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消火戦略

ドキュメント内 成果報告書 (ページ 76-82)

第 5 章 泥炭地における火災予防の体制/システム構築

5.4. 地域密着型の熱帯林・泥炭地火災予防管理システム

5.4.3. 消火戦略

 パトロール活動や出来事、職務中に入手した情報についてRSAリー ダーに報告する。

 RSAが火災を消すことができず、危険とみなされる場合、RSAリー ダーは、村落地域周辺のコンセッション所有者や他のRSA組織に援 助を求めなければならない。

(2)消火技術

採用する消火方法は、火災の種類(地表火災か地中火災)に応じて決めるべきである。

なぜなら、地表火災と地中火災は燃え広がるパターンが異なるため、消火技術も変えなけ ればならないからである。

① 地表火災の鎮火

技術的には、地表火災の鎮圧は 2 つの方法、すなわち直接的方法と間接的方法を用 いて実施することができる。

a) 直接的方法

直接的方法は、以下の図5.10、図 5.11 にて示すように、地形など火災エリアの条件 に応じて、いくつかの技術を利用して実施することができる。

図 5.10 直接的方法(1)

*アシや低木が生い茂るエリアでは、火災の延焼を食い止めるために、それらを倒して 防火帯を造ることができる。延焼の可能性が抑えられ、消火の機会が得られる。

図 5.11 直接的方法(2)

*火が大きい場合は、火災エリアの左右をブロックすることによって消火できる。

また、実施可能な直接的方法のバリエーションは以下のとおりである。

1) 火をもみ消す

この方法は、火災がまだ地表で乾燥した小枝や葉、草を焼いて広がっているう ちに、木の小枝やヤシ葉で火を踏み固めて酸素を追い出し、消し止めることに よって実施される。この方法を用いる場合は、火の粉が飛ばないようにしなけ ればならない。

2) 土や泥を利用する

この方法は、くわやシャベルを使って、火源に土や泥を直接かぶせることによっ て実施される。しかしながら、この方法は比較的小さい地表火災にしか効果が ない場合が多い。

3) 機械か手作業で散水する

この方法は、ディーゼル駆動ウォーターポンプ、バケツ、給水車またはハイド ロプレーンを使って実施することができる。

b) 間接的方法

直接的方法で消火できない場合は、間接的方法を用いる。この方法は堀や防火帯や向 かい火を利用する。

間接的な消火方法は、火災の縁から一定の距離に防火帯を設けることによって火災を 制圧することを目指す。防火帯の基本原理は延焼を阻止することである。防火帯によっ て火災が阻止されると火が小さくなり、消しやすくなる。天然バリアは川や湿地帯、

人工バリアは堀や小道の形の防火帯などである。

1) 消防活動における防火帯の設置

 準備

i. 明るい色のテープなどの標識を使って、防火帯の計画経路に印をつける。距離 は火災が燃え広がっている速度に基づいて判断する必要がある。

ii. 防火帯は、延焼を防止するために完全に掃除しておかなければならない。下の 鉱質土壌が見えるようになるまで、地表の燃料源を切り取って処分する。

 消防活動における防火帯の設置にあたっての留意事項

i. 火災の規模に応じて、設置する必要がある防火帯の長さが決まる。

ii. 延焼速度に応じて、防火帯と火との距離が決まる。

iii. 防火帯の幅は、火災発生エリアの植物種と地形によって決まる。幅は1~4メー

トルになるだろう。火災エリアより上の斜面に設置する防火帯は、平面の防火 帯より少し大きくなる可能性がある。

iv. 防火帯の始点と終点は、天然防火帯が存在する場所か、火災エリアのうちすで に消火された部分にすべきである。

v. 防火帯は延焼方向に対して垂直に設ける。

vi. 必要な人員数は、その技能と設置する防火帯の長さによって決まる。

vii. 可能ならいつでも天然防火帯を利用し、消火活動の効率を高めるべきである。

天然防火帯は延焼を遅らせるうえで役立つ。

viii. 各ユニットは常にメンバーの安全性について考えなければならない。

ix. 火災が燃え広がっていて、異なるRSAグループが防火帯を設置する場合は、十 分に活動を調整して効率的に活動できるようにする必要がある。

2) 間接的方法のバリエーション

 二線法

主要な火災の縁から1メートルの距離に2本の防火帯を造る。RSAチームメンバー は、防火帯と主要な火災の間のエリアを燃やし、チームがつけた小さい火が燃料源

(例:草、低木)を焼き尽くし、その結果、主要な火災の強度を抑えられるように する。以下の図5.12に例を示す。

図 5.12 二線法

*二線法に基づく防火帯の設置による間接的な消火アプローチ

 平行法

燃料源の種類、火災強度、現場条件に応じて、主要な火災から1~15mの距離に防 火帯を造る。この防火帯は主要な火災に正面から向き合うように造られる。この方 法は通常、道路や川など近くにある天然バリアを利用する。以下の図5.13、図5.14、

図5.15に例を示す。

図 5.13 平行法(1)

*火災の先頭と左右に防火帯を造る。これによって火災を封じ込めて延焼を阻止し、

自然に火が消えるようにする。火災は防火帯を越えない。火の粉が飛び越えたら、

直ちに消し止めなければならない。

図 5.14 平行法(2)

*平行消火法は通常、火災の縁の近くに防火帯を造ることによって実施される。

次に、川や道路などの天然防火帯に接続し、火災を囲い込む。

その後、「向かい火」法を併用して火を消し止める。

図 5.15 平行法(3)

*天然防火帯がない場合は、火災を取り囲む形で防火帯を造る。

封じ込められた火源は燃え尽きる。しかし、防火帯の中で火が燃えている間、

火の粉が飛んだら直ちに消し止めなければならない。

3) 山腹の防火帯

主要な火災の向かい側の丘陵の裏側斜面に防火帯を造る。勾配が20度未満の場 合、この防火帯は丘の頂上から離れすぎてはならない。

② 地中火災の鎮火

地中火災は、泥炭土から煙が出ている場合や、地表温度が極めて高い場合に確認するこ とができる。地中火災を鎮圧するために、以下の方法を採用することができる。

a. 土を耕す

この方法は、泥炭土の表層で発生した火災を消すために、シャベル、くわ、斧など の道具で土を耕すことによって実施される。

b. 給水管を挿入する

この方法は、燃えている地面に鉄パイプの先端を直接挿入して地中で散水する注入 システムにより、地中火災(深さ50cm超)を消すために実施される。この鉄パイ プは「ノズル保護スリーブ」と呼ばれる。

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