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火災予防戦略

ドキュメント内 成果報告書 (ページ 72-76)

第 5 章 泥炭地における火災予防の体制/システム構築

5.4. 地域密着型の熱帯林・泥炭地火災予防管理システム

5.4.2. 火災予防戦略

(1)火災の早期発見

森林・泥炭地火災の早期発見と迅速な対応は、火災による損害を最小限に抑え、さらな る災害を防止するうえで非常に重要である。RSA が火災リスク、燃焼挙動、被害を受けや すい地域を予測できれば、悲惨な火災を早期に防止することができる。それらを予測する ために、RSAメンバーは以下の知識を有していなければならない。

- 火災の発生源 - 発生の経緯 - 気象条件 - 地理的条件 - 燃料の種類

火災危険の基本的な初期信号は以下のとおりである。

初期の危険信号  地域社会の農地・農園計画や、水路建設などの新規開発

 泥炭層における地下水位の低下(干魃の予兆)。この情報は、測定 用パイプが設置された地下水位測定ポイントから入手できる。測定 用パイプは村落区域を代表する植林地域に設置し、不正確さを避け るために水路や川から離しておくべきである。

 川や水路の水位低下(干魃の予兆)。

 三日月(月が海寄りに傾くと洪水の予兆)、枯れ木、または乾季の 星の位置。その他の自然信号として、「 寒い朝」や鳥のさえずりは 乾季の始まりを示す。

地下水位が危険なほどの乾燥の水準に達しているかどうか判断するには、物差しを使っ て、川や水路の水深または泥炭土の地下水位を直接測定すればよい。これは物差しを恒久 的に取り付けて実施することができる。

この物差しは干潮時に水路や川に設置し、最低水位(Lowest Water Level; LWL)をゼロに 設定すべきである。物差しに刻まれたメートル尺を利用して、水位の上昇を観察すること ができる。水位上昇の測定に用いる単位は、センチメートルかメートルである。データは 折れ線グラフの形で提示し、水位の変動がはっきり分かるようにすべきである。少なくと も 1 年にわたって毎月、予備データ(基本データ)を観察しなければならない。川や水路 がLWLになったら、その月に干魃が発生することを示す早期の徴候である。川や水路の水 位変動は乾季の始まりを示すにすぎない。

泥炭土の水位または地下水位(Ground Water Level; GWL)の測定方法はさまざまである。

最小直径3~5cmの塩化ビニルパイプで恒久的な計測器を作ることができる。パイプの長さ

は少なくとも2.5mにすべきであり、2mを土中に挿入し、その下部(少なくとも30cm)に のこぎりで印を付ける。次に、以下の図5.9に示す地下水測定パイプを地中2~2.3mまで挿 入し、少なくとも50cmは地上に出しておく。

図 5.9 地下水測定パイプ

地下水位の測定は、メートル尺を刻んだ物差し、または棒等を使い手作業で行うことが できる。地下水位は、物差、棒等で測った地下水の高さから、パイプの高さ(地表から測 定)を差し引いた寸法に等しい。地下水の高さは、火災に対するエリアの危険性の指標と して利用できる。以下に指標の例を示す。

- 0~20cm:標準

- 20~40cm:危険

- 40~60cm:非常に危険

- 60cm超:極めて危険

しかしながら、泥炭地下水位だけでは、まだ実態を完全に把握するには十分ではない。

同じ測定法を利用して、各層の土壌水分も測定すべきである。以下に例を示す。

- 0~20%(db:乾量基準百分率):極めて危険

- 20~40%(db):非常に危険

- 40~60%(db):危険

- 60%超(db):標準

地下水の測定は、くわを使って泥炭土の表面を掘ることにより、簡単な方法で行うこと もできる。例えば、深さ40~60cmまで掘り、地下水が出て来るまで5~10分待ってから、

地下水位を測定する。泥炭火災が発生しやすいと考えられるエリアでは、どの場所でも容 易にそのような測定を実施することができる。

(2)火災予防手順

中部カリマンタン州では一般的に6月から11月までの乾季に、森林・泥炭地火災が発生 しやすいエリアで火災予防活動を実施しなければならない。定期的モニタリング、日常的 パトロール、定期的な報告がこの季節の主な活動であり、森林・泥炭地火災の発生と延焼 を防止するために、あらゆる努力を払うべきである。

火災予防活動  RSA メンバーは乾季にパトロールを実施し、各シフト当たり少なく とも 2 人で、ホットスポットやその他の火災多発地域に火災の発生 源がないかどうか調べる。パトロールの頻度は現地の状況によって 異なるが、火災危険水準が高ければ毎日、中程度であれば 2 日ごと に行うことが推奨される。

 RSAメンバー以外の地域社会メンバー(例:モーターボート運転手)

が、間接的にパトロールに参加するよう奨励する。

 排水溝や掘割を掃除する。

 火災監視所には1日24時間、日中および夜間に少なくとも各2人の RSAメンバーを12時間交代で配置する。

 地域社会の人々から火災事象の報告があった場合は確認し、パト ロールと消火活動を実施して対応する。

 パトロール・メンバーは、パトロール地域内外またはその他の場所 で小さな火災を発見したら、小枝など手に入る簡単な道具を使って 消火を試みる。

 水位測定器をモニタリングする。

 降雨量をモニタリングする。

 村の命令に従って火災パトロール活動を実施し、県知事に正式な報 告書を提出する。

 森林・泥炭地火災の危険に関する啓蒙活動を強化し、ゼロ焼却土地 管理法を周知させる。

 すべての利用可能資源の調整と動員を改善する。

 GPS(全地球測位システム)を利用してパトロール・コースを設定

し、RSAリーダーに報告する。

 パトロール活動や出来事、職務中に入手した情報についてRSAリー ダーに報告する。

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