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2018年3⽉期通期の業績は、営業収益53,635百万円(前期⽐17.0%増)、⾦融費⽤控除後営業収益49,155百万円(同17.4%

増)、営業利益相当額9,302百万円(同630.1%増)、税引前当期利益8,631百万円(同705.9%増)、親会社の所有者に帰 属する当期利益6,730百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期利益298百万円)となった。

セグメント別の状況は以下の通りとなった。⽇本セグメントおよび⽶国セグメントが増収増益となった。⽇本セグメント は新基幹システムへの移⾏完了によって費⽤が減少し、収益増加が利益増加に結び付きやすくなった。その状況下で個⼈

の株式等売買代⾦が増加し、増収増益となった。また、営業活動⽬的で保有する有価証券の売却益が増益に寄与した。⽶

国セグメントは、⼿数料引き下げ実施による稼働⼝座数の増加、それに伴う預かり資産の増加などによって、増収増益と なり、継続的に利益を計上できる体制になった。

⽇本セグメント

営業収益は33,976百万円(前期⽐18.1%増)となった。株式等売買代⾦の増加に伴い株式委託⼿数料が増加し、取引管理

⼿法の⾒直しによって、株券貸借収⽀が改善した。また、営業活動⽬的で保有する有価証券の売却益2,772百万円を計上 したほか、その他の営業収益として、証券基幹システム「GALAXY」の他社へのライセンス供与による収益610百万円を 計上した。内訳として、受⼊⼿数料は16,968百万円(同11.1%増)、トレーディング損益は3,865百万円(同14.1%減)、

⾦融収益は12,412百万円(同41.0%増)、⾦融費⽤は2,177百万円(同4.5%増)、⾦融収⽀は10,235百万円(同52.3%増)、

その他の営業収益は732百万円(同253.6%増)となった。

⾦融費⽤及び売上原価控除後営業収益は31,799百万円(同19.1%増)、営業利益相当額は8,365百万円(同409.4%増)、

税引前四半期利益は8,580百万円(同385.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,710百万円(同468.7%増)と なった。利益⾯では増収に加え、新基幹システムへの移⾏完了によってシステム関連費⽤が減少し、⼤幅な増益となった。

受⼊⼿数料

⽇本セグメントにおいて、受⼊⼿数料は16,968百万円(前期⽐11.1%増)となった。株式・ETFの委託⼿数料が13,732百 万円(同13.3%増)と受⼊⼿数料増加の主要因となった。平均株式委託⼿数料率は低下したが、市場における株式等の個

⼈売買代⾦が増加し、個⼈売買代⾦に占めるマネックス証券のシェアが上昇したことから、受⼊⼿数料が増加した。

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LAST UPDATE: 2019.02.18 Research Coverage Report by Shared Research Inc. | www.sharedresearch.jp

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Coverage

東京、名古屋⼆市場の株式等の1営業⽇平均個⼈売買代⾦は1兆2,950億円(同19.6%増)となった。マネックス証券の株 式等の個⼈売買代⾦に占めるシェアは5.3%(同0.2ポイントの上昇)となり、1営業⽇平均委託売買代⾦は684億円(同 25.9%増)となった。⼀⽅、平均株式委託⼿数料率は0.083%(前期⽐で0.009ポイントの低下)となった。平均株式委託

⼿数料率の低下は、信⽤取引の⼿数料を引き下げたこと、相対的に委託⼿数料率の低い「トレードステーション」経由の シェアが上昇したことなどによる。マネックス証券は2017年11⽉に「取引毎⼿数料コース」における信⽤取引⼿数料に ついて、約定代⾦10万円以下の⼿数料を100円から95円に、約定代⾦50万円以下の⼿数料を450円から190円に、約定代

⾦100万円以下の⼿数料を1,500円から355円に、約定代⾦200万円以下の⼿数料を3,000円から800円に引き下げた。SR社 ではこの⼿数料引き下げによって、「取引毎⼿数料コース」における信⽤取引⼿数料の委託⼿数料率は従来の0.12%から 0.05%に低下したと試算している。

トレーディング損益

トレーディング損益は3,865百万円(前期⽐14.1%減)となった。FX取引⾦額は31.1兆円(同10.9%減)となった。為替 レートが⼩幅な動きであったことからFX取引が減少した。

⾦融収益

⾦融収益は12,412百万円(前期⽐41.0%増)となった。有価証券貸借取引収⽀が前期⽐で1,194百万円増加した。株券貸 借取引において、システムの導⼊により市場の需給をモニタリングするなど、取引管理⼿法を改善したことによって、貸 出量と利鞘が向上した。また、営業活動⽬的で保有する有価証券の売却益2,772百万円(前期⽐2,267百万円増)を計上し た。

信⽤取引の残⾼は205,300百万円(同23.7%増)、⽉末残⾼の平均(同社資料をもとにSR社算出)は177,900百万円(同 17.1%増)となった。上述の通り、信⽤取引の⼿数料体系を変更したことによって、信⽤取引残⾼が増加した。

その他の営業収益

その他の営業収益は732百万円(前期⽐253.6%増)となった。新たな証券基幹システム「GALAXY」の他社へのライセン ス供与により⼀過性の収益610百万円を計上した。

販売費及び⼀般管理費

販売費及び⼀般管理費は23,435百万円(同6.4%減)となった。前期は新証券基幹システムへの移⾏過程で旧証券基幹シ ステムが並⾏で稼働していた。当期においては、旧証券基幹システムの事務委託契約を前期に終了したことからシステム 関連費⽤(不動産関係費、事務費、減価償却費)が12,277百万円(同11.6%減)となった。

⼀⽅、顧客基盤拡⼤のために広告宣伝費が1,784百万円(同18.5%増)、取引が増加したことにより⽀払⼿数料・取引所 協会費が2,203百万円(同14.5%増)と増加した。

顧客動向

2018年3⽉末において、マネックス証券の総⼝座数は1,760,805⼝座(前年同⽉⽐3.8%増)、信⽤取引⼝座数は118,921

⼝座(同7.2%増)、預かり資産は42,290億円(同11.2%増)となった。

アクティブトレーダー向け⽇本株取引ツール「トレードステーション」経由の株式売買代⾦がマネックス証券の株式売買 代⾦に占める⽐率は約4.6%(第3四半期末時点では約4.0%)となった。

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Coverage

⽶国セグメント

営業収益は20,002百万円(前期⽐7.1%増)となった。⼿数料の引き下げ実施による稼働⼝座数の増加、第4四半期に市場 のボラティリティが⾼⽔準となったことから委託⼿数料は増加した。⼿数料引き下げ実施による稼働⼝座数および預かり 資産の増加、運⽤する商品の⾒直しや短期⾦利の上昇などによって、⾦融収益が増加した。内訳として、受⼊⼿数料は 11,858百万円(同9.2%増)、⾦融収益は6,946百万円(同26.5%増)、⾦融収⽀は4,411百万円(同30.6%増)となった。

⾦融費⽤及び売上原価控除後営業収益は17,417百万円(同11.5%増)となった。

営業利益相当額は931百万円(前期は242百万円の営業損失相当額)、税引前当期利益は282百万円(前期は457百万円の 税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益(セグメント利益)は1,274百万円(前期は497百万円の親会社 の所有者に帰属する当期損失)となった。

利益⾯では、増収に加え、販売費及び⼀般管理費が前期⽐で4.0%増にとどまったことから増益となった。第1四半期にお いて、情報料の算定⽅法⾒直しに伴う⼀時費⽤323百万円を計上したことから、実質的な利益⽔準はより⾼⽔準にあった といえよう。

その他の収益費⽤(純額)が649百万円の損失(前期は215百万円の損失)となっているが、これは2018年2⽉のボラティ リティの急上昇などに伴い発⽣したその他の⾦融資産に関する減損損失643百万円が含まれている。

なお、親会社の所有者に帰属する当期利益が税引前当期利益を上回った理由は、⽶国税制改⾰法成⽴の影響から第3四半 期に繰延税⾦資産および繰延税⾦負債の⼀部が取り崩されたことによる。

⽶ドルベースでは、営業収益は180,593千⽶ドル(前期⽐5.1%増)となった。内訳として、受⼊⼿数料は107,067千⽶ド ル(同7.2%増)、⾦融収益は62,713千⽶ドル(同24.1%増)となった。⾦融費⽤及び売上原価控除後営業収益は157,260 千⽶ドル(同9.5%増)、営業利益相当額は8,402千⽶ドル(前期は2,225千⽶ドルの営業損失相当額)、税引前当期利益 は2,542千⽶ドル(前期は4,205千⽶ドルの税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は11,504千⽶ドル(前 期は4,573千⽶ドルの親会社の所有者に帰属する当期損失)となった。

四半期ベースのセグメント利益(税引前利益)は前期第3四半期以降、6四半期連続の黒字となった。円ベースと同様に 第1四半期に⼀時費⽤2,900千⽶ドルを計上したことを考慮すれば、実質的な利益⽔準はより⾼⽔準にあった。

⽶国セグメントは、主にTradeStation Group, Inc.の⼦会社であるTradeStation Securities, Inc.が主体である。⽶国セグ メントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇 すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にある。

⽶ドルの対円レート(期中平均)は前期⽐で1.9%円安となったことから、⽶国セグメントの業績はその影響を受けた。

受⼊⼿数料

受⼊⼿数料は、⽶ドルベースで107,067千⽶ドル(前期⽐7.2%増)、円換算後では11,858百万円(同9.2%増)となった。

⽶ドルベースで、委託⼿数料、その他の受⼊れ⼿数料ともに増加した。

委託⼿数料は、⽶ドルベースで73,056千⽶ドル(前期⽐7.7%増)、円換算後では8,091百万円(同9.8%増)となった。

委託⼿数料の引き下げ実施によって稼働⼝座数が増加し、第4四半期に市場のボラティリティが⾼⽔準となったことから 委託⼿数料が増加した。

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Coverage

2018年3⽉における稼働⼝座数は74,810⼝座(前年同⽉⽐18.7%増)となった。2017年3⽉に株式、オプション、2017年 8⽉に先物の⼿数料を改定したこと、2017年12⽉にビットコイン先物取引サービスを開始したことが注⽬を集め、過去最

⾼の⼝座開設数となった。また、⼝座解約率も減少したという。

VIXが第1四半期は11.43(前年同期は15.68)、第2四半期は10.94(同13.23)、第3四半期は10.31(同14.10)と低⽔準で 推移したが、2018年2⽉の株価急落によって第4四半期は17.35(同11.69)となった。⽶国セグメントにおけるDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業⽇当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は105,165件(前年同期⽐4.9%

増)となった(同社の⽉次開⽰資料をもとにSR社算出)。

その他の受⼊⼿数料は、⽶ドルベースで34,011千⽶ドル(前期⽐6.0%増)、円換算後では3,767百万円(同8.0%増)と なった。ペイメント・フォー・オーダー・フローが増加した。

ペイメント・フォー・オーダー・フロー:取引所やマーケットメイカーに対して提供したオーダーフローに応じて得られる収益。

⾦融収益

⾦融収益は⽶ドルベースでは62,713千⽶ドル(前期⽐24.1%増)、円換算後では6,946百万円(同26.5%増)となった。

預かり資産残⾼の増加、運⽤する商品の⾒直し、短期⾦利の上昇によって受取利息が増加した。また、貸株の増加によっ て有価証券貸借取引収益が増加した。

預かり資産残⾼(2018年3⽉期通期⽉末平均)は稼働⼝座数の増加に伴い4,837百万ドル(前期⽐20.5%増)となった。

⾦融費⽤は⽶ドルベースでは22,892千⽶ドル(同17.6%増)、円換算後では2,535百万円(同19.9%増)となった。⾦融 収⽀は⽶ドルベースで39,821千⽶ドル(同28.2%増)、円換算後では4,411百万円(同30.6%増)となった。

販売費及び⼀般管理費

販売費及び⼀般管理費は、⽶ドルベースで148,858千⽶ドル(前期⽐2.0%増)、円換算後では16,487百万円(同4.0%増)

となった。株式取引の増加による⽀払⼿数料の増加、広告宣伝費の増加などあった。

顧客動向

2018年3⽉末において、TradeStation Securities, Inc.の稼働⼝座数は74,810⼝座(前年同⽉⽐18.7%増)、預かり資産は 5,182百万ドル(同19.4%増)となった。

2017年3⽉に株式、オプション、2017年8⽉に先物の⼿数料を改定したことによって、⼝座開設数が増加し、⼝座解約率 も低下した。

アジア・パシフィックセグメント

営業収益は939百万円(前期⽐31.5%増)となった。内訳として、受⼊⼿数料は557百万円(同60.5%増)、⾦融収益は227 百万円(同3.8%減)となった。⾦融費⽤控除後営業収益は931百万円(同31.7%増)、営業利益相当額は9百万円(前期 は24百万円の営業損失相当額)、税引前当期損失(セグメント損失)は225百万円(前期は98百万円の税引前当期損失)、

親会社の所有者に帰属する当期損失は245百万円(前期は97百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となった。

アジア・パシフィックセグメントは、主に⾹港拠点のMonex International Limitedの⼦会社であるMonex Boom Securities(H.K.) Limitedが主体である。また、豪州のMonex Securities Australia Pty Ltdは、2018年1⽉にオンライン証 券ビジネスを開始した。