補足情報 ステップ3:優先順位へ物質を割り当てる
2. 新規データの作成
動物愛護に対する意識の高まりにより、実験動物の使用を抑制する必要性が強調されている。実 施可能であり、信頼性が高く、かつ適切である場合は常に、培養細胞(in vitro モデル)又はコン ピュータモデル(QSAR)による代替試験を優先すべきである。どの毒性エンドポイントにどの方 法が利用できるかの詳細は、p.70 を参照のこと。
注記:ただし、データの不足により必ずしもデータが必要になるわけではない。例えば REACH では、物質が遺伝毒性発がん物質である場合に、生殖毒性に対する試験は必要とはされていない
(試験結果にかかわらず、適切なリスク措置を講じる必要があるため)。また、物質の pH が高い
(11.5 以上)か又は低い(2以下)場合、物質は腐食性であると考えられるので、皮膚/眼の刺激 性/感作性の試験は必要ない。また、物質が腐食性である場合、急性投与又は反復投与試験を実 施する必要はない。長期的な反復投与毒性試験から既存のデータが入手可能である場合、短期的 な反復投与試験は必要ない。逆に、短期試験で化合物の毒性又は無毒性が明確に特定された場合 は、限定的ではあるが長期試験を実施することで得るべき情報が存在する。経皮又は経口による 吸収の可能性がない場合(又は吸収率が認められない場合)、その曝露経路でのさらなる全身試験 を省略できる(又はハザードの外挿が可能である)。発生毒性の陰性情報と組み合わせることで、
反復投与試験からの生殖器官に対する影響に関する情報により、従来の生殖毒性試験を省略でき る(http://www.epa.gov/hpv/pubs/general/sidsappb.pdf)。詳細なガイダンスについては、
REACH 付属書のカラム2及び英国安全衛生庁の「REACH での動物使用の最小化リーフレット
(minimization of animal use under REACH leaflet)」に記載されている。
http://www.hse.gov.uk/reach/resources/18animaltesting.pdf
・In vitro 法
国際的に認められている規則(ECVAM、ICCVAM、JaCVAMa、OECD など)に従ってバリ デーションされた方法で作成された非動物試験データ。動物愛護に対する意識の高まりにより、
実験動物の使用を抑制する必要性が強調されている。3R の概念は、このことを念頭に 1959 年に作成された(Russell 及び Burch 1959)。これは、健全な科学及び動物愛護のために、
実験での動物の使用の代替、削減、及び改善を行う努力をなすべきであることを記述している。
化学品の安全性を評価する場合に、不要な動物の使用を避ける方法に関する一般的なガイダン スについては、次を参照のこと。
不要な動物試験を避ける方法に関する ECHA の実践的指針 10
ECHA Practical guide 10 on how to avoid unnecessary testing on animals
http://echa.europa.eu/doc/publications/practical_guides/pg_10_avoid_animal_test-ing_ en.pdf
a 訳注:原文は、ICVAM、JCVAM
英国安全衛生庁「REACH での動物使用の最小化リーフレット(minimization of animal use under REACH leaflet)」
http://www.hse.gov.uk/reach/resources/18animaltesting.pdf
TSAR:化学品に対する EU 規則の状況下での代替試験方法のレビュー、バリデーション、及び承 認のための追跡システム(Tracking System for Alternative test methods Review, Valida-tion and Approval in the Context of EU RegulaValida-tions on Chemicals)
http://tsar.jrc.ec.europa.eu/
・(定量的)構造活性相関/コンピュータモデリング(QSAR)
化学構造に基づいて、分子の物理化学的及び毒性学的性質を予測するために使用される理論モ デル(構造がドメインにある場合)。
ただし、バリデーションされたモデルのみを使用するべきである。また、対応する化学品の 分類に対してモデルが適切であるかどうかを事前に評価する必要がある(例えば、HPV 及び REACH は、カテゴリ・アプローチが認められている例である)。
QSAR 予測モデル19に関する REACH ガイダンスは、次を参照のこと。
http://guidance.echa.europa.eu/docs/guidance_document/information_ require-ments_r6_en.pdf?vers=20_08_08
QSAR の報告方法に関する ECHA の実践的指針5
http://echa.europa.eu/doc/publications/practical_guides/pg_report_qsars.pdf
OECD モデル及びそれらの妥当性20に関する OECD ガイダンスは、次を参照のこと。http://www.oecd.org/document/2/0,3746,en_2649_34379_42926338_1_1_1_1,00.html
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動物試験は、すべての既存データを評価するまで、常に「最後の手段」として残しておくべきある。
試験は、OECD 試験ガイドライン等のガイドラインに含まれる標準化された試験法を採用するべ きであり、GLP に従って実施する必要がある。健康及び環境ハザードに関する質の高い試験デー タは、OECD 優良試験所基準(GLP)21の下で国際的に認められた試験ガイドラインに従うとき に作成することができる。
ボックス6:国際的に認められたその他の試験ガイドライン
・化学品の試験に関する OECD ガイドライン http://www.oecd.org/env/testguidelines
・日米 EU 医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン http://www.ich.org/cache/compo/276-254-1.html
・米国材料試験協会 www.astm.org
・欧州連合、理事会規則(EC)No 440/2008a
http://eurlex.europa.eu/Result.do?T1=V2&T2=2008&T3=440&RechType=RECH_
naturel&Submit=Search
・経済産業省(日本)
www.meti.go.jp/english/information/data/TESTindex.html
a 訳注:2010/11 現在、本規則は欧州 委員会規則 (EC) No 761/2009で修正されている。
http://eur-lex.europa.eu/Result.do?RechType=RECH_celex&lang=en &code =32009R0761