2) 多国間管理における核不拡散性の評価
7.7 今後の課題
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の議論と時間を要することが予想される。よって、実現性という観点からは、タイプ B を中 心とした形態(タイプ B および A の混合による MNA)が現実的な選択ではないかと考える。
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となろう。そのためには、違反・脱退時等における、AMMAO の権限や、国際機関との連 携などより詳細に検討することが重要となる。
法規制問題についても、核不拡散(保障措置、輸出管理、核セキュリティ)原子力安 全、輸送、賠償、ホスト国(立地国)の選定、機微技術へのアクセスなど、踏み込んだ 議論を行ったが、上記同様、より具体的かつ現実的なオプションが検討さる場合は、
さらなる法規制の検討が必要となる。
法規制に関し次に示す課題が残される。保障措置:長い歴史をもつ EU におけるユーラ トム保障措置と比べ、政治、経済及び文化について多様性を有するアジアにおいて、
いかに、核不拡散担保を目指した、核物質計量管理制度及び査察制度の共通化を図る か;原子力安全及び核セキュリティ:これらは従来から国家の専権事項であり、特に 核セキュリティは、国家安全保障問題と密接に結びつくが故に秘匿化され、国家の責 任でこれを行うとの前提である。その前提において、国家主権及びナショナリズムの 枠を超えて、AMMAO と立地国の協力と連携、さらにユーラトムでさえ着手していないこ れらについての AMMAO のレビューをどう機能させるか;原子力損賠賠償:福島原子力 事故で露呈したように、一たび原子力事故が発生すればその損害は極めて多額になり、
越境損害が生じる可能性も否定できない。多数の事業者及び国家が関与する MNA 施設 の事業者及び施設国の立場からは、原子力損害賠償責任につき有限責任を導入するこ とが MNA 施設の財政基盤を確保する上で望ましい。しかし原子力事故に対し、事業者 の無限責任を規定する日本のような国が MNA に加盟することによる齟齬を如何に解消 するか;輸出管理:加盟国の輸出管理制度の統一の実現可能性はあるか;二国間原子 力協力協定:現実問題として、日本や韓国に多くの核燃料を提供し、その使用済燃料 の取り扱いにつき事前同意権を有する米国から、いかに要件の緩和を引き出すことが できるか、以上の課題についての、個別具体的に検討する必要がある.
枠組みの有効な活動のため AMMAO 本部・事務局及び監視センター(地域保障措置部門、
安全部門、核セキュリティ部門)施設の立ち上げ、人材及び設備の確保が必要であり、
そのため初期費用及び継続的な費用の算出とこれを賄える財政基盤の確立が課題とな る。
今回の研究では、濃縮ウラン燃料供給と使用済燃料の貯蔵、再処理に係るサービスの 提供に焦点を置き、回収された最終廃棄物については毒性低減化について言及した。
しかし、将来的には、それ以外にも、回収ウランの再利用、MOX の利用方法(短期的、
長期的観点)などについても含めた検討が必要である。使用済燃料の貯蔵に関しては、
移行先を最終処分場にしない、最終的には発生国に戻すという考え方が必要である。
そのためには、最終廃棄物である高レベル廃棄物の放射能低減化を枠組み内にて共同 で取り組むことなどが重要な課題となる。また、枠組み内における、最終廃棄物の毒 性(放射能)低減化に係る技術開発協力の方法、それに伴って回収される長半減期 FP 核
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種やアクチニド核種の燃焼方法(技術、実務)などについても検討課題として残るこ とになる。
本研究においては、フロントエンドについての潜在的な加盟国候補として、ウラン採 鉱、精錬:カザフスタン、ロシア、中国 (将来期待される国:モンゴル)、転換:ロシ ア、中国、ウラン濃縮:ロシア(ロシア国内施設使用カザフスタン)、日本、中国、再 転換、燃料製造:カザフスタン、ロシア、日本、韓国、中国とし、また、バックエン ドの潜在的な加盟国候補としては SF 貯蔵:ロシア、カザフスタン、SF 再処理:ロシア、
日本、中国(将来期待される国:韓国、カザフスタン)、MOX 貯蔵:ロシア、日本、中国 (将来期待される国:韓国、カザフスタン)、SF 処分:加盟国、そして原子炉加盟国候 補としては、原子力先進国、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシアとして検討 を行った。これらは、あくまで現状解析や学術関係者レベルにおける意見交換、およ び状況の解析によって推定した、「潜在的に可能性のある国」という扱いであり、今 後、政治が絡んだ、より現実的な議論となった場合など考えれば、多くの不確定要素 を含むものと思われる。
今後は、それぞれの要素事業に対して、ホスト国(立地国)やパートナー国を想定し、
資金調達や出資比率、リスクの分配、コスト配分を考慮した評価モデルを構築するこ とも今後の課題であると考える。
経済性については、本研究では、規模の経済と輸送コストに重点を置いた。前者では、
多国間管理と一国管理のそれぞれの枠組みの比較において、再処理コストの規模の経 済と使用済燃料の輸送コストに注目し、経済性評価に関する一般的な議論を行った。
これは、直接処分をオプションから除外していないものの、核不拡散上、長期的な観 点から見た直接処分の問題を重要視し、あえて一国で小規模再処理をおこなう場合と 多国で大規模再処理を行う場合の比較に焦点を置いた。しかし実際は、直接処分オプ ションを選択する国もあり、最終廃棄物の返還コスト、処分コストも含めた再処理(輸 送あり)、使用済燃料処分費を含む使用済燃料直接処分(輸送無)の比較を併せて行 うことが重要と考える。また、多国間管理枠組みにおけるサイクルコストは、主体を 特定せずに枠組み全体のコストとして求めたため、ホスト国やパートナー国を設定せ ずに分析を行った。そこで、多国間枠組みに参加するそれぞれの国の立場においてサ イクルコストを算出することで、実際の一国管理、もしくは部分多国間管理の枠組み におけるコストを算出することが今後の課題としてあげられる。他にも多くのファク ター(例えば中間貯蔵の経費、港湾や鉄道橋等整備や設備利用に係るコスト、また回 収ウラン利用によるコスト(低減化))が存在するため、今後より慎重な検討が必要 である。
MNA 実現に向けた留意点としては、産業界が実際参加する必要があり、そのためには、
MNA 参加へのインセンテイブを高める材料を提供すること、経済合理性について、より 詳細な検討が重要となる。
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多国間管理枠組みの構築においては、ホスト国(立地国)やパートナー国が、各々の事 業において、どのようにコストを配分するかが重要な問題となる。すなわち、ホスト・
パートナ両者に、経済的なインセンティブを持たせることで、一国管理ではなく多国 間管理の枠組み参加への魅力が生じる。そこで、それぞれの事業に対して、ホスト国(立 地国)やパートナー国を想定し、資金調達や出資比率、リスクの分配、コスト配分を考 慮した評価モデルを構築することも今後の課題であると考える。
本研究では、既存ルートを使用したものではないことから、現状において核物質を輸 送することは困難であることが考えられる。今後、本稿で想定する多国間管理枠組み を構築していく中で、ユーラシアランドブリッジによる核物質の輸送に関する法規制 の構築や改訂が必要であると考える。輸送以外の各要素(事業)のコストについても、
より注意深い検討が今後必要であろう。
輸送ルートとしては、イ)カザフスタンからヨーロッパロシアを陸路で横断し、ロシア のサンクトペテルスブルグを積み出し港として、スエズ運河、マラッカ海峡経由のル ートで原子力新興国に対して輸出を行うルート、ロ)カザフスタンからサンクトペテル スブルグまでのルートはイ)と同一、そこから北海、バレンツ海、北極海を経由、ベー リング海峡を抜けて極東海域に至り、原子力新興国に対して輸出を行うルート、ハ)カ ザフスタンからロシアの極東港まで陸路にて輸送し、極東港から原子力新興国に対し て輸出を行うルート、ニ)カザフスタンから中国本土経由、陸路で中国国内を横断、連 雲港から積み出すルート(ユーラシアランドブリッジ)、について検討し優劣等比較 を示すことができた。しかし、ロシア、カザフスタンの例にみられるように、より現 実的な検討に際しては、港湾や輸送ルートにおける公衆の受容性が大きな障害となる ことが予想される。
多国間枠組みの実現に当たっては、輸送を筆頭に各事業における公衆受容性が大きな 関門となろう。たとえ地域における政府間での基本合意が得られたとしても、公衆の 受容性はそれを越えた問題として残る。特に放射性物質を取扱う多国間枠組みでは、
他国の核物質、特に他国で発生した使用済み燃料が自国領域を通過し、自国で再処理 される場合、また、他国への輸送として自国領土を使用済燃料が通過すること使用済 燃料中間貯蔵で保管を行うことに対し、公衆が容易に受け入れないことも想定される。
核不拡散性、技術的成立性、経済的成立性等に加え、公衆受容性など社会的成立性が 本構想実現において不可避のファクターとなる。この分野における研究は重要である。
枠組みの実現に向けては、APEC 等、既存の枠組みを土台にするか、新たな枠組みを少 数の国間で開始し拡大するかという選択肢があるが、これについては政治的な要素が 強いため本検討外としたが、現実には、どのような形で MNA 議論を具体化するかにお いては、重要な課題であろう。
ナショナリズム的な問題や国際関係論(国際政治)については、ほとんど触れなかっ たが、実現に際しては重要な課題となろう。この意味でもタイプ B にみられる各国ベ