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情報サービス

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ポイント減の 28. 5%と若干の減少を余儀なくされよう。

13. 情報サービス

【要約】

— 2013

年度の情報サービス市場は、東日本大震災を契機に喚起された

BCP

(*)対策や クラウド(*)関連の需要増を主因に、緩やかな拡大が続く見込み。

2014〜2015

年度は、

ユーザー企業の間で

IT

投資効率化に向けた動きが続くものの、金融機関向け特需な どが底支えし、小幅ながらもプラス基調を維持しよう。

— 2013

年度以降の上場大手

8

社の業績は、市場の拡大に伴う増収効果に加え、不採算案 件の削減やオフショア開発の拡大によるコスト低減が寄与し、増益基調を辿ろう。

(注)1.「計算事務等情報処理」と「システム等管理運営受託」の合計。

     2.(  )内は前年比伸び率。

(資料)経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

9

アウトソーシングは、ユーザー企業におけるコスト削減ニーズが根強いことに 加え、

2012

年度に新設ピークを迎えたデータセンターの本格的な運用開始が見 込まれるため、一段と成長が加速しよう。

¾ 2014〜2015

年度の情報サービス市場は、小幅の拡大基調を維持する見通し。

9

ソフトウェア開発は、ユーザー企業の

IT

投資効率化に伴うマイナス影響が続く ものの、金融機関の大型システム統合に関連する特需が見込まれるほか、IFRS への対応に伴う需要増加(*)も期待できるため、小幅の市場成長が続こう。

9

アウトソーシングは、安定成長が続くものの、新設データセンターの運用開始 に伴う需要増の一巡や競合激化に伴うサービス価格の下落を背景に、市場の伸 び率は鈍化する見通し。

2. 企業業績

◇ 2013年度以降も増収増益基調を辿る見通し

¾ 2012

年度の情報サービス大手

8

社の業績は、増収増益となる見込み(図表

2)

9

売上高は、更新需要の顕在化を背景としたソフトウェア開発案件の増加を主因

に、前年比

4%弱の増収となる見込み。

9

損益面では、不採算案件の削減や震災後の受注低迷期に取り組んだ人件費を中 心とする固定費削減が寄与し、前年比約

9%の増益となろう。

¾ 2013

年度以降も、引き続き増収増益基調を辿る見通し。

9

売上高は、市場の伸びを上回る水準で成長しよう。規模に勝る大手企業にあって は、アウトソーシングの市場拡大の恩恵を十分に享受できるうえ(注1、一部の上 位企業においては、海外拠点を拡充することで、日系ユーザー企業の海外進出に 関連する需要を相応に取り込めることも寄与する見込み。

9

損益面では、不採算案件の削減が一段と進むうえ、オフショア開発の利用拡大に よる開発コストの低減などが貢献し、増益が続こう。

9

このように、大手企業は堅調な業績を確保する見通しであるが、かかる企業から の受託業務を担ってきた中堅・中小企業(注2は、ユーザー企業の

IT

投資効率化 を背景としたオフショア開発の拡大やクラウド型サービスの普及による受託量 の減少の影響を大きく受けるため、厳しい状況が続く公算が大きい。

(注 1)情報システムの保守・運用を手掛けるアウトソーシング事業の場合、過去の運用実績

が豊富で、データセンターなどの設備の充実している大手事業者が優位となりやすい。 

(注 2)参入企業約2万社のうち、売上規模が1,000億円を超える大企業は僅か十数社にとど まり、売上高10億円未満の事業者が約89割を占めている。このため、数少ない大 手事業者(元請け)を頂点に、中堅・中小企業(下請け)が重層的に連なる業界構造 となっている。

図表

2:情報サービス大手 8

社の業績推移

(単位:億円、%)

2007=100 とした水準

2007=100 とした水準

28,416 28,311 29,462 30,526 (▲4.4) (▲0.4) (4.1) (3.6)

1,907 1,803 1,961 2,130

(▲20.2) (▲5.5) (8.8) (8.6)

営業利益率 6.7 6.4 6.7 7.0 7.5%弱 7.5%強 100程度

110弱

+6.5%弱

+2%程度

+4.0〜+4.5%

年度 2009 2010 2011 2014〜2015

(予想)

2013

(予想)

2012

(見込)

+1.5%前後 売上高

営業利益

105強 95弱

(注)1.対象企業は、NTTデータ、野村総合研究所、ITホールディングス、伊藤忠テクノソリューションズ、

        日本ユニシス、NECフィールディング、新日鉄住金ソリューションズ、富士ソフトの8社。

      2.(  )内は前年比伸び率。

(資料)各社決算資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

3. 成長分野の開拓に向けた動き (1)海外展開

◇ 今後、現地ユーザー企業との取引拡大が重要に 

¾

近年、わが国情報サービス事業者は、コスト削減の一環として中国を中心にアジ ア地域にオフショア開発拠点を設立してきたほか、海外進出を図る日系ユーザー 企業の現地サポートを目的として海外拠点を拡充させてきた。

¾

しかしながら、こうした取り組みは、いずれも「日系ユーザー企業との取引維持・

拡大」を意識したものであり、「現地ユーザーとの取引開拓」は進んでいない。

¾

今後、中期的に国内既存市場の大幅な成長が見込みがたいなか、わが国情報サー ビス事業者にとっては、成長市場である海外において現地ユーザーとの取引拡大 を図ることの重要性が高まろう。

¾

この点、情報サービス業界は、国ごとに言語や商慣習の違いがあるため、まずは 現地パートナーとの提携や買収を通じて「顧客基盤・人材・ブランド力」を確保 し、地域に根ざした事業展開を図りつつ、金融や流通など各社の持つ強みを活か し、現地でのビジネスを拡大させていくといった取り組みが求められよう。

( 2 )新規事業

◇ 情報サービス各社が注力する「ビッグデータビジネス」 

¾

足元、情報サービス事業者はビッグデータビジネスへの対応を強化している。

¾

この背景として、①厳しい事業環境が続く国内ユーザー企業の間で、経営戦略を 高度化させたいとのニーズ(注)が高まっている一方、②わが国情報サービス事業 者としても、主力の国内市場で新たな事業機会を創出し得る同ビジネスへの取り 組みを収益拡大策の

1

つとして積極化させていることが挙げられる。

¾

もっとも、大半のユーザー企業は、ビッグデータを活用するために不可欠となる データの「収集・蓄積・処理」を行うインフラ基盤をそもそも構築できておらず、

市場の本格的な立ち上がりには相応の時間を要する公算が大きい。

¾

加えて、ビッグデータの分析業務では、当のユーザーでさえ気付いていない新た な知見の提供が求められるため、数理統計の知識とユーザー企業の業務知識を併 せ持つ専門技術者の存在が欠かせないが、これまで同業務を本格的に手掛けてこ なかったわが国の情報サービス事業者は、かかる人材を殆ど確保できていない。

(注)ビッグデータの活用により、これまで実現の難しかった精緻な需要予測や消費者のニーズ の把握など、経営戦略の高度化に資する知見・情報の取得が可能になるとみられる。

図表

3:成長分野の開拓に向けた取り組み

分野 企業 概要

NTTデータ 2012年にアルゼンチン、米国、豪州のソフトウェア開発事業者を買収。現地

での事業基盤を拡大し、早期に海外売上比率を25%まで引き上げる計画 野村総合研究所 2012年にインドのソフトウェア開発事業者を買収。オフショア開発拠点とし

て活用しながら、証券会社向けシステムの現地展開を図る方針

日立製作所 2011年に「ビッグデータ利活用サービス」の提供を開始。2015年度には、同 事業の売上高目標として1,500億円を計画

NTTデータ 2012年にデータ分析を行う米MarkLogic Corporation社と提携。また、統計分

析を専門とする数理システム社を買収し、データ分析分野の強化を図る方針 伊藤忠テクノ

ソリューションズ

2012年にビッグデータビジネス強化に向けた社内横断組織を設置。

SAS Institute Japan社と協業し、ソリューション業務に注力していく方針 新規

海外

(資料)各種報道資料をもとに三菱東京UFJ銀行企業調査部作成

¾

このため、わが国情報サービス事業者は、まずはユーザー企業のインフラ基盤づ くりを支援しつつ、中長期的に予想される同ビジネスの本格普及を見据え、足元 から、「データ分析」、「分析結果の適用」といった業務の強化を図るべく、専門技 術者を抱えるデータ分析支援会社とのアライアンスや社内での人材育成といった 取り組みに注力していく必要があろう。

【用語説明】

BCP Business Continuity Planの略。自然災害・テロ・火災等の緊急時にも、事業を継続・早期復

旧するために企業が取り組む「事業継続計画」のこと。東日本大震災を契機にBCP対策を 見直す企業が増加しており、耐震性や予備電源の安定性といった面で優れるデータセンタ ーの利用やバックアップシステムの開発などの需要が高まっている。

クラウド 一般に、各種IT資産(ハードウェアやソフトウェア)を複数のユーザーで共有して、それ をネットワーク経由で利用するという新しい情報システムの形態を指す。

ユーザーからみると、個別にIT資産を保有する必要がなくなるため、情報システムへの投 資負担を減らせるといったメリットがある。

一方、情報サービス事業者からみると、IT資産の共有化に伴って受託業務の絶対量が減少 していくため、基本的には減収要因になると予想される。もっとも、ユーザーのクラウド 導入にあたっては、初期のシステム構築やクラウド環境で利用するアプリケーションの開 発などの需要が発生するため、クラウドが急速に普及するとみられる先行き数年に限って は、これらの需要増加に伴う増収効果が期待できる。

オフショア開発 1次請け企業(もしくはユーザー企業)が、情報システムの構築業務の一部(比較的単純 だが人手の嵩むプログラミング・テスト工程など)を海外企業へ委託すること。なお、わ が国企業の場合、主たるオフショア先は中国である。

スクラッチ開発 からパッケージ ソ フ ト 活 用 へ のシフト

スクラッチ開発とは、ユーザー企業の求める情報システムを、オーダーメイドで一から開 発する手法を指す。これに対し、パッケージソフトは、多くのユーザー企業に共通して必 要な情報システムを定型化したソフトウェアであり、導入費用の削減や導入期間の短縮な どのメリットがある。わが国のユーザー企業は、独自の業務フローなどを採用できるスク ラッチ開発を好む傾向が強かったが、近年では、IT投資効率化を背景にパッケージソフト を活用する動きが広がっている。

IFRSへの 対応に伴う 需要増加

わが国において、国際会計基準IFRS(International Financial Reporting Standardsの略)を強 制適用するかどうかについての決定は、現状では2013年以降に先延ばしされる見通し。仮 2013年に適用決定となった場合、最短で20183月期頃より適用開始となる公算が大 きく、関連する情報システム導入がピークを迎えるのは20152016年頃と予想される。● sdf

ビ ッ グ デ ー タ ビジネス

従来のIT技術では管理や処理が困難であった「ビッグデータ」と呼ばれる大量かつ多様な データ(たとえばソーシャル・ネットに無数に書き込まれる商品の評価・感想など)から、

事業に役立つ新たな知見を得て、ユーザー企業の事業活動改善の支援へと結びつけるビジ ネス。同ビジネスは、①ビッグデータを収集・蓄積・処理したうえで、②そのデータを分 析し、③得られた知見をユーザー企業の事業活動に活用する、という3段階に区分される。

  (2012.12.20 岡田 翔太、西浦 秀治)

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