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条は、有形の形態の公開に限らず、他の何らかの方法でインドの何れかの 場所又は何れかの外国において公衆に対して開示された意匠について登録できないと

しているため、条文の文言からは、インターネットによる公開も新規性阻却事由に含ま れるといえる。また、現地代理人の回答も以下の通り、インターネットによる公開が新 規性喪失事由に当たるか、その可能性があると回答している。

< Vadehra 氏からの回答>

「インターネットによって公開された情報(サーバが海外にある場合を含む)は、

新規性が喪失される事由に該当するという運用をしている。 」

< Shanker 氏からの回答>

「意匠法第 4 条( b )は、意匠が何らかの有形の形式で公開されることを要求して いる。 したがって、 インターネットによる公開により新規性が失われる可能性がある。 」

意匠法第4条  一定の意匠の登録禁止 次の意匠は、登録することができない。

(a) (略)

(b) 登録出願の出願日前又は該当するときは優先日前に、有形の形態の公開により若しくは使用により又 は他の何らかの方法でインドの何れかの場所又は何れかの外国において、公衆に対して開示されたもの 

(以下略)

第5条  意匠登録出願

(1) 何人かが新規性又は創作性のある意匠であって如何なる国においても先に公開されておらず、かつ、

公序良俗に反していないものの所有者である旨の主張をして出願したとき、長官は、本法により意匠を 登録することができる。

ただし、長官は、当該登録前に、出願について、当該意匠が本法及びそれに基づいて制定された規則に より登録できるか否かに関して、第3条(2)により任命された審査官による審査に付託し、当該付託に関 する審査官の報告書を検討しなければならない。      (以下略)

第19条  登録取消

(1) 利害関係人は、次に掲げる理由に基づき、意匠の登録後いつでも、意匠登録の取消申請を長官に提出 することができる。すなわち、

(a) 当該意匠が先にインドで登録されている。又は

(b) 当該意匠が登録日前にインド又は何れかの外国で公開されている。又は (c) 当該意匠が新規性又は創作性のある意匠ではない。又は

(d) 当該意匠が本法によれば登録可能ではない。又は (e) 当該意匠が第2条(d)で定義した意匠ではない。

(2) 本条に基づく長官の命令に対しては高等裁判所に上訴し、長官は、いつでも当該取消申請を高等裁判 所に付託することができ、高等裁判所は、このように付託された申請について決定しなければならない。

第36条  高等裁判所への上訴

(1) 本法により長官命令に対する上訴が高等裁判所にされる旨宣言される場合は、その上訴は、長官によ り発せられた命令の日から3月以内にされなければならない。

(2) 前記3月の期間計算に当たっては、当該上訴の対象である命令の写しの交付に要した時間(あれば)は、

除外する。

(3) 高等裁判所は、適当と認めるときは、当該上訴の決定に当たり専門家の補佐を受けることができ、高 等裁判所の決定は、最終的なものとする。

(4) 高等裁判所は、同裁判所における本法に基づくすべての審理の処理及び手続について本法に適合する 規則を制定することができる。

<日米欧>

三極ともインターネットによる公開を新規性阻却事由としている。

日本および欧州は、世界公知公用、世界刊行物記載で共通。

日本:世界公知公用、内外国刊行物(日本意匠法第 3 条 1 項 1 号、 2 号) 。 米国:国内公知公用、内外国刊行物( 35 U.S.C 第 102 条) 。

欧州:世界公知公用、内外国刊行物(共同体意匠理事会規則第 7 条) 。 (7) 部分意匠制度の有無

部分意匠は物品要件を満たさないため保護されない。なお、物品性が認められるかど うかは、意匠が施される物品が個別に販売できるかによる。部分意匠となりそうな意匠 は、個別に販売できるという点で物品性を具備するように対応するべきであろう。

「物品要件」については意匠法において、 「物品」とは「何らかの製品又は物質であ って、人工のもの、又は部分的に人工で部分的に天然のものを意味し、かつ、製造して 個別に販売することができる物品の何らかの部分を含む」と定義されている。製造して 個別に販売することができる 「物品の何らかの部分」 については、 「物品」 に含まれる。

そのために、いわゆる部分意匠は保護されないということになる。

< Vadehra 氏からの回答>

「部分意匠は登録できないが、物品性を具備しうるように工夫して、独立した意匠 として出願することは可能である。 」

< Shanker 氏からの回答>

「意匠は、意匠が施される物品が個別に販売できる場合にのみ保護される。いいか えると、 意匠が物品の部分に施され、 その物品の部分が個別に販売できない場合には、

意匠は保護されない。 」

意匠法第2条  定義

本法において、主題又は内容に相反する事項がない限り、

(a)「物品」とは、何らかの製品又は物質であって、人工のもの、又は部分的に人工で部分的に天然のもの を意味し、かつ、製造して個別に販売することができる物品の何らかの部品を含む。

<日米欧>

日米欧では、部分意匠の登録は認められる。

日本:部分意匠の登録は認められる(日本意匠法第 2 条第 1 項) 。

米国:物品の特定部分についても、保護を受けることができる(特許審査便覧 1502 ) 。 欧州:部分意匠の登録は認められる。意匠とは、製品全体又は部分の外観( appearance

of the whole or a part of a product )と定義されている(共同体意匠理事会規則

第 3 条) 。

(8) 公開繰延制度の有無

意匠は登録後に公開され、公衆の閲覧に供される(意匠法第 7 条) 。公開の方法につ いては、意匠規則 22 に定められている。基本的に、公開繰延請求制度というものはな いが、安全保障上の問題から、長官が、開示を禁止することができる場合はある(意匠 法第 46 条) 。

意匠法第7条  登録意匠の詳細の公告

長官は、意匠の登録後できる限り速やかに、当該意匠についての詳細を所定の方法で公告させるものと し、その後に当該意匠は公衆の閲覧に供される。

意匠規則22  法第7条による登録意匠の詳細の公告

出願に係り提出された意匠を受理したときは、長官は、登録を指示し、かつ当該出願の詳細及び当該意 匠が使用されている物品の表示を官報で公告するよう指示しなければならない。官報で公告するに当た り、長官は、自己の見解では、当該意匠の描写が最善のものと考える、表示の1又は2以上の図を選択す ることができる。

意匠法第46条  インドの安全保障 本法の他の規定に拘らず、長官は、

(a) 本法による意匠登録に関する情報又は意匠登録の出願であって、長官がインドの安全保障上有害 と認めるものを開示してはならず、かつ

(b) 本法により登録された意匠であって、中央政府がインドの安全保障上官報告示により指定するこ とがあるものの登録取消に関する措置を講じなければならない。

説明−−本条に言う「インドの安全保障」とは、インドの安全保障上必要な何らかの行動であって、戦争 に使用されるか、又は軍事施設の目的、若しくは戦争目的、若しくは国際関係上その他の緊急事態の目的 で直接、間接に適用される物品に対して本法により登録された何らかの意匠の適用に関係するものを意味 する。

<日米欧>

日本:秘密意匠制度がある。 秘密期間は、 登録から最大 3 年。 平成 18 年法改正により、

出願と同時に限られている秘密意匠の請求が、出願時に加えて第 1 年分の登録料 の納付時にも可能とされた(日本意匠法第 14 条) 。

米国:秘密意匠制度はない。

欧州:秘密意匠制度がある。秘密期間は、登録から最大 30 月。秘密を請求できる時期 は、出願時である(共同体意匠理事会規則第 50 条) 。

(9) 異議・審判制度の整備状況

インドにおいては、意匠権に対する異議・審判として、以下のような手続きがある。

① 意匠権を取り消すための手段

意匠権取消の申立て(聴聞) (意匠法第 19 条、規則 29 )

※   意匠権付与前の異議申立の制度はない。

② 拒絶査定・意匠権取消を覆すための手段

審判部への審判請求は行えず、高等裁判所に上訴できるのみ。

なお、拒絶査定を受ける前の段階では、拒絶理由通知に対応する手段、 「聴聞」 (ヒア

リング)という手続きがある(意匠法規則 18 ) 。

上記手段の具体的な内容を下記に示す。

① 意匠権を取り消すための手段

意匠権取消の申立て(聴聞) (意匠法第 19 条、規則 29 )

利害関係人による取消請求制度があり、一定の理由を根拠として、意匠の登録後いつ でも、意匠登録の取消申請を長官に提出することができる。この審理は「聴聞」という 手続きを介して行う(意匠法第 19 条、規則 29 ) 。

特許意匠商標総局の年次報告書によると、 2004 年 4 月から 2005 年 3 月の間に、 取消 申請の受理件数は 54 件、 前年度継続分が 84 件の計 138 件が審理の対象となり、 当該年 度の間に 27 件が処理されたと報告されている

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(取消件数自体は公表されていない) 。 なお、特許意匠商標総局長官の命令に対して不服がある場合には、高等裁判所に上訴す ることができる(意匠法第 19 条 (2) ) 。

② 拒絶査定・意匠取消を覆すための手段

審判部への審判請求は行えず、高等裁判所に上訴するのみ。

拒絶に対して不服がある者は、 高等裁判所に上訴することができる (意匠法第 5 条 (4) ) 。 この裁判所の決定が最終的なものとなる。

なお、拒絶査定の前の段階における、特許意匠商標総局からの拒絶理由通知に対応す る聴聞の手続きについて説明すると次の通りである。

意匠出願の審査は、方式審査、実体審査ともに、特許意匠商標総局が、審査官の報告 書を検討することにより行われる。特許意匠商標総局長官が、拒絶理由ないし補正の必 要性を認めた場合、拒絶理由通知書を出願人又はその代理人に対して送付する。出願人 又はその代理人は、庁の拒絶通知の日から 3 月以内に拒絶理由を除去し又は聴聞(ヒア リング)を申請しない限り、出願人は、その出願を取り下げたものとみなされる。ただ し、拒絶理由除去の期間は、出願日から 6 月を超えない(意匠法第 5 条、規則 18(1) ) 。 なお、聴聞に際して、特許意匠商標総局長官は、いつでも当該取消申請を高等裁判所に 付託することができ、高等裁判所は、付託された申請について決定しなければならない

(意匠法第 19 条 (2) ) 。

(10) 故意でない侵害行為

日本では、他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過 失があったものと推定される(日本意匠法第 40 条)が、インド意匠法第 22 条 (1) は、意 匠権の侵害について規定しているものの、この部分に過失の推定に関する規定内容は存 在しない。

裁判所において違法な行為であるとされた場合の責任は、差止めと損害賠償である。

39 Office of the Controller General of Patent, Designs, Trade Marks and Registrar of Geographical

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