10EVM = -15dB
3.4 特性評価
3.4. 特性評価 91
1 2 5 7
7 8 9 10
Ins ta nt ane ous pow er a t C C D F = 1 0
ିସ[dB ]
The number of observed symbols ܰ
w/o SLM
w/ PS-OSLM (
32)
3 4 6 8
図3.7 PS-OSLM適用時の観測シンボル数(Nb)とピーク電力値の関係.
化瞬時電力値のCCDF特性を示す.図4.12はOFDM/OQAM信号の正規化瞬時電力値のCCDF 特性を表す.黒線は抑圧を行っていない場合の特性であり,破線はPS-OSLMにおいてNb=1とし た場合(従来のSLMと等価)の特性である.青,赤,緑はそれぞれ候補系列数をU =4, 16, 32とし た場合である. 実線が提案PS-OSLMにおいてNb=2とした場合の特性であり,鎖線はU =32の ときの,全ビットスクランブル時の特性である. 図より,従来のSLMでは隣接シンボルのピーク 再生成の影響によってCCDF=10−4における正規化瞬時電力値を,抑圧を行っていない場合と比
べて約0.3dB程度と,ピークが十分に抑圧できていないことがわかる. 一方,提案手法ではU=4,
16, 32を用いる場合に, CCDF=10−4における正規化瞬時電力値をそれぞれ1.2dB, 2dB, 2.4dB低 減できることがわかる.
図3.7に観測シンボル数とCCDF=10−4における正規化瞬時電力値の関係を示す. 変調方式は オフセット64QAMとしたここで,U = 32とした. 比較として,破線でピーク電力抑圧を行って いない場合の特性を示す.図より,Nb=1とした場合(従来のSLM)には隣接シンボルへの影響に よりピーク電力が十分に抑圧できていないことがわかる.一方で,Nbが大きくなると,抑圧特性が
3.4. 特性評価 92
0 16 32
7 8 9 10
Instantaneous power at CCDF=10
[dB]
The number of candidates
w/ PS-OSLM (
2)w/ conventional SLM
48 64
図3.8候補系列数と正規化瞬時電力値の関係.
劣化していることがわかる. これは,過去のシンボル区間に現在のシンボルよりも高いピーク値 がある場合に,現在のシンボルのピークを最小とする系列が正しく選択されないためである.以 上より,Nb=2が最適値となる.
候補系列数UとCCDF=10−4における正規化瞬時電力値の関係を図3.8に示す.黒のプロット と赤のプロットはそれぞれ,従来のSLM(Nb=1)と Nb=2の提案PS-OSLMの特性を表す. 図よ り,従来手法では候補系列数を増やしても,ピーク電力=9.2dBでフロアが生じていることに対し て,提案手法ではU=64の場合に約7.5dBまで低減できることがわかる. また,U=64において, 提案方式は従来方式と比較してピーク電力を約1.7dB低減できることがわかる.
3.4. 特性評価 93
/
[dB]
0 5
10
10
ିଵ10
ିଶ10
ିଷB E R
10
ିସ10 15 20 25
All bits scrambling SLM PS-OSLM
w/o scrambling
QPSK 16QAM
64QAM 256QAM
図3.9静特性環境におけるPS-OSLM適用時の理論BER特性.
図3.9に静特性環境におけるPS-OSLM適用時,全ビットスクランブル時,スクランブラ非適用 時のBER特性を示す. 実線,破線,鎖線はそれぞれ式(3.14)-式(3.16)の理論BER特性を表し,プ ロットはシミュレーション値を表す. 図より, QAM変調を用いる場合, PS-OSLM方式は従来の 全ビットスクランブル型SLMと比較して良好なBER特性が得られることがわかる. PS-OSLM 方式は, BER=10−3を達成するためのEb/N0を, 16QAMの場合に約0.5dB, 64QAMの場合に約
0.9dB, 256QAMの場合に約1dB低減できることがわかる. BERの改善量は変調多値数の増加に
伴って顕著になることから, PS-OSLMは特に高次の多値変調を用いる場合に有効であることが わかる.
3.5. まとめ 94
Eb/N0[dB]
0 10 20 40
10
10
ିଵ10
ିଶ10
ିଷ10
ିସB E R
30
Flat fading channel
AWGN
All bits scrambling PS-OSLM
w/o scrambling 10
図3.10 PS-OSLM適用時のOFDM/OQAMシステムのBER特性.
図3.10にビット誤り率特性を示す. 変調方式はオフセット 64QAMとした. 実線はスクラン ブラを用いない場合の誤り率であり.破線および鎖線それぞれ全ビットスクランブル時と最上位 ビットのみをスクランブルする提案方式の特性である. 図より,提案方式では下位ビットに対す るデスクランブラの誤り伝搬が生じないため,全ビットスクランブル時よりもBER特性の劣化 を軽減できることがわかる.
3.5 まとめ
本章では,帯域制限されたマルチキャリア変調として, OQAM/OFDMにおけるピーク電力抑 圧技術であるPS-OSLM方式提案した. 提案方式では, SLMにおける候補系列を決定する際に, 過去のシンボルを含めた複数シンボル区間を観測するものである.特性評価より,提案手法は従 来の1シンボル区間を観測する SLM方式と比較して, 観測区間長を2シンボルとすることで,
CCDF=10−4 における正規化瞬時電力値を約1.7dB低減可能であることを明らかにした. また,
SLMの候補系列を生成する際に, QAMシンボルの最上位ビットに割り当てられるビットのみを スクランブルすることで 全ビットスクランブルを行う従来方式と比較してデスクランブル時の
3.5. まとめ 95 生じる誤り伝搬の影響を軽減でき, BER=10−3を達成するためのEb/N0をAWGN環境下におい
て約1.2dB,フラットフェージング環境下において約3.7dB低減できることを明らかにした.
97