(1)概要
消防団は、日頃から消防局各消防署と合同で実施する訓練、消防団独自で実 施する訓練を行い、防災活動に組織的に取り組んでいる。
また、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」においても、
消防団員の教育訓練の改善及び標準化等についての規定(第
16
条)が設けられ ている。ア 教養訓練の実施状況
平成
27
年度から平成29
年度の実施状況は以下のとおりである。なお、数 値は参加者数である。 (単位:人)区 分 \ 年 度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
新入団員教養 193 177 162
幹部教養 71 72 72
県消防学校(指揮幹部科) 16 16 16
局(署)合同訓練 3,320 2,467 2,693
(出典:平成30年版姫路市消防年報)
イ 各消防署等と消防団の合同訓練等
各消防署と消防団との合同訓練等は、実際の災害時の連携強化を目的とし て実施しており、地域防災力の向上に資するために実施している。
ウ 消防団独自の訓練
消防団独自の訓練は、資器材取り扱い訓練等、消火水防の基本技術を習得 すること及び消防団内部の連携強化のために実施している。
エ 消防署及び消防団に対するアンケート
消防団に期待される任務を鑑みると、上記の訓練には、災害発生時に的確 な消火活動・災害対応を行う備えとして、十分な訓練内容、訓練回数等が必 要と考えられる。また、十分な訓練を実施していたとしても、訓練に参加す る消防団員の人数が少なければ 消火活動・災害対応に関する技術、知識等 を習得した団員数を十分に育成できず、災害発生時の被害を最小限に抑える ことが難しくなる。そこで、各消防署及び各消防分団に対して、消防署と消 防団の合同で実施する訓練(以下「合同訓練」という。)及び消防団独自で 実施する訓練(以下「独自訓練」という。)について、訓練内容等は災害発 生時を想定して十分と考えているか等についてアンケートを実施した。
(ア)消防署に対するアンケート結果
各消防署に対するアンケートを、次の内容で実施した。
消防団と合同で行う訓練について、
① 事前に訓練の計画を策定しているか
② 訓練実施後に課題を把握し整理しているか
③ その課題を次回訓練へ反映させているか
④ 訓練に参加できなかった団員へ、何かフィードバックを実施しているか
⑤ 各分団から訓練に対する意見や要望等があった場合、その内容を整理し、管理 しているか
− 177 −
各消防署の協力により、アンケートは
100%回答を得ることができた。
その結果は次のとおりである。
①については、5消防署すべてが「実施している」との回答である。
②については、1消防署が「把握・整理していない」との回答である。
「整理・把握している」との回答のあった4消防署では、訓練後の課題に ついては、次のような意見があった。
・ 実施日を団員が参加しやすい日曜日にしてほしい。
・ ポンプ操法の放水訓練する場所がない。
・ 各種変更点が周知されていない。
・ 水防訓練に書記担当を配置していなかったので、活動状況の把握、記録が不十 分。
なお、回答のあった4消防署は、③についても、すべて「次回に反映して いる」との回答である。
④については、3消防署でフィードバックされているという回答があり、
その方法としては、次のような記載があった。
・ 新入団員教育訓練等の重要な訓練については、数年をめどに必ず実施しても らう。
・ 年
4
回以上の分団長会議等で各分団長へ声掛け及び一斉メールによる伝達。⑤については、2消防署で「意見や要望がない」という回答があった。
(イ)消防団に対するアンケート結果
消防団
72
分団へアンケートを実施した結果、70分団、全体の97%の分
団から回答があったが、各分団で回答が分かれる結果となった。残念なが ら2分団からは回答がなかったが、アンケート結果を覆すほどの影響はな いものと考える。また、アンケートに不慣れなためか、回答があった
70
分団全てが、全て の項目に回答したわけではないため、項目によっては、57、58 分団のみの 回答となっているものもある。アンケート結果は以下のとおりであり、(a)訓練計画、(b)訓練内容、
(c)訓練不参加者に対するフィードバックの3項目に区分して記載して いる。
(a)訓練計画
「独自訓練について、分団ごとに訓練回数、参加予定人数、訓練内容・
種類等を定めた年間計画を策定していますか」という問いに対し、年間 計画を策定している分団は回答のあった
69
分団中67
分団あり、97%の 分団で訓練計画が策定されている。策定されている計画については、67
分団中
65
分団と97%を超える分団で計画どおりに実施されている。
− 178 −
(b)訓練内容
「合同訓練において、消防団員の参加人数、参加率は消防団員の知識 及び能力の向上の観点から十分であると思いますか」という問いに対し、
「思う」という回答は
67
分団中58
分団あり、86%の分団で合同訓練の 参加人数、参加率は十分であると考えられている。しかし、「思わない」が9分団あり、13%の分団で参加人数、参加率が 不十分と考えられている。
参加人数、参加率に関しては、次のような意見があった。
・ 少人数のため、階級を問わず、できるだけ参加を要請している。
・ 幹部の数人が年に一回基本訓練を受ける程度である。
・ 消防署から参加人数を設定されているが、もう少し参加できるのではないか?
・ 6割程度は参加していただきたい。
・ 日曜日だとそれなりの人数を確保できるが、土曜日だと人が集まらない。出席 率2~3割程度である。
・ 平日だと参加者が減るので、半数以上参加させるために、土日にしてほしい。
また、「合同訓練において、訓練の内容、種類及び回数は火災、自然災 害等が発生した場合の準備として十分であると思いますか」という問い に対し、「思う」という回答は
58
分団中50
分団あり、86%の分団で合同
訓練の内容等は十分であると考えている。しかし、「思わない」が8分団 あり、同じく13%の分団で、訓練内容等が不十分と考えられている。
訓練内容等に関しては、次のような意見があった。
・ 十分な内容、種類、回数をこなしているが、全員が把握できているか疑問
・ 火災等の訓練はほぼない。実際の火災が想定されていない。
・ 年に
1
回しか行わないにも関わらず、時間が1~2時間と短すぎる。・ 2年に
1
回は消防署との連携訓練をしておきたい。・ 足りない道具を確認し、備えておきたい。
・ 訓練内容がマンネリ化で具体性がない。
・ 火災を想定しての訓練も必要だが、もっと自然災害を想定した訓練が必要で ある。
次に、「独自訓練において、消防団員の参加人数、参加率は消防団員の 知識及び能力の向上の観点から十分であると思いますか」という問いに 対し、「思う」という 回答は
57
分団中49
分団あり、85%となっている。
しかし、「思わない」が8分団あり、14%の分団で参加人数、参加率が不 十分と考えられている。
参加人数、参加率に関しては、次のような意見があった。
・ 訓練計画の策定時に、参加人数の多くなる日程を組むため、参加率は
50%か
ら70%である。
・ その結果、年1~2回程度しか実施できていない。
・ 仕事や用事もあるので全員参加は不可能であるが、8割程度の参加を目指し ている。
・ 月当番の班ごとの訓練は参加率が高いが、分団全体となると
50%前後となっ
てしまう。− 179 −
・ 出席率2~3割程度である。
また、「独自訓練において、訓練の内容、種類及び回数は火災、自然災害 等が発生した場合の準備として十分であると思いますか」という問いに 対し、「思う」という回答は
69
分団中55
分団あり、全体の79%となっ
ている。しかし、「思わない」が14
分団あり、20%の分団で、訓練内容 等が不十分と考えられている。訓練内容等に関しては、次のような意見があった。
・ 大勢の団員の能力を維持向上させるには、それなりのコストをかけて回数を 増やすべきである。
・ 操法大会を実施しているため、他よりは多いと思う。
・ 各自主防災会と連携して防災訓練を実施している。
・ ボートを所有していないので、大規模水害の訓練ができない。
・ 火災についての訓練を消防署に協力していただきたい。
・ 水防訓練、水難訓練、救命処置訓練が多く、火災への備えが不足している。
・ 火災、自然災害は発生の規模、形態がさまざまであり、訓練は大切であるが、
慢心してはいけない。
・ 2か月に1回程度、各自主防災会との合同訓練を実施している。
・ 年に二回、川を利用した水上げ、可搬式ポンプ取扱、放水訓練を実施している が、全員の参加を希望する。
・ 消防分団独自で実施しても効果が少なく、消防署、地域住民が合同で行う訓練 を実施すべきである(情報伝達訓練、誘導等訓練)。
・ 放水訓練のみなので、その他の災害が発生した際に消防団としてどのように 対応するかの訓練が必要である。
・ 訓練はできているが、想定外の災害に対しては、どのような対応ができるか不 安である。
(c)訓練不参加者に対するフィードバック
「訓練に参加できなかった団員へ再訓練を行う等訓練内容のフ ィー ドバックをしているかどうか」については、フィードバックを「してい る」という回答は、70 分団中
31
分団(44%)となっている。しかし、「していない」が
39
分団あり、55%と過半数を超える結果となってい る。フィードバックの方法としては、次のようなものが挙げられている。
・ 分団会議、班長会議で訓練内容を説明する。
・ 別の日に訓練の内容、目的を説明している。
・ 役員会、月例点検訓練時に、参加した団員が説明指導する。
・ 次回の会合や訓練の際に口頭または実地訓練を行う。
・ 毎回、実施したことについての話し合いを行い、情報を共有している。
・ 分団作成の実施要項のプリントの配布や、LINEでの内容説明など
・ 月二回実施している定期演習や出動待機時にOJTしている。
(2)監査手続
実施した監査手続は、次のとおりである。
① 実施事業の概要を把握するとともに、関連する法令、条例、規則等を閲
− 180 −