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第4章 支援システム構想検討

4.3 母機搭載方式

図 4.3-6 超音速機、吊り下げ式(翼下)

図 4.3-7 超音速機、吊り下げ式(胴体下)

亜音速機の背負い式、吊り下げ式(翼下、胴体下)については、ペガサスが胴体下吊り下げ 式であることはいうまでもなく、B-747 シャトル輸送機(背負い式)、B-747 エンジン輸送機

(翼下吊り下げ式)の例からして、どの方式も技術的な成立性には問題がないと考えられる。

また、民間機を利用できる点で国内での実現性は高い。

亜音速機の母機内収納式の例としては、実験段階のものではあるが、C-17 輸送機を使用した、

AirLaunch LLC 社の QuickReach が挙げられる(図 4.3-4)。この形態の場合、母機内部に搭載 できるため母機の大きな改修や耐空審査が不要、ロケットや衛星の環境条件が緩和されるとい ったメリットがあるが、機体を航空機の後方に押出して落下させた後、垂直発射を行うことと なるため、パラシュートによるロケットの起立、航法系のアライメントを取る方法など大きな 技術課題が残る。また、軍用の輸送機を使用したものであることから、民間機である B-747 に 比べて、日本で実施するには、現状ではハードルが高いと考えられる。

超音速機についても、現状、国内で保有するものは防衛用の戦闘機に限られる。従って、母 機入手性に難があることは輸送機と同様である。ただし、航空機で超音速まで加速し、かつ発 射時の高度も亜音速機に比べて高く取れること、さらにはズームフライトによりロケット発射 時に最適な経路角を取ることができ、小型衛星打ち上げではロケットも小型で最高の性能を発 揮できるといった大きな利点を有する。

以上より、国内を前提とした空中発射システムの開発ステップとしては、まずは民間の亜音 速機を使用した空中発射システムを確立した上で、超音速機を利用した空中発射システムを目 指す、といった2ステップでの開発を検討していくことが望ましいと考えられる。

(3) ロケットの発射母機搭載構想

以上を踏まえ、空中発射システムの検討ベースラインとした以下3ケースの母機搭載方式を 検討した。

・ケース A : 亜音速機+全備 9t 級ロケット

・ケース B : 超音速機+全備 9t 級ロケット

・ケース C : 亜音速機+全備 50t 級ロケット

発射母機については国内に存在する航空機を前提とし、亜音速機としては B-747、超音速機 としては F-15 を想定した。表 4.3-1 に B-747、F-15 をベースとした母機搭載方式の特性比較 を示す。

これより、全備 50 トン級のロケットを搭載するには、B-747 での背負い式が現実的である。

全備 9 トン級については、B-747 の場合はどの方式も可能である。一方、F-15 への搭載は背負 い式となる。

以上より設定した、ロケットの母機搭載図を図 4.3-8 に示す。なお、今回検討した全備 9t 級ロケット(全長約 15m)の F-15 背負い式搭載の場合、ロケットの全長が長いために、F-15 のキャノピーを避けて搭載すると 1 段モータ下部が航空機から後方に 4m 程度突き出す形態と なる。参考に、より大型の戦闘機である Mig-31 への搭載図を示したが、この場合には後端か

らの突き出しはない。ロケットの径をベースラインのφ0.85m からφ1.0m に拡大することで、

ロケット全長は約 11m となり、F-15 の場合でも後端への突き出しを抑えることができる。将来 的に超音速機へのロケット搭載を視野に入れるためには、このように、開発当初からロケット 側の全長制約についても考慮しておく必要があろう。

いずれにしても、実際の開発にあたっては、詳細な航空機情報が必要であり、母機搭載時の 空力干渉、ロケット/航空機の必要クリアランス、航空機の必要改修規模等を調査した上で、

最適な母機搭載方法を選定する必要がある。

スペースシャトルアトランティス輸送中の B-747 シャトル輸送機

シャトル滑空試験(B-747 母機からエンタープライズ離脱)

B-747 シャトル輸送機の三面図

図 4.3-1 亜音速機 背負い式の例 B-747 シャトル輸送機

搭載質量:約 70ton

(エンタープライズ)

図 4.3-2 亜音速機 吊り下げ式(翼下)の例

(B-747、エンジン輸送用パイロン装置特殊装備機体による)

図 4.3-3 亜音速機 吊り下げ式(胴体下)の例

(ロッキード L-1011+ペガサス)

搭載質量:約 20ton

(CF-6 エンジン)

搭載質量:約 23ton

(ペガサス XL)

QuickReach 輸送中の C-17 内部 QuickReach 落下試験

図 4.3-4 亜音速機 母機内収納式の例

(C-17 輸送機、AirLaunch LLC 社 QuickReach)