• 検索結果がありません。

売上高は前年比 5%増と、民間工事の売上増加に加えて、日系メーカーの海外進 出案件の取り込み等により増収となろう。

ドキュメント内 untitled (ページ 116-119)

1.業界環境

9 売上高は前年比 5%増と、民間工事の売上増加に加えて、日系メーカーの海外進 出案件の取り込み等により増収となろう。

9

一方、専門職(鉄筋工・型枠工等)の構造的な不足感が強まるなかで復興需要 が発生し、労務費は昨年暮れ頃から上昇傾向。こうしたなか、前期受注時の採 算を割れる工事や、受注競争の末に厳しい採算で受注した工事等が利益計上さ れ、完成工事粗利率は総じて悪化。建設事業の減益を開発事業でカバーして全 体では微増益となるも、利益率は横這いを見込む。

¾ 2013

年度は減収減益を余儀なくされる見通し。

9

売上高は、受注案件の大幅増加を見込み難いうえ、足元で採算重視を徹底する企 業では受注減が予想され、前年比▲1%と小幅ながら減少に転じる見通し。

9

利益面では、復興工事の進捗により東北・関東地方を中心に労務費の上昇圧力が 一段と強まる可能性を否定できず、前期からの受注方針の厳格化や鋼材価格の低 下等を加味しても、完成工事粗利率の小幅悪化に伴い営業減益となる見通し。

¾ 2014

年度以降を展望すると、民間工事の伸び悩みと復興需要の逓減等に伴う官公庁 工事の緩やかな減少が見込まれるうえ、海外工事も施工能力(海外工事の管理能力 を有する人材等)が制約となり大幅増加を見込み難いため、売上高は総じて弱含み で推移する見通し。こうしたなか、競争環境の緩和を想定し難く、厳しい決算が続 く公算大。特に、受注時の採算管理が不徹底で企業体力も劣る準大手以下の建設会 社では一段と厳しい展開が予想され、苦しいなかでも明暗は分かれよう。

図表

2

:建設大手

4

社の業績

(単位:億円、%)

(注)1.対象企業は、鹿島建設、大成建設、清水建設、大林組の4社。

      2.(  )内は前年比伸び率。

(資料)各社決算資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

2007=100 とした水準

2007=100 とした水準

売上高 60,101 49,794 53,631 56,286

(▲16.1) (▲17.1) (7.7) (5.0) 営業利益 ▲ 109 969 1,145 1,195 (▲115.9)(黒字転換) (18.2) (4.4)

営業利益率 ▲ 0.2 1.9 2.1 2.1 2%程度 1%台後半 2012

(見込)

75強 2013

(予想)

2014〜2015平均

(予想)

▲10%強 ▲4〜

▲6%程度 65弱 80弱

70程度

▲1%程度 ▲1%〜

 ▲2%程度

2009 2010 2011

(年度)

3. 成長分野の開拓に向けた動き

(1)海外展開

◇ 「契約管理体制の整備」「施工体制の強化」が事業拡大の鍵 

¾

国内建設市場が復興需要の剥落後に大きく落ち込むとみられるなか、わが国建設 各社は、日系企業の海外進出案件の捕捉に加えて、高成長が見込まれる現地の建 設需要の取り込みを視野に入れ、海外工事の受注強化に再び舵を切っている(図 表

3)

¾

こうしたなか、大手各社は、2000年代後半に契約管理上の問題から非日系発注の 海外工事で多額の損失を計上した反省を踏まえ、契約管理体制の整備を急いでい る(次頁図表

5)

。また、施工能力不足が受注拡大の制約となるなか、海外派遣社 員の増強、現地社員の採用・育成、協力会社組織の拡充等を地道に進めている(図 表

4)

¾

もっとも、こうした体制整備には長期間を要する。このため、総じて地道な現地 化を通じた事業拡大を選好する傾向はあるものの、企業によっては実績豊富な現 地企業等の買収に乗り出す可能性は考えられよう。

図表

3:わが国建設会社(海外建設協会員)の海外建設受注実績

図表

4:各社の海外売上高比率(2011

年度・連結)

   

(日系建設各社) (ご参考:欧州建設各社)

鹿島建設 13.9%

Vinci(仏)

40% 弱

大林組 13.5%

Bouygues(仏)

30% 程度

清水建設 11.6%

Grupo ACS(スペイン)

70% 強

8.5 8.6 9.4 12.8

15.9 12.8

9.7 7.3

10.0

8.1 7.6 9.0

10.611.7

10.3 7.0

9.1 13.5 16.516.8

10.510.6

0 5 10 15 20

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 (年度)

(千億円)

(資料)海外建設協会資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

(注)1.鹿島建設は顧客の所在地を基礎として工事を分類。

      2.清水建設は連結受注高に占める海外受注高の割合

(資料)各社決算資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

( 2 )新規事業

◇ 「エネルギー効率」「防災性能」の向上で受注拡大を目指す 

¾

国内では、震災を契機として①エネルギー効率、②防災性能、の向上に注目が集 まるなか、建設各社は①②に関する付加価値をつけることで受注拡大を目指して おり、専門部署の立ち上げや防災設備の研究棟の新設に動いている。

¾

もっとも、他社を圧倒する機能的な差異化は容易ではないうえ、発注者側のコス ト意識が強いことを踏まえると、この取り組みが抜本的な収益改善に繋がるとは 考え難く、利益確保に当たっては採算管理とコスト削減の徹底が何より重要。

¾

また、今後、国内では高度成長期に急造された社会インフラの維持・更新投資の 増加が見込まれる。

1

件当たりの受注金額が小さく営業効率は悪いものの、国内で 数少ない有望市場とみられるなか、大手ゼネコンを中心に補修工事を得意とする 建設会社と連携する動きが出てくる展開も予想される。

図表

5:成長分野の開拓に向けた取り組み

分野 企業名 概要

大林組

リスク管理の専任チームを米国とシンガポールに常駐

東南アジア・北米・中東を重点エリアに、2014年度の連結海外売上高比率20%を目指す 2011年3月にカナダの建設会社「ケナイダン社」を買収し、連結子会社化

清水建設

2013年1月1日より、海外プロジェクトの契約リスク管理の専担部署となる「契約リスク管理部」を 新設予定

2020年に全事業量の約2割を海外で担うことができる体制の確立を目標とする 2011年4月にインド現地法人を開設、2012年10月にヤンゴン(ミャンマー)事務所を開設

大林組

2012年7月に再生可能エネルギーによる発電並びに電気の供給及び販売等を目的として

「大林クリーンエナジー」を設立

2014年1月に実験施設を新設し、省資源・新エネルギー・CO2削減技術や海外の多様な気象に対応 する最先端の材料を研究

鹿島建設

2012年11月に、大型洋上風力発電施設の共同施工体制(新日鉄住金エンジニアリングと共同)を 検討開始

西調布実験場内に、地震時の揺れを再現できる3次元振動台を導入済

清水建設

2012年4月に社長直轄の「エコBCP推進室」を設置。スマートコミュニティの整備や排出枠ビジネスなど の新規事業の立ち上げを統括

先端地震防災研究棟等、総投資額約84億円で研究設備を新設

大成建設 津波実験施設を2012年末に完成させ、建設ICT実験棟を2013年3月までに完成させる計画 ZEB(Zero Emission Building)実証棟を2014年6月に新設

海外

新規

(2012.12.28 佐藤 真人)

(資料)各社公表資料、新聞記事をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

1. 業界環境

◇ 2013年度は駆け込み需要で

90

万戸台に回復し、その後は

80

万戸台で推移見込み

¾ 2012

年度の住宅着工戸数は、住宅取得促進政策が下支えし、前年比

3.1%増の 86

万戸を見込む(図表

1)

9

持家は前年比

3.4%の増加。住宅金融支援機構の金利優遇

(*)や住宅ローン減税

ドキュメント内 untitled (ページ 116-119)