• 検索結果がありません。

水柱崩壊による衝撃応答の評価

ドキュメント内 著者別表示 Watanabe Takashi (ページ 116-123)

5.3 水柱崩壊問題における動水圧評価

5.3.3 水柱崩壊による衝撃応答の評価

水柱崩壊問題のSPH解析結果より衝撃圧時刻歴をまとめ Kleefsmanらの実験結果と比較 したものを図-5.19から図-5.22に示す.また,参考としてKleefsmanらがVOF法ベース の手法を用いて行った数値解析結果も重ねて示す.実験と解析は概ね一致しているが,P3 計測点のピークを捉えることができていないこと,および解析の後半の流れが実験と比べ て遅れていることが分かる.なお,圧力のピークが小さいことについては算術平均による 影響が考えられる.Kleefsman らの解析結果も概ね同じ傾向にあるが,圧力が不安定にな っている時間断面があることと,SPH 法による解析に比べて流れの遅れが小さいことが確 認できる.流れの遅れについては図-5.23と図-5.24に示す液面高さの時刻歴からも確認 できる.2.5秒経過時にはすでに生じており,1秒から2.5秒経過時にかけて見られる,壁 面に沿って舞い上がった流体が後続流体と混合する複雑な流れによって生じていると考え られる.この遅れは数値粘性を小さくすることで改善する傾向にあることを確認している が,計算時間の観点から小さく設定することができなかった.

図-5.19 水柱崩壊による衝撃圧の時刻歴(P1計測点)

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[Pa]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

Experiment P1 Kleefsman P1 Present P1

図-5.20 水柱崩壊による衝撃圧の時刻歴(P3計測点)

図-5.21 水柱崩壊による衝撃圧の時刻歴(P5計測点)

図-5.22 水柱崩壊による衝撃圧の時刻歴(P7計測点)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[Pa]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

Experiment P3 Kleefsman P3 Present P3

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[Pa]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

Experiment P5 Kleefsman P5 Present P5

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[Pa]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

Experiment P7 Kleefsman P7 Present P7

図-5.23 水柱崩壊による液面高さの時刻歴(H2計測点)

図-5.24 水柱崩壊による液面高さの時刻歴(H4計測点)

SPH 解析結果より,0.5秒から 4.0秒経過時までの圧力分布の履歴を図-5.25 から図-

5.32に,速度分布の履歴を図-5.33から図-5.40に示す.それぞれ,モデル全体および中 央鉛直断面の鳥瞰図を示し,圧力と速度の大きさを青から赤までの20段階の色変化で表し た.圧力分布はどの時間断面も斑の小さい結果が得られており,安定した計算が行えてい ることが確認できる.衝撃的な波圧の作用は,はじめに障害物と衝突するときのみであり,

以降は液面高さにほぼ比例する動的影響の小さい圧力分布となっている.

なお,解析結果より流体が障害物に衝突する直前の速度は4.0m/s程度であった.この流 体速度をモリソン式の第1項に適用し,荷重でなく障害物前面での平均圧力を算出すると

値を1.0として約8000Paとなる.流体加速度は正確には分からないがあまり大きくなく,

モリソン式の第2項の影響は小さいと考えられる.実験の測定値よりP1とP3の平均値を 障害物前面の平均圧力と考えると8800Pa程度であり,モリソン式は最大波力を良く評価で きていると考えられる.

0 0.1 0.2 0.3 0.4

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[m]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

Experiment H2 Kleefsman H2 Present H2

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6

[m]

時刻 時刻時刻 時刻[s]

Experiment H4 Kleefsman H4 Present H4

解析結果の速度分布の履歴からは,障害物があることによる 3 次元的な流れの様子を良 く確認でき,1秒から2秒にかけて障害物近傍で複雑な混合が生じていることが分かる.前 述のとおり,後半の時間断面の流れは実現象より遅れており,複雑で激しい流動の生じる 問題における今後の課題と考えている.

図-5.25 水中崩壊問題の圧力分布履歴(0.5秒経過時)

図-5.26 水中崩壊問題の圧力分布履歴(1.0秒経過時)

図-5.27 水中崩壊問題の圧力分布履歴(1.5秒経過時)

図-5.28 水中崩壊問題の圧力分布履歴(2.0秒経過時)

図-5.29 水中崩壊問題の圧力分布履歴(2.5秒経過時)

図-5.30 水中崩壊問題の圧力分布履歴(3.0秒経過時)

図-5.31 水中崩壊問題の圧力分布履歴(3.5秒経過時)

図-5.32 水中崩壊問題の圧力分布履歴(4.0秒経過時)

図-5.33 水中崩壊問題の速度分布履歴(0.5秒経過時)

図-5.34 水中崩壊問題の速度分布履歴(1.0秒経過時)

図-5.35 水中崩壊問題の速度分布履歴(1.5秒経過時)

図-5.36 水中崩壊問題の速度分布履歴(2.0秒経過時)

図-5.37 水中崩壊問題の速度分布履歴(2.5秒経過時)

図-5.38 水中崩壊問題の速度分布履歴(3.0秒経過時)

図-5.39 水中崩壊問題の速度分布履歴(3.5秒経過時)

図-5.40 水中崩壊問題の速度分布履歴(4.0秒経過時)

ドキュメント内 著者別表示 Watanabe Takashi (ページ 116-123)