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補足情報 ステップ5:ハザードを判定する

3. 曝露シナリオを設定する

曝露シナリオを設定するためには、化学品の主な使用条件、その使用記述子及び使用カテゴリに ついて考察することが必要となる。

使用に関する情報を収集する

曝露の特性の分類を開始するため、いくつかの方法で使用を分類することが可能である。高レベ ルアプローチの 1 つとして、曝露管理の程度に応じた使用の分類が挙げられる。

i.製造事業所外で使用/保管される、輸送を伴う単離中間体

GPS は一般に、市販される化学品に適用される。中間体は後に続く化学的プロセスで消費され るので、一般市民への曝露の可能性は考えられない。ただし輸送される中間体は、例えば偶発 事故などで製造事業所外での曝露の可能性が高まるので、GPS の範囲内である。製造事業所内 又は単離されない中間体は、GPS の範囲に含まれない。

このような物質は日常的に化学品を取扱うことに慣れている限られた数の企業で使用される可 能性が高く、さらに、排出や曝露が十分に管理されるよう手順を備えていることも多い。例え ば、これには、工学的制御技術並びに作業訓練及び関連する実務作業との高い品質の規定が含 まれる。また、多数の作業場規定により最低水準が確保されている。このような条件から、排 出及び曝露は十分に管理されていると考えられる。

ii.マトリックス中又はマトリックス上に包含される化学品

このような化学品の排出パターンは製造事業所外中間体に類似しているが、物質が含まれるマ トリックスが使用されると、より広い集団が曝露される可能性がある。このため、理論的には 環境排出やヒトへの曝露は製造工程の化学品と比べて多くなる。このような化学品が時間の経 過につれて、又は予測される条件下でマトリックスから放出されるかどうかを考察することが 必要とされる。

iii.非分散使用 - 専門的(産業上の点源的な使用)

このような化学品は、化学品の取扱いに慣れた会社及び慣れていない組織の両者に使用される 可能性が高い。一部の企業はシステムと手順を備えることで排出や曝露が十分な管理下におく ことができるが、そうでない企業もある。その結果、使用場所により排出量や曝露量が低いこ とも、また高いこともあり得る。これは、化学品を使用する場が産業的な場であるか、専門的 な場であるかによって異なる。

iv.広範囲分散的使用

このような化学品は消費者に届く可能性が高く、使用中又は使用後には環境中へ排出されると 考えられる。しかし、通常では消費者製品に含まれる化学品の濃度は低くなっており、産業用 と比較して使用頻度が低く、はるかに少量である。

また、一般市民の曝露は (a) 曝露対象がはるかに広範囲である(例えば、若齢者、病人、高 齢者が含まれる)、(b) 単一化学品よりも混合物に曝露される場合が多く(消費者製品は通常 調剤である)、(c) 一般市民は決められた方法で消費者製品を使用する訓練を受けていないた め、本来の使用や販売目的とは異なる使い方をする可能性がある点で、産業曝露とは大きく異 なる。

消費者の化学品への曝露は作業場の場合よりも常に少量であるが、推定曝露量の信頼性は低 い。

化学品使用は、一つ以上の主要な使用カテゴリに当たる場合が多い。単純化するため、曝露の 可能性が最も高い主要な使用を用いる。この方法は保守的なアプローチであるため、潜在的な 曝露量が過大評価されることもある。

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使用記述子及び使用カテゴリ

使用カテゴリは化学品の機能を述べ、実際の取扱いと、業界、サプライチェーン及び研究機関か ら報告された一般的な曝露シナリオならびにモデルにおける化学品の使用とを関連付けている。

これらは地域によって異なる可能性があるため、化学品が製造された地域を明記することが重要 となる。地域でのアプローチが用意されている場合、企業はこれに従うべきである。

次のように様々な使用記述子システムがある:

・EU NACE (使用分野のためのコード)41

 http://ec.europa.eu/environment/emas/pdf/general/nacecodes_en.pdf

・改正化審法での用途分類(日本)

 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/english/cscl.html

・OECD Use patterns(主要パターン , 産業及び使用カテゴリ)使用42

 http://www.oecd.org/document/46/0,3343,en_2649_34373_2412462_1_1_1_1,00.

 html

・最新版 REACH/IUCLID 使用記述子システム(p.122 を参照)

・US 及び CND の統一コード(産業的機能 36、消費者及び製品コード 40)

使用記述子/シナリオの収集及び確立のためのツールを、付属として p.122 に示している。 生産 及び使用に関する一般情報は EPA から入手可能であり、その IUR データベース、IRIS、ならびに 曝露因子ハンドブックに掲載されている。 Alliance for Chemical Awareness (www.chemi-calawareness.org)は、化学品曝露を判定するためのリソースライブラリを有している。 川下 企業団体も情報を提供している。

REACH の使用記述子:様々な業種に使用が異なる多数の物質及び調剤が存在するため、ECHA はこれを構造化するため、標準的で構造化された方法で使用を記述するシステムを開発している。

これがいわゆる「使用記述子システム」であり、5 種類のカテゴリに基づいている。各カテゴリに はあらかじめ定められた記述子があり、これを相互に組み合わせ、使用に関する簡単な記述が作 られる。

ECHA の化学品安全性評価(CSA)ガイダンスにおいて使用する使用記述子は次のとおりである。

それぞれの国/地域で指針がない場合に採用すべき使用カテゴリの例を、下記のボックス9に示 す。リストに適切な使用が記載されていない場合は、詳細な記述をする必要がある。様々な使用 がある場合は、それぞれの使用の推定量をパーセントで示す。各データ要素について参考文献及 び情報源を示す。

ボックス9:使用カテゴリ

推定ツールを用いてシナリオにおける曝露量を推定する 曝露評価から、下記のレベルを推定する。

1)化学品の製造、加工、使用及び廃棄における作業者の職業曝露量 2)最終製品の消費に伴う消費者の曝露量

3)環境、製造と使用、及び化学品の廃棄後におけるヒト以外の生物及びヒトの曝露量 注記:曝露評価は、代表的な測定データ又はモデル算出に基づいて実施する。

使用と曝露のパターンが同様の物質、又は特性が類似した物質に関する情報を必要に応じて考慮に入れ ること。これは複雑なアプローチであり、科学的知識のある専門家が実施する必要がある。

・色剤

・中間体

・溶剤

・接着剤

・クリーニング/洗剤

・肥料

・含浸剤

・界面活性剤

・使用分野(Sector of Use:SU)

・製品カテゴリ(Product Category:PC)

・成形品カテゴリ(Article Category:AC)

・プロセスカテゴリ(Process Category:PROC)

・環境放出カテゴリ(Environmental Release Category:ERC)

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作業場曝露

1. 関連する使用を特定する(PROC など)。

2. 作業場での測定値など、入手可能なすべての曝露データを収集する。特定の OC/RMM と関連付 けられることが理想的である。

3. 曝露データが入手可能でない使用カテゴリについては、階層1 ECETOC TRA(作業時間、換気、

PPE などを考慮する)のような計算ツールを使用する。

4. DNEL /曝露量比の算出からリスクが示唆された場合は(ステップ 7、RCR >1)、さらに詳細な 曝露情報を入手し、階層 2 のツール(RiskOfDerm、Stoffenmanager、ART など)を用いて再 評価する。a

作業場では、吸入、経皮接触及び経口摂取の 3 つの曝露経路を介して化学品への曝露が発生する。

それぞれの曝露経路は、測定値又は予測推定モデルを用い、個別に算出すること。職業曝露で主 に関連するのは、以下のライフサイクル段階である。

・製造:物質の化学合成及び中間体としての使用

・配合b:調剤とするための混合及びブレンド

・産業的使用:工業プロセスにおける物質、調剤/製品の適用

・職業的使用:熟練した専門家による調剤/製品の適用

作業者の適正な曝露量推定を可能にするためには、次のような情報が必要となる。

・プロセス記述など、物質の使用場所及び使用方法

・混合物、製剤及び製品の組成

・物質を取扱う際の物理的形状(粉末、ペレット、液体など)

・作業、条件、おおよその頻度、及び作業時間の記述

・手袋やゴーグルなどの、どのようなリスク管理措置を取っているか

a 訳注: 測定データの信頼性を確保するために必要な場合は、作業環境測定士、又は、登録を有する作業環境測定機関 に相談の上、測定を委託しても良い。

b 訳注:Formulation は、調合と訳される場合もある。