第 5 章 泥炭地における火災予防の体制/システム構築
5.3. 森林・泥炭地火災に関する基礎知識
5.3.4. 森林・泥炭地火災を最小限に抑えるための努力
心臓病を抱える人々の活動をさら に減らす。
101-199 不健康
気道の炎症を引き起こ す場合がある。
心臓病患者は症状が悪 化する。
屋外で活動するときには、マスク などを利用して鼻と口を覆う。
心臓病を抱える人々の活動を減ら す。
51-100 中程度 健康への影響なし
<50 良好 健康への影響なし
(3)社会的・経済的影響
森林火災は社会的・経済的側面にも影響を与える。以下のような例が確認されている。
a. 森林資源や農耕、畜産、狩猟、漁獲に依存している人が、生計手段を失う。
b. 煙霧のせいで視界が悪くなり、輸送活動が混乱する。これにより経済活動も混乱する。
c. 田畑などの農地が燃えると作物も消失し、不作による深刻な経済的圧力をもたらす。
d. 先端技術を使用すれば消火コストが高くなる場合があるため、政府その他の機関の支出 が増え、企業や地域社会にとっての損失も増える。
e. 近隣村落間で誤解が生じ、ひいては水平的紛争の原因になることがある。
f. 煙霧の影響により、他国からの抗議や賠償要求等、近隣諸国との外交問題に発展する。
火が効果的に管理されていない場合、焼き払う予定だった土地以外に燃え広がるケース が多い。基本的に野焼きによる開墾は泥炭地においては勧められない。しかし、財政的制 約、土地管理に適した手段・設備の不足等が原因で、この方法はインドネシアの様々な地 域、現地農家において一般的に見られる。この方法を用いなければならず、政府の許可を 得た場合も、野焼きは鉱質土壌だけに制限し、以下のとおり完全かつ慎重に管理する必要 がある。
野焼き(鉱質 土壌の場合)
野焼きは、各村落ごとに、農業・農園用に年間1季当たり最大2haに 限る 。
地主は野焼きの前に、焼き払う土地の左右両端に沿って幅3メートル 以上の防火帯を設けなければならない。
村長または村職員は、村落の土地利用図を作成するとともに、1月か ら5月、6月から12月までの焼き払い法による開墾に関する定期報告 書を作り、分区長に送付して県知事/市長に転送しなければならない。
野焼きは、1世帯当たり1日最大0.5~1.0haのみに限り、まず村長の 許可を得る。
所有者が以下の条件を満たしていれば、村長は前述の土地での焼き払 いを許可する。
- 防火帯を設置している。
- その土地の掘割・水路を清掃している。
- 火災を予測してウォーターポンプなどの消火手段・設備を準備 し、近隣の地主と調整している。
- 村長が確認した念書に署名している。
村長は現地時間の午前(08:00~11:00)と午後(15:00~17:00)にのみ 焼き払いを許可する。
地主に任命された少なくとも5人が、RSAメンバーの援助を受けなが ら、焼き払いプロセスを最初から最後まで監督しなければならない。
村長は、村職員の1人を(村長の任命書によって)任命し、焼き払い のプロセスと場所を監視させる。
村長は、村落を2つのゾーン(ゾーン1とゾーン2―例えば、川や水 路の北の地域をゾーン 1、南の地域をゾーン 2)に分割し、焼き払い のローテーション計画を立て、焼き畑が同時に実施されないようにす る。
申請者は、野焼きの文書と日時入りの写真を提出し、村長に野焼きプ ロセス全体を報告する。
地域社会は、各ゾーンで火災監視所ごとに野焼き関連業務資金を供給 する(予算は村の基金や小企業、その他の関係者が負担)。
(2)泥炭地におけるゼロ焼却土地管理
ゼロ焼却耕作法は、土地開墾の結果として、一定の伐採搬出活動と丸太・廃棄物の撤去 を伴う。この方法は機械を使って行うか、手動手段と機械手段を組み合わせて実施するこ とができる。機械的には、トラクターやブルドーザーなどの重機を使って行うことができ る。手作業による方法は、斧やなた、チェーンソーなどの道具を使う。以下に挙げるのは、
ゼロ焼却土地管理の手順である。
野焼きによらない 開墾
広大な土地の場合は、トラクターを使って開墾することができ る。その過程で、木の小枝や低木などの廃棄物を押しのけること ができる。
トラクターで道具を引いて廃棄物をさらに切り刻み、ローラー チョッパーを使ってマルチにする。
耕作 すきやトラクターエンジンなどの道具を使って耕す。
植物がほぐれた土を必要とするときだけ耕す。
土をほぐして深さ30cmの穴を掘り、マルチになった植物遺物を 埋める。
排水溝の開発 掘削機と呼ばれる道具を利用して、区画間に十分な深さと幅の堀 を作る。
土壌保全インフラ の開発
浸食を防止するために畝/土台を造る―これは傾斜地で行う。
(3)地域社会の農場・農園の保護・維持
特に地域社会の農場や農園で森林・泥炭地火災のリスクを最小限に抑えるために、定期 的な維持管理を実施しなければならない。
地域社会の農場と 農園の保護・維持
植物の間の草や低木を除去する。
マメ科植物を植えて表土を覆う。
植物や樹木の周りに廃棄物(葉など)を残し、堆肥にし て土に入れる。
火災危険が高いときや長い乾季に地域を監視するため にシフトを組む。
農場主は、炎をもみ消すために、農場周辺で持ち運びや すいほうきや散水器を携帯すべきである。
できれば、農場周辺に水で満たされたドラム缶を常備し ておく。