(1)概要
ア 団員の入団・退団について
入団名簿・退団名簿は、各消防団を管轄する各消防署に集約された上で、
消防局総務課に送付される。これに基づいて、団員についての情報が整理さ れ、報酬及び費用弁償の支給の準備がなされる。
なお、団員の募集については、現在積極的な「なり手」が乏しいため、各 団員が地元でのつながりでリクルートする状態が続いている。平成
30
年4 月1日現在の全市の定員の充足率(実員数/定員)は、95.8%となっている。
また、平成
28
年~30 年の各4月1日現在の姫路市の消防団員数の推移は 次のとおりである。<姫路市消防団員数の推移>
消防団名 分団数
(*1)
定員
(*1)
H28.4.1 H29.4.1 H30.4.1
実員
(人) 充足率 実員
(人) 充足率 実員
(人) 充足率 姫 路 東 消 防 団 20 720 691 96.0% 689 95.7% 695 96.5%
姫 路 西 消 防 団 16 557 541 97.1% 541 97.1% 542 97.3%
飾 磨 消 防 団 14 560 532 95.0% 539 96.3% 544 97.1%
網 干 消 防 団 6 259 258 99.6% 259 100.0% 258 99.6%
家 島 町 消 防 団 4 170 161 94.7% 161 94.7% 162 95.3%
夢 前 町 消 防 団 7 560 534 95.4% 532 95.0% 535 95.5%
香 寺 町 消 防 団 3 240 239 99.6% 240 100.0% 237 98.8%
安 富 町 消 防 団 2 160 121 75.6% 121 75.6% 119 74.4%
合計 72 3,226 3,077 95.4% 3,082 95.5% 3,092 95.8%
(平成28年~30年版消防年報を加工)
(*1)分団数及び定員については、平成
28
年4
月1
日から平成30
年4
月1
日の間で変動はない。イ 消防団員の報酬及び費用弁償の支給基準
消防団員の報酬及び費用弁償は、姫路市消防団条例に基づき支給されてい る。支給基準は、次のとおりである。
(ア)団員報酬
団員には、休職にされた場合及び消防団活動の休止をしている場合(姫 路市消防団条例第
12
条第2項・第14
条の2)を除き、報酬が支給される(姫路市消防団条例第
10
条)。平成
29
年度の階級ごとの報酬年額は、次のとおりである。階 級 報酬(年額)
団 長 88,400円 副 団 長 66,200円 分 団 長 44,200円 副分団長 35,400円 部 長 19,800円 班 長 19,800円 団 員 17,600円
(イ)費用弁償
− 166 −
団員が次のいずれかに該当する場合は、費用弁償が支給される(姫路市 消防団条例第
11
条第1項)。・ 水火災に出動し、直接消防業務に従事した場合
・ 市が計画して行う警戒業務に従事した場合
・ 市が計画して行う訓練に参加した場合
・ 地域住民に対する防火防災指導業務に従事した場合
また、費用弁償の額については、予算の範囲内で市長が定めるとしてい る(同条第2項)。平成
29
年度における費用弁償の額は、次のとおりであ る。項 目 費用弁償(1人1回)
水火災出動 3,500円
巡回広報 1,000円
年末警戒業務 2,000円
訓練(出初式・水防訓練等) 1,000円
ウ 消防団員の報酬及び費用弁償の支給状況
(ア)団員報酬
平成
27
年度から平成29
年度の団員報酬の支給状況(決算額)の推移は 次のとおりである。なお、平均団員数及び1
人当たりの平均報酬も合せて 示した。項 目\年 度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 団員報酬(円)(*1) ① 68,593,989 68,561,953 68,763,100 平均団員数(人)(*2) ② 3,089 3,079 3,087 1人当たりの平均報酬(円)①/② 22,206 22,268 22,275
(出典:消防局提供資料)
(*1)予算・決算では(款)消防費(項)消防費(目)非常備消防費(事業区分)団員報酬(節)報酬 として計上される。
(*2)上半期と下半期の団員報酬支払いの対象となった団員数の平均。
(イ)費用弁償
平成
27
年度から平成29
年度の費用弁償の支給状況(決算額)は次のと おりである。(単位:円)
消防団\年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 姫 路 東 消 防 団 5,951,000 5,314,000 7,646,500 姫 路 西 消 防 団 5,641,000 7,169,000 9,091,000
飾 磨 消 防 団 4,404,000 4,964,000 7,946,500
網 干 消 防 団 3,583,000 3,817,000 4,879,500
家 島 町 消 防 団 夢 前 町 消 防 団
1,058,000 2,542,000
1,117,000 3,234,000
2,690,500 3,185,500 香 寺 町 消 防 団 1,935,000 2,253,000 3,491,500 安 富 町 消 防 団 813,000 899,000 955,000 合 計 25,927,000 28,767,000 39,886,000
(*1)予算・決算では(款)消防費(項)消防費(目)非常備消防費(事業区分)分団運 営費(節)旅費として計上される。
− 167 −
平成
29
年度は、支給額が増加しているが(合計額の前年度比138.7%)、
これは主に水火災出動の1人1回当たりの額が
1,000
円(4時間以上2,000
円)から
3,500
円に改定されたことがその原因であると考えられる。エ 消防団員の報酬及び費用弁償の支給方法について
報酬及び費用弁償に関する各分団の団員のデータは、消防局総務課で整理 の上情報システムに入力され、消防団員の個人別の支給用データは各分団に 送付される。
各団員の報酬及び費用弁償は、各分団長が管理している銀行口座に消防局 総務課から入金処理された後、各分団の管理・責任において、分団長から各 団員個人に配分・支給されることになっている。
報酬及び費用弁償は、年2回(半期に一度)支給される。その際、報酬及 び費用弁償を団員が受け取ったという事実確認のために、管理表(「消防団 員報酬・費用弁償支給内訳書」)に団員個人の受領確認済みの押印がされる。
押印済みの「消防団員報酬・費用弁償支給内訳書団員一覧表」は、支給実 績として分団長がまとめて消防局総務課に報告している。
オ 消防団員への報酬の支給状況の検証
消防団員への報酬の支給状況に関し、平成
29
年度の上半期分について、「支出負担行為書兼支出決定書」の承認内容、「個人別支給一覧表」の合計 金額、及び「消防団員報酬・費用弁償個人別内訳リスト」の合計金額が一致 していることを、各書類を突合することにより確認した。
なお、平成
29
年度上半期分の消防団別の報酬支給額は、次のとおりであ る。消防団名 支給対象人数(人) 支給額(円)
姫 路 東 消 防 団 689 6,841,100 姫 路 西 消 防 団 541 5,413,600
飾 磨 消 防 団 539 5,339,500
網 干 消 防 団 259 2,608,800
家 島 町 消 防 団 161 5,502,600 夢 前 町 消 防 団 532 5,043,300 香 寺 町 消 防 団 240 2,356,300 安 富 町 消 防 団 121 1,232,900
合 計 3,082 34,338,100
また、最終的に団員個人への支給がされていることについては、「個人別 支給一覧表」の中から、香寺町消防団香呂分団の消防団員
100
人分をサンプ ルとして、支給実績と受領確認の照合を行った。その結果、平成29
年度の上 半期、下半期とも、支給対象となっていた団員全員分の受領印が押印されて いることを確認した。以上の結果は、団員報酬の支給実績について、団員の受領印が揃っている ということを確認できたにすぎず、団員が実際に消防活動・訓練などに参加
− 168 −
したかどうかという活動実態(全ての登録されている団員が、消防団の活動 に従事したかどうか)について確証を得たものではない。
カ 団員等公務災害補償費・団員等公務災害補償等共済基金負担金
消防団員の人事に関連する経費としては、団員等公務災害補償費・団員等 公務災害補償等共済基金負担金も支出されている。
なお、団員等公務災害補償費については、ほぼ同額が毎年度「団員等公務 災害補償費交付金」として消防団員等公務災害補償等責任共済から姫路市に 支払われている。
団員等公務災害補償等共済基金負担金は、損害補償及び退職報償金の掛金
(消防職員の共済費に相当)であり、支出額は次のように算出されている。
・損害補償掛金
消防団員:単価(平成
29
年度は1,900
円)×消防団員定員数 消防作業従事者:単価(平成29
年度は2円)×姫路市の人口 水防従事者:単価(平成29
年度は1円50
銭)×姫路市の人口・退職報償金掛金:
単価(平成
29
年度は19,200
円)×消防団員定員数平成
27
年度から平成29
年度のこれらの支出状況(決算額)は次のとおり である。(単位:円)
項 目\年 度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 団員等公務災害補償費(*1) 4,359,130 4,438,470 5,139,424
(参考)団員等公務災害補償費交付金(*2) 4,356,400 4,431,650 5,126,925 団員等公務災害補償等共済基金負担金(*3) 69,945,545 69,943,924 69,943,424
(出典:消防局提供資料)
(*1)予算・決算では(款)消防費(項)消防費(目)非常備消防費(事業区分)団員等公務災害補償 費(節)災害補償費・恩給及び退職年金として計上される。
(*2)予算・決算では(款)諸収入(項)雑入(目)雑入(節)非常備消防交付金として計上される。
(*3)予算・決算では(款)消防費(項)消防費(目)非常備消防費(事業区分)消防団員等公務災害 補償等共済基金負担金(節)負担金補助及び交付金として計上される。
キ 消防団員等福祉共済等について
消防団員等福祉共済制度とは、被共済者である消防団員等が死亡し、また 障害と認定された場合等に共済金を給付するほか、消防団員等の福祉を増進 し、福利厚生を図ることを目的とした、総合的な共済制度である。
共済掛金は、当初加入の場合は一人当たり年額
3,000
円、追加加入の場合 は一人当たり年額1,500
円である。姫路市消防局は、毎年度、消防団員約3,100
人程度について共済掛金を支出している。この共済掛金については、一人当たりの年間額に団員数を乗じた額の一定 割合が返戻され、決算額においては、当該戻入額が控除された額で共済掛金 支出額が計上されている。平成
27
年度から平成29
年度までの期間について は、毎年いったん支出した共済掛金総額の6.4%分の戻入を受けている。
なお、平成
27
年度から平成29
年度までの共済掛金の支出額(決算額)は− 169 −
次のとおりである。
年度 共済掛金支出額(円)
(*1) 支出額の計算過程
H27 8,679,528
3,094
人分(当初3,088
人・追加6
人)@3,000×3,088
人+@1,500×6人=9,273,000円 戻入額(6.4%)593,472円を控除H28 8,640,216
3,077
人分(当初3,077
人)@3,000
円×3,077人=9,231,000
円 戻入額(6.4%)590,784円を控除H29 8,669,700
3,093
人分(当初3,082
人・追加11
人)@3,000
円×3,082人+@1,500
円×11人=9,262,500円 戻入額(6.4%)592,800円を控除(出典:消防局提供資料)
(*1)予算・決算では(款)消防費(項)消防費(目)非常備消防費(事業区分)団本部運営費(節)
役務費として計上される。
(2)監査手続
実施した監査手続は、次のとおりである。
① 消防団員の報酬、費用弁償等の概要を把握するとともに、関連する法令、
条例、規則等を閲覧し、内容の検討を実施した。
② 消防団員の報酬、費用弁償等に係る詳細な資料を入手して閲覧・検討・
分析等を行い、必要に応じて担当者への質問を実施した。
(3)監査結果及び意見 ア 監査結果
(ア)消防団員福祉増進事業で配布された物品について
公益財団法人兵庫県消防協会(以下「県消防協会」)が、消防団員等福祉 共済制度の一環として実施している消防団への福祉増進事業として、加入 者である消防団員の健康増進等を目的とした健康増進器具等の物品等((ア)
において「物品」という。)が配布される事業がある。
配布に際しては、消防局あてに送付されるカタログから物品を選択し、
県消防協会に申請の上、物品はカタログの取扱い先の業者(トレハクラブ)
から直接納品される。
「平成
29
年度消防団員福祉共済制度福祉増進事業申請書」等を閲覧し たところ、平成29
年度においては、姫路市の消防団分として10
品目、253,070
円相当(別途送料16,960
円)の物品の配布が申請されている(なお、受託町分を含めると、17品目、404,170 円相当(別途送料
25,680
円)の物品の配布を申請している)。
この事業に係る物品についての本来の処理の流れは、次のようなもので ある。
① 姫路市消防局は、適切な権限者の決裁を経た上で、カタログから物 品を選択し、県消防協会に物品の配布の申請を行う。
− 170 −