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スロッシング固有周期の確認解析

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5.2 矩形タンクのスロッシング解析

5.2.2 スロッシング固有周期の確認解析

本研究では,実際の地震波を入力する前の検討として固有周期の確認解析を予め行った.

固有周期は,スロッシング解析を実施して任意位置の波高応答のフーリエスペクトルを作 成し,卓越周期を確認することで行った.固有周期確認解析に用いる入力波形としては,

理論上の固有周期を含む振動数域で一様な振幅を持つ変位波形が好ましい.本研究では2Hz までの振動数域で一定の大きさを持つ変位スペクトルを仮定し,位相を乱数で与えて逆フ ーリエ変換による微小変位波形を作成し,これを入力波として壁境界に変位入力した.図

-5.3に入力変位波形,図-5.4に入力変位波形のフーリエスペクトルを示す.

本解析で得られる結果より確認できることは,定点の液面変動時刻歴をフーリエ変換す ることで得られる卓越周期であり,これを速度ポテンシャルに基づく理論解と比較する.

図-5.3 固有周期確認解析の入力変位波形

図-5.4 固有周期確認解析の入力変位波形のフーリエスペクトル

一般に矩形タンクのスロッシング固有振動数は次式で計算できる9)

= tanh (5.2)

ここで, は容器幅であり は液位, は波数でありモード次数を として = / と定義さ れる.実験水槽の固有振動数は1次で0.557Hz,2次で0.872Hz,3次で1.08Hzであり全 て2Hz以下の範囲に収まっていることが確認できる.

固有周期の確認解析は地震加速度を入力条件とする本解析より粗い分解能で実施した.

これはフーリエスペクトルを算出するため,解析結果を出力する時間断面を細かくする関 係上,ファイルサイズを抑制するためであり,計算精度の観点からは十分な粒子分解能を 与えている.表-5.1に解析条件を示す.また,図-5.5に側壁から0.05m位置とタンク中 央位置における波高の時刻歴を示す.側壁から 0.05m位置では,図-5.2 に示したように 実験で液位が測定されている.波高の算出については飛沫の影響を除くべきであるが,こ の解析条件においては問題となる飛沫は生じなかったため,計測位置から左右に初期粒子 間距離分の幅を考慮し,最大高さ粒子のZ座標から基準液位を差し引いて波高とした.

図-5.6 に側壁から 0.05m位置の波高時刻歴をフーリエ変換して得たフーリエスペクト ル,図-5.7にタンク中央位置の波高時刻歴のフーリエスペクトルを示す.それぞれのフー リエスペクトルからは卓越振動数がそれぞれ3~4点ほど確認でき,側壁の近くで奇数次数

-0.01 -0.008 -0.006 -0.004 -0.002 0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01

0 5 10 15 20 25 30 35 40

[m]

時刻 時刻 時刻 時刻[s]

0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01

0 1 2 3 4 5

振動数 振動数振動数 振動数[Hz]

モード,タンク中央位置で偶数次数モードの卓越が認められる.また,タンク中央点の応 答は壁面近傍に比べて小さく,矩形タンクの 1 方向加振では偶数次数モードは殆ど励起さ れないことが確認できる.奇数次数モードの液面変動は中央部で 0 となるため,中央部以 外では奇数次数モードに隠されることで確認できない偶数次数モードが中央部に現れたと 考えられる.それぞれの逆数より卓越周期を理論上の固有周期と比較し,表-5.2に固有周 期の理論解とSPH解との比較を示す.解析結果より,7次までの固有周期については2次 と6次を除き,理論解との誤差は1%程度に収まっており,波高応答が小さいため確認の難 しい2次と6次についてもある程度一致していることを確認した.

表-5.1 固有周期確認の解析条件

図-5.5 固有周期確認解析における側壁から0.05mおよび中央位置の波高時刻歴

図-5.6 側壁から0.05m位置の波高時刻歴のフーリエスペクトル

初期粒子間距離 0 .0 1 [m ]

初期時間増分 1 . 0 e - 3 [s]

流体密度 1 0 0 0 . 0 [kg/ m

3

] 流体粘度 0 .0 0 1 [Pa・ s]

重力加速度

9 . 8 0 6 6 5 [m / s

2

]

影響半径 0 .0 3 [m ]

-0.05 -0.04 -0.03 -0.02 -0.01 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05

0 5 10 15 20 25 30 35 40

[m]

時刻 時刻時刻 時刻[s]

壁から0.05m タンク中央点

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

0 1 2 3 4 5

振動数 振動数 振動数 振動数[Hz]

図-5.7 タンク中央位置の波高時刻歴のフーリエスペクトル

表-5.2 固有周期の理論解と SPH 解析結果の比較

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