• 検索結果がありません。

放送

ドキュメント内 untitled (ページ 84-88)

ポイント減の 28. 5%と若干の減少を余儀なくされよう。

12.  放送

【要約】

—

放送局の主たる収入源であるテレビ広告の市場は、

2013

年度は消費税増税前の駆け込 み需要取り込みを狙った出稿増を背景に、

2014

年度以降は景気回復に伴う企業(広告 主)の出稿意欲向上によって、緩やかな拡大傾向を辿る見通し。

— 2013

年度以降の民放キー局

5

社の業績は、売上高が市場同様の推移を辿り微増収とな るなか、制作費を中心にコスト抑制を続けることで増益を確保すると予想される。

(単位:億円、%)

2007=100 とした水準

2007=100 とした水準

テレビ広告市場 14,016 14,520 14,452 14,655 (▲9.3) (3.6) (▲0.5) (1.4)

(参考)総広告費 50,320 51,713 52,657 53,078 (▲13.1) (2.8) (1.8) (0.8)

90弱 85弱

+1.0〜+1.5%

+1%程度

+1.5〜+2.0%

+1%強 2012

2011 (見込)

2010 2009

(年度) 2014〜2015平均

(予想)

2013

(予想)

85強 90強

(注)1. (  )内は前年比伸び率。

2. テレビ広告市場には、地上波放送のほか、衛星放送やケーブルテレビ放送における広告も含まれる。

(資料)経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

2. 企業業績

◇2013年度以降も、増収増益傾向を持続する見通し

¾ 2012

年度の民放キー局

5

社の業績は、増収増益の見込み(図表

2)

9

売上高は、主力の放送事業(売上の約

7

割)が、上期に好調だったテレビ広告 市場の恩恵を受け大きく伸びたことで、通年で増収を確保するとみられること に加え(注1、非放送事業(同約

3

割)(*)でも、不動産賃貸事業の買収(注2に 伴う増収効果があったことで、全体で増収の見込み。

9

損益面については、ここ数年、削減を続けてきた番組制作費(営業費用の

4

分 の

1

程度を占める)の削減余地が既に限定的とあって伸び率は鈍化するものの、

放送事業の増収や不動産賃貸事業の買収によって増益を確保する見込み。

¾ 2013

年度以降も、増収増益で推移する見通し。

9

売上高は、映画や音楽などの非放送事業がヒット作品の有無によって左右され るものの、主力の放送事業が市場に連動して伸びることで、緩やかな増収基調 を辿ろう。

9

損益面についても、小幅ながら増益を続けると見込まれる。放送事業では、こ こ数年のコスト削減努力によって、社内のコスト管理体制が強化されてきたこ とから、番組制作費の極端な増加は考えづらいうえ、非放送事業においても、

販管費の圧縮など地道なコスト削減を継続していることから、増収に伴って増 益を確保する見通し。

(注1)民放キー局5社は、準キー局や地方局に比べ、市場拡大の恩恵を受けやすいとみら れることから、5社の放送収入の伸びは、テレビ広告市場の伸びよりも大きい。

(注2)フジ・メディア・ホールディングスによるサンケイビル(2011年度の売上高329

円/営業利益48億円)の買収を指す。

図表

2

:民放キー局

5

社の業績推移

(注)1. 対象企業は、フジ・メディア・ホールディングス、東京放送ホールディングス、

日本テレビホールディングス、テレビ朝日、テレビ東京ホールディングス。

2.(  )内は前年比伸び率。

3. 放送事業は、地上波テレビ広告収入を主体とする事業セグメントを指し、

非放送事業は、それ以外の事業セグメントの合計を指す。

なお、放送事業と非放送事業の合計は、セグメント間の相殺消去を含まないため、全体の数値とは一致しない。

(資料)各社決算資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

(単位:億円、%)

2007=100 とした水準

2007=100 とした水準

売上高 15,683 15,730 15,970 16,570

(▲3.6) (0.3) (1.5) (3.8)

放送事業 10,640 11,332 11,582 11,814

(▲8.8) (6.5) (2.2) (2.0) 非放送事業 5,718 5,419 5,436 5,836 (4.1) (▲5.2) (0.3) (7.4) 営業利益 453 779 903 987 (▲15.9) (72.0) (15.9) (9.4) 放送事業 345 559 642 676 (▲8.6) (62.2) (14.8) (5.3) 非放送事業 247 237 278 323 (▲22.9) (▲3.9) (17.3) (16.4)

営業利益率 2.9 5.0 5.7 6.0 6%前後 6.0〜6.5%

放送事業 3.2 4.9 5.5 5.7 6%前後 6.0〜6.5%

非放送事業 4.3 4.4 5.1 5.5 5〜6% 5〜6%

+1%前後 +1.0〜+1.5%

125強

+3%前後 +3〜+4% 135弱

2009 2014〜2015平均

(予想)

2013

2010 2012 (予想)

2011 (見込)

105強 105弱

(年度)

+1〜+2%

+4〜+5%

95強 +1〜+2%

+4〜+6%

100弱 横這い程度 130強 横這い程度 130強

110強 横這い程度 145強 横這い程度 145強

100強

3. 成長分野の開拓に向けた動き

¾

わが国放送事業者は、既述の通り、主力の放送事業が比較的堅調に推移するとみら れるうえ、不動産賃貸収入をはじめとする非放送事業による下支えもあり、当面、

安定的な収益獲得が見込めるとあって、他業種に比べると、“成長分野の開拓に向け た動き”は、緩やかなものにとどまっている印象である。

¾

具体的には、下記図表

3

にみられるような、海外展開やスマートフォン・タブレッ ト端末の分野における動きがみられるものの、いずれも短期的な収益貢献を目的と するものではなく、将来に向けた“種蒔き”段階にある取り組みといえる。

¾

このため、ここでは、中長期的な成長を展望して、わが国放送事業者が選択しうる 戦略について述べたい。

(1)海外展開

◇ 中長期的な視点に立って、海外向けの番組制作ノウハウの蓄積を図ることが重要

¾

まず、海外展開という方向性においては、わが国放送事業者は、これまでも、バラ エティ番組のフォーマット販売(*)を行ったり、人気アニメ番組の権利収入などを 得てきたものの、海外で受け容れられるコンテンツは一部に限られ、業績に与える インパクトは総じて限定的なものとなってきた。

¾

この背景には、バラエティやアニメなどテレビ番組には、その国の文化や慣習、嗜 好の傾向が色濃く反映されるため、日本向けに作られたコンテンツが、そのまま海 外で受け容れられ難いことがある。

¾

このため、わが国放送事業者が海外からの収入源の多様化を図るためには、現地向 けの番組制作を行うことが

1

つの選択肢となろう。現地向けの番組制作においては、

まずは展開する地域や国をある程度絞り込んだうえで、当該地域・国に根差したコ ンテンツ制作ノウハウを身に付けることが重要。また、主たるターゲットとしては、

今後の経済成長に伴ってコンテンツの需要拡大が見込まれるアジアの新興国が挙げ られよう。

¾

この点、わが国放送事業者は、足元は、現地の番組制作会社などとの連携を模索し ている段階にあるが、こうしたノウハウの蓄積には相応の時間を要するとみられる ことから、短期的な収益獲得は難しいものの、中長期的な視点に立って、人材の派 遣・交流の活発化など地道な取り組みを継続していくことが重要といえそうである。

図表

3:各社の取り組み

(資料)各種資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

分野 企業名

フジ・メディア・

ホールディングス

世界展開している英国の番組制作会社フリーマントルメディア社 との共同で、海外向け番組を制作・販売(2010年4月〜)

日本テレビ ホールディングス

台湾の大手ケーブルテレビ局である中天電視との合弁で、

現地に番組制作会社を設立(2011年3月)

テレビ朝日 インドの大手制作会社であるリライアンスメディアワークス社との協働で、

人気アニメ「忍者ハットリくん」をリメイク(2012年5月から現地で放送)

2012年4月に開局した携帯端末向けマルチメディア放送「NOTTV」

への資本参加や番組制作協力

人気テレビ番組に関連したコンテンツを提供するアプリの開発

【例】日本テレビ:「3分クッキング」「ガキの使いやあらへんで!!」

海外

概要

スマートフォン・

タブレット端末 民放キー局5社

( 2 )スマートフォン・タブレット端末

◇ 既存事業との競合にも配慮しつつ、多様な収益化の機会を模索しておくことが得策

¾

一方、スマートフォン・タブレット端末といった分野においては、わが国において ここ数年で急速に普及が進んできたこともあって、放送事業者にとってのビジネス モデルがまだ確立されているとは言い難い状況。

¾

現状は、前掲図表

3

に示す通り、

2012

4

月に開局した携帯端末向けマルチメディ ア放送「NOTTV」への資本参加、番組制作協力のほか、人気テレビ番組に関連した 映像・音楽・ゲームコンテンツを提供するアプリの開発などによって、多様な収益 化の機会を模索している段階にある。

¾

今後については、スマートフォンやタブレット端末における動画視聴が本格化した 局面において、新たな収益源の獲得を逃さないよう、通信キャリアや動画配信サー ビス運営会社など周辺事業者との関係を幅広く構築しておくことが得策。

【用語説明】

テレビ広告を 呼び水とする 出稿方法

テレビのCMで、「続きはWebで」と広告主のホームページへ誘導する出稿方法。

スマートフォンやタブレット端末は、PCより起動時間が短く、手軽にインターネットに 接続できるといった点で、テレビを見ながらでも、広告主のホームページにアクセス してもらいやすい。このため、これら端末が急速に普及してきたことに伴い、こうした 出稿方法が増えてきている。

非放送事業 不動産賃貸のほか、映画や音楽、イベント、通販、雑貨販売といった事業。 

映画や音楽などは、ヒット作品の有無によって業績に振れが生じやすい。 

  フォーマット 販売

テレビ番組のフォーマット販売とは、企画内容や制作手順等をパッケージ化し、番組を 再制作する権利を販売することをいう。権利を購入する海外のテレビ局からみると、手 順までマニュアル化されているため、自国に合わせた番組を低コストで制作できるとい うメリットがある。

(2012.12.20  菅原 有希)

ドキュメント内 untitled (ページ 84-88)