4. 天然ガス供給インフラマスタープランの策定
4.2 LNG 受入・貯蔵基地の候補地の選定
4.2.1 現地調査
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図表 108 FSRU の特徴
Pros Cons
●陸上式と比べ、地盤造りが不要、シップ ヤードでの建設ができる等で、納期が短い
●既存LNG船と同型サイズの仕様であれば、
同能力の陸上式に比べコストを抑えられる
●船自体は撤去及び移設が可能であり、イン フラとしての柔軟性が高い
●陸上式に比べ、必要な許認可類が少ない
●船とタンク・再ガス化設備が1パッケージで あり、増強や機能拡張はできない
●船員代や船員教育が必要で、運転費を押し 上げる。場合によっては陸上式より高費用
●ドライドックのメンテナンス対応。安定操業 のため代替船のチャーターが必要
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① Likupangエリア
下記に示す4か所の現地調査を行った。
図表 110 北スラウェシ州Likupang 現地調査場所
Likupang①
調査地は湾奥部に位置し、東部に位置する半島により、太平洋側から来る波から守ら れている穏やかな湾であることが容易に推測できる。海図によれば、この海域の底質は
Coralであるが、水深を確保でき、LNG船の喫水確保のための長い桟橋は不要である。ま
た、LNG船の操船やターニングに必要なエリアも確保できる。
海岸沿いに道路やゴルフ場が造成され ているが、その背後地は元々の低湿地であ り、軟弱地盤であることが想定されるため、
プラント用地としては適さない。ただし、
汀線より数百 m 内陸側には緩やかな丘が 広がっており、地形なりにCut & Fillをバ ランスさせたプラント用地を造成するこ とは可能であると考えられる。丘を構成す る土質にもよるが、大規模な地盤改良や長 大杭基礎が必要となる可能性は低い。
プラント候補地選定に際しては、近隣に既設のリゾートホテルへの配慮や LNG 配管の 道路横断なども考慮する必要がある。
外洋からのうねり(長周期波長)も妨げられており、同海域は非常に穏やかでFSRUの 操業及びLNG船の運航には適している。港湾(タグボート等)整備、浚渫をしない状態 では、10,000m3サイズ以下のLNG 船が限界。沖に出て直ぐに十分な深水(海図上は数
十m)が確保できるため、岸から約300m沖合までの桟橋設置で十分と判断できる。
④ ③
② ① Likupang
写真1 Likupang①外観 出所)OpenStreetMap
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Likupang②
候補地として優先順位は低いが、この地域の表層土質の確認のため、表層土質の目視が 可能であった宅地造成中の現場を調査した。Likupang①とLikupang③の中間に位置する。
表層土質は砂質中心で部分的に風化岩が見られた。Likupang②が Likupang エリアを代 表するとは限らないが、本地質であればプラント用地造成に問題は無いと考えられる。
Likupang③
Marine Ecotourism Areaの看板が掲げら れた村のある一帯を調査した。海岸より一段 高い住居エリアから緩やかな坂下った位置 に、マングローブに囲まれた海岸線がある。
海図や現地の状況からは、LNG船の操船や ターニングに支障となるものは見られない。
近隣に平坦な土地は無く、プラント用地確保 には海岸からの急斜面を造成する必要があ るため、土工事は相当量となる。さらに、マ ングローブを切り開き桟橋を建設するため
の許認可を得るためには困難が生じることは容易に想像できる。沖に出て直ぐに十分な深 水(海図上は数十m)が確保できるため、岸から約300m沖合までの桟橋設置で十分と判 断できる。
Likupang④
スラウェシ島の最北端に位置し、北~西に大きく海が開けた場所を調査した。宿泊施設 が営業中であり、その施設内を見学する形で調査を行った。道路から海岸まで約 30m の 高低差があり、坂道は急傾斜である。海図からも急傾斜で深度の増している海底地形であ ることが解り、周辺の急峻な地形から見ても、このエリアの土質は硬質または岩であると 想像される。
海岸の砂にはサンゴ辺が多く含まれており、この海域のCoral Reefの存在が窺える。こ こに桟橋を建設する際は、サンゴ調査を実施する必要がある。急峻な地形および想定され る土質より、プラント用地造成の観点から当地はLikupang③よりも条件は悪いと思われ る。
写真2 Likupang③外観
77 ② Bitungエリア
下記に示す2か所の現地調査を行った
図表 111 北スラウェシ州Bitung現地調査場所
Bitung①
工業団地予定地内の一角を調査した。東部に位置する Lembeh島があることから、外 洋のうねりからも影響を受けないため、陸上基地、FSRUにとって適した場所である。
海図および住民によれば、LNG船の喫水を確保するためには、汀線から300~400mま で桟橋を出さなければならないが、現地の状況からは、LNG船の操船やターニングに支
障となるものは見られない。また、マングローブやサンゴのような環境面で配慮しなけ ればならないものも見られない。周辺はなだらかな丘陵地であり、地表面近くの土質は 風化した堆積岩で亀裂も多く見られた。工業団地の土地造成はディベロッパーにより実
施されると考えられるが、今回確認した 土質であれば土工事は困難ではなく、所 要の品質を持つ造成地盤として引き渡さ れることになると考えられる。また、護 岸整備も併せて行われるものと想定され る。ただし、LNG受入施設建設地も工業 団地の土地造成に含まれる範囲で取得で きるか否か、その土地が所要品質を持つ 土地であるかは、次段階で確認が必要で ある。
Bitung ②
①
写真3 Bitung① 外観 出所)OpenStreetMap
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図表 112 Bitung①周辺
Bitung②
Bitung港の西側にある海に面した空き地を調査した。同地及び同地周辺は既に工場及び
他産業の港湾(AKR、Pertamina)が密集しており、LNG 基地が開発できるスペースは 限られる。囲われた海域で近隣には桟橋も多く、穏やかな海であることが解る。海図によ れば、LNG船の喫水を確保するためには、桟橋を汀線から数百m出す必要があり、年間
6,400隻が出入港するBitung港の入口に位置するが、海域は十分な広さがあり、LNG船
の操船やターニングに支障はないと思われる。
土質は確認できなかったが、地形的にも軟弱粘性土が厚く堆積するようなことは考え難 く、プラント築造時に大規模な地盤改良や長大杭基礎が必要となる可能性は低い。
その他の難点としては、本調査で訪問した候補地の中で最も人・家の密度が高い場所と なり、プラント建設にあたり近隣への配慮を行う必要がある。
図表 113 Bitung②周辺
①
Bitung SEZ (planning)
②
AKR Oil Terminal 出所)OpenStreetMap
出所)OpenStreetMap
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③ Makassar エリア
下記に示す3か所の現地調査を行った。
図表 114南スラウェシ州Makassar現地調査場所
Makassar①
Makassar 市北部にある桟橋付近を調
査したが、優位な条件の土地が見当たら なかった。付近にある桟橋1.5kmから海 面目視調査を行ったが、沿岸部は遠浅で、
相当長い桟橋の建設が必要になることこ とが解った。
Makassar②
Makassar 港南部で行われている埋立工事中の現場を確認した。東部・北部に完成済の
岸壁には控え矢板式が採用されているようである。埋立は Trailing Suction Hopper
Dredger + Unloader船による水搬工法が採用されていた。埋立後に地盤改良(プラスチ
ックボードドレーン工法 + プレロード = 圧密促進工法)している。地盤改良工法および 建機のリーダー長から想像すると、原地盤は軟弱粘性土地盤で層厚は10~15m程度と推
察される。ここを建設候補地とする場合 には、現状工事の用地使用計画、原地盤 の土質、バースの設計水深、等々の情報 を入手する必要がある。
①
③
②
Makassar
写真4 Makassar① 外観
写真5 Makassar② 外観 出所)OpenStreetMap
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Makassar③
Makassar港北部で行われている港湾拡張工事(コンテナ基地)現場を視察した。この際 に以下に示す多くの有用な情報を得ることができたが、詳細確認は必要である。
埋立によりコンテナ基地用地とその他用地が整備される。
コンテナ船用に6つのバース(-16m岸壁、バース長 = 320m)が整備される。
プロジェクトは4つのPhaseに分かれており2032年に完了する(現在1st Phase)。
埋立地の原地盤は粘性土であるが、Dredging(最大厚さ6m)され海砂(20km沖から 採取)と置き換えられた上に埋立がなされるため、原地盤の圧密沈下は生じない。
この海域では西からの波が卓越しており、北からの波も多少ある。
UXO(太平洋戦争時の不発弾)が見つかり工事が遅れている。
図表 115 Makassar③周辺
④ Maros エリア
下記に示す2か所を候補地として現地調査を行った。
図表 116 南スラウェシ州Maros現地調査場所
Makassar③ 港湾拡張工事
①
②
Maros
出所)OpenStreetMap
出所)OpenStreetMap
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Maros①
岸から500m程度沖に出された既存桟橋付近を調査した。その構造、海水の濁りおよび 海図から、付近の水深は浅く、LNG船の喫水を確保するためには、汀線から数 km 沖ま で桟橋を出さなければならないと思われる。桟橋付け根には干潟が広がっており、陸上部 も低湿地帯である。周辺海域への河川の流入も多く、このエリアには軟弱地盤が厚く堆積 し層序構成も複雑であろうことは想像に難くない。したがって、プラント築造時に大規模 な地盤改良や長大杭基礎が必要となる可能性は高い。また、海側にはマングローブが茂っ ているため、プラント建設(特に桟橋)に際しては、環境面からの制約が予想される。
Maros②
大きな河川の左岸に位置する低地を調査した。海抜は1~2mと思われる。周辺一帯はエ ビやカニの養殖池で占められている。海側にはマングローブが茂っている。汀線付近には 近づけなかったが、海図や現地の状況から、このエリアはMaros①と同様もしくはそれ以 上に軟弱地盤が厚く堆積し層序構成も複雑である可能性が高い。したがって、プラント築 造時に大規模な地盤改良や長大杭基礎が必要となる。PLNがMakassar Peaker用に土地 収用済と言っているものの、同地には依然幾つかの民家があり、本当に土地収用済なのか 不明であった。同地地船入港に必要な深
水確保には沖合に数盤は非常に緩く、陸 上基地建設するとなると高コストとなる ことが見込まれる。
LNG船入港に必要な深水確保には沖合 に数km 出る必要がある。同地は河口傍 のため土砂が集積する観点からも沖合に 出す必要がある。同地周辺はマングロー ブで囲まれており、環境面でも工事が難 航する懸念がある。