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ランダム配置の粒子配置作成法

ドキュメント内 著者別表示 Watanabe Takashi (ページ 169-172)

A.2 粒子モデルの生成手法

A.2.3 ランダム配置の粒子配置作成法

ランダム配置の初期粒子配置を決定するパッキング手法については,代表的なものが伯

野ら6),7)によってまとめられている.表-A.1 に代表的なパッキング手法をまとめた.本研

究では重力式の落下法を基本的に用いており,初期配置の作成時間を短縮するために棄却 法や成長法を併用した.本項でこれらの手法を用いたパッキング方法について簡単に説明 する.

表-A.1 代表的なパッキング手法

棄却法

乱数より決定した位置に粒子を生成し,他の粒子や定義境界との接触が 生じていた場合には棄却することで粒子配置を作成する手法.

局所移動法

格子点に粒子を生成し,一定範囲内で粒子を動かすことで初期配置を作 成する手法.

落下法

生成した粒子に重力をかけること間隙を最小化していく手法.重力場に おける通常の解析を実行する.

成長法

生成した粒子 の粒径を他の粒子と接触 するまで大きくしていく ことで 間隙を埋める手法.

パッキング前に生じている粒子間の隙間を最も効果的に埋めることができる手法は落下 法であり,ランダム配置の初期粒子配置作成においてよく用いられている.しかし,重力 場における粒子運動を実際の解析と同様に行う必要があり,データの作成時間が長くなる 点が問題として挙げられる.従って,落下法による計算を実行する前に,他の手法によっ てある程度の間隙を埋めておくことが効果的である.ここでは,本研究において用いた棄 却法による任意形状のパッキングモデル作成法について述べる.

棄却法は乱数を用いて生成する粒子座標を決定し,他の粒子や形状を定義する境界面と の重なりが生じた際には棄却を行う手法である.接触判定が必要となるため計算負荷を抑 制する工夫が必要なアルゴリズムである.また,乱数による粒子配置は生成済みの粒子数 が増えるほど困難となるため,多粒径のランダム・パッキング計算では大径粒子から順に 配置する.

接触判定の省力化方法としては,粒子間については前節で説明したバケット法を用いる ことで対応可能である.ただし,棄却法では徐々に粒子数が増加するため,分布数え上げ のバケットソート法は採用できず,リンクリスト法を使用する必要がある.また,形状を 定義する境界との接触判定は負荷が大きいため,最後にまとめて 1 回のみ実行することで 省力化する.そのため,実際の境界面より少し大きい領域に粒子群を生成する必要があり,

棄却法で無駄な粒子を生成を抑制するために以下の手順を取る.

1. 作成するデータの粒度分布に応じて適切な格子幅のバケット配列を作成する.

2. 定義境界に対してバケット中心座標の内外判定を実行することで有効バケットを抽出.

3. 有効バケット内にのみ棄却法で大径粒子から順に追加出来なくなるまで充填する.

4. 生成済みの粒子座標の内外判定を実行して境界の外側の粒子を削除する.

5. 任意のオフセットを考慮し定義境界と粒子の接触判定を実行して粒子配置を完了する.

図-A.7 棄却法による任意形状のランダム・パッキング例

棄却法によって作成されるパッキングデータは間隙が大きいため,成長法を併用するこ とで間隙を縮小することを伯野らは提案している.接触判定の段階で間隙の大きさを取得 しておけば成長法による粒子径修正処理に利用が可能である.最後に落下法によって間隙 を解消し,必要に応じて追加のパッキング処理を実行し,または不要部分の削除を実行す ることで初期配置データを完成させる.

【参考文献】

1) 土木学会:構造工学シリーズ22 防災・安全対策技術者のための衝撃作用を受ける土木

構造物の性能設計,2013

2) 粉体工学会:粉体シミュレーション入門,産業図書,1998

3) Belytschko, T. and Lin, J.I.:Three-dimensional impact penetration algorithm with erosion, Computers & Structures, 25, pp.95-104, 1987

4) 酒井 幹夫:粉体の数値シミュレーション,丸善,2012

5) 谷口健男,森脇清明:3次元FEMのための自動要素分割法,森北出版,2006

6) 伯野 元彦,平尾 寿雄:粒状体のランダム・パッキングに関する一つの試み,土木学

会論文報告集,第218号,pp.55-63,1973

7) 伯野 元彦:破壊のシミュレーション,森北出版,1997

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