(1)概要
ア 公有財産について
地方自治法(昭和
22
年法律第67
号)における「財産」とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいうとされている(地方自治法第
237
条第1項)。また、公有財産とは、地方公共団体の所有に属する財産のうち、次に掲げる もの(基金に属するものを除く)をいうとされている(同第
238
条第1項)。① 不動産
② 船舶、浮標、浮桟橋及び浮ドック並びに航空機
③ ①及び②の従物
④ 地上権、地役権、鉱業権その他これらに準ずる権利
⑤ 特許権、著作権、商標権、実用新案権その他これらに準ずる権利
⑥ 株式、社債、地方債及び国債その他これらに準ずる権利
⑦ 出資による権利
⑧ 財産の信託の受益権
公有財産は、行政財産と普通財産とに分類される(同第
238
条第3項)。行 政財産とは、行政の用(公用又は公共の用)に供し、又は供すると決定した 公有財産であり(同条第4項)、そのうち、地方公共団体の公務に直接供され るものが公用財産であり、一般住民の用に供されるものが公共用財産である。地方公共団体の庁舎は、公用財産の典型例である。道路(県道、市町村道)や、
公立学校などの敷地と建物等は、公共用財産の典型例である。これに対し、
普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう(同条第4項)。すなわ ち、行政の用に供していない公有財産である。
イ 公有財産に関する事務処理について
姫路市における公有財産の取得、管理、処分等については「姫路市公有財 産規則」(昭和
39
年規則第28
号)が適用される。姫路市における公有財産は、同規則第2条第2項第1号において、「市にお いて公用に供し、又は供することと決定した財産をいう。」とされている。
姫路市では、公有財産を含む行政財産の所属については、行政財産を使用 し、又は事業の用に供する課に所属させるとしている(同規則第5条)。
ただし、2以上の課において使用し、又は事業の用に供する行政財産のう ち、統一的に管理する必要があるものについては、市長がその所属を定める としている(同条ただし書)。そして、公有財産の取得及び維持管理に関して は、公有財産の所属する課の課長が事務を処理するとしている(同規則第6 条第2項)。常備消防に係る行政財産のうち不動産(無線基地局を除く)及び その従物並びに浮桟橋に関する事務は、消防局総務課が所掌しているため、
これらについては総務課長が取得及び維持管理の事務にあたることになる。
なお、不動産のうち無線基地局については情報指令課が事務を所掌している。
− 40 −
船舶については、排水量
20
トン以上のものを公有財産、20 トン未満の船舶 については備品として扱い、消防・救急課が事務を所掌している。なお、姫路市が、公用又は公共用に供する目的で借受けている不動産につ いては、姫路市公有財産規則による行政財産の管理の例により管理すること になっている(同規則第4条)。
また、課長は、公有財産取扱主任を置き、その所属に係る公有財産に関す る事務を取り扱わせることとされている(同規則第7条1項)。公有財産取扱 主任は、課の庶務を担当する係長又は課長補佐が充てられる(同条2項)。
公有財産取扱主任は、公有財産の維持、保存及び運用に関して、特に次に掲 げる事項について注意しなければならないとされており、これらの事項につ いて異状があったときは、直ちにその旨を課長等に報告し、その指示に従い 措置しなければならないとされている(同規則第
21
条)。① 土地は、不法に占拠され、又は境界が不明になっていないかどうか。
② 建物は、不法に占拠され、又は滅失若しくは損傷がないかどうか。
③ 電気、ガス、給排水等の施設は完全であるかどうか。
④ 使用許可に係る行政財産の使用状況は適正であるかどうか。
⑤ 公有財産台帳の記載事項は適正であるかどうか。また、現況と一致しているかど うか。
公有財産については、総務局管財課長が公有財産台帳を調製して、必要事 項を記載し、変動の都度の整理を行うこととされている(同規則第
39
条第1
項)。なお、現在は公有財産管理システムが稼働しており、公有財産台帳は電 子媒体に記録されている(同条第2項)。また、公有財産の所属する課の課長等は、その所属に係る公有財産につい て、調製された公有財産台帳と同一内容の記録を保存するとともに(同条第 3項)、公有財産の権利の得喪変更が確定した場合には証拠書類により公有 財産台帳の記録内容を確定し、管財課長に通知をすることとされている(同 規則第
43
条)。ウ 常備消防に係る公有財産について
(ア)平成 29 年度末現在の状況
公有財産台帳等によれば、平成
29
年度末現在の常備消防に係る公有財 産のうち、不動産(無線基地局を除く)及びその従物(工作物)並びに浮 桟橋は次のとおりである。なお、これらの財産は、すべて市の所有する財産であり、市が公用又は 公共用に供する目的で借受けているものはない。
− 41 −
<常備消防に係る公有財産> (平成29年度末現在)
名称 土地
(筆)
施設(建物・工作物)
建物(棟)
工作物 庁舎 附属棟、 (件)
増築棟 ほか 倉庫 その他
防災センター(消防局) 2 1 - - - 1
姫路東消防署(本署) 1 1 1(附属棟) 1 - 16
姫路東消防署御国野出張所 2 1 - - - 7
姫路東消防署豊富出張所 2 2 1(救急消毒室) 1 - 7
姫路東消防署飾東出張所 3 1 - - - 7
姫路東消防署増位出張所 1 1 - - - 7
姫路西消防署(本署) 3 1 1(増築棟) 1 - 20
姫路西消防署飾西出張所 1 1 - - - 9
姫路西消防署林田出張所 3 1 - - - -
飾磨消防署(本署) 2 1 1(増築棟) - - 13
飾磨消防署白浜分署 1 1 - 1 1(発電機棟) 4
飾磨消防署広畑分署 1 2 - 1 - 13
飾磨消防署大的出張所 1 1 - - - 6
網干消防署(本署) 1 1 - 1 - 17
網干消防署勝原出張所 1 1 - - - 9
中播消防署夢前出張所 2 1 - - - -
中播消防署香寺出張所 1 1 - - - -
消防訓練施設 4 - - 1 3(訓練施設) -
消防車庫兼倉庫用地
(夢前町糸田) 1 - - - - -
消防防災活動拠点用地
(飾磨区須加) 1 - - - - -
すがの水防庫用地
(夢前町菅生澗) 1 - - - - -
消防艇係留用浮桟橋
(飾磨区須加) - - - - - 1
(浮桟橋)
救急艇係留用浮桟橋
(家島町宮) - - - - - 1
(浮桟橋)
救急艇係留用浮桟橋
(家島町坊勢) - - - - - 1
(浮桟橋)
これらの財産は、公有財産台帳上は、すべて公用財産に分類されている。
ただし、防災センターの建物については、全体が一つの建物として台帳に 登録されているため、台帳上は1件の公用財産となっているが、そのうち ひめじ防災プラザに係る部分は、ひめじ防災プラザが公の施設である(本 節5を参照)ということからすれば、公共用財産であるといえる。いずれ にせよ、平成
29
年度末の消防局の常備消防に係る財産のうち不動産(無線 基地局を除く)とその従物(工作物)及び浮桟橋はすべて行政財産であり、普通財産はない。
(イ)平成 29 年度中の異動状況
平成
29
年度中の常備消防に係る財産のうち、不動産(無線基地局を除 く)とその従物(工作物)の異動の状況は、次のとおりである。財産の区分 財産の名称 異動の区分
建 物 姫路西消防署飾西出張所(新) 庁舎 新 設
− 42 −
建 物 飾磨消防署 増築棟 増 築
飾磨消防署 水防倉庫 撤 去
工作物 姫路消防署飾西出張所(旧) 囲障(ブロック塀) 撤 去
飾磨消防署 救助訓練設備等 撤 去
(ウ)公有財産の登記について
消防局によれば、消防局の各課に所属する常備消防に係る公有財産の登 記については、姫路市公有財産規則第
37
条の規定に従い、次のとおり取り 扱われている。① 姫路市の公有財産である土地については、登記を行っている。
② 姫路市の公有財産である建物については、同規則第
37
条ただし書 きの規定に従い、借地等の姫路市以外のものが所有する土地の上に、姫路市が建物を建設した場合は不動産登記をしているものの、姫路市 所有の土地に建設した建物の場合については登記を行っていない。
不動産登記法(平成
16
年法律第123
号)は、不動産の表示の登記につい ては、所有者等に登記申請を義務付けている(同法第47
条等)。しかし、国又は地方公共団体が所有する土地又は建物についての表示に関する登記 の申請義務については、当分の間これを免除するという従前の取扱いを継 続することとしている(同法附則第9条、不動産登記法の一部を改正する 等の法律(昭和
35
年法律第14
号)附則第5条第1項)。したがって、姫路市公有財産規則における「公有財産である土地に公有 財産である建物を新築又は増築により取得したときは、この限りでない。」
という規定(同規則第
37
条ただし書き)に従い、上記のような取扱いとな っていても差し支えないと考えられる。エ.行政財産の目的外使用許可
(ア)行政財産の目的外使用許可の概要
行政財産は、公用又は公共の用に供されている以上、その用途を妨げる こととなる行為は許されない。そこで、行政財産を貸し付け、交換し、売 り払い、譲与し、出資の目的とし、若しくは信託し、又はこれに私権を設 定することができないのが原則であるとされており(地方自治法第
238
条 の4第1項)、これに違反する行為は、無効とされる(同条第6項)。しかしながら、行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において その使用を許可することができる(同条第7項)。これは、目的外使用許可 と呼ばれている。
姫路市における行政財産の目的外使用は、使用の申し出を受けた場合に おいて、やむを得ないと認めるときは、申請人に行政財産使用許可申請書 を提出させ、許可しようとするときは、市長の決裁を受け、行政財産使用 許可書により行うとされている(姫路市公有財産規則第
23
条)。− 43 −