は大 きくなる。仮に日本国内で非常に優れた教育ソフトが作られたとしても、言語 の異なる文化圏の生徒はその恩恵を得られないことになる。逆に言えばアメリ. カやイギリス、台湾、フランス等の教育ソフトを使いたくても多くの場合、日 本語化されるのを待つことになる。このことは些細なことのように見えるが、. 現在導入されているコンピュータにとって、教育用ソフトの充実が期待されて おり、無視できない。. 中学校でも海外の学校と姉妹提携をしたり、英語教育のなかで海外と通信し たりする例が増えているが、文字情報だけでなく音声や画像データの交流も行 われており、ソフトやデータの互換性も世界的な視野を持つことが必要になつ てきている。 教育ソフトは、市販のものが今後更に充実してくるであろうが、ワ■一一一プロな. どの汎用性の高いものや業務用などと比較するとその市場規模は小さく、予算 が短期間に施行される状況でない学校に対しては、資金の回収にも零丁がかか り、ソフトを作る側の困難が予想され、きめ細やかなものが早期に安価に大量 に導入されるとは考えにくい。 特に、市販のものは予算の確保という大きな問題がある。 この点、各学校の教師がいわゆるフリーソフトとして流通させているものは、. 入手費用も通信費やフロッピーディスク代等わずかで、生徒の授業用に多数コ ピーをしても著作権上の問題もほとんど問題を生じない。また、実際に教育に. 18.

(19) 3章. 携わっている教師がそれぞれの意欲を持って作成しているのであるから、仕上 がりの状態も、より教育現場に密接したものになる。. また、ソフトにしても多くの学校で意見交流をしながら、発展させていけば、. より良いものができるに違いない。このフリーソフトについては大阪市立生野 中の研究冊子に12研究報告がされている。. 最近ではパソコン通信を通して海外のソフトも見かけられるようになってお り、多少英語の理解は必要としても、授業に使えそうなものや、交流をもとに、. 海外の教育ソフトで日本語化を試みられているものもある。. 第2節ネットワーク 1994年、コンピュータのネットワークであるインターネットに接続して. いるアメリカのドメイン(組織)数は約2万6千、日本は1800程でかなり の差がある。全世界で4万6千ほどなのでインターネットへの接続はアメリカ. が非常に進んでいるといえる。ホスト数は全世界で300万、アメリカで20 4万、日本で7万、日本はホスト数で世界で6位であり、人口あたりのホスト 数はアメリカの1/15程度である。. Nifty Serve等の日本のホストもインターネヅトへの接続がされ ており、他に強力な競争相手も無いので、今後も世界的な規模での有力なコン ピュータネットワークとして発展していくと考えられる。. 5月18日通産省「高度情報化プログラム」が発表され、100校プロジェ クトもアメリカの例のようにネットワークを活用した学習、交流等を可能とす. る環境をモデル的に提供しており100校の募集に1543校(小学校355 校、中学校462校、高校568校、小・中一貫校10校、中・高一:貫校42 校、特殊教育諸学校91校、その他15校)13が申し込みをしている状況であ り、日本でもこういつた利用が急速に進むと考えられる。. 第3節コンピュータ教育 コンピュータ教育にはコンピュータそのものを教える教育と教育の過程にお いてコンピュータを使うという面の両面がある。前者についてはコンピュータ にたいする理解、扱う技能などがあげられるであろう。. 海外のコンピュータ教育を見た場合、前者のコンピュータを教える教育をし. ている国がほとんどであり、コンピュータで教えるとするCAIの取り組みを しているのはイギリス、日本などであるがこれらの取り組みの現状は流動的で ある。. 12大阪市生野中学校,研究学校報告書情報教育におけるフリーソフトウェアの活用,1994 13. ??純一,動き出した100校プロジェクト,1995,98MAGAZINE,3月号 19.

(20) 3章. コンピュータに対する取り組みは生徒の個性に対応しようとするもの、コン ピュータを教えようとするもの、コンピュータで教えようとするものなどがあ り、人間性の探求をめざしていたり、産業振興をめざしていたり国情によって 異なるが、いずれにせよ目標を行政単位で設定して実施されているものが多い。 そのため、ハードやソフトに一定の基準を設定している場合も少なくない。. 日本においても決して目標が設定されていないわけではないが、実際の教育 現場に置いては、多くの学校で方向性が一定せず、取り組みがまだまだであり、. ソフトの互換性の問題やコンピュータを整備できる教員が不足しているなど取 り組みの内容については、諸外国を参考にすべき点も多い。. コンピュータ教育を必要とするのは、家庭的に恵まれず、算数・数学や理科 が嫌いで、学習意欲も低く、学校生活になじめない子供たちであり、この子た ちが情報化社会でも落ちこぼれないよう、情報化社会がもたらす国民一人ひと りの社会的・経済的な背景をも考慮に入れた対応が必要であるという指摘もあ る。M. また、諸外国のコンピュータ技術や教育を充分に認識していないのかも知れ ないが、バブル景気の折りの日本の工業技術・経済力を過大評価し、現場の一 部にはコンピュータの導入をする必要はない、企業の景気対策の圧力によりや らされているとの意識があり、コンピュータ教育に対する反感は少なくない。. しかし、諸外国においてもコンピュータ教育は国家的な課題として行政を中. 心として行われており、諸外国の多くの例を認識すれば日本の現状は適当に やっていればよいといった状態でないことが理解されると思われる。 国家的に教育にコンピュータを使用しようとしたのはイギリスが最:初であり、. アメリカ、日本がこれに続くが、アメリカはコンピュータを教える教育も進ん でおり、ソフトや技術の巨大な供給国となっている。. ハードについては東南アジアに生産の拠点を持つ企業も少なくなく、コン ピュータの中を開くと実に多彩な国の企業が参加しており、日本の独占状態で 無いことは誰にでもすぐ理解できる。. 次に海外の学校へのコンピュータの導入、並びに教育がどのようになされた かをまとめてみるが、一部の情報鎖国状態の先生に是非啓蒙して欲しい。ヨー ロッパ、ソビエト、カナダについては前掲の坂元の資料しか入手できなかった が、台湾についてはパソコン通信からの資料も加えてまとめた。アメリカにつ. いてはAGENE(1998,Vol,8)も参考にした。. 14西之園 晴夫・村田 正男編著,これからの情報教育とその指導,1990,東京書籍. 20.

(21) 3章. 第4節ヨーロッパ ヨーロッパのコンピュータ教育はいずれも1980年代から行われており、 各国で取り組みに特徴がある。. イギリスではミニコン時代からCAL(コンピュータ支援学習)の研究が始 められ、 「マイクロエレクトロニクス支援機構(MESU)」を置いて,中央 情報サービス,指導教師の指導,教材開発に当たっており、柔軟なカリキュラム 構成となってり、利用が進んでいる。. フランスでは1985年、当時の日本円で540億円を投じて,マイコンの ネットワークを作り,教材の開発を始め,それを使いこなすための教師教育が行 われ、電話回線を利用してのサービスを行っている。. 西ドイツではコンピュータ教育に関しては2つの意見があり、1つは分散モ デルと呼ばれ、コンピュータ教育を既存の教科に分散させて教育しようとする 考え方で、もう一つはコンピュータ教育をや情報教育を独立の教科なり、時聞 の設定によって行うという統合モデルの意見である。. 分散モデルは重複や1校の単独の教科では教師数もまとまらず、まとまりの あるものになりにくいという弊害があり、統合型の方が望ましいと考えられて いるが、一方で構造的なカリキュラムの改編などを要することになる。 ドイツ全体としては統合モデルが多い。. 第5節 北欧 いずれも国家レベルで推進がなされており、プログラム言語の教育もされて いる。デンマークでは 巡回講師制度をもち、コンピュータを使える教師の不 足を補っている。. 第6節 ソ連 1985年「情報処理と計算技術の基礎」を教え始めた。 ココム協定から推察されるようにソフトもハードも不足し、西側のAPPL EやPCのクローンも存在するが機能や信頼性で劣る。コンピュータは工場組 織を通じてしか入手できず、共産党員や公務員は購入できるが月収の3か月分 に相当する。. 第7節 アメリカ 小・中・高校へのコンピュータ普及率は,1986年末には,200万台に達 し、アメリカの,コンピュータの普及率は同時期の日本と比較すると1ケタほ. ど多いが、日本でも1989年に140万台、1993年には約345万台と なっている。. 小学校の幼児クラスからコンピュータに慣れさせる傾向がみられ、CAI,. ワープロ,LOGO,ドリル,チュートリアル方式のCAIなどが多く使われ 21.

(22) 3章. ており、中学校ではこれらコンピュータ・リテラシーとプログラミングの教育 が多い。. 中学校になると,既存教科のなかでコンピュータに関する内容が扱われる一 方,プログラミングやソフトウエアの利用,コンピュータの社会的意義やインパ クトのような内容も扱われている。. 高校では,「コンピュータ科学」という独立教科が設置されることが多く、 内容も中学校より高度になり,社会倫理的な事柄や職業理解などが含まれてく る。. 日本ではそれほど問題にされないが、アメリカでコンピュータ教育を進める. 理由に性差にによる不利益と、貧富の差による不利益があげられている。ER. IC(教育論文のデーターベース)の1986年∼1994年6月を見ると、 コンピュータの利用について性差による機会を均等にする必要があるとする報 告がよく見られる。. 豊かな家庭の子供は、コンピュータに触れることができるが、貧しい家庭の 子供は、コンピュータに触れることができない。また、男児は機械好きなので コンピュータに積極的に触れようとするが、女児は敬遠しかねないので学校で 機会を与えようとする考え方である。. コンピュータ教育に対して強制力をもつ全国的なカリキュラムが無く、各地 の教育委員会レベルでカリキュラムが決定されている。多様な取り組みがなさ れ、ソフト情報をパソコン通信で流したり、校長・地域のスタッフに対するプ ログラム、各学校のインストラクターに対するプログラム、小中学校教師に対 するプログラムなど内容も豊富である。. 全体的に見ると、CAI・プログラミング・発見学習・問題解決などに利用. され、ワープロを教えている時間の比率が小さい。使用機種は1985年の資 料では普及率の55%のアップルが多く、これとPCが事実上の標準機となっ ている。. 日本でも教師が自宅に持っているコンピュータと学校で使っているコン ピュータが異なり、使用上の問題を生じることがあるが、アメリカでも学校は. APPLE、自宅はPCなので問題を生じるということがあるようだ。 アメリカでは西暦2000年までに全米の学校や図書館をネヅトワークで接 続するという構想がある。いわゆるK12(幼稚園Kindergartenから小中高等 学校12年生)でのインターネットの利用ができるようになっており、生徒た ちは教室の中にいながらにして世界中から必要な情報を集めることができるし、. 世界中に友達を作り、情報交換することも可能であり、自分たちの意見や作品 を世界に発信することが可能になってきている。15. 15余田 義彦,世界最大のネットワーク”インターネット”は学校に何をもたらすか,1994No. 38. 22.

(23) 3章. アメリカのインターネットで行われている教育関係の取り組みには以下のよ うなものがある。16 Al i ce Testbed. 1993年9月より、ボストンのタックという教育開発組織が行っており、 数学と科学の教育法国を研究している。アリス専用のデータベースにアクセス する専用ソフトを作っており、小学校高学年から高校を対象とし、参加校は全. 米で120校、海外から40校程度。 世界問題について、飲み水の質、空気の質、オゾンのレベル、人間の体など を課題としており、特別のソフトウェアパッケージを使用してデータベースに アクセスし、生徒が使いやすいようになっている。. このソフトはデータ分析、ワープロ、電子メール、通信ソフトが含まれてい る。. BBN Testbed. 1992年9月より行われており、マサチューセッヅ州を中心に、全米50 校がインターネットの効果的な活用法を研究している。. 教育課程の学生からの発信、中学生のバーチャルリアリティー、小学生の地. 球と太陽の関係などのデータがあり、全米1000校の参加を目標としている。 lhe Boulder Val l ey lnternet ProJ’ect. 町、政府、社会サービス、図書館、講演、商工会議所を結びコミュニティー とする研究をしており、バーテイカルモデルと呼ばれる、上級生が下級生を指 超するモデルの研究をしている。例えば小中学校間では、小学生が中学校に上 がるとき、情報を事前に得られるようにするといったことである。 Comon linowledge P i ttsbiirgh. 11校が参加しており、参加するに当たって自分の提案を提出する義務があ り、国際的な問題、地域 の芸術コレクション、ピッツバーグの図書館のライ ブラリ、教育者のネットニュースを扱っている。. Co Vis Testbed イリノイ大学がスポンサーとなっている。. 教育方法を改革するため科学者がデータの交換をしている。. 自然科学を中心に大気学、環境科学、気象学、気候学、ビデオを使ったソフ トウェアの開発をしている。. 16金子 洋子,Pavonurious Richard,関口 三季子,インターネヅト操縦法,第4回AGENE資料. 23.

(24) 3章. 第8節 カナダ コンピュータの普及率が高く、コンピュータ1人当たりの子どもの数は 1986年ごろ約40名で、63名のアメリカより行き渡っている。 必要とされる学習ソフトウエアとしてはCAI,ワープロ,管理運営,データ ベース,数学,シミュレーション,語学,音楽などがあげられるが,ソフト供給源. は,主としてアメリカの公的機関やメーカーとなっている。 これらのソフトは,教育委員会によって評価され,教師が利用する際の参考に されている。. 第9節アジア・オセアニア 中国、インドではコンピュータの普及率は低いが国家的な取り組みがなされ ている。アジアでコンピュータ普及率が高いのは台湾、シンガポールで、台湾. では国家予算の15%を教育費にあてるという法律の条項のおかげで4年に1 度、各学校のコンピュータ設備の改編をするという熱の入れようである。また、. 教育用には法律でAT互換機と決め、混乱を避けているといった状況である。 韓国・マレーシアもコンピュータ教育がすすめられており、アメリカのシス テム等が参考にされている。. オーストラリアでは,遠隔教育に多大な変化をもたらしている。データ通 信・画像通信・電子黒板・双方向テレビ、音声多重放送、電子会議システム、 ファクシミリ、超短波通信等を用いるようになってきている。17. 17. n辺 良・沼野 太郎,アジア・太平洋地域におけるコンピュータと教育の現状,1993Vol.27, p58. 24.

(25) 4章. 第4章 調査 第1節 調査目的 コンピュータの進歩は他の分野と比較しても非常にはやく、一定の視野を 持ってハード面やソフト面で追跡したものやコンピュータの利用に関する多方 面の選考研究が見られる。. これらの研究結果をもとに、本研究では1993∼1994年の日本国内の 状況に焦点を置き、今後の日本のコンピュータ教育の考え方について考察をし たい。. そこで以下に示すような視点で調査をすることにした。 ①調査対象校の施設・研修・コンピュータリテラシー教育について調査し、 コンピュータの活用を効果的にする環境について明らかにする。. ②理科教育におけるコンピュータの活用の現状を調査し、その活用傾向な らびに問題点を明らかにする。. ③調査によって収集したコンピュータ活用事例を分類し、コンピュータの 活用方法の特色を明らかにする。. ④コンピュータの活用方法とコンピュータの活用効果の関係を明らかにす るとともに、理科学習におけるコンピュータ活用の効果と問題点を考察す る。また、今後の活用についての可能性と条件を研究する。. ②、③、④については日本理科教育学会 第44回全国大会. (1994年8月1日宮城教育大学)にて発表した。. 第2節 調査の概要. 第1項 調査時期 第1回 1993年10月28日 第2回 1994年 1月20日 計. 255校 80校. 355校. 第2項 調査対象 全国355校の中学校のコンピュータ教育の担当者. 第3項 調査方法 郵送による質問紙調査を行った。. 平成5年度から多くの学校でコンピュータ教育が始められたが、それ以前に 各地域で先行研究をしてリーダーシップをもっている学校があるので、それら. 25.

(26) 4章. の学校のデータと一般校とを分類整理することで、方向性を見つけられないか と考えた。. コンピュータの導入は段階を踏んで行われるので、リーダーシップを持って いる学校の方が、教育内容についても充実していると考えられる。. また、地域で、先行研究をしている学校は行政区画内のリーダー的役割を果 たしており、本研究の調査対象である各学校の担当者は研修の機会等で先進的 な学校の様子はよく知っているのが通例である。. そこで各校の担当者に先進的な学校を紹介して貰い、これらの学校を先行研 究をしている学校として分離し、後発の一般的な学校と比較できるようにした。. また、全国レベルで捉えたとき、国立大学の付属中学校のデータを分類比較 すると更に特異な結果が得られる可能性が考えられるので、これも分類した。 まとめると以下の3つのグループに分けて調査を行ったことになる。 ①ランダムに選んだ学校. ②他校からコンピュータ教育の面で進んでいると推薦された学校 ③国立大学付属中学校. 第1回のアンケート調査では、生徒がおかれている状況を反映するようにと. の配慮から、全国47都道:府県を1993年度の中学校生徒数に比例してアン ケート用紙の送付数を決め、学校は学校総覧18からランダムに選んで送付した。. そして第1回の調査で近辺のコンピュータ教育が進んでいると考えられる学校 を推薦して貰い、第2回調査では推薦して貰った学校を中心に調査し、都道府 県別に回答数の少ないところも追加した。. 学校の規模についても同程度のものばかりとならないようにし、一部、極端. に生徒数の少ない学校(5人)と、生徒数の多い学校(1457人)からの回 答も入るようにした。. コンピュータの導入台数の極端に少ない学校や多い学校(訪問時139台) など、導入後の問題研究の参考になりそうな学校については訪問調査をした。. アンケート調査法の常として、回答の偏りやランダムに学校を選んだときの 客観性などの問題点が有るかもしれない。. しかし、これはアンケートによる調査研究すべてにいえることで、本研究に より得られた結果で特に考慮を要する部分についてはその都度考察をする。. 18文部省大臣官房調査統計企画課監修,全国学校総覧,1993. 26.

(27) 4章. 第4項 調査内容 調査内容については巻末の資料に調査用紙を掲載したが、以下の点に視点を 置き作成した。コンピュータを活用して効果的であった事例の項目については 高峯の研究を参考にした。. (1)一般的活用形態として. ①コンピュータの設置状態②研修成果③リテラシー教育の現状と目標. ④今後の研究課題⑤問題点⑥使用ソフトなど (2)コンピュータを活用して効果的であった事例について ①単元 ②ソフト ③活用形態 ④学習形態 ⑤学習:場面. ⑥高まった能力 などについて調査した。. 27.

(28) 4章. 第5項 回答数 表2 1993年度都道府県別学校数・生徒数ならびに調査用紙回答数 コード. 都道府 学校数. 生徒数. @県名 1. 2 3. 4 5 6. 7 8 9. 10 11. 12 13. 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島. 794. 209 228. 調査. 回答. コード. @数. 25. 16. 25. 65,409. 7. 4. 26. 60,488. 9. 4. 27 28 29. 231. 97,975. 7. 4. 143. 50,446. 3. 2. 149. 51,984. 4. 2. 92,543. 4. 2. 128,882. 6. 3. 86,164. 3. 1. 33. 1. 2. 207 101,247 524 331,051. 8. 2. 21. 5. 401. 220,836. 12. 8. 120. 59,448. 7. 3. 156. 42,942. 3. 1. 61. 26,079. 5. 2. 122. 2. 岡山. 79,124. 3. 34. 広島. 280. 116,484. 7. 2. 35. 山口. 206. 63,767. 5. 3. 徳島 香川 愛媛 高知. 100. 33,385. 5. 2. 89. 42,234. 4. 2. 163. 63,530. 3. 2 2. 190. 83,516. 426. 266,679. 15. 7. 千葉、. 395. 235,190. 10. 4. 36. 857. 397,331. 24. 12. 37. 478. 298,087. 19. 4. 38. 5. 39. 265. 104,534. 富山. 87. 45,383. 4. 3. 40. 17. 石川. 114. 49,129. 4. 3. 41. ユ8. 福井. 85. 33,986. 3. 3. 19. 山梨. 105. 34,500. 6. 2. 42 43. 20. 長野 岐阜 静岡. 197. 89,450. 7. 4. 44. 愛知 三重. @数. 7. 3. 16. 23 24. @数 55,554. 6. 7. 21. 回答. 32,386. 2. 180. 103. 調査. 183. 茨城 栃木 群馬 埼玉. 15. 22. 滋賀 京都. 大阪 兵庫 奈良 30 和歌山 31 鳥取 32 島根. 248 239. 生徒数. @県名. 234,433. 東京 神奈川 新潟. 14. 都道府 学校数. 207 294 433. 88,409. 8. 4. 45. 155,377. 6. 2. 46. 270,392. 14. 9. 47. 191. 74,039. 5. 4. 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 合計. 150. 32,665. 2. 375. 204,689. 10. 4. 101. 40,104. 2. 2. 223 214. 70,30ユ. 6. ユ. 78,312. 4. 3. 168. 53,280. 2. 1 1. 149 292. 54,244. 3. 78,910. 4. 1. 168. 61,982. 4. 2. 11300. 5036880. 335. 161. 表3 調査一回収率 調査. 第1回調査 第2回調査 全体. 回答数. 118 43 161. アンケート送付数. 250 105 335. 回答率. 47.2% 41.0% 48.1%. 表4 学校分類別製収率 分類. ①ランダムに選んだ学校 ②推薦された学校 ③国立大学付属中学校 全体. 回答数. アンケート送付数. 118. 257. 31 12. 48 30. 161. 335. 回答率. 45.9% 64.6% 40.0% 48.1%. 28.

(29) 4章. 第3節 調査結果 第1項 研修成果 ①のランダムに選んだ学校118校の職員数の中央値は28人であったが、 ソフトの開発ができる教員数,コンピュータ操作ができる教員数,授業でコン ビュータを活用できる教員数,Windowsを使用している教員数,ネット ワークを利用できる教員数の中央値は表5職員の研修状況のようになる。後 ろの2項目の有効回答数が少ないのは、1回目の調査で項目が無かったからで ある。. 表5職員の研修状況より、ソフトの開発、windows、ネットワーク の利用ができる先生が不足している様子がよく分かる。数字の上では各1であ るがこれらは実際には同一人物が複数カウントされていると考えるのが常識的 であり、全国の学校にはこういつた先生が全くおらず、埃を被ったコンビュー タも少なくないことが、考えられる。 第1回調査でこのネットワークに関する項目がなかったのでソフトの開発の. 項目だけで見ると161校の回答中0と回答しているものが58校、無回答が 17校である。. 0の学校だけでも36%であり、無回答を含めると47%となる。 CAI学習など、学習の一部にはネットワークの使用が前提になっている授 業があるが、ネットワークの操作ができる教員が少なすぎる。①の学校でLA Nが導入されている学校で、ネットの回答のあった10校の中で2校はネット ワークの操作ができる先生は0であった。また、コンピュータを操作できる先 生は②の推薦された学校ですら半分以下、①の学校では1/3.5人でしかな い。ほとんど全員ができる状態でなければ、全ての生徒に指導するのは困難と 考えられる。別の資料(学習情報研究6月号)でも中学校の操作可能教員は全 国で36.0%,指導可能教員は14.5%である。まだまだコンピュータの活用には研 修が必要である。. 表5職員の研修状況 職員数 開発. ②推薦された学校 〃. ③国立大学付属中学校 〃. 活用. win. ネット. 114. 105. 109. 108. 13. 12. 中央値. 28. 1. 8. 6. 1. 1. 回答校数. 29. 29. 29. 29. 27. 27. 中央値. 36. 2. 16. 5. 1. 4. 回答校数. 11. 10. 10. 10. 1. 1. 中央値. 30. 2. 15. 8. 3. 3. ①ランダムに選んだ学校 回答校数 〃. i操作. 29.

(30) 4章. 第2項コンピュータの年間の総利用時数 中学校の年間総授業時数は大東市教育委員会の澤田の調査によると週5,6,. 5,6,6,3時限で35週が目安となっており、単純計算では1190時限 であるが、行事等が入るので平均すると1050時限となっている。. コンピュータの年間の総利用時数は有効データ118校で、Md(中央値) =140時限であった。 大多数の学校が1教室に配置しているので、同時に複数の教室でコンビュー タを使用していないと仮定すると、中学校の年間総授業時数は1050時限程 度であるので、授業時数の約13%でコンピュータ教室が使われたことになる が、コンピュータの年間の総利用時限をヒストグラムにすると図3 コン ビュータの年間総使用時数のようになり、②、③の学校を含んでいてもこのよ. うな状態なので、利用が余りされていないことが推察され、特に年間100時 限以下の学校がずいぶん多いことが分かる。. ①の学校のみだと有効データー82校Md(中央値)=120時限、1クラ スあたりに換算した年間の総授業時数の中央値は10時限であった。. 全教科合わせて1年間に10時限のコンピュータの授業がされたことになる。. 500時間以上 400∼500時間 300∼400時間 200∼300時間 100∼200時間 100時間以下 O% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45%. 図3 コンピュータの二二総使用時数. 30.

(31) 4章. 第3項 コンピュータ導入後の年数と総利用時数 コンピュータ導入後の年数と年間の総利用時数の関係は、導入後の年数の. データが少ないため有効なデータが少ないが、グラフにすると図4 コン ピュータ導入後の年数と総利用時数のようである。有効データ数31校で、② 推薦された学校が多い。データ数が少ないため、統計処理が困難であるが、導. 入後よく利用する学校とそうでない学校の2極化があり、2∼4年でピークを 迎え、その後、機器の旧式化等により下火となっていくように感じられる。 1000. 「. 900 800 700. 2. 総 600. q. 3. 利. 用 500 時. 間 400. 300 200 100 0 o. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 導入後の年数. 図4 コンピュータ導入後の年数と総利用時数. 31.

(32) 4章. 第4項 教科毎の利用状況 教科毎の利用状況をコンピュータをよく使っている教科に◎、ある程度使っ ている教科に○、少し使っている教科に△、あまり使っていない教科に×を付 けて貰った。. 無回答の数も無視できないので集計に加え、①ランダムに選んだ学校の有効. 回答数118校と②推薦された学校の有効回答数32校をもとにグラフにする. と表6①ランダムに選んだ学校での教科別コンピュータの利用状況,表7 ②推薦された学校での教科別コンピュータの利用状況のようになる。 ランダムに選んだ学校では技術家庭科を除くと、コンピュータの教科への利 用はまだまだといった状況と考えられる。. 推薦された学校では、ランダムに選んだ学校より多少教科での利用が進んで いると考えられるが、いずれにしてもよく利用されているといった状況ではな い。多くの中学校が教科毎に見た場合、よく使っているという状態ではない。. 表6①ランダムに選んだ学校での教科別コンピュータの利用状況 国語. 社会 数学 理科 音楽 美術 体育 技家. 英語 特門門. ◎. 0. 1. 4. 5. 0. 1. 0. 73. 3. 6. ○. 5. 9. 32. 15. 5. 7. 0. 24. 8. 13. △. 13. 8. 36. 26. 5. 6. 2. 6. 11. 23. ×. 52. 53. 20. 38. 61. 59. 68. 4. 52. 38. 無. 48. 47. 26. 34. 47. 45. 48. 11. 44. 38. 表7②推薦された学校での教科別コンヒュー一タの利用状況 国語. 社会 数学 理科 音楽 美術 体育 技家 英語 特活等. ◎. 0. 2. 8. 4. 2. 4. 0. 28. 3. 10. ○. 4. 5. 10. 8. 2. 5. 0. 4. 6. 6. △. 8. 6. 10. 8. 7. 3. 3. 0. 5. 6. 14. 11. 2. 9. 15. 13. 21. 0. 13. 5. 6. 8. 2. 3. 6. 7. 8. 0. 5. 5. ×. 無. 32.

(33) 4章. 團よく使っている ロ少し使っている ■無回答. ■ある程度使っている 口あまり使っていない. 国語 社会 数学 理科 音楽 美術 体育 藁家 英語 特活等 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100%. 図5①ランダムに選んだ学校での教科別コンピュータの利用状況 國よく使っている ロ少し使っている ■無回答. 10%. 30%. ■ある程度使っている 口あまり使っていない. 50% 60% 70% 80% 90% 100%. 図6②推薦された学校での教科別コンピュータの利用状況. 33.

(34) 4章. 第5項 生徒用コンピュータの導入状況 生徒用コンピュータのビット数は寒鯛で累計すると表8 生徒用コンビュー タのビット数のようになる。また、グラフにしたものは図7である。. 表8 生徒用コンピュータのヒット数 分類\ビット数 ①ランダムに選んだ学校 ②推薦された学校 ③国立大学付属中学校 全体. 32 60. 16. 11. 8. 不明. 1. 9. 118. 19. 1. 3. 8. 1. 31 12. 74. 75. 48. 1. 11. 合計. 161. 図7 生徒用コンピュータのビット数 このグラフを見ると、②の学校は①の学校に先行して導入されており、③の 学校はさらに先行しているので、導入年度が新しくなるにつれ、導入されるコ. ンピュータが32ビット機が多くなっていることが推測されるが、ソフト開発 にあたっては、16ビヅト機が多数利用されていることを無視できない。. Windows 3.1対応のソフトが沢山、開発されており、生徒に使わせよ うとした時、16ビット機では動かない。32ビット機でもある程度のもので ないと使用は困難であろう。. 実際に生徒に使用させてみると、コンピュータの反応が遅いとき生徒はキー を押し直したり、別な操作をしたりする。. 初心者だから性能の低いものでよいという意見はよく聞かれるが、使用に耐 えないもので教えることには問題がある。. 生徒にGUI(Graphicl User interface WindowsやTalk7など)を使わせ るかどうかの是非は別にして、少なくとも選択肢が減ることには違いない。. GUIを使用している学校については後ほどwindowsの使用状況で 報告する。. 34.

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