ポイント減の 28. 5%と若干の減少を余儀なくされよう。
14. 小売概況
▲ 50
▲ 40
▲ 30
▲ 20
▲ 10 0 10 20
11/4 5 6 7 8 9 10 11 12 12/1 2 3 4 5 6 7 8 9
小売販売額 衣料品 食料品 家電
( 年/月 )
2007 2008 2009 2010 2011 2012
(見込)
105,858 105,598 103,669 104,808 105,343 104,726 (0.2) (▲ 0.2) (▲ 1.8) (1.1) (0.5) (▲ 0.6)
(年度)
小売販売額
◇ 総合業態から専門業態へ顧客シフトが続く
¾
主要業態の動向をみると、百貨店・総合スーパーなどの総合業態が売上高を減少 させる一方、特定の商品分野に強みを持つ専門業態(ドラッグストア・ホームセ ンターなど)や通信販売が売上を伸ばす傾向に大きな変化はない(図表3)
。¾
これは、総合業態の商品分野のなかでも衣料品や日用品・家具などでは、豊富な 品揃えと低価格を具備した専門業態や、インターネット上での商品の比較購入が 可能な通信販売に、顧客がシフトしてきたことが背景。図表
3:主要業態における年度別の売上高増減額
◇ 品揃えや顧客基盤の拡充に向けて他業態との提携や買収が本格化
¾
わが国小売市場が縮小基調を辿るなか、各業態とも既存の商品構成や顧客基盤で は売上拡大を期待し難いことから、他業態だけでなく周辺産業からも顧客の取り 込みを図る動きがみられる。¾
具体的には、顧客流出が続く総合業態や、市場が急減する家電量販店においては、不採算な自社売場を大幅に縮小し、有力な専門店の導入等により品揃えの幅を広 げることで、集客力の強化を図っている。
¾
また、コンビニでは、生鮮食品や惣菜、割安なPB
商品の拡充に加え、コーヒーマ シンや軽食スペースの導入により、スーパーなど他業態だけでなく、喫茶店やカ フェといった外食産業からも顧客獲得に成功している模様。¾
今後についても、わが国市場の縮小を背景に、業態の垣根を越えた顧客獲得競争 が一段と厳しさを増すとみられるなか、他業態との提携や買収により、品揃えや 顧客基盤の拡充を図る動きが本格化すると予想される。(注)1. ドラッグストア、ホームセンターは暦年。
2. 衣料品専門は、ファーストリテイリング(国内ユニクロ事業)、しまむら(単体)、青山商事(単体)、 AOKIホールディングス(ファッション事業)、西松屋チェーンの5社。
3. 総合スーパーの対象企業は、イトーヨーカ堂、ユニー、ダイエー、平和堂、イズミヤ、イズミ、フジ、
イオン九州、イオン北海道、サンエー、オリンピック、天満屋ストアの12社。
4. グラフ上の点線四角は、コンビニ、ドラッグストア、家電量販店、百貨店が2012 年度見込、総合スーパーが 2012年度第2四半期までの累計の前年比増減。通信販売、ホームセンターは統計上の制約から判明せず。
(資料)経済産業省「商業販売統計」、各種団体資料、有価証券報告書をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成
▲ 2,500 ▲ 2,000 ▲ 1,500 ▲ 1,000 ▲ 500 0 500 1,000 1,500 2,000 百貨店
家電量販店 総合スーパー ホームセンター 衣料品専門店 ドラッグストア 通信販売 コンビニ
(十億円)
08年度 09年度 10年度 11年度 12年度
(注)4ご参照
3. 成長分野の開拓に向けた動き (1)海外展開
◇ わが国の卸企業や物流企業との連携強化を図る動きが加速
¾
世界の小売市場を展望すると、わが国市場が長期に亘り低迷する一方、アジアを 中心とした新興国では中間所得者層の拡大や外資規制の緩和を背景に、市場拡大 が見込まれる(次頁付表)。¾
かかる状況下、小売各社はアジアでの出店を加速(図表4、5)
。業態別にみると、高い競争力を有するコンビニが海外店舗数の急拡大を見込むほか、国内では成長 を見込み難い百貨店やスーパーも海外での出店強化に乗り出している。
¾
今後は、アジア市場の成長鈍化を背景に、現地や欧米など外資系企業との競争が 激化すると予想されるなか、現地での生き残りをかけ、これまで以上に他社との 差異化を図る動きが加速する見通し。¾
具体的には、現地系や欧米系に多い低価格型ではなく、わが国の商社や卸、物流 企業と連携して高鮮度な商材供給を実現するなど、わが国小売業が得意とする高 品質な商材やサービスを提供する付加価値型の事業展開が求められよう。図表
4
:主要業態の国内外の店舗数の増減2007 2012 07-12
増減
コンビニ 56,786 83,945 27,159
国内 29,115 36,531 7,416
海外 27,671 47,414 19,743
スーパー 635 667 32
国内 590 592 2
海外 45 75 30
百貨店 89 82 ▲ 7
国内 43 36 ▲ 7
海外 25 16 ▲ 9
(年度)
図表
5:海外市場の取り込みに向けた動き
企業名 概要
三越伊勢丹ホールディングス 2014年までに海外店舗数を現状の13店から20店まで拡大。中国 と東南アジア(マレーシア)に出店予定
中国で食品卸の三菱食品、三菱商事と組んで、日本と同水準の 高鮮度の商材を取り扱う食品スーパーを出店予定
カルフール(仏)のマレーシア事業を買収
ローソン 日本型コンビニの運営ノウハウを活かし、中国に400店、インド ネシアに100店の新規出店を計画
ファミリーマート 2015年度までに海外店舗数を25,000店舗(現状11,723店舗)、海 外利益貢献度を2割まで拡大する方針
イオン
(注)コンビニはセブンイレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、
サークルKサンクス、ミニストップの5社、スーパーはイオン、イトーヨーカ堂 の2社(GMSのみ)、百貨店は三越伊勢丹、高島屋の2社の店舗数。
(資料)経済産業省、各社IR資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成
(資料)新聞記事、各社IR資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成
(単位:店舗)
( 2 )新規事業
◇ 商品宅配ビジネスでの採算確保に向けて異業種企業との連携が進展
¾
国内では、高齢者人口、単身世帯、共働き世帯の増加といった社会構造の変化に 対応すべく、ネットスーパーやネット通販など、商品宅配ビジネスのモデル構築 に向けた動きが相次いでいる(図表6)
。¾
もっとも、商品宅配ビジネスは、市場拡大が期待されるものの、新規参入の小売 各社にとっては、新たなシステム投資や配送網の構築などが不可欠であるため、採算確保の目途が立っていないケースが散見される。
¾
今後は、商品宅配ビジネスの収益性を改善すべく、小売各社がノウハウを持たな いうえ、採算面でネックとなる配送業務の効率化(低コスト化)を狙って、物流 企業に限らず、様々な分野において個人向け配送を展開する異業種企業との連携 が進展すると予想される。図表
6:成長分野の開拓に向けた取り組み
企業名 概要
イオン ヤマト運輸、郵便事業会社(日本郵政)と組み、2014年度を目 途にネットスーパー事業を全国展開する計画
セブン&アイ・ホールディングス ネットスーパー、通販事業を強化し、2014年度には同事業の売 上高を5,000億円(2011年度の3倍)まで引き上げる計画
Appendix
付表:世界の小売市場の見通し
単位 とした水準2007=100
世界市場 十億米ドル 5,554 5,859 6,163 6,439
% (▲ 1.8) (5.5) (5.2) (4.5)
日本 十億米ドル 1,337 1,352 1,359 1,351
% (▲ 1.8) (1.1) (0.5) (▲ 0.6) 米国 十億米ドル 2,643 2,753 2,846 2,935
% (▲ 6.9) (4.2) (3.4) (3.1)
欧州 2005年=100 101 101 101 100
% (▲ 2.5) (0.9) (▲ 0.5) (▲ 0.4) アジア 十億米ドル 1,574 1,754 1,958 2,153
% (8.3) (11.4) (11.6) (10.0)
中国 十億米ドル 1,056 1,191 1,341 1,484
% (9.1) (12.8) (12.5) (10.6)
インド 十億米ドル 229 258 294 329
% (10.7) (12.8) (13.7) (12.0)
東南アジア 十億米ドル 289 304 323 341
% (3.6) (5.4) (6.2) (5.4)
2012
(暦年) 2009 2010 2011 (見込) 2013
(予想)
+4〜+5%
▲0〜▲1%
125弱 100弱
▲0%程度
+10%程度
+11%程度 110弱
95強
+2〜+3%
+12〜+13%
+5〜+6%
180程度 190程度 200強 135強
(2012.12.28 中島 崇夫)
(注)1.( )内は前年比伸び率。
2.世界市場は、日本、米国、アジアの合計値。
3.東南アジアは、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピン の6ヵ国の合計値。
4.各国通貨のドル換算レートは、2012年10月時点のレートを適用。
5.日本のみ年度。
(資料)Euromonitor、経済産業省、Eurostatをもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成
(資料)新聞記事、各社IR資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成
(*)用語説明は、96頁をご参照下さい。
1. 業界環境
◇ 2013年度は微減収にとどまるものの、消費増税後は減収幅が拡大する見通し
¾ 2012
年度の百貨店販売額は、旗艦店の増床や改装に伴うプラス効果はあったもの の、専門店や大型SC
との競合を背景として不採算店舗の閉鎖や既存店売上高の低 迷が続いたことから、前年比▲1.1%の減収となる見込み(図表1)
。9
既存店売上高は、時計や宝飾品といった高額商材が震災以降堅調に推移してい るものの、主力の衣料品(販売構成比3
割強)が、豊富な品揃えと低価格を武 器に拡大する有力専門店や駅ビルとの競合を主因に不振が続いていることから、前年割れとなる見通し。
9
大丸東京店、阪急うめだ本店といった旗艦店の増床があった一方、地方都市を 中心に不採算店舗の閉鎖が続いたため、売場面積も前年比▲1.9%減となる見込 み。もっとも、売場効率をみると、新店効果や高額商材の好調を主因に小幅な がら改善する見通し。¾ 2013
年度にも大型店舗の改装オープンが予定されているうえ、消費増税前に高額品 需要の盛り上がりが期待されるが、個人消費の回復に力強さが欠けるなか、他業態 への顧客流出に歯止めが掛からず、前年比▲1%強の減収が続く見通し。9
他業態との競合が続くなか、高額品の好調も衣料品の不振をカバーするには至 らず、既存店売上高は前年比▲2%程度の減少が見込まれる。9
伊勢丹新宿本店の改装オープンやあべのハルカス近鉄本店の一部先行オープン が計画されているものの、銀座再開発に伴う売場面積の減少や不採算店舗の縮 小が見込まれるため、売場面積はほぼ前年並みで推移する見込み。¾ 2014〜2015
年度は、他業態との競争激化に消費増税後の高額品需要の反動減が追い討ちを掛けて、販売額の減少ピッチが加速する可能性が高い。
図表
1:百貨店販売額
2007=100 とした水準
2007=100 とした水準
6,478 6,192 6,216 6,146
(▲9.7) (▲4.4) (0.4) (▲1.1) 70強
2012
(見込)
2013
(予想)
2014〜2015
(予想)
80弱 百貨店販売額 ▲1%強
▲4〜▲5%
2009 2010 2011
(年度)