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提案する MNA の総合評価:実現可能性および持続性の側面から得られる考察

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2) 多国間管理における核不拡散性の評価

7.6 提案する MNA の総合評価:実現可能性および持続性の側面から得られる考察

本研究では、アジア地域(中央アジア~東アジア~東南アジア)を対象とした、MNA に ついて、タイプ A,B,C の3つのケースに分け、核不拡散(保障措置、核セキュリティなど)、 安全性、燃料サイクルサービス、ホスト国(立地国)の選定、技術へのアクセス、多国間管 理への関与の程度、経済性、輸送、賠償、政治的受容性、公衆の受容性、地政学、法規制、

ステークホールダーのインセンテイブ、産業界の参画、といった観点から検討を行った。

ここでは、本研究の考察として、前節までの記述を、実現可能性、持続可能性の観点か ら、タイプ別評価、および具体的な参加国・参加形態について、さらなる評価を行う。

タイプ A について

1)タイプ A では、次に示す理由により、3S(核不拡散(保障措置)、核セキュリティ、

安全性)の向上が見込まれる。ただし、安全、核セキュリティについては、強制力をもつ ほど強力なものにはならない。

A) ホスト国(委託事業者)と MNA による計量管理をベースとし、MNA と IAEA により 査察(検認)活動を実施する、という強力な形態の地域保障措置を実施するため。

B) 各国による「安全」に係る法規制がベースであるが、国際ガイドラインの履行に ついての AMMAO によるピアレビュー(協定による可能な範囲での実施)が行われ るため。強制力をもつものではないが(勧告レベル)、当事国の安全文化の向上 に貢献が期待できる。

C) 各国による「核セキュリティ」に係る法規制がベースとなるが、国際的な核セキ ュリティガイドラインの履行についての AMMAO によるアドバイザリーレビュー(協 定による可能な範囲での実施)、結果は強制力を持つものではない(勧告レベル)。

2)新たに、MNA 内部における核不拡散対策等のコミットメントが要求されるものの、円滑 な核燃料サイクルサービスを享受することができる。

タイプ B について

1)タイプ B では、各国が所有する核燃料施設を現状維持(所有権移管なし)の形でビジ ネスを行う。次に示す理由により、MNA 枠組みに参加により、そのビジネスは、従来に比べ、

円滑な運営が可能となる(MNA 枠組み内の核物質移動、輸送等);

A) 従来の二国間協力協定は、形式上、現状通り存続されるものの、MNA 参加国間(AMMAO との間)で、高い核不拡散要件(例えば米国との二国間協定における要件)を合

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意することにより、上記の二国間協力協定は緩和される(たとえば包括的合意)

ことが十分期待できるため。

B) 従来、国際ビジネス上、障害となる核物質輸送や輸出入管理が、MNA 参加国間(AMMAO との間)での合意により手続きの簡素化、実務での協力を図ることが可能となる ため。輸出に係る国際管理の取り決め(NSG 等)が準拠されるとともに、可能な限 り参加国間で輸出入管理基準の統一化を図ることができる。

2)タイプ B では、次に示す理由により、3S(核不拡散(保障措置)、核セキュリティ、安 全性)の向上が見込まれる。ただし、安全、核セキュリティについては、強制力をもつほ ど強力なものにはならない。

A) ホスト国(委託事業者)と MNA による計量管理をベースとし、MNA と IAEA により 査察(検認)活動を実施する、という強力な形態の地域保障措置を実施するため。

B) 各国による「安全」に係る法規制がベースであるが、国際ガイドラインの履行に ついての AMMAO によるピアレビュー(協定による可能な範囲での実施)が行われ るため。強制力をもつものではないが(勧告レベル)、当事国の安全文化の向上 に貢献が期待できる。また、原子力損害賠償はホスト国の責任でとなるものの、

MNA による補完的な賠償(保険)により補完的な措置が期待できる(サービス享受 に比例した追加的損害賠償(保険)など)

C) 各国による「核セキュリティ」に係る法規制がベースとなるが、国際的な核セキ ュリティガイドラインの履行についての AMMAO によるアドバイザリーレビュー(協 定による可能な範囲での実施)が行われるため。強制力をもつものではないが(勧 告レベル)、当事国のセキュリティ文化の向上に貢献が期待できる。

3)タイプ B では、バックエンドサービス(再処理等)を含め、輸送経費を考慮した場合に おいても、単国で実施する場合に比べ経済合理的に実施することができる(但し、再処理 する場合は、最終廃棄物は発生国に返還することが基本)。

タイプ C について

1)タイプ C では、参加国の領土に設置されている MNA が所有する施設を、コンソーシアム が委託運転する。次に示す理由により、従来に比べ、円滑な運営が可能となる(MNA 枠組み 内の核物質移動、輸送等)

A) MNA を一国(地域)として扱い、MNA 外の国(例えば米国)と MNA(AMMAO)間で、二国 間原子力協力協定を締結する。二国間原子力協力協定上の。MNA 参加国間(AMMAO との間)で、高い核不拡散要件(例えば米国との二国間協定で要求される要件)

を合意するにより、上記の二国間協定の緩和を図るため(MNA 枠組み内の核物質移 動、輸送等の活動を包括的に合意するような例外的扱いを得る)。

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B) 従来、国際ビジネス上、障害となる核物質輸送や輸出入管理が、MNA 参加国間(AMMAO との間)での厳格な合意により、手続きの簡素化、実務での協力を図ることが可 能となるため。MNA 外の国に対しては、MNA を 1 国として扱うことで対応。

2) タイプ C では、次に示す理由により、強力な3S(核不拡散(保障措置)、核セキュリ ティ、安全性)が見込まれる。

A) MNA(委託事業者)による計量管理をベースとし、MNA(AMMAO)と IAEA により査 察(検認)活動を実施する、という強力な形態の地域保障措置を実施するため。

B) 原子力安全については、国際的な安全基準を履行するため。AMMAO によるピアレビ ューでは、同基準の履行を検証するため強力な安全措置が可能。

C) 国際的な核セキュリティガイドラインを履行、AMMAO によるピアレビューでは、同 ガイドラインの履行を検証するため(NMA との二国間原子力協力協定に基づく MNA の原子力施設に対する核物質防護ピアレビューの範囲と同等以上のもの)

3)タイプ C では、バックエンドサービス(再処理等)を含め、輸送経費を考慮した場合に おいても、単国で実施する場合に比べ経済合理的に実施することができる(但し、再処理す る場合は、最終廃棄物は発生国に返還することが基本)。

4)タイプ C では、施設の所有を MNA に移管するため、サービスは円滑になされ、3S の向上 が期待できる反面、立地国の法規制に従うべきところ(安全等)と国際基準を遵守すべき ところなど、法規制が複雑となる。安全の責任が MNA に移行することにより、原子力損害 賠償に関して、MNA 加盟国が、原子力賠償に係る国際条約(例えば CSC)へ加盟するものの、

加盟国あるいはその事業者間で資金を出し合いプールする仕組みなど(各電力会社からの 支出とプール)新たな措置が必要となる。

以上、タイプ A,B,C の比較において、機微技術及び核拡散防止という観点から見れば、

理想的にはタイプ C の MNA に施設の運営を任せた形態がベストであろう。しかしタイプ C を中心とする多国間管理構想(タイプ C と A の混合)では、国家という単位を越えた MNA 活動への移行に際して、立地国の法律に従って、施設の建設・運転の許認可申請を事業者(MNA から委託された国際コンソーシアム)が立地国政府機関に対して行うことが予測される。そ の場合、安全、核セキュリティ、賠償等に関する責任の所在あるいは分担が明確になってい ることが許可を受ける重要な条件である。立地国の主権が MNA 所有施設にどのように関わる かは大きな問題点であり、周辺住民の安全、核セキュリティの確保などについて、責任分担 の決定がスムーズに行われることはあまり期待できない。また、ナショナリズムを如何に断 ち切るかが論点になる。これまで共同体形成への行動を繰り返してきたヨーロッパとは異な り、アジア地域における国家単位の原子力活動という現状から考えれば、各国家の MNA 参加 へのインセンテイブは、国家としてのビジネスを基本として考えざるをえない状況と思われ る。産業界のグローバル化が進んでいるため、MNA 管轄下において国際コンソーシアムとし てビジネスを推進することも不可能ではないが、MNA-AMMAO が、上述の安全を含む核燃料 サイクルの全運営を、責任をもって遂行するまでに至るには、法規制の調整も含め、かなり

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の議論と時間を要することが予想される。よって、実現性という観点からは、タイプ B を中 心とした形態(タイプ B および A の混合による MNA)が現実的な選択ではないかと考える。

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